JPH06113830A - ヒトヘモグロビンの特異的検出法 - Google Patents

ヒトヘモグロビンの特異的検出法

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JPH06113830A
JPH06113830A JP3322900A JP32290091A JPH06113830A JP H06113830 A JPH06113830 A JP H06113830A JP 3322900 A JP3322900 A JP 3322900A JP 32290091 A JP32290091 A JP 32290091A JP H06113830 A JPH06113830 A JP H06113830A
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human hemoglobin
hemoglobin
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human
reaction
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JP3322900A
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Masahiko Hatakeyama
雅彦 畠山
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Original Assignee
NIPPON BIO TESUTO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】検体中のヒトヘモグロビンを鋭敏かつ容易に検
出する方法を提供する。 【構成】複数の抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体
の混合物を担体に結合させたものを被検体と接触、反応
せしめることによりヒトヘモグロビンを特異的に検出す
る。 【効果】生体試料中のヒトヘモグロビンを特異的に、か
つ高感度で測定できヒト便、尿中のヘモグロビンの測定
に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトヘモグロビンに特異
的に反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ及該モノクローナル抗体の
混合物を用いることを特徴とする、ヒトヘモグロビンの
特異的検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応を利用した便潜血反応は、
微量成分の検出法として優れ、現在は、ウサギ、ヤギ等
を免疫して得たポリクローナル抗体をラテックス等の担
体へ結合させ、検体液と混合させることによって生じる
凝集反応物の有無をガラス板上で観察するか又は、光学
的に測定する方法によって行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
検出法はポリクローナル抗体を使用しているためいくつ
かの欠点が知られている。即ち、ポリクローナル抗体の
作成には純粋な抗原を用いなければならず、その抗原を
免疫に用いても抗原分子上の多種の抗原決定基に対する
抗体が含まれていて均一なものではないため、他の動物
ヘモグロビン等の共通部分に対する抗体を含み免疫学的
交叉反応を生じる。又、特異抗血清を得るためには他の
動物ヘモグロビンによる吸収操作が不可欠であり、回収
された抗体も同様に均一なものではない。更に、免疫さ
れた動物一個体当りの抗体採取量にも限界があり大量に
同一の抗血清を得ることは困難である。この問題を解決
する方法としてモノクローナル抗体の応用が考えられ
る。モノクローナル抗体は一種類の抗原決定基に高い特
異性を有し、しかも同一の抗体を繰り返し大量に得るこ
とができる。しかし、モノクローナル抗体作成において
ヒトヘモグロビンに特異的に反応する抗体を作成するこ
とは困難なことであり、またモノクローナル抗体は単独
で担体固相化しても抗原に対して凝集反応を起こすこと
が難かしく、更にゲル内沈降反応もうまく行かず、検出
法として不向きであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこれ
らの問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、ヒトヘ
モグロビンに特異的に反応するモノクローナル抗体を複
数作成することに成功し、更にその抗体の混合物を用い
ることによって、凝集反応によるヒトヘモグロビンの特
異的検出法を可能にしたものである。すなわち、本発明
は、(1)ヒトヘモグロビンに特異的に反応するモノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマ、(2)ヒトヘモグロ
ビンに特異的に反応するモノクローナル抗体、(3)複
数の抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体の混合物を
用いたゲル内沈降反応、もしくは該モノクローナル抗体
の混合物を担体に結合させ被検体と凝集反応を生ぜしめ
ることからなるヒトヘモグロビンの特異的検出法、およ
び(4)上記(3)記載の方法からなるヒト便内潜血検
出法に関し、従来各種動物を免疫して得たポリクローナ
ル抗体を担体に結合させて行っていた凝集反応を、ヒト
ヘモグロビンに特異的に反応する複数のモノクローナル
抗体を用いて行なうことによって検体中のヒトヘモグロ
ビンを精度高く、容易に検出を行なうものである。
【0005】モノクローナル抗体は通常一種類の抗体で
は凝集反応を起こしにくくヒトヘモグロビンの場合もゲ
ル内沈降反応によってそれを経験している。そこで二種
類のモノクローナル抗体を組合せ、ゲル内沈降反応によ
り沈降線を形成し、更に、ELISA(Enzyme Linked
Immunosorbent Assay)によって他の動物ヘモグロビンと
反応しないことが確認された抗体の組み合せを選び、ラ
テックス担体へ結合させガラス凝集板上で検体液と反応
させ凝集の有無によってヒトヘモグロビンの検出を行な
