JP2975963B2 - 紡機用リングの製造方法 - Google Patents

紡機用リングの製造方法

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JP2975963B2
JP2975963B2 JP8307209A JP30720996A JP2975963B2 JP 2975963 B2 JP2975963 B2 JP 2975963B2 JP 8307209 A JP8307209 A JP 8307209A JP 30720996 A JP30720996 A JP 30720996A JP 2975963 B2 JP2975963 B2 JP 2975963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精紡機,撚糸機等
の紡機に使用される紡機用リングのリングフランジ部,
ネック部,鍔部および嵌まり込み部を冷間ローリングに
より一体に形成する紡機用リングの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、紡機用リングの製造方法として
は、素材として肌焼鋼又は高炭素クロム軸受鋼のパイプ
材或いは丸棒を用い、上記素材を切断或いは熱間鍛造し
て図6に19で示すような円筒状のブランク材を形成し
(ブランク材形成工程)、上記ブランク材を旋盤により
旋削加工して図6に18で示すような所定の形状の紡機
用リングを形成し(旋削工程)、上記所定の形状に形成
されたリング18に焼入,焼戻し等の熱処理を施し(熱
処理工程)、次いで、上記熱処理が施されたリング18
の表面をバレル研磨等により研磨し(研磨工程)、さら
に、必要に応じて、リング18の少なくともリングフラ
ンジ部の表面にメッキ,コーティング等の表面処理を施
し(表面処理工程)、最後に検査を経て製品としての紡
機用リング18を得るというのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の紡機用リン
グの製造方法では、パイプ材或いは丸棒から図6に19
で示すような円筒状のブランク材を形成し、このブラン
ク材を旋削加工して図6に18で示すような所定形状の
紡機用リングを形成するため、ブランク材19は、その
断面形状が少なくとも紡機用リング18の断面形状を含
む大きさでなくてはならず、そのため、ブランク19
の重量は紡機用リング18の重量の約5倍〜10倍とな
り、材料歩留まりが非常に悪いという問題点がある。
【0004】また、特に丸棒を熱間鍛造して円筒状のブ
ランク材19を形成する場合、丸棒を所定の長さに切断
し、次いで熱間鍛造により所定の円筒状に形成し、その
後、加工性を向上させるため球状化焼鈍してブランク材
19の組織を球状化させ、さらに、熱間鍛造の際に発生
した炭化スケールを除去するためショットブラストを行
って表面の黒皮を取り除くといった各工程を経てブラン
ク材19を形成するので、ブランク材19のコストが非
常に高くなるという問題点がある。
【0005】また、上記従来の紡機用リングの製造方法
では、ブランク材19を旋盤により旋削加工する際に、
例えば、まず、ブランク材19の一方の端部を把持し
て、その状態で、ブランク材19の他方の端部外周面を
旋削してリングの嵌まり込み部を形成し、また、ブラン
ク材19の内周部を旋削してリングの内胴部を形成し、
その後、ブランク材19を持ち直して、ブランク材19
の他方の端部を把持した状態で、フランジ部,ネック
部,鍔部といったブランク材19の他の部分を旋削して
紡機用リング18を形成するものであるため、紡機用リ
ング18の形成に少なくとも2工程が必要で、工程が繁
雑になるという問題点があり、また、製品となる部分の
外周面を把持するため把持部に傷が入り、フランジ部に
旋削目が入って、それらの傷や旋削目を後工程において
除去出来ない場合があり、そういった傷や旋削目がトラ
