JP2981754B2 - 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体 - Google Patents

血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体

Info

Publication number
JP2981754B2
JP2981754B2 JP2024007A JP2400790A JP2981754B2 JP 2981754 B2 JP2981754 B2 JP 2981754B2 JP 2024007 A JP2024007 A JP 2024007A JP 2400790 A JP2400790 A JP 2400790A JP 2981754 B2 JP2981754 B2 JP 2981754B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xiii
blood coagulation
latex
antibody
monoclonal antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2024007A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03228690A (ja
Inventor
隆 松本
弘和 矢後
道生 松田
重治 照喜名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd filed Critical Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Priority to JP2024007A priority Critical patent/JP2981754B2/ja
Publication of JPH03228690A publication Critical patent/JPH03228690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981754B2 publication Critical patent/JP2981754B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は血液凝固第XIII因子に対するモノクロナール
抗体、これを産生するハイブリドーマ、これを用いる血
液凝固第XIII因子の免疫学的測定法及びこれに用いる測
定用試薬に関する。
〔従来の技術及びその課題〕
血液凝固第XIII因子(以下、単に「XIII」という)は
フィブリン安定化因子ともよばれ、通常は不活性な前駆
体として主として血漿中に存在する他、血小板、胎盤及
び血管内皮にも存在する。その生理機能としては、血液
の凝固過程の最後の場において酵素トロンビンがフィブ
リノゲンに働いて生成するフィブリン同士を互いに結合
させることにある。詳細には、トロンビンはフィブリノ
ゲンをフィブリンに転換させると共に前躯体XIIIを活性
化型に転化させる。活性型XIIIはトランスグルタミナー
ゼとしてフィブリン間においてクロスリンク(グルタミ
ン酸とリジンの間のイソペプチド結合による)を触媒し
フィブリンポリマー(クロスリンクフィブリン)を形成
させる、凝固機転はこれで完結し止血血栓が形成され
る。同時に、活性型XIIIは生理的に主要なフィブリン分
解酵素であるプラスミンのインヒビターであるαプラ
スミンインヒビターもクロスリンクさせ止血血栓の早期
の分解を防いでいる。更に、出血部位でフィブリンとコ
ラーゲン、フィブロネクチン間のクロスリンクにも関与
しフィブリンマトリックスの形成を促進させることによ
り創傷治癒に大きな役割を果たしている。ところでXIII
は触媒活性を持つaサブユニットとaサブユニットのキ
ャリアー及び保護若しくは活性化調整因子的に作用する
bサブユニットからなり、血漿中ではa、b夫夫のサブ
ユニットが二量体を形成し、且つ夫夫が非共有結合的複
合体a2b2として存在する他、遊離のb2も存在する。これ
に対し血小板、胎盤のXIIIはa2として存在している。XI
IIの先天的欠損症は極めて稀であるが、後天的に減少す
る疾患として、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、慢性
腎不全、悪性腫瘍、肝実質障害が挙げられる。これら疾
患においては出血傾向を辿ることもあり、XIIIの血中濃
