JP2977988B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2977988B2
JP2977988B2 JP4046283A JP4628392A JP2977988B2 JP 2977988 B2 JP2977988 B2 JP 2977988B2 JP 4046283 A JP4046283 A JP 4046283A JP 4628392 A JP4628392 A JP 4628392A JP 2977988 B2 JP2977988 B2 JP 2977988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載される自動
変速機、特にトルクコンバータの入、出力側を直結する
ロックアップクラッチが備えられた自動変速機の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータと変速歯車機構とを連
結し、この変速歯車機構の動力伝達経路を複数の摩擦要
素の選択的締結によって切換えることにより、当該自動
車の運転状態に応じて変速段を自動的に切換えるように
した自動変速機においては、上記トルクコンバータにお
ける駆動損失を低減して、エンジンの燃費性能を向上さ
せるために、トルク増大作用や変速ショックの吸収作用
等を要しない運転領域で、該トルクコンバータの入、主
力側を直結させるロックアップクラッチが備えられるこ
とがある。
【0003】一方、この種の自動変速機には、上記摩擦
要素やロックアップクラッチの作動を制御するための油
圧回路が備えられるが、この油圧回路においては、変速
ショックの低減等のために、特定の摩擦要素への締結圧
供給路に締結圧の供給もしくは排出を緩やかに行わせる
ための絞りを設けることがるが、変速時の状況等によっ
ては、この締結圧の供給もしくは排出を速やかに行わせ
る必要がある場合もある。
【0004】このように同一の摩擦要素に対する締結圧
の供給、排出を、場合によって緩やかに行わせたり、速
やかに行わせたりする必要がある場合、例えば特開昭6
2−83535号公報に記載されているように、締結圧
供給路に絞りを設けると共に、この絞りをバイパスする
バイパス通路を設けて、該通路上にバイパスバルブを設
置し、このバルブを制御信号によって作動させるように
構成することがある。これによれば、必要に応じて、上
記絞りを介して締結圧を緩やかに供給もしくは排出し、
或はバイパスバルブを介して締結圧を速やかに供給もし
くは排出することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
締結圧供給路に設けられた絞りをバイパスするバイパス
通路を設け、かつ、このバイパス通路を開通、遮断する
バイパスバルブを備えた場合、該バイパスバルブに加え
てこれを制御するためのソレノイドバルブ等が必要とな
り、そのため、油圧回路の構成が複雑化することになる
のである。
【0006】そこで、本発明は、所定の摩擦要素への締
結圧供給路に絞り手段が設けられた自動変速機の油圧回
路において、ロックアップ手段を制御するためのバルブ
を利用することにより、上記絞り手段に対するバイパス
制御を、回路構成の複雑化を来すことなく行い得るよう
にすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような手段を用いることを特徴とす
る。
【0008】つまり、トルクコンバータの入、出力側を
直結するロックアップ手段が備えられ、かつ、油圧回路
に、上記ロックアップ手段を制御するためのバルブと、
所定の摩擦要素への締結圧供給路を絞る絞り手段とが設
けられた自動変速機において、上記締結圧供給路に、上
記絞り手段をバイパスするバイパス通路を設けると共
に、上記ロックアップ手段の制御用バルブとして、該ロ
ックアップ手段の締結状態と解放状態との切換えを行う
第1シフトバルブと、該ロックアップ手段が締結されて
いる状態において、完全締結状態とスリップ状態との切
換えを行う第2シフトバルブと、このスリップ状態にお
いて、ロックアップ手段の締結力を調整するコントロー
ルバルブとを備え、かつ、上記第2シフトバルブに、該
バルブの作動によって開通、遮断されるように、上記バ
イパス通路を接続したことを特徴とする。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、第1、第2シフトバルブ
及びコントロールバルブにより、ロックアップ手段の締
結状態と解放状態との切換え制御、締結状態での完全締
結状態とスリップ状態との切換え制御、及びスリップ状
態での締結力の制御、即ちスリップ量の制御が行われる
ことになるが、これらのバルブのうち、第2シフトバル
ブは、締結状態において完全締結状態とスリップ状態と
の切換えを行うものであるから、解放状態ではなんら機
能していないことになる。
【0010】一方、摩擦要素に対する締結圧の供給もし
くは排出は、運転中における変速時或は手動によるレン
ジの切換え時に行われ、これらの時点では上記ロックア
ップクラッチは解放された状態にある。したがって、締
結圧の供給、排出は、上記第2シフトバルブが機能して
いない状態で行われることになり、該バルブを締結圧の
供給、排出時におけるバイパス制御に利用することが可
能となるのである。
【0011】そして、この第2シフトバルブには、締結
圧供給路のオリフィスをバイパスするバイパス通路が接
続されることにより、該第2シフトバルブがロックアッ
プ制御用として機能していないロックアップ解放時に、
該バルブを作動させることによって上記オリフィスに対
する締結圧のバイパス制御が行われることになるのであ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0013】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、パワートレインを構成する要素として、ト
ルクコンバータ10と、該トルクコンバータ10と同一
軸線上に配置された主変速機20と、これらの軸線と平
行な軸線上に配置された副変速機30とを有する。
