JP2977905B2 - 練り歯磨き組成物用の研磨剤シリカ - Google Patents

練り歯磨き組成物用の研磨剤シリカ

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、特に練り歯磨き組成物中の研磨剤として
用いることができるシリカ、特に沈降シリカに関する。
この発明はまた、このシリカの製造方法及びこのシリ
カを含有する練り歯磨き組成物にも関する。
ここ数年の間に、非常に多くの練り歯磨き組成物が開
発され、販売されている。
練り歯磨き処方物は様々な成分、特に水、湿潤剤(例
えばグリセロール、ソルビット、キシリトール又はポリ
エチレングリコール等)、増粘剤(例えばキサンタンガ
ム)、弗化物源(通常は弗化ナトリウム又はモノフルオ
ロ燐酸ナトリウム(虫歯予防剤))、着色剤、フレーバ
ー、甘味料、香料、保存料、界面活性剤及び(又は)治
療用添加剤等を含有することができる。
また、これら練り歯磨き処方物は一般的に研磨剤をも
含有し、この研磨剤は、その機械的作用によって歯垢を
除去しながら、歯自体を許容できない程度に摩耗させる
ことのないものでなければならない。
通常用いられる研磨剤の中では、炭酸及び燐酸カルシ
ウム、メタ燐酸ナトリウム、アルミナ並びに特に近年で
はシリカを挙げることができる。
しかしながら、練り歯磨き組成物中の研磨剤として用
いられていた従来技術のシリカは、常に望ましい屈折率
又は多孔度を持っているわけではない。
本発明の目的は、特に、低い比表面積を有すると同時
に高い研磨力並びに比較的低い屈折率及び油吸収性を有
し、さらに有機アミン化合物との適合性がある新規のシ
リカを提供することにある。
本発明はまた、前記シリカの製造方法及び練り歯磨き
組成物におけるこのシリカの使用にも関する。
かくして、本発明の一つの主題は、特に練り歯磨き組
成物中の研磨剤として用いることができるシリカ、好ま
しくは沈降シリカであって、 i)20〜75m2/gの範囲のBET比表面積、 ii)16〜45m2/gの範囲のCTAB比表面積、 iii)120〜160の範囲のRDA研磨性、 iv)1.435〜1.450の範囲の屈折率、 v)70〜105m/100gの範囲のDOP油吸収性、及び vi)少なくとも50%の有機アミン化合物、特に弗素化ア
ミンとの適合性 を有するシリカにある。
本明細書において、BET比表面積とは、「Journal of
the American Chemical Society」第60巻、第309頁(19
38年2月)に記載されたBrunauer−Emmett−Teller法
{ISO規格5794/1(付録D)に対応}に従って測定され
る。
CTAB比表面積とは、NFT規格45−007(1987年)(5.1
2)に従って測定される外部表面である。
RDA{「放射性象牙質研磨(Radioactive Dentine Abr
asion)」}研磨性は、ヘフェレン(J.J.Hefferren)に
よって「Journal of Dental Research」第55(4)巻、
第563頁(1976年)に記載された方法に従って測定され
る。
この方法に従えば、中性子流による照射を受けた人間
の歯を所定量の機械的歯磨き処理に付す。被検練り歯磨
きの研磨指数は、象牙質から放射される32P放射能に対
応する。0.5%ナトリウムカルボキシメチルセルロース
水性溶液50m中にピロ燐酸カルシウム10gを含有させた
懸濁液を参照用として選択し、この参照用物質のRDAを1
00と設定する。RDAを測定することが望まれるシリカを
ピロ燐酸カルシウムと同様にして懸濁させ、同じ機械的
歯磨き処理に付す。
ソルビット中でのシリカの屈折率は、様々な水−ソル
ビット溶液中でのこのシリカの最も透明な懸濁液のもの
(従って最大透過率のもの)であり、この透明性は分光
光度計を用いた589nmにおける透過率によって決定され
る。それぞれの懸濁液は、水−ソルビット溶液19g中に
シリカ1gを分散させ、次いで穏やかな真空下で脱泡した
後に分光光度計を用いて透過率を読み取り(参照用物質
としてのシリカを含有しない水−ソルビット溶液と共に
行なう読み取り)且つ屈折計を用いて屈折率を読み取
る。
DOP油吸収性は、ISO規格787/5に従ってフタル酸ジオ
クチルを用いて測定される。
シリカ粒子の重量による平均寸法D50は、Sympatec He
los装置を用いて測定される。この装置は、Fraun−h
ffer回折の原理を適用し、低出力He−Neレーザーを用い
る。試料は、水性懸濁液を得るために水中で30秒間超音