度の測定は臨床検査として重要である。更に最近、胎盤
由来のXIIIがXIIIの低下に基づく創傷治癒不全の治療薬
として使用され、著効をあげているが、この場合はXIII
の血中濃度が70%以下に低下した場合にのみ使用するこ
とが義務付けられていることから迅速、簡便しかも正確
に定量できる測定法が望まれていた。
現在、XIIIを測定する方法として、半定量法としては
ラテックス凝集法、フィブリンクロット溶解法、中和抗
体法、受け身赤血球凝集法が挙げられ、定量法としては
モノダンシルカダベリン取り込み法、ローレル法等が挙
げられる。しかし、これらの測定法は、肉眼判定のため
正確性に問題があったり、多量の試料を必要としたり、
反応に時間を要する等の欠点があり、迅速、簡便しかも
正確に定量できるXIIIの測定法が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記実情に鑑み、本発明者らは前記課題を解決すべく
鋭意研究を重ねた結果、細胞融合技術を利用することに
よりXIIIのaサブユニットに特異的なモノクロナール抗
体が得られ、これを用いることによって迅速、簡便しか
も正確にXIIIを定量できる免疫学的測定法を見出し完成
した。
すなわち、本発明は、ヒト血漿から精製された血液凝
固第XIII因子a2b2複合体を免疫した動物の抗体産生細胞
と動物の骨髄腫細胞を融合して得られるハイブリドーマ
22201(FERM P−10962)、22208(FERM P−10963)
又は22214(FERM P−10964)から産生されたものであ
って、血液凝固第XIII因子のaサブユニットを認識し、
かつラテックスに固定させることにより、血液凝固第XI
II因子a2b2複合体との間で抗原抗体反応に基づく凝集反
応を起こすことのできる血液凝固第XIII因子に対するモ
ノクロナール抗体、これを産生する上記いハイブリドー
マ、該モノクロナール抗体を用いることを特徴とするXI
IIの免疫学的測定法、及び該モノクロナール抗体を用い
るXIII測定要試薬を提供するものである。
XIIIのaサブユニットを認識するXIIIに対するモノク
ロナール抗体を産生するハイブリドーマは、例えばケー
ラーとミュルンシュタインの方法(Khler and Milst
ein:Nature,256,495,1975)によって調製することがで
きる。この方法は、次の3工程からなる。
精製XIIIを用いて免疫した動物から抗体産生細胞の
採取 抗体産生細胞と骨髄腫細胞との融合 融合細胞(ハイブリドーマ)から目的とするモノク
ロナール抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングとク
ローニング 工程におけるXIIIの精製は通常の蛋白質の精製法に
より行なうことができる。例えば、ヒト血漿の低濃度の
硫安による分画、熱処理によるフィブリノーゲンの変
性、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過法によ
り精製することができる。精製XIIIの免疫動物として
は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒツジなど
が例示されるが、マウス、特にBALB/cが好ましい。免疫
法は、アジュバンドとしてフロイントアジュバンド結核
死菌、核酸、ミョウバン等を用い、腹腔内もしくは皮下
投与によって行なわれる。投与回数は1回でもよく、必
要に応じて適当な間隔で2〜3回投与しても良い。免疫
動物の抗体価が上昇したら最終免疫から3〜10日後にそ
の動物の抗体産生細胞を採取する。抗体産生細胞として
は、脾臓、リンパ節、末梢血液等から分離した細胞など
が使用できるが、特に脾臓が好ましい。
工程に使用する骨髄腫細胞は、特に限定されず、多
くの哺乳動物の細胞株が利用できるが、抗体産生細胞の
調製に用いた動物と同種の動物の細胞株すなわち、マウ
ス骨髄腫細胞を使用するのが好ましい。特に好ましい骨
髄腫細胞としてはSP2/OAg14、P3−NS1/1Ag4.1、PuBu1−
Ou、P9X63.Ag8U1,X63−Ag8.653等を例示することができ
る。細胞の融合は、抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを適当
な個数及び割合、例えば1:10〜1:1×107〜8個で混合
し、適当な細胞融合培地、例えばRPMI1640やMEM培地中
