JP2980763B2 - エレベータ式駐車装置のパレットの移送装置 - Google Patents

エレベータ式駐車装置のパレットの移送装置

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JP2980763B2
JP2980763B2 JP4036490A JP3649092A JP2980763B2 JP 2980763 B2 JP2980763 B2 JP 2980763B2 JP 4036490 A JP4036490 A JP 4036490A JP 3649092 A JP3649092 A JP 3649092A JP 2980763 B2 JP2980763 B2 JP 2980763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車を積載したパレ
ットを格納する複数階の駐車室と、各階の駐車室と入出
庫床との間のパレットの搬送を行うエレベータとを備え
たエレベータ式駐車装置において、パレットを載せて昇
降するエレベータの昇降台からパレットを駐車室へ格納
し、或いは駐車室から昇降台へパレットを取り出すため
に使用されるパレットの移送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータ式駐車装置のパレットの移送
装置としては、エレベータの昇降台上のスライドベース
で支持されシリンダで前後に摺動されるスライダと、こ
のスライダの前後端部に取付けられたスプロケットと、
このスプロケットに巻回張設されたチエンと、このチエ
ンに装着された複数個のフッカとで構成されており、チ
エンを走行させることによりフッカとパレットに固設さ
れた受座とを係合してパレットを移動させるものがあっ
た(特開平1−142179号参照)。
【0003】ところが、この移送装置は、駐車室から昇
降台へパレットを取り出す場合、フッカをパレットの受
座に係合させるためにフッカをパレットの受座の内側へ
入り込ませるには、フッカの間隔を広くしなければなら
ない。このため、移送途中、特にチエンが定速から減速
するときパレットが慣性でフッカから離れて走行し、前
方のフッカに衝突するまでフリー状態で走行するため、
適正な速度制御ができず、停止時に衝撃を生じて昇降台
やパレットに積載した自動車に悪影響を与えるという問
題があった。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、本発明者は、自動車を積載したパレットを格納する
多層の駐車室と、各層の駐車室へパレットを搬送するエ
レベータとを備えたエレベータ式駐車装置において、エ
レベータの昇降台に、パレットのドグ受座を挟持するよ
う互いに対向するドグが取付られパレットの移送方向と
平行に移動する2本のチエンを並設した移送枠と、この
移送枠をパレットの移送方向に移動させる枠移動機構と
を設けたエレベータ式駐車装置のパレットの移送装置を
提案した(特願平2−253479号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このパ
レットの移送装置は、移送枠上の2本のチエンに夫々取
付けたドグでパレットのドグ受座を挟持してパレットを
移送するものであるため、高速で走行させると走行抵抗
の差等により2本のチエン間の走行速度に差を生じて挟
持が不確実となり、パレットの円滑な移送を阻害し、騒
音も大となるおそれがある。従って、パレットの移送速
度が制限され、自動車の入出庫に時間を要し、また、2
本のチエンを使用するため生産コストが高くメンテナン
スにも手間がかかるという問題があった。
【0006】本発明は、エレベータ式駐車装置のパレッ
トの移送装置におけるかかる問題を解決するものであっ
て、パレットを確実に保持して高速且つ円滑に走行させ
ることができ、設備費を低減することのできるエレベー
タ式駐車装置のパレット移送装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車を積載
したパレットを格納する複数階の駐車室と、各階の駐車
室と入出庫床との間のパレットの搬送を行うエレベータ
とを備えたエレベータ式駐車装置において、エレベータ
の昇降台に、パレットのドグ受座を挟持する1対のドグ
が取付けられておりパレットの移送方向に移動する1本
のチエンを張設すると共にパレットの移送端部でドグの
開閉を行なうドグ開閉機構を設けた移送枠と、この移送
枠をパレットの移送方向に移動させる枠移動機構とを設
けることにより、エレベータ式駐車装置のパレットの移
送装置における上記課題を解決する。
【0008】
【作用】自動車を格納する場合、エレベータの昇降台が
空の駐車室前まで昇降移動し、駐車室から昇降台へ空の
