JP2979515B2 - 銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法 - Google Patents
銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法Info
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- JP2979515B2 JP2979515B2 JP2012085A JP1208590A JP2979515B2 JP 2979515 B2 JP2979515 B2 JP 2979515B2 JP 2012085 A JP2012085 A JP 2012085A JP 1208590 A JP1208590 A JP 1208590A JP 2979515 B2 JP2979515 B2 JP 2979515B2
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- based conductive
- conductive ceramic
- copper
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造
方法に係り、特に、容易かつ安価に入手可能な原料を用
いて、比較的低温での加熱により製造することができる
銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法に関す
る。
方法に係り、特に、容易かつ安価に入手可能な原料を用
いて、比較的低温での加熱により製造することができる
銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法に関す
る。
[従来の技術] 導電性セラミックスは、セラミックス特有の耐食性、
耐熱性等の優れた特性を利用して、従来より、電極、発
熱体等として広い分野で使用されている。例えば、塩素
工業において、RuO2は電力消費量が小さく、しかも耐腐
食性等に優れるなどの特性から、電極材料として特に好
適である。このRuO2はまた、最近では熱転写プリンター
のサーマルヘッドにも利用されている。
耐熱性等の優れた特性を利用して、従来より、電極、発
熱体等として広い分野で使用されている。例えば、塩素
工業において、RuO2は電力消費量が小さく、しかも耐腐
食性等に優れるなどの特性から、電極材料として特に好
適である。このRuO2はまた、最近では熱転写プリンター
のサーマルヘッドにも利用されている。
更に、導電性セラミックスの他の用途例としては、IT
O(In−Sn−O系)セラミックスの透明電極への適用、P
LZT(pb−La−Zn−Ti系)セラミックスの光スイッチ、
光シャッターへの適用など、その応用分野は拡大しつつ
ある。その他、導電性セラミックスは、外部環境の変化
を電気的な信号に変換するための各種センサーの電極と
しても利用されている。また、セラミックスの耐熱性を
考慮すれば、La−Cr−O系又はLa−Co−O系セラミック
スは、炉用発熱体、燃料電池電極としても有用である。
O(In−Sn−O系)セラミックスの透明電極への適用、P
LZT(pb−La−Zn−Ti系)セラミックスの光スイッチ、
光シャッターへの適用など、その応用分野は拡大しつつ
ある。その他、導電性セラミックスは、外部環境の変化
を電気的な信号に変換するための各種センサーの電極と
しても利用されている。また、セラミックスの耐熱性を
考慮すれば、La−Cr−O系又はLa−Co−O系セラミック
スは、炉用発熱体、燃料電池電極としても有用である。
[発明が解決しようとする課題] このような導電性セラミックスの適用分野は多岐にわ
たり、その有用性が重視されていることから、導電性セ
ラミックスをより安価にかつより容易に製造する技術の
出現が常に望まれている。
たり、その有用性が重視されていることから、導電性セ
ラミックスをより安価にかつより容易に製造する技術の
出現が常に望まれている。
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであ
り、容易かつ安価に入手可能な原料を用いて、比較的低
温で加熱することにより、工業的に有利に製造すること
ができる銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方
法を提供することを目的とする。
り、容易かつ安価に入手可能な原料を用いて、比較的低
温で加熱することにより、工業的に有利に製造すること
ができる銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方
法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックスは、下
記一般式[I]で示されることを特徴とする。
記一般式[I]で示されることを特徴とする。
(MxCuy)7Oz(NO3) ……[I] 請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミックスは下記
一般式[II]で示されることを特徴とする。
一般式[II]で示されることを特徴とする。
Cu7Oz(NO3) ……[II] 請求項(3)の銅酸化物系導電性セラミックスの製造
方法は、請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックス
を製造する方法であって、In、Sc、Y、Tl及びGaよりな
る群から選ばれる1種又は2種以上の硝酸塩と硝酸銅と
の混合物を200〜600℃で加熱することを特徴とする。
方法は、請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックス
を製造する方法であって、In、Sc、Y、Tl及びGaよりな
る群から選ばれる1種又は2種以上の硝酸塩と硝酸銅と
の混合物を200〜600℃で加熱することを特徴とする。
請求項(4)の銅酸化物系導電性セラミックスの製造
方法は、請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミックス
を製造する方法であって、硝酸銅を200〜600℃で加熱す
ることを特徴とする。
方法は、請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミックス
を製造する方法であって、硝酸銅を200〜600℃で加熱す
ることを特徴とする。
請求項(5)の銅酸化物系導電性セラミックスの製造
方法は、上記請求項(2)のセラミックスの製造方法で
あって、硝酸銅中に前述の請求項(1)の銅酸化物系導
電性セラミックスの結晶を硝酸銅に対して10重量%以下
共存させて200〜600℃で加熱することを特徴とする。
方法は、上記請求項(2)のセラミックスの製造方法で
あって、硝酸銅中に前述の請求項(1)の銅酸化物系導
電性セラミックスの結晶を硝酸銅に対して10重量%以下
共存させて200〜600℃で加熱することを特徴とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の銅酸化物系導電性セラミックスは下記一般式
[I]で示され、 (MxCuy)7Oz(NO3) ……[I] 式中、 M:In、Sc、Y、Tl及びGaよりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の元素 x+y=1 0≦x/y≦10、好ましくは0≦x/y≦16≦z≦8 である。
[I]で示され、 (MxCuy)7Oz(NO3) ……[I] 式中、 M:In、Sc、Y、Tl及びGaよりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の元素 x+y=1 0≦x/y≦10、好ましくは0≦x/y≦16≦z≦8 である。
このような本発明の銅酸化物系導電性セラミックスの
X線回析スペクトルのピークとしては、2θで 16.0〜16.5゜,29.5〜33.5゜,37.8〜38.7゜,54.6〜56.