で50%ポリエチレングリコール(分子量1000〜6000程
度)を用いて行なうことができる。またポリエチレング
リコールを用いる方法の他、電気融合法(U.Zimmermann
and G.Pilwat,Naturwissenschaften,68,577,1981)を
用いる方法によっても細胞融合を行なうことができる。
工程における抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングは、骨髄腫細胞としてSP2/OAg14を用いた場
合は、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプリテン及び
チミジンを含有する培地)で培養することによりハイブ
リドーマのみを生育させて行なうことができる。スクリ
ーニングは、一般的にはマイクロタイタープレートを用
いた酵素結合免疫測定法(ELISA)を用いる。この方法
によれば、ハイブリドーマをHAT培地中で培養した培養
上清(ハイブリドーマ由来の抗体を含む)XIIIをマイク
ロタイタープレート内で反応させ生理食塩水等で洗浄
し、適当に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗
マウスIgG抗体を反応させ、さらに洗浄後、適当な基質
を加え、反応させることによりXIII因子と反応する抗体
を産生するハイブリドーマを選択することができる。
また選択したハイブリドーマを単クローン化する方法
としては、FACS(Fluorescent Activated Cell Sorte
r)を用いる方法やSoft Agar等による方法等があるが、
好ましくは、例えばフィーダー細胞としてマウス胸腺細
胞を用いて、限界希釈法に数度かけることにより単いク
ローン化したハイブリドーマとする方法が好ましい。
本発明のモノクロナール抗体の調製は、単クローン化
した上記のハイブリドーマをマウス腹腔内で培養する
か、または適当な培地中で培養することにより実施され
る。たとえばマウス腹腔内で培養する場合であれば、あ
らかじめプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタ
デカン)を腹腔内に注射した後、所望のハイブリドーマ
を腹腔内に投与し適当な期間飼育する。ハイブリドーマ
の投与によりマウスの体内にハイブリドーマによる腫瘍
が形成され、それに伴い腹水中に高濃度に本発明モノク
ロナール抗体が産生されてくるので、この腹水を採取す
れば本発明モノクロナール抗体を得ることができる。
採取した腹水や培養液中の本発明モノクロナール抗体
は、そのままでも使用可能であるが、例えば硫安分画
法、イオン交換クロマトグラフィー法、プロテインA結
合担体等により高度に精製して用いることがより好まし
い。
こうして得たモノクロナール抗体はウエスタンブロッ
ティング法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.76,3116,197
9)により特異性が確認できる。
本発明モノクロナール抗体を用いて通常の免疫学的測
定法を実施すれば、XIIIが迅速、簡便かつ正確に定量さ
れる。
本発明モノクロナール抗体を適用することができるXI
IIの免疫学的測定法としては、特に限定されないが、例
えばラテックス凝集反応を利用する粒度分布解析ラテッ
クス免疫測定法、及び酵素標識抗体とマイクロプレート
吸着抗体を利用する酵素免疫測定法が挙げられる。
粒度分布解析ラテックス免疫測定法は、ポリスチレン
ラテックス等のラテックスに感作した抗体と遊離の抗原
との抗原抗体反応に基づいて形成されたラテックス凝集
体の大きさと個数とを分析し、未凝集のラテックスと凝
集ラテックスの比をとることによって抗原濃度を算出す
る方法である(Thromb.Res.,50,469,1988)。
この方法に用いられるポリスチレンラテックスとして
は粒径が均一であることが条件であるが、そのサイズと
しては1μ程度であることが望ましい。またモノクロナ
ール抗体としてはIgGでもよいが非特異的凝集を防止す
るためにF(ab′)が好ましい。この測定法を実施す
るにあたっては、本発明モノクロナール抗体を感作した
ラテックスを含有する試薬を予め作成しておくのが好ま
しい。
酵素免疫測定法は、固相に結合した抗体及び酵素で標
識した抗体と抗原を反応させ、両方の抗体に結合した抗
原の量を酵素活性で表す方法である(石川栄治ら、「酵
素免疫測定法」医学書院刊)。