波を適用することによって、前もって分散される。
シリカのpHは、ISO規格787/9に従って測定される(水
中の5%懸濁液のpH)。
シリカのビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル−
N−(ヒドロキシエチルオクタデシルアミン)ジヒドロ
フルオリド(これは弗素化アミンであり、従って有機ア
ミン化合物である)との適合性は、次の態様で測定され
る: ・プロパンジオール中に33%の濃度の弗素化アミンの市
販の溶液5gを二回蒸留水95gに添加することによって、
弗素化アミン1.65%を含有する標準溶液を調製する; ・上で調整した標準溶液24g中にシリカ6gを分散させる
ことによってシリカの水性懸濁液(又はスラリー)を形
成させ、次いで、そのpHを(2N塩酸を添加することによ
って)5.0に調節した後に、この懸濁液を37℃において2
4時間撹拌し続ける; ・次いでこの懸濁液を10,000rpmにおいて30分間遠心分
離し、得られた上澄み液から、0.22μmのMilliporeフ
ィルター上で過した後に、測定溶液と称される溶液を
得る; ・標準溶液及び測定溶液中の弗素化アミンの濃度を、濁
り度測定によって、この場合には弗素化アミンと陰イオ
ン系化合物(スルホ琥珀酸ナトリウムジオクチルから成
る、Aerosol OT)との間でミセルが形成することからも
たらされる濁り度を550nmに設定したフォトトロード(p
hototrode)を用いて測定することによって、決定す
る; ・シリカの弗素化アミン適合性(FA適合性)は、次の
比: によって与えられる。
まず第一に、本発明に従うシリカは、低い比表面積を
有する。
本発明のシリカのBET比表面積は20〜75m2/gの範囲で
あり、35〜64m2/gの範囲、例えば45〜59m2/gの範囲であ
るのが好ましい。CTAB比表面積は16〜45m2/gの範囲であ
り、20〜40m2/gの範囲、例えば24〜36m2/gの範囲である
のが好ましい。
一般的に、本発明に従う同じシリカのBET比表面積とC
TAB比表面積との間の差は35m2/g以下、例えば25m2/g以
下である。
本発明に従うシリカはまた、高い研摩性をも特徴とす
る。本発明に従うシリカは、120〜160の範囲、特に125
〜145の範囲のRDA研磨性を有する。
本発明に従うシリカの屈折率は、比較的小さい。かく
して、この屈折率は1.435〜1.450の範囲であり、1.438
〜1.446の範囲、例えば1.440〜1.444の範囲であるのが
好ましい。そして、本発明に従うシリカは、70より大き
い透過率を有するのが一般的であり、75より大きい透過
率を有するのが好ましく、80より大きい透過率を有する
のがさらに好ましい。
本発明に従うシリカはまた、かなり低いDOP油吸収性
をも有する。このDOP油吸収性は70〜105m/100gの範囲
であり、80〜105m/100gの範囲であるのが好ましく、8
5〜95m/100gの範囲であるのが特に好ましい。
本発明に従うシリカは、練り歯磨き処方物中にしばし
ば存在させる有機アミン化合物と適合性である。用語
「有機アミン化合物」とは、練り歯磨き処方物中に用い
られる、少なくとも1個の窒素原子を含有する任意の活
性分子を意味するものとする。特に、ビス(ヒドロキシ
エチル)アミノプロピル−N−(ヒドロキシエチルオク
タデシルアミン)ジヒドロフルオリドのような、虫歯予
防剤として用いられる弗素化アミンを挙げることができ
る。
かくして、前記の試験に従って規定される、本発明に
従うシリカの有機アミン化合部との適合性、特に弗素化
アミンとの適合性は、少なくとも50%、より特定的には
少なくとも55%である。
同様に、本発明に従うシリカは、一般的に、練り歯磨
き処方物中にしばしば用いられる金属陽イオン、特に二
価又はそれ以上の金属陽イオン、特に亜鉛、ストロンチ
ウム及び錫とも適合性である。これらの陽イオンは、無
機塩の形にあってもよい。例えば、シトラコン酸亜鉛、
硫酸亜鉛、弗化亜鉛、塩化ストロンチウム及び弗化錫を
挙げることができる。
本発明に従うシリカは、この有機アミン化合物及び一
般的に金属陽イオンとの適合性を有することの結果とし
て、このシリカが初めに有していた機能を少なくとも大
きい程度で果たすことができる。従来技術のシリカ、特
にいわゆる研摩剤シリカの場合にはしばしばこのような
ことができなかった。
本発明に従うシリカは、4〜20μmの範囲、例えば5
〜12μmの範囲の重量による平均粒子寸法D50を有する