った。上記の条件にて選ばれた二種類の抗体はヒトヘモ
グロビンに特異的に反応しブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ
のヘモグロビンには反応しなかった。ラテックス等の担
体を用いた凝集法は目視、又は、光学的に測定が可能で
あり応用範囲も広いものである。
【0006】本発明のモノクローナル抗体の製造は次の
ような一般的な方法で行うことができる。抗原(ヘモグ
ロビン)は温血動物に対して、投与により抗体産生が可
能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与
される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フ
ロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバント
を投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、
計3〜10回程度行われる。用いられる温血動物として
は、たとえばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウ
ス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられる。
【0007】このようにして免疫された温血動物、たと
えばマウスから、例えばELISA法により、抗体価の
認められた個体を選択し、最終免疫の2〜5日後に脾臓
またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細
胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、抗ヒトヘモグ
ロビン抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。融合操作は既知の方法、たとえばケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (197
5)〕に従い実施できる。融合促進剤としてはポリエチレ
ングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げ
られるが、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞
としてはたとえばNS−1、P3U1、SP2/0など
があげられるが、特にP3U1が好ましく用いられる。
用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄細胞数と
の好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG
(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度
の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1
〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融
合を実施できる。
【0008】抗ヒトヘモグロビン抗体産生ハイブリドー
マのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、た
とえばヒトヘモグロビンを吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識した抗免
疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウス
の場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)ま
たはプロテインAを加え、固相に結合した抗ヒトヘモグ
ロビンモノクローナル抗体を検出するEIA法、抗免疫
グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相に
ハイブリドーマ培養上清を添加し、HRPで標識したヒ
トヘモグロビンを加え、固相に結合した抗ヒトヘモグロ
ビンモノクローナル抗体を検出するEIA法などがあげ
られる。抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体の選
別、育種は通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加して、10〜20%牛胎児血清を含む
動物細胞用培地(例、RPMI1640)で行われる。ハイ
ブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗ヒ
トヘモグロビン抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0009】抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体の
分離精製は免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、
アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン
交換体(例、DEAE)による吸脱着法、ゲルろ過法、
抗原抗体結合物あるいはプロテインAあるいはプロテイ
ンGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を
解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われ
る。このようにして作製された抗体は、IgGを主たる
成分とし、IgM、IgA等、他の免疫グロブリンも含
む。
【0010】抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体と
各動物ヘモグロビンとの反応性をELISA法、SRI
D法(Single radial immuno diffusion)等を用いて検
討し、得られた抗体産生クローンのうちヒトヘモグロビ
ンと強く反応するクローンをセルロースアセテート膜電
