JP3344661B2 - ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法 - Google Patents
ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法Info
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Description
ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法に関す
る。更に詳しくは第1ヒータ内での延伸点を安定させ、
捲縮のばらつき、染色のばらつきが小さくかつループや
毛羽の発生が少ない品質の安定したポリエステルフィラ
メント糸を製造する高速延伸仮撚加工方法に関するもの
である。
は糸条の進行方向から供給糸部(クリール)、第1糸送
り部(第1フィード)、糸条の加熱装置(第1ヒー
タ)、糸冷却および走行安定板(クーリングプレー
ト)、仮撚具(ツィスタ)、第2糸送り部(第2フィー
ド)と巻取部(ワインダ)等によって構成される。また
供給糸は低速加工では延伸の完了した延伸糸(FDY)
であったが、高速加工においては部分的に延伸された加
工自由度の大きい半延伸糸(POY)が主流であり、こ
のPOYを仮撚加工する際は延伸と仮撚の工程を同時に
行う延伸仮撚加工によって行う。つまり、糸条はツィス
タによって撚りを掛けられ、該撚りは上流の第1ヒータ
内を遡及して加熱され、第1フィードローラと該第1フ
ィードローラより高速で回転する第2フィードローラと
の間で延伸される。
条は延伸可能な温度に達すると、図3に示すように急激
に延伸され、この延伸点を通常ネッキングポイントと呼
ぶ。このネッキングポイントの発生する位置はPOYの
物性や加工条件(糸速、延伸比、ヒータ温度)によって
決まるが、走行糸条の張力の変動に伴い、常時糸条の進
行方向に変動している。このネッキングポイントの変動
は糸の品質面で染めむら、捲縮のばらつき、糸の断面形
状のばらつきによる外観の光沢差、ループや毛羽発生に
影響を及ぼす。
第1ヒータの糸条入口部から5〜50%の加工区間を糸
非接触加熱面とし、残りの区間を接触加熱面とした延伸
仮撚加工装置(実公昭56−32548号公報)が知ら
れているが、この加工装置では低速加工の場合はネッキ
ングポイントがヒータ面と完全非接触区間に存在してい
るため、ヒータ面との摩擦がなくネッキングポイントの
位置は安定し、糸品質において大変有効であった。
に延伸仮撚加工が高速化してくると、上述した加工装置
では完全非接触区間でバルーニングによる張力変動が起
こり、糸条の走行が不安定になり、ネッキングポイント
も変動し、高品質な加工糸を得ることができなくなっ
た。また、従来第1ヒータはヒータ内に糸条が進入する
際に、糸条が屈曲することなく進行方向に対してほぼ一
直線に糸条が進入するように、ヒータ上部にガイドを設
けていたため、高速化した場合、供給糸の繊度のばらつ
きや第1フィードローラの微小な振動が糸条に伝わり、
張力変動の原因となり、糸品質のばらつきが発生した。
高速延伸仮撚加工において、ヒータ内でのネッキングポ
イントが変動すること、および供給糸のばらつきや第1
フィードローラの微小な振動が糸条に伝わり、ヒータ内
で張力変動が起こることによる糸品質の低下等の問題点
を解決し、捲縮や染色のばらつきが小さく、かつループ
や毛羽の少ない品質の安定した加工糸を生産可能にする
高速延伸仮撚加工方法を提供することを目的とする。
に、三軸外周摩擦仮撚体の上方にクーリングプレートが
配設された延伸仮撚機において、ポリエステルフィラメ
ント糸を延伸仮撚加工するに際し、第1ヒータが上流入
口側に250mm以下の直線部と、これに続いて適度な
曲線を有する下流部とを備え、この第1ヒータの入口端
上方100mm以内の延長線上で、糸条の進行方向に対
して15〜45゜の角度で糸条を屈曲せしめ第1ヒータ
に導入せしめる。
と、まず第1ヒータの上方100mm以内の延長線上に
設けたガイドを通ることによって15〜45゜屈曲せし
められる。ガイドとヒータ入口との間が100mm以内
の短区間のため、糸条にはバルーンは発生しない。ま
た、15〜45゜屈曲せしめられるため、第1フィード
ローラでの微小な振動が第1ヒータ内まで伝わらず、糸
条の張力変動には影響しない。またヒータ入口直線部で
完全非接触区間がなくバルーンが発生しない。このた
め、第1ヒータ内での糸条は張力が安定し、ネッキング
ポイントがヒータの直線部分において大きく変動するこ
ともなく延伸され走行する。ただし通常の加工条件下で
は、ヒータ入口から250mmより下流にネッキングポ
イントが下がることはない。
本発明の高速延伸仮撚加工の概略図で、供給糸Yはクリ
ール1から引き出され、第1フィードローラ2を通り、
ガイド3群で第1ヒータ4の入口に案内され、第1ヒー
タ4、クーリングプレート5、三軸外周摩擦仮撚体6、
第2フィードローラ7を経て、巻取装置8で巻き取ら
れ、パッケージに形成される。図2は第1ヒータ4の側
面概略図で、40はヒータ入口上方で糸条走行面の延長