この測定法に用いる標識酵素としてはペルオキシダー
ゼ、βガラクトシダーゼ、アルカリフォスフォターゼ等
が代表的であり、酵素と抗体の架橋方法としてはグルタ
ルアルデヒド法、過沃素酸法、ピリジル・ジスルフィド
法、マレイミド法等を用いることができる。吸着するモ
ノクロナール抗体としてはIgGでもよいが夫々の方法に
適した状態、例えばF(ab′)、Fab′等に処理して
使用することが好ましい。マイクロタイタープレートと
してはポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等
が使用できる。
この測定方法を実施するにあたっては、酵素で標識さ
れた本発明モノクロナール抗体とマイクロプレートに吸
着された本発明モノクロナール抗体を含有する試薬を予
め作成しておくのが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 モノクロナール抗体及び産生ハイブリドーマ
の確立 (1) 抗原の精製 XIIIはシュワルツらの方法(Schwartz et.al.,J.Bio
l.Chem.,246,5851,1971)を若干変更した方法を用いて
ヒト血漿から精製した。すなわち、まずヒト血漿1.6
に140mlの飽和硫安を加えてよく攪拌した後、1時間低
温に放置した。生じた沈澱を10000r.p.m.20分間の遠心
によって集め、1mMのEDTAを含む50mMトリス−塩酸緩衝
液pH8.0(以下トリス−EDTA)300mlに溶解し、56℃で3
分間加熱処理した。これを氷冷した後、生じたフィブリ
ノーゲンの変性物を6000r.p.m.10分間の遠心によって除
いた。遠心上清をトリス−EDTAで平衡化したQ−セファ
ロース(ファルマシア,スウェーデン)のカラム(3×
20cm)にアプライし、吸着した蛋白質を塩化ナトリウム
の0から0.3Mの直線濃度勾配で溶出した。これを抗XIII
抗血清(ヘキスト,西ドイツ)を用いたオクタロニー氏
法によりXIIIを同定した。次いでXIIIの溶液を集め、等
量の飽和硫安を加えてXIIIを沈澱させた。10000r.p.m.2
0分間の遠心でこの沈澱を集め5mlの0.5M塩化ナトリウム
を含むトリス−EDTAに溶解した。次いでこれを0.5M塩化
ナトリウムを含むトリス−EDTAで平衡化したセファクリ
ルS300(ファルマシア,スウェーデン)のカラム(2.6
×100cm)にアプライし、ゲル濾過した。溶出物をオク
タロニー氏法で同定した。更に、SDS4〜20%ポリアクリ
ルアミド グラジエントゲル電気泳動(4/20PAGEプレー
ト,第一化学)法により混在物のないXIIIを集めた。グ
リセリンを加えて終濃度50%として少量ずつ分注し、−
20℃に保存した。
(2) マウスへの免疫 雄性BALB/cマウス(7もしくは9週齢)を用い次に示
す方法、スケジュールで免疫した。すなわち、まず初回
免疫として不完全フロインドアジュバント100μに50
μgのXIIIを懸濁させ腹腔内に投与した。18日後、ブー
スターとして不完全フロインドアジュバント100μに5
0μgのXIIIを懸濁させたものを腹腔内に投与した。最
終免疫としてブースターの18日後同様に不完全フロイン
ドアジュバント100μに50μgのXIIIを懸濁させたも
のを腹腔内に投与した。更に7日後、200μのリン酸
緩衝生理食塩水(PBS)に50μgのXIIIを溶解し尾静脈
に投与し最終免疫とした。
(3) 細胞融合 最終免疫から3日後、マウスから脾臓を摘出しRPMI16
40培地中でよくほぐした。これを1500r.p.m.で5分間遠
心にかけ、細胞を集め、更に2回、同培地で洗浄、遠心
した。最終的に同培地2mlを加え108個の脾細胞浮遊液を
得た。これとRPMI1640で洗浄したマウスSP2/OAg14系ミ
エローマ細胞107個とを混合した後に1500r.p.m.で5分
間遠心した。細胞をよくときほぐした後、50w/vのポリ
エチレングリコール1540を含むRPMI1640 0.5mlを徐々に
加え静かに1分間揺動した。これにRPMI1640 10mlを徐
々に加えて反応を停止し、1500r.p.m.で5分間遠心し
た。得られた細胞をRPMI1640で1回洗浄後、10%牛胎児
血清(FCS)を含むRPMI1640 30mlに浮遊し、96穴マイク
ロカルチャープレート3枚に1ウエル当たり0.1mlずつ
分注して37℃7%炭酸ガス培養器中で培養した。1日、
2日、3日後にそれぞれ0.1mlのHAT培地(10-4Mヒポキ