【0014】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウエィクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されて、トルク増
大作用を行うステータ15と、上記タービン13に連結
された出力軸(タービンシャフト)16と、上記ケース
11を介して出力軸16をエンジン出力軸2に直結する
ロックアップクラッチ17とで構成されている。
【0015】なお、該トルクコンバータ10と主変速機
20との間には、上記ケース11を介してエンジン出力
軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されている。
【0016】また、上記主変速機20は、上記トルクコ
ンバータ出力軸16上における該トルクコンバータ側に
配置されたフロント遊星歯車機構21と、反トルクコン
バータ側に配置されたリヤ遊星歯車機構22とを有す
る。
【0017】そして、上記トルクコンバータ出力軸16
が、直結クラッチ23を介してフロント遊星歯車機構2
1のサンギヤ21aに、また、前進クラッチ24を介し
てリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22aにそれぞれ結
合されるようになっていると共に、フロント遊星歯車機
構21のリングギヤ21bと上記リヤ遊星歯車機構22
のサンギヤ22aとが結合されている。また、上記フロ
ント遊星歯車機構21のサンギヤ21aと変速機ケース
3との間には、第1ワンウエィクラッチ25と中間ブレ
ーキ26とが直列に配置され、かつ、これらに並列にエ
ンジンブレーキ用のコーストブレーキ27が配置されて
いると共に、上記リヤ遊星歯車機構22のリングギヤ2
2bと変速機ケース3との間には、第2ワンウエィクラ
ッチ28とローリバースブレーキ29とが並列に配置さ
れている。
【0018】そして、フロント遊星歯車機構21及びリ
ヤ遊星歯車機構22のピニオンキャリヤ21c,22c
が結合され、これらに主変速機20から副変速機30へ
動力を伝達する中間ギヤ5が連結されている。
【0019】このような構成により、この主変速機20
によれば、前進3段と後退1段の変速段が得られる。
【0020】つまり、まず、前進クラッチ24のみを締
結した状態では、トルクコンバータ出力軸16からの動
力がリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22aに入力され
ると共に、リングギヤ22bが第2ワンウエィクラッチ
28を介してケース3に固定されるので、該遊星歯車機
構22のピニオンキャリヤ22cから中間ギヤ5に上記
トルクコンバータ出力軸16の回転が大きな減速比で減
速されて出力され、主変速機20の1速が得られる。
【0021】また、この1速の状態から中間ブレーキ2
6が締結されると、第1ワンウェイクラッチ25を介し
てフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aが固定さ
れるため、トルクコンバータ出力軸16から前進クラッ
チ24及びリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22aを介
してフロント遊星歯車機構21のリングギヤ21bに入
力される動力は、該フロント遊星歯車機構21で上記1
速の減速比よりも小さな減速比で減速されて、ピニオン
キャリヤ21cから中間ギヤ5に出力されることにな
り、主変速機20の2速が得られる。
【0022】さらに、上記の2速の状態から直結クラッ
チ23が締結されると、トルクコンバータ出力軸16か
らの動力は、前進クラッチ24及びリヤ遊星歯車機構2
2のサンギヤ22aを介してフロント遊星歯車機構21
のリングギヤ21bに入力されると同時に、上記直結ク
ラッチ23を介して該フロント遊星歯車機構21のサン
ギヤ21aにも入力されることになる。したがって、該
フロント遊星歯車機構21は全体が一体回転することに
なって、ピニオンキャリヤ21cから中間ギヤ5にトル
クコンバータ出力軸16の回転と等しい回転が出力さ
れ、主変速機20の3速が得られる。
【0023】そして、上記前進クラッチ24が解放され
て、直結クラッチ23とローリバースブレーキ29とが
締結されれば、トルクコンバータ出力軸16からの動力
はフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aに入力さ
れる一方において、リヤ遊星得歯車機構22のリングギ
ヤ22bが固定されることにより、両遊星歯車機構2
1,22のピニオンキャリヤ21c,22cから中間ギ
ヤ5に上記トルクコンバータ出力軸16の回転が逆転さ
れて出力され、後退速が得られる。
【0024】なお、1速及び2速の状態での減速時に
は、上記第2、第1ワンウエィクラッチ28,25がそ
れぞれ空転して、エンジンブレーキが作動しないことに
なるが、エンジンブレーキ用レンジでの1速時には、第
2ワンウエィクラッチ28に並列のローリバースブレー
キ29が締結されることにより、また、2速時には第1
ワンウエィクラッチ25に並列のコーストブレーキ27
が締結されることにより、エンジンブレーキが作動する
1速及び2速が得られることになる。
【0025】一方、上記副変速機30は遊星歯車機構3
1を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常時
噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリングギ
ヤ31aに連結されていると共に、該遊星歯車機構31
のリングギヤ31aとサンギヤ31bとの間には直結ク
ラッチ32が配置され、かつ、サンギヤ31bと変速機
ケース3との間には、第3ワンウエィクラッチ33と減
速ブレーキ34とが並列に配置されている。そして、該
遊星歯車機構31のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ
7が連結され、該ギヤ7から差動装置を介して左右の駆
動輪(図示せず)に動力が伝達されるようになってい
る。