ベラの摩耗に影響するという問題点がある。
【0006】さらに、上記従来の紡機用リングの製造方
法では、旋削加工によりブランク材19のメタルフロー
が切断され、そのメタルフローの切断部がフランジ部の
表面(トラベラ摺動面)に出るため、耐疲労性が低下
し、紡機用リングの寿命が短くなるという問題点があ
る。
【0007】したがって、紡機用リングの製造におい
て、材料歩留りを良くし、また、製造工程を少なくし
て、製造コストを低減し、かつ、製品表面に傷や旋削目
が付かないようにしてトラベラの耐摩耗性を向上させ、
また、少なくともフランジ部のトラベラ摺動面にメタル
フローの切断部が出ないようにしてリングの耐疲労性を
向上させ、寿命を長くすることが課題である。
【0008】本発明は上記課題を解決することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、鋼製のリング状素材を
マンドレルと成形ロールとで挟圧し、冷間ローリングに
より前記リング状素材の内周面および外周面をそれぞれ
押圧変形させて、フランジ部,該フランジ部に連続する
ネック部,該ネック部に連続する鍔部および該鍔部に連
続する嵌まり込み部を備えたリング体に成形加工する紡
用リングの製造方法であって、前記成ロールが、そ
の外周面の軸方向両側に一対の周壁を備え、一方の周壁
に連続してフランジ部形成用溝を備え、該フランジ部形
成用溝に連続してネック部形成用突条を備え、該ネック
部形成用突条に連続して鍔部形成用溝を備え、さらに該
鍔部形成用溝に連続して嵌まり込み部形成用周面を備え
てなり、また、前記マンドレルが、前記フランジ部形成
用溝と協動するフランジ部形成用溝と、前記ネック部形
成用突条と協動するネック部形成用段差部と、前記鍔部
形成用溝と協動する鍔部形成用突条と、前記嵌まり込み
部形成用周面と協動する嵌まり込み部形成用段差部を備
えてなり、前記リング状素材を前記マンドレルと前記成
形ロールとで挟圧することにより、当初、前記マンドレ
ルの鍔部形成用突条により前記リング状素材を内周面側
から押圧変形させ該リング状素材を前記成形ロールの鍔
部形成用溝との間に流動充足させて鍔部を成形し、続い
て、前記鍔部形成用溝への流動充足と略同時に、前記成
形ロールのネック部形成用突条によって前記リング状素
材を外周面側から押圧変形させ該リング状素材を前記マ
ンドレルのネック部形成用段差部との間に流動充足させ
てネック部を成形すると共に、前記成形ロールのフラン
ジ部形成用溝と前記マンドレルのフランジ部形成用溝と
により前記リング状素材の一方の側端部を挟圧し該側端
部を両溝間に流動充足させてフランジ部を成形し、ま
た、略同時に、前記成形ロールの嵌まり込み部形成用周
面と前記マンドレルの嵌まり込み部形成用段差部とによ
って前記リング状素材の他方の側端部を挟圧し該側端部
をこれら周面と段差部との間に流動充足させて嵌まり込
み部を成形し、その際、前記リング状素材を厚み方向に
圧延することにより拡径させ、前記フランジ部,ネック
部,鍔部および嵌まり込み部を所定寸法に加工する紡機
用リングの製造方法を提供するものである。
【0010】本発明による上記製造方法では、リング状
素材はマンドレルと成形ロールとで挟圧され、冷間ロー
リング加工される。その際、加工初期に、リング状素材
がマンドレルの鍔部形成用突条により内周面側から押圧
変形されて成形ロールの鍔部形成用溝との間に流動充足
することにより鍔部が成形され、続いて、その鍔部形成
用溝への流動充足と略同時に、リング状素材が成形ロー
ルのネック部形成用突条によって外周面側から押圧変形
されてマンドレルのネック部形成用段差部との間に流動
充足することによりネック部が成形されると共に、成形
ロールのフランジ部形成用溝とマンドレルのフランジ部
形成用溝とによりリング状素材の一方の側端部が挟圧さ
れ該側端部が両溝間に流動充足することによってフラン
ジ部が成形され、また、略同時に、成形ロールの嵌まり
