JP2976787B2 - 潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法 - Google Patents

潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法

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JP2976787B2
JP2976787B2 JP5320225A JP32022593A JP2976787B2 JP 2976787 B2 JP2976787 B2 JP 2976787B2 JP 5320225 A JP5320225 A JP 5320225A JP 32022593 A JP32022593 A JP 32022593A JP 2976787 B2 JP2976787 B2 JP 2976787B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潜在嵩高性を有するポリ
エステル糸の製造方法に関する。さらに詳しくは、従来
以上の高い生産性と操業安定性を有し、かつ良好な糸特
性を有する潜在嵩高性を有するポリエステル糸の製造方
法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、機械的性質、化学
的性質、イージーケア性、光沢性等優れた特性から一般
衣料用として広く利用されている。特に最近ではポリエ
ステル繊維の優れた特性を応用して他の繊維からでは出
来ない独特な編織製品が開発されている。開発製品のほ
とんどは、原糸だけの開発から産まれたものというより
も原糸、糸加工、製編織、染色仕上げ加工などのあらゆ
る工程での新技術の開発とその組み合わせによって産ま
れたものであると言っても過言ではない。この新製品に
は、原糸としては嵩高性を有する糸や潜在的に嵩高性を
有する糸などが数多く使用されている。
【0003】嵩高性を有する糸や潜在的に嵩高性を有す
る糸に関しては、従来から多くの技術が開示されており
その改良技術も多く開示されている。例えば、当社提案
の特公昭53−8813号公報には、熱可塑性合成繊維
マルチフィラメント延伸糸に単糸交絡を与えた後、加熱
体に接触走行させ糸の一部を高収縮させた特殊嵩高糸の
製造方法が、特公昭57−33377号公報には、マル
チフィラメント延伸糸に振動を与えつつ加熱体に接触走
行させて、あるいはその後さらに加熱体に接触走行させ
た、かさ高加工糸の製造方法がある。また、特開昭54
−151647号公報や特開昭54−151648号公
報および特開昭54−156842号公報には、延伸糸
を弛緩状態にし強度な交絡をした後、緊張状態で均一な
熱処理をした潜在嵩高性マルチフィラメント糸条の製造
法が開示されている。
【0004】しかしながら、上述の従来技術では糸特性
を良好にするには、比較的低速度で糸加工をせねばなら
ず、高速度では操業安定性と糸特性、特に嵩高性能を同
時に満足する技術はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したように従来以上の高い生産性を有し、かつ良好な操
業安定性と糸特性を有する潜在嵩高性を有するポリエス
テル糸の製造方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステル系未延伸糸をテンサーと供給ローラの
間および供給ローラと加熱ローラの間でテンションを掛
け張力調整をし、加熱ローラで未延伸糸を加熱しながら
延伸ローラ間で延伸した後、糸条を開繊振動しながら弛
緩状態で加熱プレートに不均一接触走行させた後に交絡
処理を施し、延伸ローラよりも低速度の弛緩引き出しロ
ーラに導き、その後巻取る方法において、下記式を同時
に満足する条件で該加熱プレートに不均一接触走行させ
ることを特徴とする潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方
法によって達成できる。
【数2】 以下本発明を詳細に説明する。本発明の潜在嵩高性ポリ
エステル糸の製造方法を具体例で説明する。図1は本発