【0026】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を前進2段に変速
して出力ギヤ7に出力することができるようになってい
る。
【0027】つまり、直結クラッチ32が解放され、か
つ減速ブレーキ34が締結されれば、遊星歯車機構31
のサンギヤ31bが固定されることにより、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aに入力される中間ギヤ6か
らの動力が減速されてピニオンキャリヤ31cから出力
ギヤ7に出力され、また、上記直結クラッチ32が締結
され、かつ減速ブレーキ34が解放されれば、該遊星歯
車機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結
合されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がその
まま出力ギヤ7に出力されることになる。
【0028】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して前進2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては、前進
6段、後退2段の変速段がえられることになるが、この
実施例では、これらの変速段のうち、前進5段と後退1
段の変速段を採用するようになっている。
【0029】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用の変速段のみで締結されることを示す。
以下余白
【0030】
【表1】 次に、上記表1に従って各クラッチ及びブレーキを選択
的に締結させることにより、運転状態もしくは運転者の
要求に応じた変速段を形成する油圧回路について説明す
る。
【0031】図2に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0032】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって減圧さ
れた制御用元圧はライン47を介してモデュレータバル
ブ48に供給されると共に、このモデュレータバルブ4
8の制御ポート48aにはデューティソレノイドバルブ
49によって調整された制御圧が供給されるようになっ
ている。したがって、該モデュレータバルブ48におい
ては、上記デューティソレノイドバルブ49のデューテ
ィ率(1ON,OFFサイクル中のON時間の比率)に
応じたモデュレータ圧が生成されることになると共に、
このモデュレータ圧がライン50を介して上記レギュレ
ータバルブ41の第1増圧ポート41aに供給されるこ
とにより、ライン圧が上記デューティ率に応じて増圧さ
れることになる。その場合に、上記デューティ率は例え
ばエンジンのスロットル開度等に応じて設定さることに
より、ライン圧が該スロットル開度等に応じた値に調整
されることになる。なお、上記モデュレータ圧をレギュ
レータバルブ41の第1増圧ポート41aに供給するラ
イン50には、デューティソレノイドバルブ49の周期
的ON,OFF動作に起因する油圧の脈動を抑制するた
めのアキュムレータ51が設置されている。
【0033】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。そして、前進ライン5
2は、作動油の供給時と排出時とで絞り量を異ならせた
オリフィス54を介して前進クラッチ24に導かれてお
り、したがって、D,3,2,1の各前進レンジでは、
前進クラッチ24が常時締結されることになる。
【0034】ここで、この前進ライン52には、前進ク
ラッチ24への締結圧の供給時におけるショックを緩和
するための第1アキュムレータ55が設置され、このア
キュムレータ55に上記メインライン42からライン5
6を介して背圧が供給されるようになっている。また、
上記後退ライン53からはレギュレータバルブ41の第
2増圧ポート41bに通じるライン57が分岐され、R
レンジでライン圧の調整値を高くするようになってい
る。
【0035】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0036】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0037】そして、上記制御用元圧ライン66,67
には、第1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて
第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が
設置されている。これらのON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65
の制御ポート61a〜65a内の制御圧をドレンさせる
ようになっており、したがって、各シフトバルブ61〜
65のスプールは、対応するON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜75がONのときに図面上、左側に位置し、
OFFのときに右側に位置することになる。
【0038】ここで、上記第1〜第5ON−OFFソレ
ノイドバルブ71〜75の状態と変速段との関係をまと
めると、表2に示すようになる。なお、この表2中、
(1),(2)はエンジンブレーキ用の1速及び2速を
示す。また、OFF*は、一旦ONとなった後、OFF
に切換わることを示す。 以下余白
【0039】
【表2】 そして、この表2に示すような各ON−OFFソレノイ
ドバルブ71〜75のON,OFFの組合せに応じて、
各シフトバルブ61〜65のスプールの位置が決定され
ることにより、上記メインライン42或は前進ライン5
2もしくは後退ライン53から各クラッチ及びブレーキ
に通じるラインが選択的に連通され、これにより、前記
表1に示すところに従って各クラッチ及びブレーキが締
結され、1〜5速と後退速とが得られる。
【0040】その場合に、主変速機20における直結ク
ラッチ23、コーストブレーキ27、ローリバースブレ
ーキ29及び中間ブレーキ26については、ライン圧を
減圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバ
ルブ76,77,78,79がそれぞれ備えられてい
る。そして、これらのバルブのうちのコーストブレーキ
用、ローリバースブレーキ用及び中間ブレーキ用のコン
トロールバルブ77,78,79については、制御ポー
ト77a,78a,79aに第1リニアソレノイドバル
ブ81によって調整された制御圧が供給されるようにな
っており、また、直結クラッチ用コントロールバルブ7
6の制御ポート76aには、直結クラッチ23に供給さ
れた締結圧自体がライン83を介して制御圧として供給
されるようになっている。
【0041】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
1は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7及びライン84を介して供給される制御元圧をコント
ローラ(図3参照)からの制御信号に応じて調整して、
そのときの変速段や運転状態に応じた制御圧を生成する
ようになっている。また、上記直結クラッチ用コントロ
ールバルブ76と、上記ローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78の一端に設けられたポート76b,7
8bには、上記後退ライン53から分岐されたライン8
5を介して調圧動作禁止用ライン86,87がそれぞれ
接続され、Rレンジで、これらのポート76b,78b
にライン圧が供給されてスプールが図面上、左側の位置
に固定されることにより、該直結クラッチ用及びローリ
バースブレーキ用コントロールバルブ76,78の調圧
(減圧)動作が阻止されるようになっている。さらに、
中間ブレーキ用コントロールバルブ79の一端のポート
79bには、コーストブレーキ27に締結圧が供給され
るときに、該締結圧がライン88を介して供給されて、
該コントロールバルブ79の調圧動作が制限されるよう
になっている。
【0042】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
1によって生成された制御圧は、アキュムレータ用モデ
ュレータバルブ89の制御ポート89aにも供給される
ようになっている。このモデュレータバルブ89は、メ
インライン42からライン90を介して供給されるライ
ン圧を上記第1リニアソレノイドバルブ81からの制御
圧に応じて調整して、第2、第3アキュムレータ91,
92用の背圧を生成し、これをライン93,94によっ
てこれらのアキュムレータ91,92の背圧ポート91
a,92aに供給するようになっている。
【0043】さらに、副変速機30の制御用としては、
直結クラッチ32及び減速ブレーキ34に供給される締
結圧を調整する第2リニアソレノイドバルブ95が備え
られている。この第2リニアソレノイドバルブ95は、
メインライン42からライン96を介してライン圧を制
御元圧として供給され、これをコントローラからの制御
信号に応じて調整して、上記直結クラッチ32もしくは
減速ブレーキ34に供給される締結圧を生成する。
【0044】ここで、この油圧回路40による各変速段
についての各クラッチやブレーキに対する締結圧の供給
状態を具体的に説明する。
【0045】まず、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキの作動しない1速では、主変速機20側では、第
1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73がO
N,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそれ
ぞれ位置している。この状態では、前進ライン52から
分岐されたライン101が第1シフトバルブ61を介し
てライン102に連通し、さらに第2シフトバルブ62
を介してライン103に連通するが、このライン103
は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく前
進ライン52から分岐された他のライン104は第2シ
フトバルブ62で、メインライン42から分岐されたラ
イン105は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断され
る。したがって、この場合は、前述のように、前進レン
ジで常時締結される前進クラッチ24のみが締結された
状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキが
作動しない1速が得られる。
【0046】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42から分岐されたライン106が第4シフトバ
ルブ64を介してライン107に連通し、さらに、第5
シフトバルブ65を介して減速ブレーキ34に通じるラ
イン108に連通して該ブレーキ34にライン圧が供給
される。したがって、該減速ブレーキ34が締結され
て、副変速機30の変速段が減速段となり、その結果、
自動変速機全体としての変速段はエンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0047】また、1レンジや2レンジ等で採用される
エンジンブレーキ用の1速では、上記のエンジンブレー
キ非作動の1速に対して第3ソレノイドバルブ73がO
Nとなり、これにともなって、第3シフトバルブ63の
スプールが左側に位置する。
【0048】したがって、この場合は、上記前進ライン
52が、その分岐ライン101、第1シフトバルブ6
1、ライン102、第2シフトバルブ62、ライン10
3及び第3シフトバルブ63を介してローリバースブレ
ーキ用コントロールバルブ78に通じるライン109に
連通し、該コントロールバルブ78にライン圧が供給さ
れることになる。そして、このコントロールバルブ78
に供給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ
81から供給されている制御圧に応じた締結圧に調整さ
れ、この締結圧がローリバースブレーキ29に供給され