サンチン、4×10-7Mアミノプリテン、1.6×10-5チミジ
ン及び10%FCSを含むRPMI1640)を追加し10日後、全て
のウエルで融合細胞の増殖を観察した。
(4) 抗XIII抗体産生ハイブリドーマの選択とクロー
ン化 抗XIII抗体産生ハイブリドーマの選択のため培養上清
中の抗体濃度をELISA法で測定した。すなわちXIII濃度
が1μg/mlとなるようにPBSで希釈調製し50μ/ウエ
ルの割合でマイクロタイタープレートに分注し4℃で一
夜放置した。これを1%牛血清アルブミン−0.05%ツイ
ーン20を含むPBS pH7.2(BSAPBS)で3回洗浄後、各ウ
エルの培養上清50μを加えて37℃で1時間インキュベ
ートした。次いでPBSで3回洗浄後、BSAPBSで1000倍に
希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスFcフラグメント
抗体(ヤギ,バイオ−イエーダ,イスラエル)を50μ
加えて、37℃で1時間インキュベートした。これをPBS
で3回洗浄後、0.2%オルトフェニレンジアミン、0.02
%過酸化水素水を含むクエン酸−リン酸緩衝液pH5.0を
加え、室温で30分反応せしめ4.5M硫酸50μを加えて反
応を停止した。この後550nmにおける吸光度の高いウエ
ルを選択した。
単クローン化は限界希釈法により行なった。すなわち
フィーダー層としてBALB/cマウスの胸腺細胞を1ウエル
当たり106個/0.2mlずつ分注した96穴マイクロカルチャ
ープレートに、特異抗体陽性ウエル中のハイブリドーマ
を10個/mlとなるように希釈したものを0.1mlずつ分注し
た。培地は初回はHT培地(10-4Mヒポキサンチン、1.6×
10-5Mチミジン及び10%FCSを含むRPMI1640)を、2回目
以降は、10%FCSを含むRPMI1640を用い、37℃、7%炭
酸ガス培養器中で10日間培養した。培養の結果多数の特
異抗体産生ハイブリドーマの増殖を認めた。その後、前
述のELISA法による特異抗体陽性ウエルの選択及び限界
希釈法による単クローン化の操作を各3回繰り返した。
その結果抗XIIIモノクロナール抗体産生ハイブリドーマ
3株が確立された。
得られたハイブリドーマは、22201、22208及び22214
と命名し、工業技術院微生物工業技術研究所に各々寄託
番号、微工研菌寄第10962号(FERM P−10962)、第1096
3号(FERM P−10963)、第10964号(FERM P−10964)と
して寄託した。
(5) モノクロナール抗体の分離及び精製 前処理として8週齢のBALB/cマウスの腹腔内に0.5ml
のプリスタン(アルドリッチ,U.S.A.)を投与した。8
日後0.5mlのRPMI1640に浮遊したハイブリドーマ4〜15
×105個をこのマウスの腹腔内に投与した。投与後9日
目から腹水を繰り返し採取した。得られた腹水は3000r.
p.m.で10分間遠心分離を行ない、細胞等の不溶物を除去
した。上清部分に等量の飽和硫酸アンモニウム溶液を攪
拌しながら添加し、一夜、4℃に放置して得られた沈澱
を3000r.p.m.で30分間遠心分離を行ない、回収した。沈
澱は30mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解、透析
した。同緩衝液で平衡化したDEAE−セファセル カラム
(ファルマシア,スウェーデン)に透析内容物を吸着さ
せた後、塩化ナトリウムの0M〜0.25Mの直線濃度勾配に
より溶出させ精製抗体を得た。
(6) 抗体のクラス、サブクラスの決定 3種の精製したモノクロナール抗体について、モノAb
−ID EIAキット(ザイムド ラボラトリーズ,U.S.A.)
を用いてクラス、サブクラスを決定した。結果を表−1
に示す。
実施例2 aサブユニット特異性の確認 実施例1に示したモノクロナール抗体のサブユニット
特異性をウエスタン・ブロット法(日本免疫学会編 免
疫実験操作法 第11巻 3745ページ)によって決定し
た。すなわち、まず4−20%ラウリル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミド グラジエント ゲル(SDS−PAGE
プレート4/20,第一化学薬品)の各ウエル当たりにXIII
を1μgずつアプライし30mA/プレートの定電流で2時
間、電気泳動した。泳動後、陽極側にニトロセルロース
膜(Trans−Blot Transfer Medium,バイオラッド,U.S.