のが一般的である。
本発明に従うシリカのpHは、6.2〜7.4の範囲であるの
が一般的である。
本発明の別の主題は、アルカリ金属Mの珪酸塩と酸性
化剤とを反応させることによって沈降シリカの懸濁液を
得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを
含むタイプの、前記のシリカの製造方法であって、 (i)反応において用いられるアルカリ金属Mの珪酸塩
の総量の内の一部と少なくとも1種の電解質とを含有す
る初期原料を形成させ、ここで、この初期原料中のSiO2
として表わした珪酸塩濃度は35〜100g/の範囲であり
且つ初期原料中の電解質濃度は10〜40g/の範囲であ
り、 (ii)この初期原料に酸性化剤を、この初期原料中に存
在するM2Oの量の50〜85%が中和されるまで添加し、 (iii)この反応媒体に酸性化剤及び残りの珪酸塩を同
時に添加し、この際、この工程(iii)の間中反応媒体
のpHを8.6〜9.6の範囲に保ち、 (iv)珪酸塩の添加を停止し、且つ、反応媒体への酸性
化剤の添加をこの媒体について7.0〜8.0の範囲のpH値が
得られるまで続け、 (v)次いで反応媒体を最初の熟成に付し、 (vi)この反応媒体に酸性化剤をこの媒体について3.7
〜4.6の範囲のpH値が得られるまで添加し、 (vii)最後に、この反応媒体を2回目の熟成に付すと
いう態様で沈降を実施することを特徴とする、前記方法
にある。
酸性化剤及び珪酸塩の選択は、それ自体よく知られた
態様で行われる。
一般的に、硫酸、硝酸若しくは塩酸のような無機強酸
又は酢酸、蟻酸若しくは炭酸のような有機酸が酸性化剤
として用いられる。
珪酸塩としては、メタ珪酸塩、二珪酸塩のような任意
の通常の形の珪酸塩を用いることができ、Mがナトリウ
ム又はカリウムであるアルカリ金属Mの珪酸塩を用いる
のがさらに有利である。
一般的には、酸性化剤として硫酸を用い且つ珪酸塩と
して珪酸ナトリウムを用いる。
珪酸ナトリウムを用いる場合、この珪酸ナトリウムは
一般的に2〜4の範囲、より特定的には3.0〜3.8の範囲
のSiO2/Na2Oモル比で存在させる。
本発明に従う製造方法のより特定的なものに関して
は、次の工程に従って特異的な態様で沈降を行なう。
初めに、珪酸塩及び少なくとも1種の電解質を含む原
料を形成させる(工程(i))。初期原料中に存在させ
る珪酸塩の量は、反応において用いられる珪酸塩の総量
の一部のみを占める。
電解質に関しては、この用語は本明細書においてはそ
の通常の定義を有するものとし、即ちこの用語は溶液状
の時に分解又は解離してイオン又は荷電粒子を形成する
任意のイオン又は分子状物質を意味する。アルカリ金属
及びアルカリ土類金属塩から選択される塩、特に出発の
珪酸塩と酸性化剤との塩、例えば珪酸ナトリウムと硫酸
との反応の場合には硫酸ナトリウムを、電解質として挙
げることができる。
初期原料中の珪酸塩濃度は、1当たりにSiO2として
35〜100gの範囲である。この濃度は、40〜85g/の範
囲、例えば45〜75g/の範囲であるのが好ましい。
同様に、初期原料中の電解質濃度は、10〜40g/の範
囲であり、15〜30g/の範囲、例えば19〜25g/の範囲
であるのが好ましい。
2番目の工程(工程(ii))は、前記初期原料に酸性
化剤を、初期原料中に存在するM2Oの量の50〜85%、好
ましくは55〜80%が中和されるまで添加して成る。
好ましい態様として、この2番目の工程において、初
期原料に酸性化剤を、初期原料中に存在するM2Oの量の6
0〜75%が中和されるまで添加する。
この2番目の工程において及び一般的に本方法のその
他の部分において用いられる酸性化剤は、希釈されたも
のであってもの濃厚なものであってもよい。その規定度
は、0.4〜36Nの範囲、例えば0.6〜1.5Nの範囲であって
よい。
特に、酸性化剤が硫酸である場合には、その濃度は40
〜180g/の範囲、例えば60/150g/の範囲であるのが
好ましい。
この2番目の工程(予備中和工程)の時間は、4〜15
分の範囲であるのが一般的であり、5〜10分の範囲であ
るのが好ましい。
中和されたM2Oの量が所望の値に達したら、次いで、
酸性化剤及び残りの珪酸塩を同時に添加する(工程(ii
i))。
この同時添加の間、反応媒体のpHを(特に酸性化剤の
流量を調節することによって)8.6〜9.6の範囲、好まし
くは9.0〜9.4の範囲に、一般的には実質的に同じ値に保
つ。
一般的に、この3番目の工程の間に添加されるアルカ
