JP2944733B2 - エレベータ式駐車装置 - Google Patents

エレベータ式駐車装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はエレベータ式駐車装置に関する。
〔従来の技術〕
自動車を積載したパレットを格納する多層の駐車室
と、各層の駐車室へパレットを搬送するエレベータと、
該エレベータの昇降台上に駐車室からパレットを移送し
て保持する移送装置とを備えたエレベータ式駐車装置で
入出庫床に自動車の入出庫操作を容易にするため、自動
車を積載したパレットを方向転換するためのターンテー
ブル装置を設けることが多い。ターンテーブル装置は、
一般にリフト装置でパレットを昇降台から扛上し、回転
装置で、扛上したパレットを180゜回転させた後、リフ
ト装置を降下させてパレットを昇降台上に戻すようにな
っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このようなエレベータ式駐車装置では、ターンテーブ
ル装置の回転駆動装置にインバータ制御モータを使用し
て加減速時の衝撃を少なくし、停止精度を高めるように
している。しかしながら、自動車の重量や重心位置の違
いによって多少の停止位置の誤差を生じ、リフト装置を
下降させてパレットを昇降台上に戻すとき、パレットが
昇降台のパレットストッパに衝突して円滑に下降できな
かったり、パレットストッパを破損させたりすることが
ある。
この発明は、エレベータ式駐車装置におけるかかる問
題を解決するものであって、ターンテーブル装置がパレ
ットを方向転換した後、円滑に昇降台上に戻すことので
きるエレベータ式駐車装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は上記課題を解決するため、自動車を積載し
たパレットを格納する多層の駐車室と、各層の駐車室へ
パレットを搬送するエレベータと、該エレベータの昇降
台上に駐車室からパレットを移送して保持する移送装置
と、入出庫床でパレットを方向転換させるターンテーブ
ル装置とを備えた駐車装置に、入出庫床で昇降台を前記
移送装置のパレット移送方向と平行に移動させる昇降台
移動装置を設けている。また、エレベータの昇降台に、
パレットのドグ受座を挟持するよう互いに対向するドグ
が取付けられパレットの移送方向と平行に移動する2本
のチェンを並設した移送枠と、この移送枠をパレットの
移送方向に移動させる枠移動機構とを設けた。
〔作用〕
自動車を格納する場合、エレベータの昇降台が空の駐
車室前まで昇降移動する。次に移送装置がパレットに係
合して駐車室から昇降台へパレットを移送し、パレット
が昇降台上の所定位置まで来ると、昇降台のパレットス
トッパにパレットのストッパ受座が当接して停止し、パ
レットはこの位置で保持される。
空のパレットを乗せた昇降台は入出庫床まで移動し、
自動車をパレット上に積載する。自動車を積載したパレ
ットは出庫を容易にするため、予めターンテーブル装置
で180゜方向を転換する。方向転換の際には、まず、移
送装置が若干逆行してパレットとの係合を解き、ターン
テーブル装置が上昇してパレットを昇降台から持上げ
る。次に昇降台移動装置が昇降台をパレット移送方向と
平行に若干移動させた後、ターンテーブル装置がパレッ
トを180゜回転させ、下降してパレットを昇降台上に載
せる。それから、昇降台移動装置が昇降台を元の位置に
戻すと共に、移送装置も元の位置に戻りパレットを保持
する。その後、昇降台は空の駐車室前に戻り、駐車室へ
積載した自動車と共にパレットを格納する。駐車室へパ
レットを格納する際には、移送装置がパレットを昇降台
から駐車室へ移送して格納が終了する。
駐車室に格納された自動車を出庫する場合は、エレベ
ータの昇降台が出庫させる自動車の格納されている駐車
室前まで昇降移動し、以後格納する場合と同様にして自
動車を積載したパレットを取出し、昇降台が入出庫床ま
で移動し、自動車をパレットから下ろして空の駐車室前