ることになる。これにより、前進クラッチ24に加え
て、ローリバースブレーキ29が締結され、主変速機2
0において、エンジンブレーキ用の1速が得られること
になる。そして、副変速機30の変速段は、前述のエン
ジンブレーキ非作動の1速の場合と同様に減速段に設定
されているから、自動変速機全体として、エンジンブレ
ーキが作動する1速が得られる。
【0049】次に、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジ等で採用
されるエンジンブレーキ用の2速では、上記のエンジン
ブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ用の1速の
状態に対して副変速機30の変速段のみが変化する。つ
まり、副変速機30における第5ON−OFFソレノイ
ドバルブ75がONとなり、これに伴って第5シフトバ
ルブ65のスプールが左側に位置する。したがって、第
4シフトバルブ64から該第5シフトバルブ65に導か
れているライン107が直結クラッチ32に通じるライ
ン110に連通されて、該直結クラッチ32が締結され
ることになり、副変速機30の変速段が直結段となる。
これにより、自動変速機の全体として、エンジンブレー
キが作動しない2速或はエンジンブレーキが作動する2
速が得られることになる。
【0050】なお、上記副変速機30における減速段か
ら直結段への切換わり時には、第4ON−OFFソレノ
イドバルブ74が一旦ONとなった後、OFFとなる。
そのため、第4シフトバルブ64のスプールが一時的に
左側に位置して、上記ライン106,107間を遮断す
る。そして、この間は第2リニアソレノイドバルブ95
が締結圧を調整し、これをライン97及び第5シフトバ
ルブ65を介して直結クラッチ32に供給する。
【0051】さらに、3速では、主変速機20におい
て、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第
3シフトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、
左側に位置することになる。この場合、まず、前進ライ
ン52からの一方の分岐ライン101が、第1シフトバ
ルブ61を介してライン111に連通し、さらに第3シ
フトバルブ63を介してコーストブレーキ用コントロー
ルバルブ77に通じるライン112に連通する。したが
って、該コントロールバルブ77にライン圧が供給さ
れ、これが第1リニアソレノイドバルブ81からの制御
圧に応じた締結圧に調整された上で、コーストブレーキ
27に供給され、該ブレーキ27を締結させる。
【0052】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン104が第2シフトバルブ62を介して中間ブレー
キ用コントロールバルブ79に通じるライン113に連
通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。その場合に、このコントロールバルブ79には、上
記第1リニアソレノイドバルブ81からの制御圧が供給
されると共に、上記コーストブレーキ27に供給されて
いる締結圧がライン88を介して制御圧として供給され
て、これらの制御圧に応じて調整された締結圧が中間ブ
レーキ26に供給されることになる。その結果、主変速
機20においては、前進クラッチ24に加えて中間ブレ
ーキ26が締結され、しかも上記コーストブレーキ27
も締結されることにより、エンジンブレーキが作動する
2速となる。
【0053】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段が減速段に設定されている。したがって、自動変速
機の全体としては、所定の減速比を有し、かつ、エンジ
ンブレーキが作動する3速が得られることになる。
【0054】また、4速では、主変速機20において
は、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位置
する。そのため、メインライン42から分岐されたライ
ン105が第1シフトバルブ61を介してライン114
に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を介
して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じるラ
イン115に連通し、したがって、該コントロールバル
ブ76にライン圧が供給されることになる。そして、こ
のコントロールバルブ76によって調整された締結圧が
ライン116によって直結クラッチ23に供給され、該
クラッチ23を締結させる。これにより、主変速機20
は、前進クラッチ24と直結クラッチ23とが締結され
て3速となる。ここで、直結クラッチ23の締結時に
は、第2アキュムレータ91の作用により、締結圧が徐
々に供給されるようになっている。
【0055】一方、副変速機30は、前述の3速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にOFFの状態にあって、変速段は減速段
に設定されており、その結果、自動変速機の全体として
は4速が得られることになる。
【0056】そして、この4速の状態から副変速機30
における第5ON−OFFソレノイドバルブ75がON
となって第5シフトバルブ65のスプールが左側に位置
することにより、該副変速機30における直結クラッチ
32が締結されて変速段が直結段となり、その結果、自
動変速機全体としての変速段が5速となる。なお、この
場合も、副変速機30の直結段への切換わり時に、第4
ON−OFFソレノイドバルブ74が一旦ONとなるこ
とにより、直結クラッチ32へは、第2リニアソレノイ
ドバルブ95によって調整された締結圧が一時的に供給
される。
【0057】さらに、上記マニュアルバルブ43がRレ
ンジに操作された後退速においては、該マニュアルバル
ブ43を介して後退ライン53がメインライン42に連
通されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0058】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン105が、前述の4速及び5速の場合と
同様に、第1シフトバルブ61を介してライン114に
連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を介し
て直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じるライ
ン115に連通し、したがって、該コントロールバルブ
76にライン圧が供給されることになる。この場合は、
該コントロールバルブ76の一端のポート76bに、上
記後退ライン53からライン85,86を介してライン
圧が供給されて、該コントロールバルブ76のスプール
が図面上、左側に固定されることにより、上記ライン1
15から供給されたライン圧が、減圧されることなく、
ライン116を介してそのまま直結クラッチ24に供給
され、該直結クラッチ24を高い締結圧で締結させる。
【0059】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス117
を有するライン118、第3シフトバルブ63及び前述
のライン109を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
用の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78に
ライン圧を供給する。この場合、コントロールバルブ7
8の一端のポート78bには、上記後退ライン53から
分岐されたライン85,87によってライン圧が導入さ
れることにより、該コントロールバルブ78のスプール
が図面上、左側に固定されることになる。そのため、上
記ライン109によって供給されているライン圧は、該
コントロールバルブ78で調整されることなく、そのま
まローリバースブレーキ29に供給され、該ローリバー
スブレーキ29を高い締結圧で締結することになる。こ
こで、上記ローリバースバスブレーキ29に締結圧が供
給される際には、上記ライン118からライン119を
介して第3アキュムレータ92に作動油が導入されるこ
とにより、該締結圧が徐々に立ち上がるようになってい
る。
【0060】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ29が締結さ
れ、後退速が得られる。この場合、副変速機30におい
ては、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,
75ともOFFの状態にあって、減速段に設定された状
態にある。
【0061】以上のようにして、この油圧回路40によ
って前進5段、後退1段の変速段が達成されることにな
るが、この油圧回路40には、上記の構成に加えて、ト
ルクコンバータ10内のロックアップクラッチ17を制
御するためのロックアップ用第1、第2シフトバルブ1
21,122と、ロックアップ用コントロールバルブ1
23と、ロックアップ用ON−OFFソレノイドバルブ
124と、同じくロックアップ用デューティソレノイド
バルブ125とが備えられている(これらのバルブの動
作は後述する)。
【0062】そして、このロックアップ用のソレノイド
バルブ124,125と、前述のライン圧調整用のデュ
ーティソレノイドバルブ49、変速用の第1〜第5ON
−OFFソレノイドバルブ71〜75、及び締結圧調整
用の第1、第2リニアソレノイドバルブ81,95とを
制御するコントローラが備えられ、図3に示すように、
該コントローラ140からの制御信号によって上記各ソ
レノイドバルブが制御されるようになっている。このコ
ントローラ140は、車速を検出するセンサ141から
の信号、エンジンのスロットル開度を検出するセンサ1
42からの信号、及び運転者によって選択されたシフト
位置(レンジ)を検出するセンサ143からの信号等を
入力し、これらの信号によって示される運転状態や運転
者の要求に応じて上記各ソレノイドバルブを制御する。
【0063】次に、本案の特徴部である上記油圧回路4
0におけるロックアップ制御部の構成を、図4以下の図
面を用いて説明する。
【0064】上記のように、油圧回路40には、ロック
アップ用第1、第2シフトバルブ121,122と、ロ
ックアップ用コントロールバルブ123と、これらのバ
ルブ121〜123の作動を制御するためのON−OF
Fソレノイドバルブ124及びデューティソレノイドバ
ルブ125とが備えられている。
【0065】図4に示すように、上記ロックアップ用コ
ントロールバルブ123は、メインライン42(図2参
照)から導かれたコンバータライン126が接続された
入力ポート123aと、第2シフトバルブ122に通じ
るドレンライン127が接続されたドレンポート123
bと、第1シフトバルブ121との間の中間ライン12
8が接続された出力ポート123cとを有すると共に、
該バルブ123の一端に設けられた制御ポート123d
には、第1レデューシングバルブ44(図2参照)から
導かれた制御ライン129が接続されている。なお、上
記ドレンライン127の途中には、オリフィス130を
有するドレンポート127aが設けられている。
【0066】そして、上記制御ライン129に上記デュ
ーティソレノイドバルブ125が設置され、該バルブ1
25によって調整された制御圧が上記制御ポート123
dに供給されてスプール123eに作用することによ
り、上記コンバータライン126から供給されるライン
圧が調整されて、上記出力ポート123cから中間ライ
ン128に出力されるようになっている。
【0067】ここで、上記デューティソレノイドバルブ
125は、コントローラ140(図3参照)から出力さ
れる制御信号のデューティ率Dが100のときに、制御
ライン129を完全にドレンさせて制御圧を0とし、デ
ューティ率Dが0のときに、制御ライン129のドレン
ポートを完全に閉じて制御圧を最大値とする。
【0068】また、上記第1シフトバルブ121には、
上記コンバータライン126が接続された第1入力ポー
ト121aと、上記コントロールバルブ123からの中
間ライン128が接続された第2入力ポート121b