リ金属Mの珪酸塩は、シリカとして表わして40〜330g/
の範囲、例えば60〜250g/の範囲の濃度を有するも
のである。
この3番目の工程(同時添加工程)の時間は、20〜90
分の範囲であるのが一般的であり、40〜75分の範囲であ
るのが好ましい。
この工程の後に、珪酸塩の添加を停止し、且つ、反応
媒体中への酸性化剤の添加を、この媒体について7.0〜
8.0の範囲、好ましくは7.3〜7.8の範囲のpH値が得られ
るまで続ける(工程(iv))。
酸性化剤の添加を停止した後に、次いで反応媒体を、
上の工程の後に達したpHにおいて、好ましくは5〜30分
間、例えば10〜20分間、最初の熟成に付す(工程
(v))。
この最初の熟成は一般的に、熱条件下、好ましくは75
〜98℃の範囲の一定温度において、通常は撹拌しながら
実施する。
この熟成の後に、次に、反応媒体にさらに酸性化剤
を、この媒体について3.7〜4.6の範囲、好ましくは3.9
〜4.5の範囲のpH値が得られるまで、添加する(工程(v
i))。
酸性化剤の添加を停止した後に、この工程の後に達し
たpHにおいて、この反応媒体を、好ましくは5〜30分
間、例えば10〜20分間、2回目の熟成に付す(工程(vi
i))。
この2回目の熟成もまた、一般的に、熱条件下、好ま
しくは75〜98℃の範囲の温度において、通常は撹拌しな
がら実施する。
本発明に従う製造方法の全体を通じて、同じ酸性化剤
を用いるのが一般的である。
反応の間中(工程(i)〜(vii))、反応媒体の温
度は、75〜98℃の範囲であるのが一般的であり、85〜95
℃の範囲であるのが好ましい。この温度は、工程(i)
〜(vii)の間中実質的に一定の値に保つのが一般的で
ある。
前記の操作の後に、シリカスラリーが得られ、これを
次いで分離(固液分離)する。この分離は、過し、次
いで必要ならば洗浄することから成るのが一般的であ
る。過は、任意の好適な方法に従って、例えば真空下
でのロータリーフィルターを用いて実施することができ
る。
こうして回収されたシリカ懸濁液(過ケーク)を次
いで乾燥させる。
乾燥は、噴霧によって実施するのが好ましい。
このためには、任意の好適なタイプの噴霧装置、特に
タービン、ノズル、液圧又は二種流体を用いた噴霧装置
を用いることができる。タービン噴霧装置を用いるのが
有利である。
乾燥させるべきケークは、過度に高い粘度のせいで、
常に噴霧可能な状態にあるわけではないということに留
意すべきである。
その場合、このケークをそれ自体周知の態様で砕解
(dlitage)操作に付す。この操作は、ケークをコロ
イドミル又はボールミルタイプのミルに通すこと(機械
的作用による流動化)によって実施することができる。
乾燥後に、回収された生成物に対して所望の粒子寸法
を得るために粉砕工程を実施することができる。特にブ
レード若しくはハンマーミル又はエアジェットミルを用
いることができる。
最後に、本発明は、前記のタイプの又は前記の方法に
よって製造されるタイプの少なくとも1種のシリカを含
有する練り歯磨き組成物に関する。
本発明に従うシリカ又は本発明の方法に従って製造さ
れるシリカは、実際上、このシリカが添加される練り歯
磨き中の研摩剤として特に有利な用途を見出す。
本発明に従うシリカ又は本発明の方法に従って製造さ
れるシリカの練り歯磨き組成物中における使用量は、広
い範囲内で変えることができるが、5〜40重量%の範
囲、例えば5〜25重量%の範囲であるのが一般的であ
る。
本発明に従うシリカ又は本発明の方法に従って製造さ
れるシリカを含有する練り歯磨きは、好ましいことに、
非常に満足できる洗浄力を有する。さらに、このシリカ
を含有する半透明の練り歯磨きを製造することも可能で
ある。
最後に、本発明に従うシリカは比較的低い屈折率(及
びかなり高い透過性)を有するので、このシリカを含有
する練り歯磨き組成物中に添加されるべき慣用の湿潤剤
の量を減らして、この湿潤剤の一部を水で置き換えるこ
とができ、それによって最終製品の費用を低下させるこ
とができる。
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、その
範囲を限定するものではない。
例1 螺施形撹拌システム、反応成分導入システム及びジャ
ケットによる加熱システムを備えた2000のステンレス
鋼製反応器に、次のものを導入する: ・3.6のSiO2/Na2Oモル比及びシリカとして表わして136g
/の濃度を有し、65℃の温度にある珪酸ナトリウム溶
液117、 ・Na2SO44.0kgを含有する水溶液80。