A.)を陰極側にアクリルアミドゲルを乗せ、30Vの定電
圧で4時間転写した。転写後、ニトロセルロース膜をBS
APBSに浸し4℃で一夜放置した。アクリルアミドゲルは
クマシーブリリアントブルーにより蛋白質の染色を行な
った。ニトロセルロース膜は陽極から陰極方向に3mm幅
の短冊状に切断し、切断膜を7μg/mlに調製した各々の
モノクロナール抗体溶液に浸し、室温で1時間振盪し
た。次いで0.05%ツイーンを含むPBS(PBST)で4回振
盪しながら洗浄した。その後500倍に希釈したペルオキ
シダーゼ標識抗マウスFcフラグメント抗体溶液に浸し、
室温で1時間振盪した。PBSTで同様に4回洗浄し更に、
蒸留水ですすいだ後、0.025%ジアミノベンチジン−0.0
2%過酸化水素水を含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
6)の溶液に浸した。この後室温で20分間反応させ、蒸
留水でよく洗浄した。対照として用いた蛋白染色による
移動度との比較からaサブユニットを認識するモノクロ
ナール抗体を確認した。このウエスタン・ブロック像を
図−1に示す。
実施例3 ラテックス粒子を用いた血漿中XIIIの測定: サブユニット特異的モノクロナール抗体を用い血漿中
のXIIIを測定する方法として、粒度分布解析ラテックス
免疫測定法(Sakai et.al.,Thromb.Res.,50,469,1988)
により測定した。
すなわち、以下の(1)〜(4)の工程により測定し
た。
(1) モノクロナール抗体F(ab′)フラグメント
の調製 各モノクロナール抗体溶液を50mM酢酸緩衝液(pH4.
0)に透析した後、蛋白濃度を1mg/mlに調製した。次い
でペプシン(シグマ,U.S.A.)を重量比で10%となるよ
うに抗体溶液に添加し、37℃で5時間反応させた。この
反応液のpHを8.0とした後、50mMグリシン緩衝液(pH8.
0)(以下、GBと略す)で平衡化したセファデックス−G
25カラム(ファルマシア,スウェーデン)を通しF(a
b′)フラグメントを得た。
(2) 感作ラテックスの調製 粒径1μのポリスチレン ラテックス(日本合成ゴ
ム)の1%懸濁液1mlに、GBで100μg/mlに調製されたF
(ab′)21mlを加え、氷冷下に2時間静置した後、1000
0r.p.m.20分間遠心しラテックスの沈澱を得た。次いで
1.5%BSAを含むGB1mlでよくときほぐした後、2時間氷
冷下に静置した。同様の遠心によりラテックスの沈澱を
得、0.2%BSA−0.005%ツイーン80−10%シュークロー
スを含むGB1mlでよくときほぐした後、37℃で1時間静
置した。この後12000r.p.m.20分間の遠心でラテックス
の沈澱を得た。この沈澱物を0.2%BSA−10%シュークロ
ースを含むGB3.3mlでよくときほぐし、12000r.p.m.20分
間の遠心でラテックスの沈澱を得た。再度この沈澱物を
0.2%BSA−10%シュークロースを含むGB3.3mlでよくと
きほぐし感作ラテックスとした。
(3) 測定方法 0.2%BSA−2%塩化ナトリウムを含むグリシン緩衝液
pH7.8(希釈液)で正常人プール血漿を希釈し、21倍希
釈を100%とする0〜200%の濃度系列を作成した。各希
釈血漿50μを試験管にとり感作ラテックス50μを加
えて37℃で10分間反応させた。3mlのGBを加えて反応を
止め、その25μを5mlのISOTON II(日科機製)で更に
希釈し測定試料液とした。コールターカウンターZBIと
コールターチャネライザーC1000(コールター エレク
トリック,U.S.A.)によって粒度分布を解析し、データ
解析プログラムを搭載したコンピューターにより未凝集
ラテックスと凝集ラテックスの相対的体積比を演算し自
動的に濃度−凝集度比を算出した。図−2に夫夫のモノ
クロナール抗体(及びその組み合わせ)による濃度−凝
集度比曲線(検量線)を示す。
(4) 実検体の測定 抗XIIIモノクロナール抗体として22214感作ラテック
スを用いて正常人検体10例、汎発性血管内凝固症候群、
肝障害を含む患者検体18例を測定した。結果を表−2に
示す。
実施例4 酵素免疫測定法によるXIIIの測定: (1) ペルオキシダーゼによる抗体の標識 抗体の標識酵素としてペルオキシダーゼを用い、中根
らの方法(P.Nakane et.al.,J.Histochem,22,1084,197
4)に従って標識した。すなわち22208のF(ab′)
8mg/mlとし、その2mlを0.1Mリン酸緩衝液pH6.0−1mM ED
TAに一夜透析し、0.2Mメルカプトエチルアミン200μ
を添加した。次いで37℃で90分、還元反応せしめセファ
デックスG25のカラムでゲル濾過しFab′を得た。ペルオ
キシダーゼ(東洋紡)4mgを1mlの水に溶解し、0.1M NaI
O40.2mlを加え、室温で20分間反応せしめる。反応終了
後1mM酢酸ナトリウム緩衝液に透析し0.2M炭酸ナトリウ
ム緩衝液にてpHを9〜9.5に調整した後、5mgのFab′を
添加し室温で2時間反応させた。更に4mg/mlのNaBH40.1
mlを加え、4℃2時間放置後、ウルトロゲルAcA44(LK
B)を用いたゲル濾過を行ない、280nm及び405nmの吸光
度より酵素標識抗体のピークを集め濃縮保存した。