線上100mm以内に設けられたガイドで、このガイド
40により糸条Yは15〜45゜屈曲せしめられると共
に第1ヒータ4には一直線に進入することになる。第1
ヒータ4内は上流入口端から250mmまでが直線部4
1で、これに続く下流部42は適度な曲率を有してお
り、直線部41と下流部42とは滑らかに接続してい
て、糸条Yはこの面に沿って走行することになる。
を説明すると、糸条Yは第1ヒータ4へ進入し加熱さ
れ、直線部41において延伸可能な温度に達すると、糸
条Yは可塑状態となり、前述したネッキングポイントが
発生し、急激に延伸され、下流へ走行していく。
1に示す。ただし表中の物性測定値は下記のように求め
たものである。 (1)強度・伸度・・・・Tensilon/UTM−
4Lで測定した。測定条件は資料長200mm、引張速
度100mm/minとした。 (2)捲縮特性CR・・・加工糸が3,000デニール
になるよう綛とし、無荷重で10分間沸水中で処理を
し、その後20℃の水中で重荷重0.1g/dをかけ、
2分後の長さL1、その後重荷重を取り外し軽荷重2m
g/dをかけ、2分後の長さL2を測り次式で計算し
た。 CR(%)=(LI−L2)×100/L1 (3)染色濃度・・・・・筒編染色した編地を反射濃度
計(Macbeth製RD−104)で測定した。 (4)変動係数CV・・・捲縮特性、染色濃度共に10
回測定し、平均値、標準偏差を求め、次式で計算した。 CV(%)=標準偏差×100/測定平均値 (5)毛羽数・・・・・・東レエンジニアリング製毛羽
計数計(DT−105)で測定した。
75d/36fのPOYを糸速900m/min、第1
ヒータ温度215℃、第1ヒータ長2.0m、θ=18
°、延伸比1.70、ディスク構成1−7−1(ガイド
ディスク−ウレタンディスク−ガイドディスク)で加工
した。ここで、θは図2に示すようにヒータ入口部上方
での屈曲角度を示す。捲縮、染色のばらつきは小さく、
毛羽の発生も少ない。
験を行い、その結果も合わせて表1に示す。 (比較例1)θ=50°、他の加工条件は実施例1に同
じとした。毛羽が多発した。 (比較例2)θ=5°、他の加工条件は実施例1に同じ
とした。毛羽はなかったが、捲縮、染色のばらつきが大
きくなった。 (比較例3)第1ヒータの直線部がなく、全長にわたっ
て一定の曲率を有した第1ヒータを使用、他の加工条件
は実施例1に同じとした。捲縮、染色のばらつきが大き
くなった。
触の高温ヒータにおいても同様の効果が得られた。
リエステルフィラメント糸を高速で延伸仮撚加工する場
合、第1ヒータ内での走行糸条に加わる張力の変動を最
小限に押さえることができ、ネッキングポイントが安定
したので、捲縮特性、染色性のばらつきが小さい、かつ
毛羽のない均一な加工糸を得ることができるという効果
を奏する。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 三軸外周摩擦仮撚体の上方にクーリング
プレートが配設された延伸仮撚機において、ポリエステ
ルフィラメント糸を延伸仮撚加工する方法であって、第
1ヒータが上流入口側に250mm以下の直線部と、こ
れに続いて適度の曲率を有する下流部とを備え、この第
1ヒータ入口端上方100mm以内の延長線上で、糸条
の進行方向に対して15〜45゜の角度で糸条を屈曲せ
しめ、第1ヒータに導入せしめることを特徴とするポリ
エステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21903493A JP3344661B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21903493A JP3344661B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754225A JPH0754225A (ja) | 1995-02-28 |
JP3344661B2 true JP3344661B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=16729221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21903493A Expired - Fee Related JP3344661B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ポリエステルフィラメント糸の延伸仮撚加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344661B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-10 JP JP21903493A patent/JP3344661B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0754225A (ja) | 1995-02-28 |
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