パレットを取り出す。パレットを取り出す際には、先ず
移送枠のチエンが駐車室方向へ前進し、ドグが前端のス
プロケットの上まてきたとき停止し、ドグ開閉機構で前
方のドグがパレットのドグ受座に衝突せず通過できる状
態とする。次に枠移動機構が移送枠を前進させ、前方の
ドグがパレットのドグ受座の下を通過し後方のドグがパ
レットのドグ受座に当接したところで停止する。そこで
ドグ開閉機構がドグを閉じてドグ受座を挟持させる。そ
れから枠移動機構が移送枠を後退させ、チエンが逆転し
てパレットを昇降台上の所定位置まて移送し停止してパ
レットの取り出しが終了する。
【0009】空のパレットを乗せた昇降台は、入出庫床
まて移動し、自動車をパレット上に積載して空の駐車室
前に戻り、駐車室へパレットを格納する。駐車室へパレ
ットを格納する際には、移送枠が駐車方向へ前進し、移
送枠のチエンが前進し、パレットが所定格納位置まで来
るとチエンが停止し、ドグ開閉機構で前方のドグがパレ
ットのドグ受座に衝突せず通過できる状態とする。そこ
で移送枠が後退して前方のドグがパレットのドグ受座の
下を通過するとドグ開閉機構で前方のドグを元の位置に
戻す。チエンが逆転して後退し、昇降台上の所定位置ま
で来ると停止してパレットの格納が終了する。
【0010】駐車室に格納された自動車を出庫する場合
は、エレベータの昇降台が出庫させる自動車の格納され
ている駐車室前まで昇降移動し、以後格納する場合と同
様にして自動車を積載したパレットを取り出し、昇降台
が入出庫床まで移動し、自動車をパレットから降ろして
空の駐車室前に戻り、駐車室へ空のパレットを格納す
る。
【0011】
【実施例】図1は、この発明の一実施例であるパレット
の移送装置を備えたエレベータ式駐車装置の正面図、図
2はその側面図、図3は昇降台の平面図、図4は移送装
置構成の説明図、図5は移送枠の端部を拡大して示す平
面図、図6は移送枠の端部を拡大して示す側面図、図7
は図5の7−7線断面図である。
【0012】図1及び図2に示すように、このエレベー
タ式駐車装置1は、自動車2を積載したパレット11を
格納する複数階の駐車室13と、各階の駐車室13と入
出庫床4との間のパレット11の搬送を行うエレベータ
3とを備えている。駐車室13の両側部にはパレット1
1の車輪15を支持する受梁16が設けられている。エ
レベータ3はパレット11を搭載する昇降台12と、エ
レベータ駆動装置20と、バランスウエイト21とで構
成されている。昇降台12には図3に示すように手前と
奥の両側部にパレット11の車輪15が走行するレール
22が敷設されており、その内側に昇降台12から駐車
室13へパレット11を格納し、或いは駐車室13から
昇降台12へパレット11を取り出すための移送装置2
3が2組設けられている。
【0013】この移送装置23は、図4に示すように移
送枠24と枠移動機構25とで構成されている。移送枠
24にはパレット11の移送方向(図3、図4上左右方
向)に移動するチエン26が1本設けられている。この
チエン26は、移送枠24の中央部に設けたチエン駆動
用モータ27で駆動される駆動スプロケット28と、テ
ンション用スプリング29で保持された緩衝スプロケッ
ト30と、その上方に設けた折曲スプロケット31と、
移送枠15の左右端部に設けた従動スプロケット32、
33とに巻回張設されている。チエン26には左右一対
のドグ34a、34bが枢軸35で枢着されている。チ
エン26のドグ34a、34bには、枢軸35から所定
距離離隔してガイドローラ50が取付けられている。こ
のガイドローラ50は、移送枠24に敷設した上下のガ
イドレール51、52間に案内されて走行し、ドグ34
a、34bがパレット11の下方に突設されているドグ
受座36を挟持するよう、ドグ34a、34bの位置を
保持する。ドグ34a、34bのドグ受座36を挟持す
る面にはゴム板37が設けられている。
【0014】また、移送枠24の左右端部には、ドグ開
閉機構53が設けられている。このドグ開閉機構53
は、支軸54に枢支されていて下ガイドレール52の先
端から延出する傾動レール55と、この傾動レール55
を傾動させるためのリンク56とシリンダ57とで構成
されている。枠移動機構25は、昇降台12の一端に設
けた枠移動用モータ40と、枠移動用モータ40で駆動
される枠移動用スプロケット41と、昇降台12の他端
に設けた従動スプロケット42と、このスプロケット4
1,42に巻回張設され、両端が移送枠24に接続され
た枠移動用チエン43とで構成されている。
【0015】自動車2を格納する場合、エレベータ3の
昇降台12が空の駐車室13前まで昇降移動し、駐車室
13から昇降台12へ空のパレット11を取り出す。図
上左側の駐車室13からパレット11を取り出す際に