2゜のピークが特徴的である。これらのピークは立方晶
系の結晶の面指数 111,222,400,440 に帰属される。軸長aは約9.2〜9.5Åである。
X線回析スペクトルのピークとしては、2θで 16.0〜16.5゜,29.5〜33.5゜,37.8〜38.7゜,54.6〜56.
2゜のピークが特徴的である。これらのピークは立方晶
系の結晶の面指数 111,222,400,440 に帰属される。軸長aは約9.2〜9.5Åである。
本発明のセラミックスの赤外線吸収スペクトルは約13
60〜1380cm-1に吸収ピークを有しており、NO3基の存在
を示している。
60〜1380cm-1に吸収ピークを有しており、NO3基の存在
を示している。
このような本発明の銅酸化物系導電性セラミックスの
うち、請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックス
は、例えば、請求項(3)の方法に従って、次のように
して製造することができる。
うち、請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックス
は、例えば、請求項(3)の方法に従って、次のように
して製造することができる。
即ち、まずMの硝酸塩と、硝酸銅との所定量を混合
し、次いで、得られた混合物を200〜600℃で加熱するこ
とにより、本発明の銅酸化物系導電性セラミックスを得
る。ここで、加熱温度が600℃を超えると絶縁性セラミ
ックスであるCuO又はM2O3が分解生成し、導電性セラミ
ックスの生成割合が減少し、更に高温の場合には全て絶
縁性セラミックスとなるため好ましくない。一方、加熱
温度が200℃未満では硝酸塩の分解反応が効率的に進行
しない。この加熱時間は1分〜50時間程度の間で適宜選
定され、加熱は電気炉等の通常の加熱装置を用いて、酸
素又は空気中にて行なうことができる。
し、次いで、得られた混合物を200〜600℃で加熱するこ
とにより、本発明の銅酸化物系導電性セラミックスを得
る。ここで、加熱温度が600℃を超えると絶縁性セラミ
ックスであるCuO又はM2O3が分解生成し、導電性セラミ
ックスの生成割合が減少し、更に高温の場合には全て絶
縁性セラミックスとなるため好ましくない。一方、加熱
温度が200℃未満では硝酸塩の分解反応が効率的に進行
しない。この加熱時間は1分〜50時間程度の間で適宜選
定され、加熱は電気炉等の通常の加熱装置を用いて、酸
素又は空気中にて行なうことができる。
なお、使用される硝酸塩にはその水和物も当然含ま
れ、また、硝酸銅としては、塩基性硝酸銅Cu2(OH)3
(NO3)も使用可能である。硝酸塩の混合法としては、
各々の硝酸塩をボールミル等で粉砕混合する方法、又
は、各々の水溶液を混合した後、蒸発乾固して水を除去
する方法等を採用することができる。
れ、また、硝酸銅としては、塩基性硝酸銅Cu2(OH)3
(NO3)も使用可能である。硝酸塩の混合法としては、
各々の硝酸塩をボールミル等で粉砕混合する方法、又
は、各々の水溶液を混合した後、蒸発乾固して水を除去
する方法等を採用することができる。
請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミックスは、上
記請求項(3)の方法において、Mの硝酸塩を用いずに
硝酸銅のみを原料として同様に200〜600℃に加熱するこ
とにより製造することができる。
記請求項(3)の方法において、Mの硝酸塩を用いずに
硝酸銅のみを原料として同様に200〜600℃に加熱するこ
とにより製造することができる。
また、この請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミッ
クスの製造に際し、予め別途製造された請求項(1)の
銅酸化物系導電性セラミックス(MxCuy)7Oz(NO3)
(x≠0)の微量を硝酸銅に添加混合しても良い。(Mx
Cuy)7Oz(NO3)を添加することにより、添加された(M
xCuy)7Oz(NO3)が種結晶として作用し、導電性のCu7O
z(NO3)をより効果的に製造することが可能とされる。
この場合、(MxCuy)7Oz(NO3)の添加量は少な過ぎる
と十分な種結晶効果が得られず、多過ぎてもCu7Oz(N
O3)の生成を阻害する恐れがあるため、(MxCuy)7O
z(NO3)の添加量は硝酸銅に対して10重量%以下、とり
わけ0.1〜10重量%とするのが好ましい。
クスの製造に際し、予め別途製造された請求項(1)の
銅酸化物系導電性セラミックス(MxCuy)7Oz(NO3)
(x≠0)の微量を硝酸銅に添加混合しても良い。(Mx
Cuy)7Oz(NO3)を添加することにより、添加された(M
xCuy)7Oz(NO3)が種結晶として作用し、導電性のCu7O
z(NO3)をより効果的に製造することが可能とされる。
この場合、(MxCuy)7Oz(NO3)の添加量は少な過ぎる
と十分な種結晶効果が得られず、多過ぎてもCu7Oz(N
O3)の生成を阻害する恐れがあるため、(MxCuy)7O
z(NO3)の添加量は硝酸銅に対して10重量%以下、とり
わけ0.1〜10重量%とするのが好ましい。
[作用] 本発明の銅酸化物系導電性セラミックスのX線回折ス
ペクトルのパターンから、本発明の銅酸化物系導電性セ
ラミックスは、Ag7O8(NO3)類似組成を有する立方晶系
の結晶であると認められる。この結晶においては、立方
晶の酸素が一部欠損したものも含まれ、Mの酸化数は+
3であるが、銅の酸化数は+2〜+3の値であることか
ら、これが導電性に寄与するものと推定される。
ペクトルのパターンから、本発明の銅酸化物系導電性セ
ラミックスは、Ag7O8(NO3)類似組成を有する立方晶系
の結晶であると認められる。この結晶においては、立方
晶の酸素が一部欠損したものも含まれ、Mの酸化数は+
3であるが、銅の酸化数は+2〜+3の値であることか