気泳動等で選び、その中で他の動物ヘモグロビンとは反
応せずヒトヘモグロビンとのみ反応するクローンを選
ぶ。このELISA法により見出されたヒトヘモグロビ
ンとのみ反応するモノクローナル抗体を2種類組合せ
て、オクテロニー法でゲル内沈降反応を示すものを選択
し、その中で最も良い混合比をSRID法で検討する。
このようにしてヒトヘモグロビンとのみ反応するモノク
ローナル抗体をラテックスに結合させ、ヒトヘモグロビ
ンとの凝集反応の標準線を作成し、同様のラテックス凝
集反応を検体で行なってこの標準線から検体中のヒトヘ
モグロビン量を測定するものである。上記ラテックスへ
の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通
常蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用い
られる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、
このラテックスの他、アガロース、デキストラン、セル
ロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリ
ルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等も
用いることもできる。
【0011】
【作用】本発明の方法によって便、尿等の検体中のヒト
ヘモグロビンを鋭敏に検出でき、大腸がん、腎疾患等の
検査等に有用である。
【0012】
【実施例】各種動物ヘモクロビンとしてヒト(Sigma No,
H-7379)、ウシ(Sigma No,H-2500)、ウマ(Sigma No,H-46
32)を、またニワトリヘモグロビンは、NBLニワトリ
保存血球を精製水により溶血させたものを用いた。 1.ハイブリドーマの作成 BALB/C 6週齢 雌マウスの皮下又は腹腔へ、ヒト
ヘモグロビン100μgを等量のフロイントコンプリートア
ジュバント(FCA)と共に数回免疫し最終免疫の4日後
に免疫された脾臓細胞を得た。凍結保存されたマウス骨
髄種細胞P3U1を融合の5日前に解凍し培養し対数増
殖期にある細胞と免疫された脾臓細胞を1:5の割合に
てポリエチレングリコール(PEG)法により融合し
た。すなわち、P3U1 2×107と脾臓細胞 1×108を遠
心操作により集め50%に希釈されたPEG(1500)1m
1によって1分間静かに撹拌しながら融合した。数分か
けてゆっくり希釈し遠心操作にて細胞を洗浄後96ウェル
マイクロプレート15枚へ1ウェル当たり100μ1にな
るよう融合細胞浮遊液を蒔いた。同時に4週齢のマウス
より摘出した胸線細胞を1匹当たりプレート4枚の割合
でフィーダー細胞として用いた。培地はRPMI1640、
10%FCS、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を用いてハイブリドーマが増殖するまで
37℃、5%CO2で培養した。12〜15日後増殖し
たハイブリドーマの培養上清を前もって抗原を固相化し
た96ウェルマイクロプートへ移し反応後酵素ラベル第
二抗体を用いスクリーニングを行った。すなわちヒトヘ
モグロビン10μg/ml(0.15M NaClを含む10mM リ
ン酸緩衝液 PBS)をELISA用96ウェルマイクロプ
レート(Falcon 3912)へ50μ1ずつ入れ室温2時間又
は、4℃一晩固相化し抗原液を除いた後1%BSA P
BSを100μ1ずつ入れ室温で1時間以上ブロッキングを
行った。抗原プレートのブロツキング液を除去した後ハ
イブリドーマの増殖した96マイクロプレートより培養
上清を50μ1ずつプレートへ移し室温1時間反応させ
生理食塩水にて2回洗浄後2000倍希釈したアルカリホス
ファターゼ 標識ヤギ抗マウスIgG(TAGO NO 4650)を5
0μ1ずつ入れ同様に反応させた。陽性コントロールと
しては融合の際採血したマウス血清を100倍に希釈し
て用い、陰性コントロールとしては培養液を用いた。反
応終了後4回洗浄し基質液(シノテストALPローゼ フ
ェニルリン酸二ナトリウム4−アミノアンチピリン)を
50μ1入れ30分後呈色液(シノテストALPローゼメタ過ヨ
ーソ酸ナトリウム)を50μ1入れ発色させ活性の強いウェ
ルの細胞を24ウェルプレートへ移し培養した。数日後限
界希釈法によりクローニングを行い残った細胞は凍結保
存した。クローニングは96ウェルプレートの各ウェルへ
細胞が1コ又は5コ入る様に希釈しフィダー細胞を融合
時と同様に用いておこなった。およそ2週間後増殖した
1つのハイブリドーマの入ったウェルをスクリーニング
法同様にアッセイし陽性クローンを24ウェルプレート
へ移し増殖させ、更にシャーレ(90φ)にて培養後5×
106コの細胞を1週間前に0.5mlのプリスタンを腹腔
内注射したBALB/Cマウス10週齢へ移植し腹水を
得た。ハイブリドーマの凍結には10%DMSOを加え
たFCSを用い−80℃で保存した。
【0013】2.セルロースアセテート膜電気泳動 腹水化されたハイブリドーマの抗体産性能、抗体の精製
検定にセルロース・アセテート膜電気泳動を用いた。セ
ルロゲル(生化学工業)をトリス−バルビタール緩衞液
pH8.6に平衡化し同じ緩衝液にて200V定電圧で2
0分泳動した後10%アミドブラックBにて染色、脱色
後判定した。腹水中の抗体とヒトヘモグロビンの反応は
腹水を塗布した部分へ一部重ねてヒトヘモグロビンを塗
布し同じ条件で泳動し抗原抗体反応によって変化した泳
動パターンより判定した。
【0014】3.モノクローナル抗体の精製 腹水化したモノクローナル抗体の精製はDEAEイオン
交換クロマトグラフィーと塩析によって行なった。すな
わち、腹水10m1を20mM NaClを含む20m
Mトリス塩酸緩衝液pH8.0(TB)にて透析し不溶
物を10,000rpm20分の遠心操作によって除去した後同
じ緩衝液にて平衡化したDE52(ワットマン)20m
lのカラム流速30ml/hr 3mlフラクションに
て処理した。次いで60mM NaClを含むTBにて
溶出後IgGを含むフラクションをプールし40%飽和
硫安にて塩析し室温で1時間撹拌後10,000rpm20分遠
心し沈殿を得た。同様に塩析操作を2回繰り返した後0.