込み部形成用周面とマンドレルの嵌まり込み部形成用段
差部とによってリング状素材の他方の側端部が挟圧され
該側端部がこれら周面と段差部との間に流動充足するこ
とによって嵌まり込み部が成形される。そして、その
際、リング状素材は厚み方向に圧延されることにより拡
径し、フランジ部,ネック部,鍔部および嵌まり込み部
がそれぞれ所定寸法に加工される。
【0011】本発明によれば、このように冷間ローリン
グ加工で紡機用リングを製造し、本質的に材料の除去を
行わないため、材料歩留りが良く、また、製造工程が少
なくて、製造コストが低減される。また、本質的に旋削
を行わないため、製品表面に傷や旋削目が付かず、トラ
ベラの耐摩耗性が向上し、また、本質的にリングフラン
ジ部のメタルフローが切断されることなく連続して形成
されるため、トラベラ摺動面にメタルフローの切断部が
出ることはなく、リングの耐疲労性が向上し、寿命が長
くなる。
【0012】上記構成において、好ましくは、鋼製のリ
ング状素材として、予め焼鈍した、少なくとも表面の硬
度がHv180〜Hv250の焼鈍材を用いる。
【0013】また、鋼製のリング状素材は、外径が紡機
用リングの鍔径の50%〜70%、厚さが紡機用リング
のフランジ幅の1.1倍〜2.0倍、高さが紡機用リン
グの全高の1.0倍〜1.5倍の素材とするのがよい。
【0014】なお、紡機用リングのフランジ部のローリ
ング加工量とネック部のローリング加工量との差が大き
すぎると、各部の円周方向の伸びに差が生じ、フランジ
部が割れたりすることがあるが、そういった場合は、鋼
製のリング状素材として、予め鍛造,旋削,ローリング
加工等の加工手段によりネック部に相当する部分を他の
部位より薄くした素材を用いてもよいものであり、そう
することにより割れを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による紡機用リング
の製造方法の実施の形態の一例を図面に基づいて説明す
る。
【0016】図1は本発明による紡機用リングの製造方
法に使用される冷間ローリング加工装置の要部概略構成
を示している。この冷間ローリング加工装置は、所定の
リング外側形状を有する成形ロール1と、所定のリング
内側形状を有するマンドレル2とから構成されたもの
で、マンドレル2は、マンドレル2を挟んで成形ロール
1に対向する位置に配置された受けロール12により、
成形ロール1に向けて押し付けられる。
【0017】本発明による紡機用リングの製造方法にお
いて、リング状素材としては例えば図2(a)〜(c)
に示すような各種形態のものが使用される。図2(a)
に示すリング状素材13Aは、鋼製のパイプ材を切断し
た断面矩形状の円筒状素材であり、同図(b)に示すリ
ング状素材13Bは、熱間加工材を旋削,圧延等により
成形加工して、ネック部に相当する部分を他の部位より
薄くした円筒状素材であり、同図(c)に示すリング状
素材13Cは、熱間鍛造により、あるいは、同図(A)
に示される円筒状素材から冷間ローリング加工により成
形加工して、ネック部に相当する部分を他の部位より薄
くし、かつ、鍔部および嵌まり込み部に相当する部分を
拡径させた円筒状素材である。
【0018】上記図2(a)〜(c)に示すようなリン
グ状素材13A,13B,13Cを使用して、図3に示
される紡機用リング17を製造する。この紡機用リング
17は、フランジ部17aと、フランジ部17aに連続
するネック部17bと、ネック部17bに連続する鍔部
17cと、鍔部17cに連続する嵌まり込み部17dを
備えたリング体を形成するものである。
【0019】図4は、上記図2(a)に示されるリング
状素材13Aを使用して、上記図3に示される紡機用リ
ング17を製造する場合の、冷間ローリング加工装置の
加工部にリング状素材13Aが配置された加工前の状態
を示している。図4に示すように、断面矩形状の鋼製の
リング状素材13Aは、マンドレル2に挿通され、内周