明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法の一実施態様
を示す概要図である。通常のポリエステルポリマを紡糸
し未延伸糸となし、得られた未延伸糸ドラム1からリン
グガイド2を介して未延伸糸を引き出し、数本のガイド
棒から成るテンサー3(張力調整装置)に導き張力調整
して供給ローラ4に導き、供給ローラ4よりも微かに大
きい周速度で回転する加熱ローラ5との間で張力を掛け
張力調整し、未延伸糸の張力を一定となし加熱ローラ5
に給糸し加熱ローラ5で充分に加熱しながら延伸ローラ
6との間で所定の延伸倍率で延伸した後、糸条を開繊振
動装置7(図2に示す)で開繊振動しながら弛緩状態で
平板の加熱プレート8に導き開繊振動による不均一接触
走行させた後に交絡装置9(図3に示す)で交絡を施
し、延伸ローラ6よりも低速度の弛緩引き出しローラ9
に導き、引き続いてボビン11に巻き取ることにより延
伸糸の各フィラメントの長手方向に熱収縮差を持ち、か
つ延伸糸の断面方向の各フィラメント間にも熱収縮差を
持った交絡された延伸糸すなわち潜在嵩高性ポリエステ
ル糸が得られる。
【0007】開繊振動装置7の糸条処理部断面状態を図
2に示す。糸条12は矢印方向に走行しその先に加熱プ
レート8があり、加熱プレート8の表面は図2(断面)
に対して垂直方向に設置されている。開繊振動装置7の
入り口側にはガイド13が設置されているが必ずしもあ
る必要はない、また出口側にはガイドは設置しない。圧
空は、糸条走行方向に対向して噴射される。こうするこ
とによって糸条を開繊すると同時に振動を付与すること
ができ、振動は加熱プレート表面に対して垂直方向に振
動する。
【0008】交絡装置9の糸条処理部断面状態を図3に
示すが一般的な交絡装置である。糸条12は矢印方向に
走行し、圧空は糸条に対して垂直に噴射され、交絡装置
9の入り口側および出口側のガイド13の間で糸条を流
体攪乱し交絡が付与される。本発明では、ポリエステル
系未延伸糸をテンサーと供給ローラの間および供給ロー
ラと加熱ローラの間の二か所でテンションを掛け張力調
整をすることが必要で重要である。一般的に未延伸糸ド
ラムから未延伸糸を解舒するとドラムの手前部分と奥側
部分にある未延伸糸とでは解舒張力に大きな差が生じ、
ひいては延伸張力ムラとなるため、何んらかの張力調整
をしているのが普通である。一か所だけの張力調整だけ
では解舒張力差を完全には除去できないのが普通である
が、通常の延伸糸を製造する場合には、他の要因を含ん
だ中であるバラツキの範囲内の糸特性で製造できるため
に一か所だけの張力調整だけで製造される場合が多い。
しかしながら、本発明では、延伸した後、糸条を開繊振
動しながら弛緩状態で加熱プレートに不均一接触走行さ
せるために、加熱プレート上での糸張力ができるだけ一
定になっていることが重要であり、延伸張力ムラを小さ
くし、ひいては加熱プレート上での糸張力ムラを小さく
するために供給ローラと加熱ローラの間でもテンション
を掛け二か所で張力調整をするものである。なお、テン
サーは数本のガイドから成る物、トルクローラ、マグネ
ットローラなど市販のテンサーを用いることができる。
テンサーでの張力付加は0.005〜0.02(g/未
延伸糸繊度)の範囲が好ましい。供給ローラと加熱ロー
ラ間の張力は、0.03〜0.09(g/未延伸糸繊
度)の範囲が好ましい。張力変動は0.006(g/未
延伸糸繊度)以下が好ましく、0.003(g/未延伸
糸繊度)以下がさらに好ましい。
【0009】本発明では、加熱ローラで未延伸糸を加熱
しながら延伸ローラ間で延伸するのであるが、従来の延
伸方法で使用している熱ピンに巻き付けながら未延伸糸
に熱を与える方法では高速度で延伸すると、単糸切れや
糸切れが発生すると共に延伸張力ムラが大きくなり、ひ
いては加熱プレート上での糸張力ムラが大きくなるの
で、不均一接触走行が安定してできない欠点がある。加
熱ローラで未延伸糸を加熱しながら延伸する方法では高
速度での延伸が可能であり、加熱プレート上での糸張力
ムラも小さくなるので、不均一接触走行が安定してでき