従って、初期原料中のSiO2として表わした珪酸塩濃度
及び電解質濃度はそれぞれ80.7g/及び20.3g/であ
る。得られた混合物を撹拌下に保ちながら92℃の温度に
する。全反応を92℃において実施する。
こうして形成された原料に、初めに、撹拌し続けなが
ら、80g/の濃度の硫酸溶液を7.6/分の流量で8分
間にわたって導入する。この添加の後に、原料の中和度
は67%であり、即ち初期原料中に存在するNa2Oの量の67
%が中和される。
次いで、この反応媒体に、以下のものを同時に60分間
導入する: ・前記の珪酸ナトリウム溶液(シリカとして表わして13
6g/の濃度):12/分の流量 及び ・前記の硫酸溶液(80g/の濃度):この同時添加の間
中、反応媒体のpHが9.2となるように調節された流量。
次いで珪酸ナトリウム溶液の導入を停止し、しかし硫
酸溶液の添加を、反応媒体のpHが7.5になるまで、7.6
/分の流量で続ける。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、7.5のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
次いでさらに前記の硫酸溶液(80g/の濃度)を、反
応媒体のpHが4.2になるまで、7.6/分の流量で導入す
る。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、4.2のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
こうして沈降シリカスラリーが得られ、これを真空下
でロータリーフィルターを用いて過し、洗浄する。
得られたシリカケークを、次いで、簡単な機械的作用
によって流動化させる。この砕解操作の後に、得られた
スラリーをタービン噴霧装置を用いて噴霧する。最後
に、乾燥された生成物を粉砕する。
こうして製造された沈降シリカS1の特性を表1にまと
める。
例2 螺旋形撹拌システム、反応成分導入システム及びジャ
ケットによる加熱システムを備えた2000のステンレス
鋼製反応器に、次のものを導入する: ・3.6のSiO2/Na2Oモル比及びシリカとして表わして136g
/の濃度を有し、65℃の温度にある珪酸ナトリウム溶
液67、 ・Na2SO44.5kgを含有する水溶液113。
従って、初期原料中のSiO2として表わした珪酸塩濃度
及び電解質濃度はそれぞれ50.6g/及び25.0g/であ
る。得られた混合物を撹拌下に保ちながら92℃の温度に
する。全反応を92℃において実施する。
こうして形成された原料に、初めに、撹拌し続けなが
ら、80g/の濃度の硫酸溶液を7.6/分の流量で5分
間にわたって導入する。この添加の後に、原料の中和度
は73%であり、即ち初期原料中に存在するNa2Oの量の73
%が中和される。
次いで、この反応媒体に、以下のものを同時に75分間
導入する: ・前記の珪酸ナトリウム溶液(シリカとして表わして13
6g/の濃度):12/分の流量 及び ・前記の硫酸溶液(80g/の濃度):この同時添加の間
中、反応媒体のpHが8.9となるように調節された流量。
次いで珪酸ナトリウム溶液の導入を停止し、しかし硫
酸溶液の添加を、反応媒体のpHが7.2になるまで、7.6
/分の流量で続ける。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、7.2のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
次いでさらに前記の硫酸溶液(80g/の濃度)を、反
応媒体のpHが4.2になるまで、7.6/分の流量で導入す
る。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、4.2のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
こうして沈降シリカスラリーが得られ、これを真空下
でロータリーフィルターを用いて過し、洗浄する。
得られたシリカケークを、次いで、簡単な機械的作用
によって流動化させる。この砕解操作の後に、得られた
スラリーをタービン噴霧装置を用いて噴霧する。最後
に、乾燥された生成物を粉砕する。
こうして製造された沈降シリカS2の特性を表1にまと
める。
例3 螺旋形撹拌システム、反応成分導入システム及びジャ
ケットによる加熱システムを備えた2000のステンレス