15M NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.2
(PBS)に充分透析後、精製IgGを得た。精製IgG
はセルロース・アセテート膜電気泳動によって単一であ
ることを確認した。IgG濃度はA2801%=14にて
調製し10mg/ml以上の濃度で4℃に保存した。
【0015】4.IgGサブクラスの同定 生化学工業のELISA法によるサブクラスタイピング
キットを用い操作法に従って行った。 5.ELISA法 抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体と各動物ヘモグ
ロビンとの反応性は、ELISA法を用いて検討した。
すなわち各動物ヘモグロビン(ウシ、ブタ、ウマ、ト
リ)をPBSにて10μg/ml又は、0.01%に調
整し96ウェルマイクロプレートヘ50μ1ずつ入れ室
温で2時間固相化した。続いて1%BSA−PBS 1
00μ1にて室温1時間ブロッキングした後、10,000n
g/mlより倍々希釈した精製モノクローナル抗体を5
0μ1ずつ入れ反応させた。室温にて1時間反応後生理
食塩水にて2回洗浄し、2,000倍希釈したアルカリホス
ファターゼ標識ヤギ抗マウスIgGを50μ1添加し室
温1時間反応させ同様に4回洗浄後基質液を入れ呈色液
にて発色させイムノリーダー(日本インターメット)に
て510および620nmで測定した。
【0016】6.オクテルロニー法 直径90mmのプラスチックシャーレへ厚さ2mmとな
る様に1%アガロース(10mMトリス塩酸緩衝液pH7.6
0.15M NaCl)を入れプレートを作成した。10μ1の試料が
入る穴を3mmの間隔であけ試料添加後室温にて一晩反応
させイムノビュワーにて観察し写真撮影した。抗原のヒ
トヘモグロビンは1mg/mlを用い、精製モノクローナル抗
体は10mg/mlを混合して実験に用いた。
【0017】7.SRID法 加熱溶解した1%アガロース(10mMトリス塩酸緩衝液pH
7.6 0.15MNaCl)を50℃に保温しヒトヘモグロビンを50μ
g/mlになるように添加した厚さ2mmの抗原プレートを作
成した。試料は各濃度で混合した精製モノクローナル抗
体を10μ1入れ室温にて24時間反応させ沈降輪を形成さ
せた。イムノビュワーにて観察後食塩水にて洗浄しアミ
ドブラックB10にて染色後判定した。
【0018】8.ラテックス凝集反応 10mMトリス塩酸緩衝液pH8.0にて透析したラテックス(日
本合成ゴム)1%溶液に同じ緩衝液にて調製したモノクロ
ーナル抗体1mg/mlを加え室温にて2時間撹拌し結合させ
た。1000gにて2時間の遠心操作により洗浄した後0.01%
BSA、0.15MNaClを含む10mMトリス塩酸緩衝液pH7.4
(0.1%NaN3)でラテックス1%溶液に調整し少量ずつ小分
けして4℃にて保存した。凝集反応はラテックス凝集用
ガラス板又はスライドグラス上で行い、各動物ヘモグロ
ビン溶液又は各濃度に調整されたヒトヘモグロビン溶液
をモノクローナル抗体結合ラテックス溶液とガラス板上
で混合し凝集の有無及びその強さを判定した。
【0019】9.ハイブリド−マの樹立 数回の融合実験において約50の抗体産生クローンを選
びマウス腹水化を行い抗原とを交差させたセルロースア
セテート膜電気泳動にてヒトヘモグロビンと強く反応す
るクローン10種類(SU−101〜110)を選ん
だ。更にELISA法により他の動物ヘモグロビンの反
応性を検討しヒトヘモグロビンとのみ反応するクローン
SU−104、SU−107、SU−110を樹立した
(表1、図1)。これらのハイブリドーマは平成3年1
2月4日から通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所(FRI)に各々受託番号FERM P−1262
6、FERM P−12627、FERM P−126
28として寄託されている。なお、図1のセルロースア
セテート膜電気泳動図のパタ−ンを模式的に説明したの
が図2である。該図中、各レーン左半分の最下位のバン
ドがモノクローナル抗体バンドを示す。ヘモグロビンを
重ねて泳動した時に(+)側へ早く移動するヘモグロビ
ンに引かれて(抗原・抗体反応を生じ)抗体バンドが移
動、あるいは元の位置より消失することによって反応の
有無を検定することができる。抗原・抗体結合物の移動
度はヘモグロビンより早い場合と同じ位の場合とがあ
る。
【0020】 クローン サブクラス ヒト ウシ ブタ ウマ トリ SU−101 IgG1 ++ ± − ± − 102 IgG1 ++ + − − − 103 IgG1 ++ − − ± − 104 IgG1 ++ − − − − 105 IgG2b ++ + − + − 106 IgG1 ++ − − ± − 107 IgG1 ++ − − − − 108 IgG1 ++ ++ ++ ++ + 109 IgG1 ++ ++ − ++ − 110 IgG1 ++ − − − − 10.モノクローナル抗体の製造 ハイブリドーマ(SU−101〜110)をそれぞれマ