ら、これが導電性に寄与するものと推定される。
しかして、このような本発明の銅酸化物系導電性セラ
ミックスは、本発明の方法に従って、Mの硝酸塩やCuの
硝酸塩といった安価で容易に入手可能な原料を用いて、
200〜600℃といった比較的低い加熱温度にて容易かつ効
率的に製造することができる。
ミックスは、本発明の方法に従って、Mの硝酸塩やCuの
硝酸塩といった安価で容易に入手可能な原料を用いて、
200〜600℃といった比較的低い加熱温度にて容易かつ効
率的に製造することができる。
特に、請求項(2)の銅酸化物系導電性セラミックス
を製造するにあたり、請求項(5)の方法に従って、原
料に請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックスを添
加混合することにより、該(MxCuy)7Oz(NO3)の種晶
効果により、高特性のCu7Oz(NO3)を効率的に製造する
ことが可能とされる。
を製造するにあたり、請求項(5)の方法に従って、原
料に請求項(1)の銅酸化物系導電性セラミックスを添
加混合することにより、該(MxCuy)7Oz(NO3)の種晶
効果により、高特性のCu7Oz(NO3)を効率的に製造する
ことが可能とされる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
る。
る。
実施例1 硝酸インジウム三水和物2.27gと硝酸銅三水和物7.73g
(モル比In/Cu=1/5)を良く混合し、混合物を酸素気流
中、450℃で10分間加熱した。
(モル比In/Cu=1/5)を良く混合し、混合物を酸素気流
中、450℃で10分間加熱した。
その結果、第1図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/6Cu5/6)7Oz(NO3)が生成したこ
とが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックスの
温度−比抵抗曲線を第2図に示す。第2図より得られた
銅酸化物系導電性セラミックスは良好な導電性を示すこ
とが明らかである。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/6Cu5/6)7Oz(NO3)が生成したこ
とが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックスの
温度−比抵抗曲線を第2図に示す。第2図より得られた
銅酸化物系導電性セラミックスは良好な導電性を示すこ
とが明らかである。
実施例2 硝酸インジウム三水和物1.28gと硝酸銅三水和物8.72g
(モル比In/Cu=1/10)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、600℃で5分間加熱した。
(モル比In/Cu=1/10)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、600℃で5分間加熱した。
その結果、第3図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/11 Cu10/11)7Oz(NO3)が生成
したことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミッ
クスの比抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/11 Cu10/11)7Oz(NO3)が生成
したことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミッ
クスの比抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
実施例3 硝酸インジウム三水和物0.145gと硝酸銅三水和物9.86
g(モル比In/Cu=1/100)を良く混合し、混合物を酸素
気流中、250℃で3時間加熱した。
g(モル比In/Cu=1/100)を良く混合し、混合物を酸素
気流中、250℃で3時間加熱した。
その結果、第4図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/101 Cu100/101)7Oz(NO3)が生
成したことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミ
ックスの比抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(In1/101 Cu100/101)7Oz(NO3)が生
成したことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミ
ックスの比抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
実施例4 硝酸スカンジウム四水和物2.01gと硝酸銅三水和物8.0
0g(モル比Sc/Cu=1/5)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、450℃で10分間加熱した。
0g(モル比Sc/Cu=1/5)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、450℃で10分間加熱した。
その結果、第5図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Sc/Cu5/6)7Oz(NO3)が生成したこと
が確認された。この銅酸化物系導電性セラミックスの比
抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Sc/Cu5/6)7Oz(NO3)が生成したこと
が確認された。この銅酸化物系導電性セラミックスの比