は、先ずチエン駆動用モータ27で駆動スプロケット2
8が駆動され、移送枠24のチエン26が駐車室13の
方向(左方)へ前進する。チエン26はドグの枢軸35
が左端の従動スプロケット32の上まで来たとき停止す
る。このとき左側のドグ34aのガイドローラ50は傾
動レール55上にある。そこでシリンダ57を伸長さ
せ、リンク56を介して傾動レール55を下方へ傾動さ
せる。すると、左側のドグ34aは自重によって傾動レ
ール55と共に下方へ傾動し、パレット11のドグ受座
36に衝突せず通過できる状態となる。次に枠移動機構
25が移送枠24を前進させ、チエン26の左側の34
aがパレット11のドグ受座36の下を通過し右側のド
グ34bがパレット11のドグ受座36に当接したとこ
ろで停止する。そこでシリンダ57を縮小して傾動レー
ル55を水平状態に戻すと、パレット11のドグ受座3
6をドグ34a、34bが挟持する。それから枠移動機
構25が移送枠24を後退させ、チエン26が逆転して
パレット11を昇降台12上の所定位置まて移送すると
停止してパレットの取り出しが終了する。パレット11
の移送中、ガイドローラ50は上下のガイドレール5
1、52間に案内されて走行し、ドグ受座36がドグ3
4a、34bで確実に挟持されているため、パレット1
1を確実に保持して高速且つ円滑に走行させることがで
きる。
【0016】空のパレット11を乗せた昇降台12は、
入出庫床4まで移動し、自動車2をパレット11上に積
載して空の駐車室13前に戻り、駐車室13へパレット
11を格納する。駐車室13へパレット11を格納する
際には、移送枠24が駐車室13方向へ前進し、移送枠
24のチエン26が前進し、パレット11が所定格納位
置まで来るとチエン26が停止する。そこでシリンダ5
7を伸長させ、リンク56を介して傾動レール55を下
方へ傾動させる。左側のドグ34aは自重によって傾動
レール55と共に下方へ傾動し、パレット11のドグ受
座36に衝突せず通過できる状態となったところで、移
送枠24が後退する。左側のドグ34aがパレット11
のドグ受座36の下を通過するとチエン26が逆転して
後退し、昇降台12上の所定位置まで来ると停止してパ
レット11の格納が終了する。
【0017】駐車室13に格納された自動車2を出庫す
る場合は、エレベータ3の昇降台12が出庫させる自動
車2の格納されている駐車室13前まで昇降移動し、以
後格納する場合と同様にして自動車2を積載したパレッ
ト11を取り出し、昇降台12が入出庫床4まで移動
し、自動車2をパレット11から降ろして空の駐車室1
3前に戻り、駐車室13へ空のパレット11を格納す
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のパレッ
トの移送装置は、パレットを確実に保持して高速且つ円
滑に走行させることができ、入出庫能率が向上する。ま
た設備費が低減でき、メンテナンスも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパレットの移送装置を
備えたエレベータ式駐車装置の正面図である。
【図2】エレベータ式駐車装置の側面図である。
【図3】昇降台の平面図である。
【図4】移送装置の構成の説明図である。
【図5】移送枠の端部を拡大して示す平面図である。
【図6】移送枠の端部を拡大して示す側面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【符号の説明】
1 エレベータ式駐車装置 2 自動車 3 エレベータ 4 入出庫床 11 パレット 12 昇降台 13 駐車室 23 移送装置 24 移送枠 25 枠移動機構 26 チエン 27 チエン駆動用モータ 34 ドグ 36 ドグ受座 40 枠移動用モータ 50 ガイドローラ 51 ガイドレール 52 ガイドレール 53 ドグ開閉機構 55 傾動レール 57 シリンダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車を積載したパレットを格納する複
    数階の駐車室と、各階の駐車室と入出庫床との間のパレ
    ットの搬送を行うエレベータとを備えたエレベータ式駐
    車装置において、エレベータの昇降台に、パレットのド
    グ受座を挟持する1対のドグが取付けられておりパレッ
    トの移送方向に移動する1本のチエンを張設すると共に
    パレットの移送端部でドグの開閉を行なうドグ開閉機構
    を設けた移送枠と、この移送枠をパレットの移送方向に
    移動させる枠移動機構とを設けたことを特徴とするエレ
    ベータ式駐車装置のパレットの移送装置。
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