に戻り、駐車室へ空のパレットを格納する。
〔実施例〕
図面を参照し、この発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明の一実施例であるエレベータ式駐
車装置の正面図、第2図はその側面図、第3図は昇降台
とターンテーブル装置の平面図、第4図は移送枠の構成
の説明図、第5図は移送枠の端部を拡大して示す平面
図、第6図は移送枠の端部を拡大して示す側面図、第7
図(a)は基準位置のターンテーブル装置の正面図、第
7図(b)は上昇位置のターンテーブル装置の正面図、
第8図(a)は基準位置のターンテーブル装置の側面
図、第8図(b)は上昇位置のターンテーブル装置の側
面図である。
第1図及び第2図に示すように、このエレベータ式駐
車装置1は、自動車2を積層したパレット11を格納する
多層の駐車室13と、各層の駐車室13へパレット11を搬送
するエレベータ3と入出庫床4とを備えている。駐車室
13の両側部にはパレット11の車輪15を支持する受梁16が
設けられている。エレベータ3はパレット11を搭載する
昇降台12と、エレベータ駆動装置20とバランスウエイト
21とで構成されている。昇降台12は、第3図に示すよう
に手前と奥の両側部にはパレット11の車輪15が走行する
レール22が敷設されており、その内側に昇降台12から駐
車室13へパレット11を格納し、或いは駐車室13から昇降
台12へパレット11を取出すための移送装置23が2組設け
られている。
この移送装置23は、第4図に示すように移送枠24と枠
移動機構25とで構成されている。移送枠24にはパレット
11の移送方向(第4図上左右方向)と平行に移動するチ
ェン26が2本(26a,26b第5図参照)並設されている。
このチェン26は、移送枠24の中央に設けたチェン駆動用
モータ27(第3図参照)で駆動される駆動スプロケット
28と、その両側にテンション用スプリング29で保持され
た緩衝スプロケット30と、その上方に設けた折曲スプロ
ケット31と、移送枠24の左右端部に設けた従動スプロケ
ット32,33とに巻回張設されている。チェン26にはドグ3
4とストッパリンク35とが取付けられている。2本のチ
ェン26a,26bのドグ34a,34bは、第6図に示すパレット11
から下方に突出するように取付けたドグ受座36を挟持す
るよう互いに対向するよう取付けられ、ドグ受座36を挟
持する面にはゴム板37が設けられている。38はチェンス
トッパ、39は昇降台12に取付けられたリミットスイッチ
LS作動用のストライカである。
枠移動機構25は、昇降台12の一端に設けた枠移動用モ
ータ40と、この枠移動用モータ40で駆動される枠移動用
スプロケット41と、昇降台12の他端に設けた従動スプロ
ケット42と、このスプロケット41,42に巻回張設され、
両側が移送枠24に接続された枠移動用チェン43とで構成
されている。
また、昇降台12の左右側部には、パレットストッパ4
5、パレット11には第8図に示すようにストッパ受座46
がもうけられている。
入出庫床4には、ターンテーブル装置5が設けられて
いる。第7図に特に詳細に示すように、ターンテーブル
装置5は、ターンテーブル部51と、ターンテーブル部51
を回転させる回転駆動装置52、及びターンテーブル部51
と回転駆動装置52とを昇降可能に支持するリフト装置53
とで構成されている。回転駆動装置52は、加減速時の衝
撃を少なくし、ターンテーブル部51の停止位置精度を高
めるため、インバータ制御モータのフリクション駆動と
し、駆動ローラに防振ゴムを取付けて常に一定の押付荷
重が得られるようになっている。更に停止位置を正確に
し、パレット11の車輪15を昇降台12のレール22上に正確
に載せることができるように、第8図の如く位置決め用
のロック装置54が設けられている。第8図の如く、リフ
ト装置は、リンク機構55とシリンダ56とからなり、シリ
ンダ56の伸縮によりリンク機構55が回動してターンテー