(2) 抗XIIIモノクロナール抗体吸着プレートの作成 22214のIgGを10mMリン酸緩衝生理食塩水(以下PBS)
で希釈し1μg/mlとした。この50μをマイクロタイタ
ープレートの各ウエルに分注し、4℃で一夜放置した
後、未反応液を吸引除去し、各ウエルを250μずつ3
回1%BSA−0.05%ツイーン20を含むPBSで洗浄した。洗
浄後は、水分を振り切り表面が乾燥しないように覆い低
温室に保存した。
(3) XIIIの測定 酵素標識抗体として22208をマイクロタイタープレー
トへの吸着抗体として22214を用い下記の方法によりXII
Iを測定した。
すなわち、5.6mA280に調製された酵素標識抗体を50μ
/ウエルの割合で加えた。あらかじめBSAPBSで希釈さ
れたXIII溶液(1000、100、10、1、0.1ng/ml)を50μ
/ウエルで加え、37℃で1時間抗原抗体反応を行なっ
た。反応液を吸引除去した後、各ウエルを200μのPBS
で3回、蒸留水で3回洗浄した。0.2%オルトフェニレ
ンジアミン−0.02%過酸化水素水を含むクエン酸−リン
酸緩衝液pH5.0を50μ/ウエルで加え、室温で30分
間、酵素反応を行なった。1N硫酸を50μ/ウエルで加
え反応を停止し、600nmを対照に500nmの吸光度を測定し
た。図−3に結果を示す。
〔発明の効果〕
本発明モノクロナール抗体は、XIIIのaサブクラスを
特異的に認識する抗体であり、これを用いる免疫学的測
定法によって迅速、簡便かつ正確にXIIIを定量すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図−1は実施例2のウエスタン・ブロッティングを示す
図であり、図−2は実施例3の粒度分布解析ラテックス
免疫測定法による濃度−凝集度比曲線を示す図であり、
図−3は実施例4の酵素免疫測定法によるXIIIの吸光度
の測定結果を示す図面である。 1:XIII蛋白染色 2:抗体番号22201 3:抗体番号22208 4:抗体番号22214
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 特開 平1−279898(JP,A) 特開 昭63−184061(JP,A) Thromb.Res.50(1988) p.469−479 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト血漿から精製された血液凝固第XIII因
    子a2b2複合体を免疫した動物の抗体産生細胞と動物の骨
    髄腫細胞を融合して得られるハイブリドーマ22201(FER
    M P−10962)、22208(FERM P−10963)又は22214
    (FERM P−10964)から産生されたものであって、血
    液凝固第XIII因子のaサブユニットを認識し、かつラテ
    ックスに固定させることにより、血液凝固第XIII因子a2
    b2複合体との間で抗原抗体反応に基づく凝集反応を起こ
    すことのできる血液凝固第XIII因子に対するモノクロナ
    ール抗体。
  2. 【請求項2】ラテックスに固定させることにより血液凝
    固第XIII因子a2b2複合体との間で抗原抗体反応に基づく
    凝集反応を起こすことのできる血液凝固第XIII因子に対
    するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ2220
    1(FERM P−10962)、22208(FERM P−10963)又は
    22214(FERM P−10964)。
  3. 【請求項3】請求項1記載のモノクロナール抗体を用い
    て、ラテックス凝集反応を利用する粒度分布解析ラテッ
    クス免疫測定法により行うことを特徴とする血液凝固第
    XIII因子の免疫学的測定法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のモノクロナール抗体を感作
    したラテックスを含有することを特徴とする血液凝固第
    XIII因子の粒度分布解析ラテックス免疫測定用試薬。
JP2024007A 1990-02-02 1990-02-02 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体 Expired - Fee Related JP2981754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2024007A JP2981754B2 (ja) 1990-02-02 1990-02-02 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2024007A JP2981754B2 (ja) 1990-02-02 1990-02-02 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03228690A JPH03228690A (ja) 1991-10-09