抵抗(室温)は0.1Ω・cmであった。
実施例5 硝酸スカンジウム四水和物2.01gと硝酸銅三水和物8.0
0g(モル比Sc/Cu=1/5)に水10mlを加え溶解させた。こ
れをアルミナ基板上にスピンコートし、酸素気流中、45
0℃で5分間加熱した。
0g(モル比Sc/Cu=1/5)に水10mlを加え溶解させた。こ
れをアルミナ基板上にスピンコートし、酸素気流中、45
0℃で5分間加熱した。
その結果、第6図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Sc1/6 Cu5/6)7Oz(NO3)が生成した
ことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は0.2Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Sc1/6 Cu5/6)7Oz(NO3)が生成した
ことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は0.2Ω・cmであった。
実施例6 硝酸銅三水和物10.0gと実施例1において得られた銅
酸化物系導電性セラミックスの粉末0.1gを良く混合し、
混合物を酸素気流中、250℃で2時間加熱した。
酸化物系導電性セラミックスの粉末0.1gを良く混合し、
混合物を酸素気流中、250℃で2時間加熱した。
その結果、第7図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例によりCu7Oz(NO3)が生成したことが確認され
た。この銅酸化物系導電性セラミックスの比抵抗(室
温)は0.1Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例によりCu7Oz(NO3)が生成したことが確認され
た。この銅酸化物系導電性セラミックスの比抵抗(室
温)は0.1Ω・cmであった。
実施例7 硝酸銅三水和物10.0gを酸素気流中、250℃で3時間加
熱した。
熱した。
その結果、第8図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する生成物が得られた。
このX線回折スペクトルから、本実施例によりCu7Oz(N
O3)の銅酸化物系導電性セラミックスと塩基性硝酸銅Cu
2(OH)3(NO3)と酸化銅CuOの混合物が得られたこと
が確認された。得られた銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は0.2Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する生成物が得られた。
このX線回折スペクトルから、本実施例によりCu7Oz(N
O3)の銅酸化物系導電性セラミックスと塩基性硝酸銅Cu
2(OH)3(NO3)と酸化銅CuOの混合物が得られたこと
が確認された。得られた銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は0.2Ω・cmであった。
実施例8 硝酸イットリウム六水和物2.84gと硝酸銅三水和物7.1
6g(モル比Y/Cu=1/4)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、250℃で15時間加熱した。
6g(モル比Y/Cu=1/4)を良く混合し、混合物を酸素気
流中、250℃で15時間加熱した。
その結果、第9図に示すような立方晶系のX線回折パ
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Y1/5 Cu4/5)7Oz(NO3)が生成した
ことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は2.0Ω・cmであった。
ターン(Cu Kα線使用)を有する銅酸化物系導電性セ
ラミックスが得られた。このX線回折スペクトルから、
本実施例により(Y1/5 Cu4/5)7Oz(NO3)が生成した
ことが確認された。この銅酸化物系導電性セラミックス
の比抵抗(室温)は2.0Ω・cmであった。
[発明の効果] 以上記述した通り、本発明の銅酸化物系導電性セラミ
ックスによれば、セラミックスの耐熱性、耐食性、機械
的特性と、導電性とを兼備する高特性導電性セラミック
スであって、安価で入手し易い原料を用いて、比較的低
温の加熱により容易かつ効率的に製造することができる
銅酸化物系導電性セラミックスが提供される。
ックスによれば、セラミックスの耐熱性、耐食性、機械
的特性と、導電性とを兼備する高特性導電性セラミック
スであって、安価で入手し易い原料を用いて、比較的低
温の加熱により容易かつ効率的に製造することができる
銅酸化物系導電性セラミックスが提供される。
このような本発明の銅酸化物系導電性セラミックス
は、各種の電極、発熱体材料として好適に適用可能であ
り、また、近年技術進歩の著しい超伝導体を製造するた
め原料としても工業的に極めて有用である。
は、各種の電極、発熱体材料として好適に適用可能であ
り、また、近年技術進歩の著しい超伝導体を製造するた
め原料としても工業的に極めて有用である。
しかして、このような本発明の銅酸化物系導電性セラ
ミックスは、請求項(3)〜(5)の本発明の銅酸化物
系導電性セラミックスの製造方法により、容易かつ効率
的に低コストにて製造される。
ミックスは、請求項(3)〜(5)の本発明の銅酸化物
系導電性セラミックスの製造方法により、容易かつ効率
的に低コストにて製造される。
第1図は実施例1で得られた銅酸化物系導電性セラミッ
クスのX線回折スペクトルを示す図、第2図は同温度−
比抵抗曲線を示す図である。第3図、第4図、第5図、
第6図、第7図、8図及び第9図は各々、実施例2、