と、トルクコンバータ10内におけるロックアップクラ
ッチ17の締結室17a及び解放室17bに通じる締結
ライン131及び解放ライン132がそれぞれ接続され
た第1、第2出力ポート121c,121dとが設けら
れている。また、この第1シフトバルブ121の一端の
制御ポート121eには、第2レデューシングバルブ4
5(図2参照)から導かれた制御ライン133が接続さ
れていると共に、このライン133上に上記ロックアッ
プ用ON−OFFソレノイドバルブ124が設置されて
いる。
【0069】そして、このソレノイドバルブ124のO
N,OFFによってスプール121fが移動し、上記コ
ンバータライン126と締結ライン131、及び中間ラ
イン128と解放ライン132とがそれぞれ連通した状
態(図4参照)と、コンバータライン126と解放ライ
ン132とが連通され、かつ、中間ライン128及び締
結ライン131が遮断された状態(図8参照)とに切換
えられるようになっている。
【0070】さらに、第2シフトバルブ122は、一端
に上記デューティソレノイドバルブ125によって調整
された制御圧がライン134を介して供給される制御ポ
ート122aを有し、該制御ポート122a内の制御圧
に応じてスプール122bが移動するようになってい
る。そして、このスプール122bの移動により、メイ
ンライン42から導かれたライン135が上記コントロ
ールバルブ123の他端の調圧阻止ポート123fに通
じる調圧阻止ライン136に連通し、かつ、コントロー
ルバルブ123からのドレンライン127が遮断される
状態(図4参照)と、上記メインライン42からのライ
ン135と調圧阻止ライン136との間が遮断され、か
つ、ドレンライン127がドレンポート122cに連通
する状態(図5参照)とに切換えられるようになってい
る。
【0071】また、この第2シフトバルブ122には、
入力側及び出力側バイパスポート122d,122eが
設けれて、変速時における締結圧のバイパス制御に用い
られるようになっている。つまり、前進レンジにおい
て、マニュアルバルブ43(図2参照)でメインライン
42に連通されて、前進クラッチ24に通じる前進ライ
ン52には、前述のようにオリフィス54が設けられて
いると共に、このオリフィス54をバイパスするバイパ
スライン137が設けられ、その上流側部分137aが
上記上流側バイパスポート122dに、下流側部分13
7bが上記下流側バイパスポート122eにそれぞれ接
続されている。そして、該第2シフトバルブ122のス
プール122bの移動によって、バイパスライン137
の上、下流側部分137a,137bが連通され、もし
くは遮断されるようになっている。
【0072】上記のような構成において、いま、図4に
示すように、ON−OFFソレノイドバルブ124がO
Nとなって、第1シフトバルブ121の制御ポート12
1eから制御圧がドレンされることにより、スプール1
21fが図面上の右側に位置したものとする。このと
き、該第1シフトバルブ121において、メインライン
42から導かれたコンバータライン126が締結ライン
131に連通して、ロックアップクラッチ17の締結室
17aに締結圧が供給されると共に、コントロールバル
ブ123からの中間ライン128が解放ライン132に
連通することになる。
【0073】そして、この状態で、デューティソレノイ
ドバルブ125より、第2シフトバルブ122の制御ポ
ート122aに供給される制御圧が例えば0(デューテ
ィ率=100)に調整されているものとすると、図示の
ように、該第2シフトバルブ122のスプール122b
が右側に位置して、メインライン42からのライン13
5が調圧阻止ライン136に連通し、上記コントロール
バルブ123の調圧阻止ポート123fにライン圧が供
給されることになる。このとき、コントロールバルブ1
23のスプール123eは右側の位置に固定されて、上
記コンバータライン126からのライン圧の入力を阻止
すると共に、第1シフトバルブ121及び解放ライン1
32を介してロックアップ解放室17bに連通している
中間ライン128をドレンライン127に連通させる。
そのため、上記解放室17b内の解放圧がドレンライン
127の途中のドレンポート127aからドレンされ、
これにより、上記のようにして締結室17aに供給され
ている締結圧によって、ロックアップクラッチ17が完
全に締結された状態となる。
【0074】なお、上記ドレンライン127の途中のド
レンポート127aにはオリフィス130が設けられて
いるから、この完全締結状態への移行が緩やかに行わ
れ、ロックアップクラッチ17の締結時のショックが抑
制されることになる。
【0075】また、図5に示すように、上記の完全締結
時と同様にON−OFFソレノイドバルブ124がON
で第1シフトバルブ121のスプール121fが右側に
位置する状態で、デューティソレノイドバルブ125の
デューティ率が小さくなることにより、コントロールバ
ルブ123及び第2シフトバルブ122の制御ポート1
23d,122aに供給される制御圧が所定値以上とな
ると、まず、第2シフトバルブ122において、スプー
ル122bが左側に位置することになる。このとき、上
記ドレンライン127が該第2シフトバルブ122のド
レンポート122cに連通すると共に、メインライン4
2からのライン135と調圧阻止ライン136との間が
遮断されることになる。そのため、コントロールバルブ
123の調圧動作が可能となって、制御ポート123d
に供給されている上記制御圧に応じてコンバータライン
126からのライン圧が調整され、これが中間ライン1
28、第1シフトバルブ121及び解放ライン132を
介してロックアップ解放室17bに供給されることにな
る。
【0076】つまり、図6に示すように、制御圧が所定
位置P0以上で、この制御圧に応じた解放圧が発生され
ることになり、これにともなって、図7に示すような特
性で変化する差圧(締結圧−解放圧)が得らる。そし
て、この差圧特性の領域Xで示す範囲でロックアップク
ラッチ17が完全に締結され、領域Yで示す範囲で該ク
ラッチ17のスリップ制御が行われることになる。
【0077】一方、上記ON−OFFソレノイドバルブ
124がOFFとなって、図8に示すように、第1シフ