ブル部51と回転駆動装置52とを昇降させる。
更に、入出庫床4には、第7図の如く昇降台移動装置
6が左右に2組ずつ設けられている。この昇降台移動装
置6は流体圧シリンダ装置を移送装置23のパレット移送
方向と平行に設置したもので、ピストンロッド61の先端
にローラ62を備えており、昇降台12を押して左右に移動
させることができる。63は、エレベータ3が下降したと
き昇降台12の中心をターンテーブル装置5の中心と合わ
せるための昇降台位置決装置である。
自動車2を格納する場合、エレベータ3の昇降台12が
空の駐車室13前まで昇降移動し、駐車室13から昇降台12
へ空のパレット11を取出す。第1図上右側の駐車室13か
らパレット11を取出す際には、先ずチェン駆動用モータ
27で駆動スプロケット28が駆動され、移送枠24の2本の
チェン26a,26bが時計方向に回動して、その上側が同時
に駐車室13方向(右方)へ前進する。第1のチェン26a
はドグ34aが右端の従動スプロケット32の手前まで来た
ときストッパリンク35がチェンストッパ38に当接して停
止する。第2のチェン26bは、ドグ34bが右側の従動スプ
ロケット32に達し、約60゜回転してパレット11のドグ受
座36に衝突せず通過できる状態となったところでストラ
イカ39がリミットスイッチLSを作動させ停止する。この
実施例では、チェン駆動用モータ27は2本のチェン26a,
26bを同時に動かしているが、チェンストッパ38で第1
のチェン26aが停止しても第1のチェン26a側は緩衝スプ
ロケット30を保持するテンション用スプリング29が伸縮
するため第2のチェン26bは上記位置まで移動可能であ
る。次に枠移動機構25が移送枠24を前進させ、第2のチ
ェン26bのドグ34bがパレット11のドグ受座36の下を通過
し第1のチェン26aのドグ34aがパレット11のドグ受座36
に当接したところで停止する。そこでチェン26が逆転し
てパレット11のドグ受座36受座を2本のチェン26a,26b
のドグ34a,34bが挟持し、後退する。移送枠24も後退し
てパレット11が昇降台12上の所定位置まで来ると昇降台
12のパレットストッパ45にパレット11のストッパ受座46
が当接して停止し、パレット11はこの位置で保持され
る。
空のパレット11を乗せた昇降台12は入出庫床4まで移
動し、自動車2をパレット11上に積載する。自動車2を
積載したパレット11は出庫を容易にするため、予めター
ンテーブル装置5で180゜方向を転換する。方向転換の
際には、まず、第1のチェン26aのドグ34aを左方へ動か
してパレット11のドグ受座36の挟持を解放し、移送枠24
を若干右方へ動かして第2チェン26bのドグ34bをドグ受
座36から離し、リフト装置53のシリンダ56を伸長させて
ターンテーブル部51と回転駆動装置52とを上昇させ、パ
レット11を昇降台12から持上げる。次に、右側の昇降台
移動装置6が昇降台12を左方へ押して若干移動させた
後、回転駆動装置52がターンテーブル部51を駆動して、
パレット11を180゜回転させ、リフト装置53のシリンダ5
6が縮小してーンテーブル部51と回転駆動装置52とを下
降させ、パレット11を昇降台12上に載せる。それから、
右側の昇降台移動装置6のピストンロッド61を後退させ
昇降台12を元の位置に戻す。移送枠24を左へ動かして第
2チェン26bのドグ34bをドグ受座36に当接させ、更にパ
レットストッパ45をストッパ受座46に当接させてパレッ
ト11を保持する。第1のチェン26aのドグ34aを右方へ動
かしてパレット11のドグ受座36を挟持する。その後、昇
降台12は空の駐車室前に戻り駐車室へパレットを格納す
る。
駐車室13へパレット11を格納する際には、移送枠24が
駐車室13方向へ前進し、移送枠24の2本のチェン26a,26
bが同時に前進し、パレット11が所定格納位置まで来る
と第1のチェン26aが停止し、第2のチェン26bはドグ34
bが右端の従動スプロケット32に達し、約60゜回転して