3、4、5、6、7及び8で得られた銅酸化物系導電性
セラミックスのX線回折スペクトルを示す図である。
クスのX線回折スペクトルを示す図、第2図は同温度−
比抵抗曲線を示す図である。第3図、第4図、第5図、
第6図、第7図、8図及び第9図は各々、実施例2、
3、4、5、6、7及び8で得られた銅酸化物系導電性
セラミックスのX線回折スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉瀬 良二 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 大門 宏 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 藤井 一宏 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社宇部研究所内 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 平2−133442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 3/00 C04B 35/00
Claims (5)
- 【請求項1】下記一般式[I]で示される銅酸化物系導
電性セラミックス。 (MxCuy)7Oz(NO3) ……[I] - 【請求項2】下記一般式[II]で示される銅酸化物系導
電性セラミックス。 Cu7Oz(NO3) ……[II] - 【請求項3】In、Sc、Y、Tl及びGaよりなる群から選ば
れる1種又は2種以上の硝酸塩と硝酸銅との混合物を20
0〜600℃で加熱することにより特許請求の範囲第1項に
記載の銅酸化物系導電性セラミックスを製造する方法。 - 【請求項4】硝酸銅を200〜600℃で加熱することにより
特許請求の範囲第2項に記載の銅酸化物系導電性セラミ
ックスを製造する方法。 - 【請求項5】硝酸銅中に特許請求の範囲第1項に記載の
銅酸化物系導電性セラミックスの結晶を硝酸銅に対して
10重量%以下共存させて200〜600℃で加熱することによ
り特許請求の範囲第2項に記載の銅酸化物系導電性セラ
ミックスを製造する方法。
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---|---|---|---|
JP2012085A JP2979515B2 (ja) | 1990-01-22 | 1990-01-22 | 銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法 |
US07/639,931 US5112783A (en) | 1990-01-22 | 1991-01-14 | Conductive copper oxide ceramics and process for producing same |
DE4101761A DE4101761C2 (de) | 1990-01-22 | 1991-01-22 | Elektrisch leitende Kupferoxidkeramik und Verfahren zu ihrer Herstellung |
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JP2012085A JP2979515B2 (ja) | 1990-01-22 | 1990-01-22 | 銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法 |
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JPH03218921A JPH03218921A (ja) | 1991-09-26 |
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Family Applications (1)
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JP2012085A Expired - Lifetime JP2979515B2 (ja) | 1990-01-22 | 1990-01-22 | 銅酸化物系導電性セラミックス及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109369171A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-02-22 | 镇江华智睿安物联科技有限公司 | 一种质谱电离源用电极材料及其制备方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4809966B2 (ja) * | 2000-02-10 | 2011-11-09 | 富士通株式会社 | 荷電粒子ビーム露光装置、静電偏向器およびその製造方法 |
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1990
- 1990-01-22 JP JP2012085A patent/JP2979515B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN109369171A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-02-22 | 镇江华智睿安物联科技有限公司 | 一种质谱电离源用电极材料及其制备方法 |
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JPH03218921A (ja) | 1991-09-26 |
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