鋼製反応器に、次のものを導入する: ・3.6のSiO2/Na2Oモル比及びシリカとして表わして136g
/の濃度を有し、65℃の温度にある珪酸ナトリウム溶
液115、 ・Na2SO44.0kgを含有する水溶液85。
従って、初期原料中のSiO2として表わした珪酸塩濃度
及び電解質濃度はそれぞれ78.2g/及び20.0g/であ
る。得られた混合物を撹拌下に保ちながら90℃の温度に
する。全反応を90℃において実施する。
こうして形成された原料に、初めに、撹拌し続けなが
ら、80g/の濃度の硫酸溶液を7.6分の流量で7分間
にわたって導入する。この添加の後に、原料の中和度は
60%であり、即ち初期原料中に存在するNa2Oの量の60%
が中和される。
次いで、この反応媒体に、以下のものを同時に60分間
導入する: ・前記の珪酸ナトリウム溶液(シリカとして表わして13
6g/の濃度):12/分の流量 及び ・前記の硫酸溶液(80g/の濃度):この同時添加の間
中、反応媒体のpHが9.2となるように調節された流量。
次いで珪酸ナトリウム溶液の導入を停止し、しかし硫
酸溶液の添加を、反応媒体のpHが7.5になるまで、7.6
/分の流量で続ける。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、7.5のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
次いでさらに前記の硫酸溶液(80g/の濃度)を、反
応媒体のpHが4.2になるまで、7.6/分の流量で導入す
る。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、4.2のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
こうして沈降シリカスラリーが得られ、これを真空下
でロータリーフィルターを用いて過し、洗浄する。
得られたシリカケークを、次いで、簡単な機械的作用
によって流動化させる。この砕解操作の後に、得られた
スラリーをタービン噴霧装置を用いて噴霧する。最後
に、乾燥された生成物を粉砕する。
こうして製造された沈降シリカS3の特性を表1にまと
める。
例4 螺旋形撹拌システム、反応成分導入システム及びジャ
ケットによる加熱システムを備えた2000のステンレス
鋼製反応器に、次のものを導入する: ・3.6のSiO2/Na2Oモル比及びシリカとして表わして136g
/の濃度を有し、65℃の温度にある珪酸ナトリウム溶
液117、 ・Na2SO44.0kgを含有する水溶液80。
従って、初期原料中のSiO2として表わした珪酸塩濃度
及び電解質濃度はそれぞれ80.7g/及び20.3g/であ
る。得られた混合物を撹拌下に保ちながら92℃の温度に
する。全反応を92℃において実施する。
こうして形成された原料に、初めに、撹拌し続けなが
ら、80g/の濃度の硫酸溶液を8.4/分の流量で7分
間にわたって導入する。この添加の後に、原料の中和度
は65%であり、即ち初期原料中に存在するNa2Oの量の65
%が中和される。
次いで、この反応媒体に、以下のものを同時に60分間
導入する: ・前記の珪酸ナトリウム溶液(シリカとして表わして13
6g/の濃度):13.2/分の流量 及び ・前記の硫酸溶液(80g/の濃度):この同時添加の間
中、反応媒体のpHが9.2となるように調節された流量。
次いで珪酸ナトリウム溶液の導入を停止し、しかし硫
酸溶液の添加を、反応媒体のpHが7.5になるまで、7.6
/分の流量で続ける。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、7.5のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
次いでさらに前記の硫酸溶液(80g/の濃度)を、反
応媒体のpHが4.2になるまで、7.6/分の流量で導入す
る。
次いで硫酸溶液の導入を停止し、4.2のpHにおいて反
応媒体を15分間(92℃において撹拌しながら)熟成させ
る。
こうして沈降シリカスラリーが得られ、これを真空下
でロータリーフィルターを用いて過し、洗浄する。
得られたシリカケークを、次いで、簡単な機械的作用
によって流動化させる。この砕解操作の後に、得られた
スラリーをタービン噴霧装置を用いて噴霧する。最後
に、乾燥された生成物を粉砕する。
こうして製造された沈降シリカS4の特性を表1にまと