る。加熱ローラの温度は、ポリエステル未延伸糸のTg
(2次転移点温度)以上Tc(結晶化温度)未満の温度
とすることが好ましい。
【0010】また、本発明では延伸した後、糸条を開繊
振動しながら弛緩状態で加熱プレートに不均一接触走行
させるのであるが、この作用が本発明の非常に重要な部
分である。この作用について従来例と比較して説明す
る。図4は不均一接触走行させる従来例(特公昭57−
33377)である。振動付与装置16を用いて加熱体
17上を走行する各フィラメントの加熱体への接触位置
が変化するような振動を与えつつ加熱体17に糸条12
を供給しているが、加熱体が円筒(熱ピン)であり、糸
条の加熱体(熱ピン)上の状態は、供給側では振動によ
って接触位置が変化するものの、円筒上を糸条が走行す
るために円筒表面と糸条との摩擦力によって円筒の出口
側になるほど糸条張力が徐々に増大し、円筒の出口側で
は振動がほとんど無い状態となる。したがって振動によ
る不均一接触効果は小さく、高速度になればなるほどそ
の効果が小さくなり、したがって高速度ではこの加工方
法では糸特性が良好なものを得るのが難しくなる。 図
5(特開昭54−151647)、図6(特開昭54−
151648)は流体交絡処理された糸条を均一熱処理
させる従来例である。図5の例で説明すると、延伸糸1
2を弛緩状態で流体交絡処理ノズル18で処理した後、
糸条を押圧しつつ屈曲走行させるガイド19、19′、
19″上を走行させ糸条の揺れを安定にし、熱処理ヒー
ター20により緊張状態で均一に熱処理する方法であ
る。この方法は、交絡糸を熱処理ヒーター上で安定させ
た状態で均一に熱処理させるために、通常の延伸糸に比
較すれば嵩高性のある糸条ができるものの潜在嵩高性の
高い糸条はできにくい欠点がある。しかも、糸条を押圧
しつつ屈曲走行させるガイドが多いために高速度での加
工は難しくなる。第6図の例でも上述と同様な方法であ
り、同様な欠点がある。
【0011】図7は本発明の加熱プレート上を不均一接
触走行させる拡大モデル図である。開繊振動装置7で糸
条12を開繊すると同時に糸条12を加熱プレート8の
表面に対して垂直方向に振動しながら、加熱プレート8
上に供給するのであるが、糸条の供給側ではガイドなど
の接触物は一切なく、開繊振動装置で与えた振動が加熱
プレート上の糸条に直接伝わり糸条は加熱プレート上を
あたかも波が移動するような挙動をしながら走行する。
したがって加熱プレート上の糸条は、糸条長手方向にみ
ると加熱プレートに点接触したり、しなかったりが交互
に繰り返した状態で走行し、結果として糸条は熱処理の
強い部分と熱処理の弱い部分ができる。しかも、糸条は
開繊されているので各フィラメントでみると上述の状態
が個々に異なった状態で走行し熱処理の強い部分と熱処
理の弱い部分ができるために潜在嵩高性の高い糸条がで
きる。また、加熱プレートを走行した後の糸条に交絡装
置9で交絡を施すのであるが、糸条は弛緩状態であり交
絡を効率よく施すことができ、しかも加熱プレートでの
不均一熱処理のため、いわゆるタルミのある糸条となっ
ているが交絡処理によりほぼ均整のとれたものとし、そ
の後のローラ上への単糸巻き付きを防止し、巻き取りに
も支障をきたさなく、巻取パーンのフォームを良好に
し、パーンからの解舒性を良好にし高次加工工程でのト
ラブルを少なくするために重要である。交絡処理をする
ために別途のローラなどを設置することは、延伸及び糸
加工装置の設備費の増大と大型化になるのでコスト的に
は好ましくなく、本発明のように加熱プレート出の後に
交絡処理をする方法が良い。交絡装置での交絡付与度合
は特に限定しないがCF値(交絡係数)で10以上の交
絡を付与することが好ましく、20以上の交絡を付与す
ることが更に好ましい。
【0012】本発明の製造方法では加熱プレート8は、
若干の曲率があってもよいが平板形状が好ましく用いら
れる。また、開繊振動装置7と加熱プレート8との位置
関係は、加熱プレート8上部の直線延長上に位置する位
置に開繊振動装置7があることが好ましい。すなわち、
加熱プレートに供給する糸条は、加熱プレート供給入り
口で屈曲されない状態で供給されることが、開繊振動装