パレット11のドグ受座36に衝突せず通過できる状態とな
ったところでストライカ39がリミットスイッチLSを作動
させ停止する。そこで移送枠24が後退して第2のチェン
26bのドグ34bがパレット11のドグ受座36の下を通過する
とチェン26a,26bが逆転して後退し、昇降台12上の所定
位置まで来ると停止してパレット11の格納が終了する。
左側の駐車室13へ自動車2を格納する際は、上記と逆方
向への動作を行う。
駐車室13に格納された自動車2を出庫する場合は、エ
レベータ3の昇降台12が出庫される自動車2の格納され
ている駐車室13前まで昇降移動し、以後格納する場合と
同様にして自動車2を積載したパレット11を取出し、昇
降台12が入出庫床4まで移動し、自動車2をパレット11
から下ろして空の駐車室13前に戻り、駐車室13へ空のパ
レット11を格納する。
〔発明の効果〕
この発明のエレベータ式駐車装置はターンテーブル装
置がパレットを方向転換した後再び昇降台上へ戻すと
き、パレットのストッパ受座やドグ受座が昇降台のパレ
ットストッパやドグに衝突して破損したり、下降が妨げ
られたりすることがなく入出庫を円滑に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例であるエレベータ式駐車
装置の正面図、第2図はその側面図、第3図は昇降台と
ターンテーブル装置の平面図、第4図は移送枠の構成の
説明図、第5図は移送枠の端部を拡大して示す平面図、
第6図は移送枠の端部を拡大して示す側面図、第7図
(a)は基準位置のターンテーブル装置の正面図、第7
図(b)は上昇位置のターンテーブル装置の正面図、第
8図(a)は基準位置のターンテーブル装置の側面図、
第8図(b)は上昇位置のターンテーブル装置の側面図
である。 1……エレベータ式駐車装置、2……自動車、3……エ
レベータ、4……入出庫床、5……ターンテーブル装
置、6……昇降台移動装置、11……パレット、12……昇
降台、13……駐車室、23……移送装置、24……移送枠、
25……枠移動機構、26(26a,26b)……チェン、27……
チェン駆動用モータ、28……駆動スプロケット、29……
テンション用スプリング、30……緩衝スプロケット、31
……折曲スプロケット、32,33……従動スプロケット、3
4……ドグ、35……ストッパリンク、36……ドグ受座、3
8……チェンストッパ、39……ストライカ、40……枠移
動用モータ、41……枠移動用スプロケット、42……従動
スプロケット、43……枠移動用チェン、45……パレット
ストッパ、46……ストッパ受座、51……ターンテーブル
部、52……回転駆動装置、53……リフト装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車を積載したパレットを格納する多層
    の駐車室と、各層の駐車室へパレットを搬送するエレベ
    ータと、該エレベータの昇降台上に駐車室からパレット
    を移送して保持する移送装置と、入出庫床でパレットを
    方向転換させるターンテーブル装置とを備えた駐車装置
    であって、入出庫床で昇降台を前記移送装置のパレット
    移送方向と平行に移動させる昇降台移動装置を設けたこ
    とを特徴とするエレベータ式駐車装置
  2. 【請求項2】自動車を積載したパレットを格納する多層
    の駐車室と、各層の駐車室へパレットを搬送するエレベ
    ータとを備えたエレベータ式駐車装置において、エレベ
    ータの昇降台に、パレットのドグ受座を挟持するよう互
    いに対向するドグが取付けられパレットの移送方向と平
    行に移動する2本のチェンを並設した移送枠と、この移
    送枠をパレットの移送方向に移動させる枠移動機構とを
    設けたことを特徴とするエレベータ式駐車装置のパレッ
    トの移送装置。
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