める。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 33/00 - 33/193 A61K 7/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i)20〜75m2/gの範囲のBET比表面積、 ii)16〜45m2/gの範囲のCTAB比表面積、 iii)120〜160の範囲のRDA研磨性、 iv)1.435〜1.450の範囲の屈折率、 v)70〜105m/100gの範囲のDOP油吸収性、及び vi)少なくとも50%の有機アミン化合物との適合性 (ここで、有機アミン化合物との適合性とは、有機アミ
    ン標準溶液をシリカと接触させた後にこの溶液中に残る
    有機アミンの濃度対シリカとの接触前の前記標準溶液中
    の有機アミンの濃度の比である) を有することを特徴とする、シリカ。
  2. 【請求項2】70より大きい透過率を有することを特徴と
    する、請求の範囲第1項記載のシリカ。
  3. 【請求項3】4〜20μmの範囲の重量により平均粒子寸
    法D50を有することを特徴とする、請求の範囲第1又は
    2項記載のシリカ。
  4. 【請求項4】6.2〜7.4の範囲のpHを有することを特徴と
    する、請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載のシリ
    カ。
  5. 【請求項5】BET比表面積とCTAB比表面積との間の差が3
    5m2/g以下であることを特徴とする、請求の範囲第1〜
    4項のいずれかに記載のシリカ。
  6. 【請求項6】沈降シリカであることを特徴とする、請求
    の範囲第1〜5項のいずれかに記載のシリカ。
  7. 【請求項7】アルカリ金属Mの珪酸塩と酸性化剤とを反
    応させることによって沈降シリカの懸濁液を得て、次い
    でこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含むタイプ
    の請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載のシリカの製
    造方法であって、 (i)反応において用いられる珪酸塩の総量の内の一部
    と少なくとも1種の電解質とを含有する初期原料を形成
    させ、ここで、この初期原料中のSiO2として表わした珪
    酸塩濃度及び電解質濃度はそれぞれ35〜100g/の範囲
    及び10〜40g/の範囲であり、 (ii)この初期原料に酸性化剤を、この初期原料中に存
    在するM2Oの量の50〜85%が中和されるまで添加し、 (iii)この反応媒体に酸性化剤及び残りの珪酸塩を同
    時に添加し、この際、この工程(iii)の間中反応媒体
    のpHを8.6〜9.6の範囲に保ち、 (iv)珪酸塩の添加を停止し、且つ、反応媒体への酸性
    化剤の添加をこの媒体について7.0〜8.0の範囲のpH値が
    得られるまで続け、 (v)次いで反応媒体を最初の熟成に付し、 (vi)この反応媒体に酸性化剤をこの媒体について3.7
    〜4.6の範囲のpH値が得られるまで添加し、 (vii)最後に、この反応媒体を2回目の熟成に付す という態様で沈降を実施することを特徴とする、前記方
    法。
  8. 【請求項8】工程(v)及び(vii)の時間がそれぞれ
    5〜30分間であることを特徴とする、請求の範囲第7項
    記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(i)〜(vii)の間、反応媒体の温
    度を75〜98℃の範囲の実質的に一定の温度に保つことを
    特徴とする、請求の範囲第7又は8項記載の方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載
    のシリカ又は請求の範囲第7〜9項のいずれかに記載の
    方法によって製造されたシリカから成る、練り歯磨き組
    成物中に用いられる研磨剤。
  11. 【請求項11】請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載
    の少なくとも1種のシリカ又は請求の範囲第7〜9項の
    いずれかに記載の方法によって製造された少なくとも1
    種のシリカを含有することを特徴とする、練り歯磨き組
    成物。
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