置での振動を低下させないで加熱プレート上に伝えるこ
とが肝要である。したがって、当然のこととして開繊振
動装置と加熱プレートとの間には、ガイドなど糸条に外
力を与えるような接触物が全くないことが必要である。
また、加熱プレートの表面は糸条との摩擦力をできるだ
け小さくするために梨地加工したものが好ましい。
【0013】加熱プレートの温度Tは、高い生産性を有
し、かつ良好な操業安定性と糸特性を有する潜在嵩高性
を有するポリエステル糸を製造すために本発明で規定す
る温度範囲とすることが必要で、延伸後の糸条繊度(デ
ニール)および延伸後の単糸繊度(デニール)の大小に
よって変化させることが必要で、その関係を示したのが
式および式である。上述の点から式および式を
同時に満足させることが必要である。
【数3】 すなわち、式は延伸後の糸条繊度(デニール)と加熱
プレートの温度(℃)との関係を示し、加熱プレートの
温度(℃)は180+8(D/π)1/2 の値の温度以上
でポリエステル系未延伸糸の融点(℃)未満の範囲の温
度とする必要がある。ポリエステル系未延伸糸の融点を
越える温度では走行糸条が溶融糸切れする危険が有り、
また180+8(D/π)1/2 の値の温度未満では糸条
への熱伝達が不足し、得ようとする特性の加工糸が得ら
れない。式は延伸後の単糸繊度(デニール)と加熱プ
レートの温度(℃)との関係を示し、上述の式と同様
な理由によって式を満足する範囲の加熱プレートの温
度とする必要がある。
【0014】本発明では、加熱プレート上の糸条は弛緩
状態となっているがこれは延伸ローラよりも低速度の弛
緩引き出しローラにより成っている。弛緩状態とするこ
とで開繊振動装置での開繊および振動を良好にし、加熱
プレート上の糸条に振動を良好に伝達できる。弛緩引き
出しローラの周速度は、延伸ローラよりも5〜15%低
速度になっていることが好ましい。
【0015】弛緩引き出しローラの周速度Sは、下記
式を満足することが好ましい。
【0016】
【数4】 式はできるだけ高い生産性を得るために、できるだけ
高速度で生産できる条件を示したものであり、延伸後の
糸条繊度(デニール)が小さければ小さいほど高速度で
生産しようとすることを意味している。これは加熱ロー
ラと加熱プレートでの糸条の熱処理による受熱との関係
で糸条繊度が小さい場合には受熱(熱処理)は少なくて
よいが糸条繊度が大きい場合には受熱(熱処理)を多く
を必要とすることから成り立っているものである。
【0017】本発明では巻取パーンのフォームを良好に
するために、弛緩引き出しローラを出た糸条の張力を
0.5(g/糸条デニール)〜1.5(g/糸条デニー
ル)の範囲の中で巻取条件を設定することが好ましい。
弛緩引き出しローラを出た糸条の張力は、巻取パーン径
の増大とともに暫減するように巻取条件を設定すること
が好ましい。
【0018】本発明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造
方法における延伸及び糸加工機は、テンサー、供給ロー
ラ、加熱ローラ、延伸ローラ、開繊振動装置、加熱プレ
ート、交絡装置、弛緩引き出しローラ、巻取機の順序で
構成された延伸及び糸加工機を用いることが好ましい。
延伸及び糸加工機をコンパクトにするために延伸ローラ
と弛緩引き出しローラとを一つのローラで共用できる段
付きローラとし、円周長の短いローラ部分を弛緩引き出
しローラとして使うようにし、開繊振動装置と加熱プレ
ートとを前記段付きローラの上方部に配置し、糸道とし
ては前述延伸及び糸加工機の構成順序と同等になるよう
に配置した延伸及び糸加工機を用いることが更に好まし
い。この場合においても、既に述べた開繊振動装置と加
熱プレートとの設置位置関係は保たなくてはならない。
【0019】本発明の方法により得られる潜在嵩高性ポ
リエステル糸は、本発明の延伸加工処理をしていない、
いわゆる通常の延伸糸に比較すると既に嵩高のある延伸
糸となっているが、この延伸糸あるいは編物または織物
を熱処理すると、各フィラメントの長手方向の熱収縮差
および延伸糸の断面方向の各フィラメントの熱収縮差に
よって、嵩高発現をし嵩高性の高い糸あるいは編物また