JP2981754B2 true JP2981754B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=12126500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024007A Expired - Fee Related JP2981754B2 (ja) 1990-02-02 1990-02-02 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981754B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108409863B (zh) * 2017-02-10 2023-09-26 上海仁会生物制药股份有限公司 抗凝血因子xi抗体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Thromb.Res.50(1988)p.469−479

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03228690A (ja) 1991-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3517754B2 (ja) 抗ヒト可溶性フィブリン抗体,ハイブリドーマ及び免疫学的測定法
KR910008637B1 (ko) 심근 미오신 중사슬에 대한 단일클론항체
JPH10287700A (ja) 活性型マトリライシン(mmp−7)に対する抗体及びそれを用いた免疫学的測定法
JP2949467B2 (ja) 免疫学的測定法によるヒトプロマトリックスメタロプロテアーゼ7の定量
JP2981754B2 (ja) 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体
JP3307422B2 (ja) ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法
EP0205177B1 (en) Method of assaying myosin light chain
JPH07238099A (ja) モノクローナル抗体及びこれを用いる免疫学的測定法
JPH0644876B2 (ja) 抗トロンビン・アンチトロンビン3複合体モノクローナル抗体、及びその製造方法、並びにそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の免疫定量法、及びそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の精製方法
NO172084B (no) Monoklonalt antistoff, anvendelse derav samt reagenssystem for immunologisk bestemmelse av fritt protein s og c4bp-protein s kompleks
JP2864219B2 (ja) 遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法
US5827673A (en) Method of detecting myocardial infarction
WO1998029560A1 (fr) Anticorps monoclonal contre la collagenase 3 et procede de dosage immunologique utilisant cet anticorps
JP3018111B2 (ja) モノクローナル抗体及びアシアログリコプロテインレセプターの測定法
JPH06205692A (ja) 新規な抗ヒトトロンボモジュリンモノクロ−ナル抗体およびその抗体を用いたヒトトロンボモジュリンの高感度測定方法
JP4215462B2 (ja) 非グリコシル化ヘモグロビン、グリコシル化ヘモグロビンに特異的に結合するモノクローナル抗体の製造方法
JP2742886B2 (ja) 好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法
JP2610808B2 (ja) 人正常細胞由来の組織型プラスミノーゲンアクチベーターに対するモノクロナル抗体を用いる免疫学的測定試薬
JP2518602B2 (ja) ヒトプロテインsに対するモノクロ―ナル抗体を用いた免疫学的測定試薬及びキット
JPH0977799A (ja) ヒト−マクロファージ遊走阻止因子(ヒト−mif)に対するモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマ
JPH09132600A (ja) ウサギmmp−3に対するモノクローナル抗体及びそれを用いた免疫学的測定法
JPH11318449A (ja) ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体
JPH03287070A (ja) フィブリノペプタイドBβ↓1‐↓4↓2の測定法
JPH03200066A (ja) 活性化ヒトプロテインcの測定方法
JPH06113830A (ja) ヒトヘモグロビンの特異的検出法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees