JP2976704B2 - 水晶振動子とその製造方法 - Google Patents

水晶振動子とその製造方法

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JP2976704B2
JP2976704B2 JP4174014A JP17401492A JP2976704B2 JP 2976704 B2 JP2976704 B2 JP 2976704B2 JP 4174014 A JP4174014 A JP 4174014A JP 17401492 A JP17401492 A JP 17401492A JP 2976704 B2 JP2976704 B2 JP 2976704B2
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哲義 小掠
豊 田口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水晶振動子およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子は、その高い安定性により、
情報通信に欠かせない重要なデバイスとして用いられて
いる。近年衛星通信や携帯電話などの発達にともない、
各デバイスの小型化、高性能化が一つの大きな目標とさ
れているが、水晶振動子も例外ではない。
【0003】水晶振動子には、厳しい周波数安定性が要
求される。水晶振動子の周波数は、振動用水晶板に応力
が加わることによって変化するので、前記振動用水晶板
に加わる応力を軽減する工夫が様々なされている。
【0004】図5に、従来の水晶振動子の構造の一例を
示す。この図において、51は振動用水晶板、52は金
属保持部、53は励起電極、54はケース、55は導電
性接着剤である。振動用水晶板51は、その熱膨張率の
差に起因する応力が加わりにくい様に弾性的な構造を持
つ金属保持部52に導電性接着剤55で固定されてい
る。
【0005】しかしながら、金属保持部52や、導電性
接着剤55などと振動用水晶板51との熱膨張率の差に
起因する応力が振動用水晶板51に加わることを避けら
れないため、温度に対する周波数安定性は十分でなかっ
た。
【0006】導電性接着剤55を用いることによる問題
も生じる。まず振動用水晶板51の振動をできるだけ阻
害しない様に接着面積を小さくしているために、機械的
に強度が十分でない。また耐熱性が十分でない為、この
構造の水晶振動子を基板に半田付けするような場合の条
件が非常に厳しくなる。更に硬化の際に放出される気体
が封止後にも放出され、振動特性の劣化の原因となると
いう様に多くの問題があった。
【0007】また、振動用水晶板51と、ケース54と
の間の位置関係は、導電性接着剤55によって金属保持
部に52固定することにより個々に大きく変化するため
に、振動用水晶板51の振動を妨げないためには振動用
水晶板51とケース54との空間を大きく開ける必要が
ある。このため、振動用水晶板自体の大きさは小さくで
きても、ケースを含んだ水晶振動子全体としての小型化
は、非常に困難であった。
【0008】振動用水晶板に加わる熱膨張率の差に起因
する応力を緩和する目的で保持用ガラス板によって振動
用水晶板を保持すると言う方法がある(特公平02−2
91710号)。図6に、その外観図を示す。図6にお
いて、61は振動用水晶片、62は保持用水晶片、63
は基台、64は励起電極、65は接着剤、66は導電性
接着剤である。この方法は、基台63と保持用水晶片6
2との固着方向と、保持用水晶片62と振動用水晶片6
1との固着方向とを直交させた構造とすることによっ
て、振動用水晶片61に加わる温度変化に起因した応力
による周波数変化を抑えようとするものである。
【0009】しかしながら、この場合においても振動用
水晶片61と保持用水晶片62とを固着している導電性
接着剤66の熱膨張率の影響が無視できず、温度に対す
る周波数安定性は十分でなかった。そのうえ、この方法
で効果を十分上げるためには、原理的に接着剤65や導
電性接着剤66の接着面積は十分小さくなければなら
ず、接着強度に問題があった。更に上記の例と同様に、
接着剤を用いている問題は残っており、この方法は十分
な解決策とは言えなかった。
【0010】また、水晶振動子の応用製品として、水晶
発振器や温度補償水晶発振器(TCXO)、電圧制御水
晶発振器(VCXO)などの製品が作られているが、こ
れらの製品も、その小型化が重要な開発目標となってい
る。図7に、一般的に得られているTCXOの外観図を
示す。なおここでは、理解しやすいように、ケースの一
部を取り除いた様子を示している。図7において、71
は水晶振動子、72は発振回路や電圧制御回路、温度セ
ンサーなどを含む制御回路部、73はケースである。水
晶振動子71と、制御回路部72とは、各々別々に作ら
れたものが、組み合わされ、ケースに納められる。この
ため、全体としての大きさを小型化するのは非常に困難
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、従来の水
晶振動子においては、振動用水晶板と熱膨張率が異なる
もの、例えば金属保持部や、接着剤などが振動用水晶板
に固着しているために温度に対する周波数安定性が劣化
している。また振動用水晶板を接着剤で固定することに
起因する、振動などに対する接着強度低下の問題、半田
付けの際の加熱に対する信頼性の問題、気体放出の問題
等も存在する。更に水晶振動子やそれを応用した製品の
小型化には、その構造に起因した基本的な問題が存在す
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記ような問題点を解
決するために、本発明の水晶振動子は、振動用水晶板
保持用ガラス板直接接合されて保持されシリコ
ン基板からの応力が振動用水晶板に加わりにくい形で、
保持用ガラス板がシリコン基板に直接接合によって固定
され、前記直接接合が、それぞれの水晶板とガラス板と
シリコン基板の表面に形成された親水基の水素結合、も
しくは、それぞれの水晶板とガラス板とシリコン基板の
構成原子間の共有結合のうち少なくとも一方による結合
であることを特徴とするものであり、またその製造方法
は、振動用水晶板と、保持用ガラス板と、シリコン基板
の表面を、親水処理を施して表面に親水基を形成し、
触させ、そのまま熱処理後においても水晶が圧電性を示
す温度範囲内において熱処理することにより、振動用水
晶板と保持用ガラス板とシリコン基板を直接接合し、保
持することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】上記のような方法を用いることにより、振動用
水晶板には、温度に起因する応力が加わりにくく、温度
に対する周波数安定性が向上する。また振動用水晶板は
接着剤を用いず直接接合によって固定されるので、その
接着強度は強固で、振動などに対する安定性が向上し、
半田付けなどによる熱に対しても安定で劣化が生じず、
気体の発生もないので振動特性の劣化もない。保持用ガ
ラス板はその材料がガラスであるために安価で、なおか
つエッチングなどによる加工が容易である。しかも、振
動用水晶板は、保持用ガラス板と共にシリコン基板に正
確な位置に固定されるので、封止の際の空間を小さくで
き、水晶振動子全体としての小型化が容易である。更に
前記振動用水晶板と保持用ガラス板とはシリコン基板に
固定されており、シリコン基板に制御回路などを組み込
み、一体化することができるので、ワンチップ化された
水晶発振器、TCXOやVCXOの作製が可能になるた
め、これらの製品を容易に小型化できる。
【0014】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に
ついて、図面を用いて詳しく説明する。
【0015】図1(a)は本実施例における水晶振動子
の外観図である。図1(a)において、11は振動用水
晶板、12は振動用水晶板11とほぼ等しい熱膨張率を
有する保持用ガラス板、13はシリコン基板、14は励
起電極、15は電極引出し部、16は端子である。
【0016】本実施例において、振動用水晶板11の周
辺近傍の一部は、振動用水晶板11の振動をできるだけ
妨げないような形状で、保持用ガラス板12に直接接合
によって固定され、保持用ガラス板12の振動用水晶板
11が固着されていない側の一部は、シリコン基板13
に直接接合によって固着されている。
【0017】ここで、直接接合について説明する。直接
接合とは、シリコン基板どうし、シリコン基板とガラス
板、ガラス板と水晶板などを接着剤を介在させずに基板
の非固着面上の結晶表面構成原子と他方の基板の結晶表
面構成原子との間の共有結合を用いて直接的に固着させ
るという技術で、研磨、洗浄、親水基形成処理を行なっ
たシリコン基板やガラス板、水晶板などを清浄雰囲気中
で接触させ、加熱処理を行い、強固な固着を得るという
ものである。この固着強度は親水基形成処理後接触させ
られただけの初期段階においても数十kgw/cm2程度
の値を示すが、加熱処理を施すことによってその値は数
百kgw/cm2以上に上昇する。具体的にこのような結
合は以下のようにして形成される。親水基形成処理後接
触させられただけの初期段階において、非接着基板どう
しは、その表面に形成される親水基と、非接着面間に存
在する水分子との水素結合を介して結合されている。こ
の状態から加熱処理を行なうことによって、界面に存在
する水分子は界面から除去され、水分子を介しての結合
は、次第に結晶構成原子間の強固な共有結合に変化す
る。このため、直接接合を用いた固定においては、固着
強度が高く、接着剤を一切用いていないので熱処理、振
動などに強く、不要な気体が放出されることもない。
【0018】振動用水晶板11、保持用ガラス板12、
及びシリコン基板13は、全体として周囲の温度変化に
より生じる応力が振動用水晶板11に加わりにくいよう
な形状で固定されている。具体的には、本実施例の場
合、振動用水晶板11の厚さに比べて保持用ガラス板1
2の厚さが薄くしてある。
【0019】ガラスは、それを構成する成分や割合によ
って熱膨張率を様々に変化させることができる。例えば
ATカット水晶板の熱膨張率は最も大きい方向でおよそ
9×10-6であるのに対し、例えばフリントガラスと呼
ばれるある種のガラス板の熱膨張率は、8〜9×10-6
でありほとんど一致する。従って、振動用水晶板11の
熱膨張率と、保持用ガラス板12の熱膨張率を一致させ
れば、振動用水晶板11と保持用ガラス板12との接合
部での温度変化による応力は零でまったく生じない。ま
たシリコン基板13と振動用水晶板11との熱膨張率の
違いによる応力は、そのほとんどが前記保持用ガラス板
12に集中するために、振動用水晶板11には、シリコ
ン基板13からの応力は加わりにくい。従って、温度変
化に起因する応力による周波数の変化を非常に小さく抑
えることができ、周波数安定性が向上する。保持用ガラ
ス板はその材料がガラスであるために安価であり、しか
もエッチングなどの加工が容易である。
【0020】水晶振動子の温度特性は、水晶板のカット
角で決定される。ATカット水晶板の場合には、基準と
なる温度(通常25℃)における周波数f0に対するあ
る温度における周波数fの変化(f−f0)/f0をp
pmで表せば、−20℃から70℃の温度範囲で通常±
5ppm程度である。しかしながら従来の水晶振動子の
場合、金属保持部や導電性接着剤からの応力が振動用水
晶板に加わるために、実際の温度特性はこれより悪化す
る。これに対し、上記のような理由から本実施例の構造
の水晶振動子の周波数の温度特性は大きく改善される。
例えば、具体的な例として、振動用水晶板として1mm
×3mmの大きさのATカット水晶板、保持用ガラス板
として1mm×1mmの大きさのフリントガラス板、シ
リコン基板として3mm×4.5mmの大きさのP型単
結晶板とした本実施例記載の構造の水晶振動子を作製し
た。比較のために1mm×3mmの大きさの振動用水晶
板を従来の金属保持部に導電性接着剤によって接着した
構造の比較用水晶振動子も作製して、水晶振動子と比較
用水晶振動子の周波数の温度変化を−20℃から70℃
まで測定して比較した。この結果、本実施例の構造の水
晶振動子の温度特性は、比較用水晶振動子のものと比べ
て15ppmの改善がみられた。
【0021】また、振動用水晶板の固定には直接接合を
用いており、導電性接着剤などを用いた場合に比べて固
着強度が高く、また振動などに強く、不要な気体が放出
されることもないため長期安定性が向上した。さらに熱
処理に対して安定であるので、従来は不可能であった高
温での半田付け処理も可能になった。
【0022】更に前記シリコン基板には振動用水晶板を
駆動、制御するための回路を組み込むことができるの
で、ワンチップ化された水晶発振器、TCXOやVCX
Oの作製が可能になる。図1(b)に、ワンチップ化さ
れたTCXOの外観図を示す。図1(b)において、1
1は振動用水晶板、12は保持用ガラス板、13はシリ
コン基板、14は励起電極、15は電極引出し部、17
は制御回路である。
【0023】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。
【0024】図2(a)〜(f)は、本発明の実施例に
おける製造方法の手順を示す図である。これらの図にお
いて、21は振動用水晶板、22は前記振動用水晶板2
1とほぼ等しい熱膨張率を有する保持用ガラス板、23
はシリコン基板、24は励起電極、25は電極引出し
部、26は端子、27は水晶素板、28はガラス基板で
ある。
【0025】本実施例では、水晶素板27には厚さ35
0μm、大きさ3インチのATカット水晶素板、ガラス
基板28には厚さ350μm、大きさ3インチのフリン
トガラス基板、シリコン基板23には面方位(10
0)、厚さ450μm、大きさ3インチのP型単結晶シ
リコン基板を用いた。
【0026】水晶素板27は、振動用水晶板21の形状
を多数残して深さ80μmまでエッチングによって削
り、ガラス基板28は、保持用ガラス板22の形状を多
数残して深さ50μmまでエッチングによって削った。
このとき、水晶素板27上に残っている全ての振動用水
晶板21とガラス基板28上に残っている全ての保持用
ガラス板22とが、互いに希望の位置で接触できるよう
に各々の位置を決定した。水晶素板27とガラス基板2
8との表面を鏡面に研磨し、アンモニア水と過酸化水素
水と水の混合液を60℃に加熱した溶液を用いて表面を
親水化処理し、水洗いした。その後注意深く洗浄して振
動用水晶板21と保持用ガラス板22とが接触する部分
にはゴミが存在しないようにした。次に、水晶素板27
とガラス基板28とを、表面を清浄に保ったまま接触さ
せた。このままでもかなりの接着強度があるが、後に行
なう研磨ができるまでの強度以上にするために、加熱処
理を施した。この状態を図2(a)に示す。なお、87
0℃に水晶の結晶転移温度があるので、水晶をこの温度
以上に加熱処理すると室温に戻したとき圧電性を示さな
くなる。このため加熱処理温度は870℃以上にするこ
とはできない。このため本実施例では、加熱処理温度を
例えば500℃とした。
【0027】保持用ガラス板22を一つ一つ分離するた
めに、水晶素板27に直接接合されたガラス基板28
を、水晶素板27を保持して研磨した。この状態を図2
(b)に示す。
【0028】シリコン基板23と水晶素板27上に形成
された保持用ガラス板22とを直接接合させるために、
これらの表面を鏡面に研磨し、更にアンモニア水と過酸
化水素水と水の混合液を60℃に加熱した溶液を用いて
表面を親水化処理し、水洗いした。その後、注意深く洗
浄して前記水晶素板27上に形成された保持用ガラス板
22とシリコン基板23の表面にはゴミが存在しないよ
うにした。次にシリコン基板23と水晶素板27上に形
成された保持用ガラス板22とを、表面を清浄に保った
まま接触させた。このままでもかなりの接着強度がある
が、後に行なう研磨ができるまでの強度以上にするため
に、加熱処理を施した。この状態を図2(c)に示す。
なお、上記と同様の理由から、加熱処理温度は870℃
以上に加熱することはできない。さらにシリコンとガラ
ス及びシリコンと水晶の熱膨張率が異なるために、急激
な温度差を加えることができない。このため本実施例で
は、加熱処理温度を例えば500℃とした。
【0029】水晶素板27に直接接合された保持用ガラ
ス板22によって固定されたシリコン基板23を水晶素
板27を保持することによって研磨し、更にシリコン基
板23の保持用ガラス板22が直接接合されていない側
からエッチングをおこなって開口部を設けた。その様子
を図2(d)に示す。
【0030】その後、シリコン基板23に直接接合され
た保持用ガラス板22によって固定された水晶素板27
を、シリコン基板23を保持することによって研磨し、
振動用水晶板21を個々に分離した。その様子を図2
(e)に示す。
【0031】水晶素板27の振動用水晶板21のほぼ中
央付近に対向するように一対の励起電極24を形成し
た。このとき、同時に電極引出し部、及び端子も形成し
た。本実施例の場合、これらはクロムを厚さ200Å、
金を厚さ500Åに真空蒸着して形成した。その様子を
図2(f)に示す。
【0032】最後に、シリコン基板23を一つ一つ切り
離し、実施例1記載の構造の水晶振動子を得た。
【0033】振動用水晶板21、保持用ガラス板22、
及びシリコン基板23は、フォトリソグラフィーやエッ