は織物が得られる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお実施例中の物性は次の様にして測定した。 A.嵩高度 糸条を周長1mのかせ繰機で80回巻きのかせとして数
本採取し、200℃の乾熱中で5分間無荷重で熱処理を
行い嵩高発現させ、嵩高発現させた数本のかせを480
00デニールになるようにまとめ、まとめた試料の中央
部が幅2.5cmになる枠にセットし、2.5cm四方
の50gの荷重を掛けて荷重下の試料の見掛け体積Vを
求め、一方荷重を掛けた部分の試料の重量Gを求め、次
式により嵩高度を算出する。 嵩高度=V/G(cc/g) B.CF値(交絡係数) スイス国 ROTHSCHILD社製のEntangl
ement Testerを用いて、開繊長(m)を3
0回測定し、その平均値をHとした時、次式でCF値を
算出する。 CF値=1m/H
【0021】実施例1 延伸加工巻取後の品種(デニール−フィラメント、D−
Fと略す)が表1に示すようになるポリエチレンテレフ
タレートの未延伸糸8水準を準備し、第1図に例示した
装置を用いて、潜在嵩高性ポリエステル糸を製造した。
未延伸糸ドラム1から未延伸糸を引き出し、5本ガイド
式テンサー3で0.01g/未延伸糸繊度の張力を掛
け、供給ローラ4に供給し、供給ローラ4と加熱ローラ
5の間でストレッチ率0.5%のストレッチ(張力で
0.07g/未延伸糸繊度)を掛け87℃の加熱ローラ
5に6回巻き付けて充分に加熱し、延伸ローラ6との間
でそれぞれの未延伸糸に適する所定の延伸倍率で延伸
し、第2図に示す開繊振動装置7で空気圧0.8Kg/
cm2 の空気を噴射して開繊すると同時に振動を付与し
ながら弛緩状態で糸条接糸長が25cmの平板の加熱プ
レート8に供給した後第3図に示す通常の交絡装置9で
CF値(交絡係数)が約20になる空気を供給し交絡を
付与し、延伸ローラ6の周速度よりも7%低速度の弛緩
引き出しローラ9に導いた後ボビン11に巻き上げた。
加熱プレート8の温度および延伸ローラ6の周速度は表
1に示すように変更した水準を採用した。得られた糸条
の糸特性評価結果などを表1に示す。
【0022】実験No.1、2、4、6、7、9、1
1、12(すべて実施例)の加工糸は、嵩高度が大きく
良好である。実験No.1、2、4、6、7、9、1
1、12の加熱プレートの温度は、式MP>T≧18
0+8(D/π)1/2 および式MP>T≧180+4
0(d/π)1/2 の計算範囲内にあるものである。ま
た、実験No.1は糸条繊度、単糸繊度ともに小さいの
で加熱プレートの温度は低め、加工速度は高めであるが
良好な嵩高度を有していた。
【0023】実験No.3、5、8、10、13(すべ
て比較例)の加工糸は、嵩高度が小さく不良である。実
験No.5の加熱プレート温度は式による加熱プレー
トの計算値内にあるが、式による加熱プレートの計算
値内になく(低め)、両式を共に満足していないもので
ある。実験No.3、8、10、13の加熱プレート温
度は式による加熱プレートの計算値内にあるが、式
による加熱プレートの計算値内になく(低め)、両式を
共に満足していないものである。このように、式、式
の両方の式の計算範囲内にない条件では、良好な加工
糸を得ることができない。なお、CF値(交絡係数)は
すべての水準で18〜22の範囲の中にあった。
【表1】 実施例2 実施例1の実験No.7に用いた未延伸糸を用いて、第
1図に例示した装置の中で加熱プレート部分(流体処理
部分を含む)を種々変更して糸条の熱処理方法を変更し
た以外は実施例1と同様に延伸加工し、75D−36F
の加工を得た。但し、加熱プレートに相当する部分の加
熱体の温度は225℃とした。また、延伸ローラの周速
度は750(m/分)とした。加工条件や加工糸の特性
評価結果などを表2に示す。
【0024】実験No.9(実施例)は、加工性が良好
でかつ嵩高度も良好であった。
【0025】実験No.10(比較例)は、高速度での
加工のため円筒上での摩擦が大きく円筒上での糸条の振
動が少なくなり、均一熱処理に近くなり嵩高度が低くな
った。 実験No.11(比較例)、12(比較例)