トバルブ121のスプール121fが左側に位置する
と、コンバータライン126が解放ライン132に連通
して、ロックアップクラッチ17の解放室17bに解放
圧としてメインライン42からのライン圧がそのまま供
給されると共に、締結ライン131から締結室17aへ
の作動圧の供給が遮断されることになり、これにより、
ロックアップクラッチ17は、完全に開放された状態と
なる。
【0078】そして、この場合においては、デューティ
ソレノイドバルブ125によって調整される制御圧によ
る第2シフトバルブ122やコントロールバルブ123
に対する制御は、上記のようにして解放されているロッ
クアップクラッチ17の作動に全く影響しないので、こ
のデューティソレノイドバルブ125と第2シフトバル
ブ122とを利用して、摩擦要素に対する締結圧供給動
作のバイパス制御を行うことが可能となるのである。
【0079】つまり、図8に示すように、デューティソ
レノイドバルブ125のデューティ率を100として、
制御ライン129及び134内の制御圧を0とすること
により、第2シフトバルブ122のスプール122bを
右側に位置させると、該シフトバルブ122の入力側及
び出力側バイパスポート122d,122eが連通する
ことにより、バイパスライン137の上、下流側部分1
37a,137bが開通することになる。したがって、
例えば、Nレンジ等の前進レンジ以外のレンジからDレ
ンジ等の前進レンジへのマニュアルバルブ43の操作時
において、前進ライン52により前進クラッチ24に締
結圧が供給されるときに、この締結圧が該前進ライン5
2上のオリフィス54を通過することなく、上記バイパ
スライン137により速やかに供給され、前進クラッチ
24が遅滞なく締結されることになる。
【0080】また、これとは逆に、上記デューティソレ
ノイドバルブ125のデューティ率を0として、制御ラ
イン129内の制御圧を最大値とすれば、第2シフトバ
ルブ122のスプール122bが左側に位置して、上記
入力側及び出力側バイパスポート122d,122e間
が遮断され、これにともなって、バイパスライン137
の上、下流側部分137a,137b間も遮断されるこ
とになる。そのため、この場合は、マニュアルバルブ4
3から前進ライン52を介して前進クラッチ24に供給
される締結圧は、該前進ライン52上のオリフィス54
を通過して徐々に供給され、前進クラッチ24が緩やか
に締結されることになる。
【0081】このようにして、ロックアップクラッチ1
7の制御において、該クラッチ17を完全締結状態もし
くはスリップ状態に制御するための第2シフトバルブ1
22を用いて、該ロックアップクラッチ17の解放時
に、前進クラッチ24への締結圧供給時におけるバイパ
ス制御が行われることになる。なお、このバイパス制御
は、ロックアップクラッチ17が解放状態に制御される
間は、必要に応じて自由に行うことが可能である。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る自動変速機
の制御装置によれば、油圧回路にロックアップ手段の制
御用の複数のバルブと、所定の摩擦要素への締結圧供給
路上に設けられた絞り手段とが設けられている構成にお
いて、上記ロックアップ手段制御用バルブのうちのロッ
クアップ解放時に機能しないバルブを利用して、上記絞
り手段に対する締結圧のバイパス制御を行うようにした
から、このバイパス制御のために、別途バイパスバルブ
や、これを作動させるためのソレノイドバルブ等が不要
となる。これにより、この種の自動変速機の油圧回路が
簡素化されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同自動変速機の油圧回路を示す回路図であ
る。
【図3】 図2の油圧回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図4】 油圧回路におけるロックアップ制御部分のロ
ックアップスリップ状態を示す拡大図である。
【図5】 油圧回路におけるロックアップ制御部分のロ
ックアップ完全締結状態を示す拡大図である。
【図6】 ロックアップ解放圧の特性を示す油圧特性図
である。
【図7】 ロックアップクラッチの締結力に対応する差
圧の特性を示す油圧特性図である。
【図8】 油圧回路におけるロックアップ制御部分のロ
ックアップ解放状態を示す拡大図である。
【符号の説明】
10 トルクコンバータ 17 ロックアップ手段(ロックアップクラッ
チ) 40 油圧回路 52 締結圧供給路(前進ライン) 54 絞り手段(オリフィス) 121 第1シフトバルブ 122 第2シフトバルブ 123 コントロールバルブ 137 バイパス通路
フロントページの続き (72)発明者 栗山 実 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−31768(JP,A) 特開 昭62−83535(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータの入、出力側を直結す
    るロックアップ手段が備えられ、かつ、油圧回路に、上
    記ロックアップ手段を制御するためのバルブと、所定の
    摩擦要素への締結圧供給路を絞る絞り手段とが設けられ
    た自動変速機の制御装置であって、上記締結圧供給路
    に、上記絞り手段をバイパスするバイパス通路が設けら
    れていると共に、上記ロックアップ手段の制御用バルブ
    として、該ロックアップ手段の締結状態と解放状態との
    切換えを行う第1シフトバルブと、該ロックアップ手段
    の締結状態において、完全締結状態とスリップ状態との
    切換えを行う第2シフトバルブと、スリップ状態におい
    て、ロックアップ手段の締結力を調整するコントロール
    バルブとが備えられ、かつ、上記第2シフトバルブに、
    該バルブの作動によって開通、遮断されるように、上記
    バイパス通路が接続されていることを特徴とする自動変
    速機の制御装置。
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