チングなどの半導体加工技術を応用することによってそ
の寸法を非常に精密に加工しているために、非常に小型
で精度がよく、高性能な水晶振動子が得られる。また、
保持用ガラス板はその材料がガラスであるために安価で
あり、しかもエッチングなどの加工が容易である。
【0034】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図3は、本発
明の製造方法によって得られた水晶振動子の断面図であ
る。図3において、31は振動用水晶板、32は振動用
水晶板31とほぼ等しい熱膨張率を有する保持用ガラス
板、33はシリコン基板、34は励起電極、35は電極
引出し部、36は端子、37は蓋用シリコン基板、38
は基台用シリコン基板、39は低融点ガラスである。
【0035】本実施例において、振動用水晶板31、保
持用ガラス板32、シリコン基板33及び励起電極34
は、実施例1記載の水晶振動子と同じ構成である。ま
た、振動用水晶板31は、蓋用シリコン基板37と基台
用シリコン基板38とによってシリコン基板33を挟み
込むようにして真空、あるいは不活性気体による封止が
なされている。封止の方法としては、本実施例では、例
えば電極引出し部35の周辺部分のみを低融点ガラス3
9で、それ以外は直接接合によって封止した蓋用シリコ
ン基板37と基台用シリコン基板38とによって窒素ガ
スによる封止がなされている。
【0036】このように、蓋部及び基台部もシリコン基
板に直接接合する構成にすることにより、実施例1及び
2で示した効果以外に、振動用水晶板31と蓋用シリコ
ン基板37及び基台用シリコン基板38との位置関係を
絶対的に決定することができ、振動用水晶板31の振動
を妨げることなく、なおかつ封止に必要な空間を非常に
小さくできるので、水晶振動子全体の大きさを非常に小
さくすることができるという効果が得られる。例えば、
具体的な例として、振動用水晶板の大きさとして1mm
×3mmとしたとき、従来の方法で作製した水晶振動子
の大きさは、空間として3mm×6mm、更にケースの
厚みが1mm必要であるので全体として4mm×7mm
の大きさになってしまう。これに対して、本実施例の構
造の水晶振動子の場合、振動用水晶板の大きさとして同
じく1mm×3mm、保持用ガラス板の大きさとして1
mm×1mm、前記シリコン基板の大きさとして2mm
×5mmとした場合、空間の大きさはほとんど振動用水
晶板の大きさでよく、蓋用シリコン基板37および基台
用シリコン基板38の大きさは2mm×4.5mmでよ
いので、小型化に非常に有効である。
【0037】また、半導体であるシリコンを基板とし、
またそれを用いて封止するため、集積回路との整合性が
良く、発振器との一体化などに応用することが容易であ
ることは、実施例1に記載した通りである。
【0038】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図4は本実施
例における水晶振動子の外観図である。この図におい
て、41は振動用水晶板、42は振動用水晶板41とほ
ぼ等しい熱膨張率を有する保持用ガラス板、43はシリ
コン基板、44は励起電極、45は電極引出し部、46
は端子である。
【0039】本実施例において、全体の構造はほぼ実施
例1と同様であるが、保持用ガラス板42の形状を、弾
性的変化がしやすいような形状に加工している。このよ
うな構造とした結果、シリコン基板43と保持用ガラス
板42との熱膨張率の違いによる応力は、そのほとんど
が保持用ガラス板42が変形することによって緩和され
るために、振動用水晶板41には、シリコン基板43か
らの応力はほとんど加わらない。従って、温度変化に起
因する応力による周波数の変化を小さく抑える効果は、
実施例1の場合に比較して更に向上させることができる
ので、周波数安定性はさらに向上する。
【0040】
【発明の効果】上記のように、振動用水晶板と保持用ガ
ラス板とは、その熱膨張率は同じであり、固定には接着
剤などを用いていないために、この部分で応力は発生し
ない。またシリコン基板と振動用水晶板との熱膨張率の
違いによる応力はそのほとんどが保持用ガラス板に集中
する。従って、振動用水晶板には、シリコン基板からの
応力は加わりにくく、温度変化に起因する応力による周
波数の変化を非常に小さく抑えることができ周波数安定
性が向上する。
【0041】また、振動用水晶板の固定には直接接合を
用いており、導電性接着剤などを用いた場合に比べて固
着強度が高く、また振動などに強く、不要な気体が放出
されることもないため長期安定性が向上する。さらに熱
処理に対して安定であるので、従来は不可能であった高
温での半田付け処理も可能である。
【0042】更にシリコン基板には振動用水晶板を駆
動、制御するための回路を組み込むことができるので、
ワンチップ化された水晶発振器、TCXOやVCXOの
作製が可能になる。また振動用水晶板、保持用ガラス板
及びシリコン基板は、半導体加工技術を応用することに
よってその寸法を精密に加工できるために、非常に小型
で精度がよく、高性能な水晶振動子が得られる。
【0043】またガラス板は、その材料がガラスである
ために安価であり、エッチングなどの加工も容易であ
る。
【0044】また、本実施例では、直接接合における加
熱処理温度として500℃とした例に付いて述べている
が、これに限るものではない。100℃〜350℃、3
50℃〜500℃、500℃〜570℃、570℃〜8
60℃においても水晶やシリコンの接着強度を調べた
が、高温になればなるほど接着強度は大きくなるので、
熱処理後においても水晶が圧電性を示し、保持用ガラス
板の性質が著しく変化しないような温度範囲内において
実施しやすい加熱処理温度を選べばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例における水晶振動子の
外観図 (b)は同実施例におけるワンチップ化されたTCXO
の外観図
【図2】(a)は本発明の実施例における製造方法の手
順を示す図 (b)は本発明の実施例における製造方法の手順を示す
図 (c)は本発明の実施例における製造方法の手順を示す
図 (d)は本発明の実施例における製造方法の手順を示す
図 (e)は本発明の実施例における製造方法の手順を示す
図 (f)は本発明の実施例における製造方法の手順を示す
【図3】本発明の実施例における製造方法によって得ら
れた水晶振動子の断面図
【図4】本発明の実施例における水晶振動子の外観図
【図5】従来の水晶振動子の構造を示す図
【図6】従来の水晶振動子の外観図
【図7】従来のTCXOの外観図
【符号の説明】
11 振動用水晶板 12 保持用ガラス板 13 シリコン基板 14 励起電極 15 電極引出し部 16 端子 17 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江田 和生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−285195(JP,A) 特開 平3−91227(JP,A) 特開 平2−183510(JP,A) 特開 平1−246820(JP,A) 特開 昭62−122148(JP,A) 特開 昭61−183915(JP,A) 特公 昭62−27040(JP,B2) 国際公開90/12420(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03H 9/00 - 9/76 H03H 3/00 - 3/10 H01L 41/00 - 41/26 H01L 21/00 - 21/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動用水晶板が、保持用ガラス板と直接
    接合されて保持され、前記保持用ガラス板が、シリコン
    基板直接接合によって固定された水晶振動子であっ
    て、前記直接接合が、それぞれの被接合基板表面に形成
    された親水基の水素結合、もしくは、それぞれの被接合
    基板の構成原子間の共有結合のうち少なくとも一方によ
    る結合であることを特徴とする水晶振動子。
  2. 【請求項2】 振動用水晶板と、保持用ガラス板と、シ
    リコン基板の表面を、親水処理を施して表面に親水基を
    形成し、接触させ、そのまま熱処理後においても水晶が
    圧電性を示す温度範囲内において熱処理することによ
    り、前記振動用水晶板と前記保持用ガラス板間、およ
    び、前記保持用ガラス板と前記シリコン基板間を直接接
    し、保持することを特徴とする水晶振動子の製造方
    法。
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