は、高速度での加工のために加熱体前のガイド類による
摩擦が増大し単糸切れが多発するとともに糸切れが発生
した。また均一熱処理のために嵩高度は低いものであっ
た。なお、CF値(交絡係数)はすべての水準で18〜
30の範囲の中にあった。
【表2】
【0026】
【発明の効果】上述した様にテンサーと供給ローラの間
および供給ローラと加熱ローラの間でテンションを掛け
張力調整をし、加熱ローラで未延伸糸を加熱しながら延
伸ローラ間で延伸した後、糸条を開繊振動しながら弛緩
状態で加熱プレートに不均一接触走行させ、延伸ローラ
よりも低速度の弛緩引き出しローラに導き、交絡処理を
施しながら巻取る方法を採用し、加熱プレート温度を本
発明で規定する温度範囲にして熱処理することにより高
い生産性と操業安定性を有し、かつ良好な糸特性を有す
る潜在嵩高性を有するポリエステル糸の製造が達成でき
た。本発明の方法により得られる潜在嵩高性ポリエステ
ル糸は、本発明の延伸及び糸加工処理をしていないいわ
ゆる通常の延伸糸に比較すると既に嵩高のある延伸糸と
なっているが、この延伸糸あるいは編物または織物を熱
処理すると、各フィラメントの長手方向の熱収縮差およ
び延伸糸の断面方向の各フィラメントの熱収縮差によっ
て、嵩高発現をし嵩高性の高い糸あるいは編物または織
物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法
の一実施態様を示す概要図
【図2】本発明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法
で使用する開繊振動装置の説明図
【図3】本発明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法
で使用する交絡装置の説明図
【図4】糸条を不均一接触走行させる従来例の説明図
【図5】流体交絡処理させた糸条を均一熱処理せせる従
来例の説明図
【図6】流体交絡処理させた糸条を均一熱処理せせる従
来例の説明図
【図7】本発明の潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法
の内加熱プレート部分の説明図
【符号の説明】
1;未延伸糸ドラム 2;リングガイド 3;テンサー 4;供給ローラ 5;加熱ローラ 6;延伸ローラ 7;開繊振動装置 8;加熱プレート 9;交絡装置 10;弛緩引き出しローラ 11;巻取パーン 12;延伸糸条 13;ガイド 14;開繊振動装置の圧空供給口 15;交絡装置の圧空供給口 16;振動装置 17;加熱ピン 18;流体交絡処理ノズル 19;19′、19″;棒ガイド類 20;熱処理ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02J 1/22 301 D02J 1/22 301C (56)参考文献 特開 昭61−124633(JP,A) 特開 昭52−118051(JP,A) 特開 平2−191734(JP,A) 特開 昭52−70144(JP,A) 特開 昭58−98439(JP,A) 特開 昭57−33377(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系未延伸糸をテンサーと供給
    ローラの間および供給ローラと加熱ローラの間でテンシ
    ョンを掛け張力調整をし、加熱ローラで未延伸糸を加熱
    しながら延伸ローラとの間で延伸した後、糸条を開繊振
    動しながら弛緩状態で加熱プレートに不均一接触走行さ
    せた後に交絡処理を施し、延伸ローラよりも低速度の弛
    緩引き出しローラに導き、その後巻取る方法において、
    下記式を同時に満足する条件で該加熱プレートに不均一
    接触走行させることを特徴とする潜在嵩高性ポリエステ
    ル糸の製造方法。 【数1】
JP5320225A 1993-12-20 1993-12-20 潜在嵩高性ポリエステル糸の製造方法 Expired - Fee Related JP2976787B2 (ja)

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