ウス腹控に移植し10〜14日後に一匹あたり数mlの
腹水液を採取し、DEAEイオン交換クロマトグラフィ
ーと塩析によりIgGに精製し10mg/mlの濃度に
調製したモノクローナル抗体を得た。
【0021】11.オクテロニー法 2種類のモノクローナル抗体を等量混合したオクテロニ
ー法により表2に示す12通りの組み合わせによりゲル
内沈降反応が確認された。
【0022】 表2 組み合わせ 組み合わせ SU−101+107 SU−103+109 102+103 104+106 102+106 104+110 102+110 106+107 103+104 106+109 103+107 109+110 12.SRID法 ELISA法による結果より動物ヘモグロビンとの反応
性がなくかつ沈降反応を示すSU−104+110の組
み合わせについてSRID法により最適混合比を検討し
たところ、以下のように8:2〜2:8が実用的であ
り、中でも1:1で最大の輪径が観察され最も好ましい
と言うことができる。 SU-104:110 8:2 7:3 6:4 5:5 4:6 3:7 2:8 SRIDφ(mm) 6.4 8.5 9.0 9.6 8.7 8.5 7.2 13.ラテックス凝集反応 SU−104、110を等量混合した抗体液1mg/m
lを感作した1%ラテックス溶液を用いてスライドグラ
ス上で凝集反応を行った。0.01%BSA PBSに
て100μg/mlに調整した各種動物ヘモグロビン3
0μlとモノクローナル抗体結合ラテックス溶液30μ
lをよく混合し3分後に形成された凝集の有無を観察し
たところウシ、ブタ、ウマ、ニワトリヘモグロビンでは
凝集が観察されずヒトヘモグロビンとのみ反応がみられ
た。ヒトヘモグロビンの希釈率を変えて起こる凝集反応
を見たところ、1μg/mlの濃度まで反応がみられS
U−104、110を混合して用いたラテックス凝集反
応系の感度はおよそ1μg/mlであることが分かっ
た。 (1)ヘモグロビン ヒト ウシ ブタ ウマ トリ 凝集の強さ +++ − − − − (2)ヒトHb(μg/ml) 1000 100 10 1 0.1 0.01 0.001 凝集の強さ +++ +++ ++ + ± - - なお、SU−107と110の組合せでも104と11
0同様の効果が得られた。
【0023】
【効果】ヒトヘモグロビンと特異的に反応する複数のモ
ノクローナル抗体の混合物を担体に結合させたものを用
いることによって、ヒトヘモグロビン特異凝集反応を精
度よく簡単に行うことができた。この方法によって、生
体試料中のヒトヘモグロビンを特異的に、かつ高感度で
測定できヒト便、尿中のヘモグロビンの測定に利用で
き、大腸癌や腎疾患等の診断に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハイブリドーマを選択するに当って行
なったセルロースアセテート膜電気泳動図である。
【図2】図1のパタ−ンを模式的に説明した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B G01N 33/53 K 8310−2J 33/577 B 9015−2J //(C12N 5/20 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトヘモグロビンに特異的に反応するモノ
    クローナル抗体産生ハイブリドーマ。
  2. 【請求項2】ヒトヘモグロビンに特異的に反応するモノ
    クローナル抗体。
  3. 【請求項3】複数の抗ヒトヘモグロビンモノクローナル
    抗体の混合物を用い被検体と反応させることからなる、
    ヒトヘモグロビンの検出方法。
  4. 【請求項4】反応がゲル内沈降反応である請求項3記載
    のヒトヘモグロビンの検出方法。
  5. 【請求項5】反応が凝集反応である請求項3記載のヒト
    ヘモグロビンの検出方法。
  6. 【請求項6】被検体がヒト便である請求項4記載の方法
    からなるヒト便内潜血検出法。
JP3322900A 1991-12-06 1991-12-06 ヒトヘモグロビンの特異的検出法 Pending JPH06113830A (ja)

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JP3322900A JPH06113830A (ja) 1991-12-06 1991-12-06 ヒトヘモグロビンの特異的検出法

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ID=18148874

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