面がマンドレル2に対峙し、外周面が成形ロール1に対
峙するよう配置される。この状態から、受けロール12
を回転させた状態で、成形ロール1を回転させながらマ
ンドレル2に接近させてリング状素材13Aの外周面に
押し当てることにより、マンドレル2が回転し図5に
示すように、リング状素材13Aがマンドレル2と成形
ロール1とで挟圧され、フランジ部17a,ネック部1
7b,鍔部17cおよび嵌まり込み部17dを備えたリ
ング体の形状に成形加工される。そして、このようにし
てフランジ部17a,ネック部17b,鍔部17cおよ
び嵌まり込み部17dの成形加工が完了した後、成形ロ
ール1後退させ、所定の形状に成形したリング体が取
り出される。なお、冷間ローリング加工装置は、受けロ
ール12を回転させないでマンドレル2に接触させ、固
定位置で回転する成形ロール1に接近させることによっ
てリング状素材13Aを挟圧するようなものであっても
よい。
【0020】そして、この成形加工されたリング体は、
必要に応じて、フランジ部17aの上面、嵌まり込み部
17dの下面に旋削,切削等の仕上げ加工が施され、さ
らに、サイジング処理が施され、真円度調整が行われ、
その後、熱処理が施され、表面硬化処理が行われて仕上
げられ、図3に示される紡機用リング17とされる。
【0021】なお、上記紡機用リング17には、少なく
ともフランジ部17aの表面にバレル研磨、バフ研磨等
の加工手段により研磨加工を施したり、耐摩耗性を向上
させるため、メッキ、コーティング或いは金属の拡散浸
透処理等の表面処理を施すことも可能である。
【0022】上記成形ロール1は、図4および図5に示
されるように、その外周面の軸方向両側に一対の周壁3
a,3bを備え、一方の周壁3aに連続して成形ロール
1の外周面にフランジ部形成用溝4を備え、フランジ部
形成用溝4に連続してネック部形成用突条5を備え、ネ
ック部形成用突条5に連続して鍔部形成用溝6を備え、
さらに、鍔部形成用溝6に連続して嵌まり込み部形成用
周面7を備えている。
【0023】また、上記マンドレル2は、図4および図
5に示されるように、成形ロール1のフランジ部形成用
溝4と協動するフランジ部形成用溝8を備え、成形ロー
ル1のネック部形成用突条5と協動するネック部形成用
段差部9を備え、成形ロール1の鍔部形成用溝6と協動
する鍔部形成用突条10を備え、さらに、成形ロール1
の嵌まり込み部形成用周面7と協動する嵌まり込み部形
成用段差部11を備えている。
【0024】なお、上記マンドレル2の鍔部形成用突条
10の断面形状は、図5に示す夾角Xが90°の楔形形
状とされ、その先端には平坦面が形成されているが、こ
の楔形形状の夾角Xは80°〜95°でよく、また先端
部は曲面で結ぶことも可能である。
【0025】また、上記成形ロール1の外周面の形状お
よびマンドレル2の少なくともフランジ部形成用溝8の
形状は、加工形成される紡機用リングの形状に略正確に
賦型された形状を有するものである。
【0026】次に、上記成形ロール1とマンドレル2を
備えた冷間ローリング加工装置による紡機用リングの加
工方法について説明する。
【0027】リング状素材として例えば図2(a)に示
される断面矩形状で円筒状のリング状素材13Aを使用
し、これをマンドレル2の加工部に挿通配置し、受けロ
ール12を回転させた状態で、成形ロール1を回転させ
ながらマンドレル2に接近させてリング状素材13Aの
外周面に押し当てる。
【0028】こうして成形ロール1の回転および押圧作
用とマンドレル2の回転により、リング状素材13Aは
マンドレル2と成形ロールとで挟圧され、成形ロール1
のフランジ部形成用溝4,ネック部形成用突条5,鍔部
形成用溝6および嵌まり込み部形成用周面7と、マンド
レル2のフランジ部形成用溝8,ネック部形成用段差部
9,鍔部形成用突条10および嵌まり込み部形成用段差
部11とにより、外周面および内周面が所定の紡機用リ
ングの外郭形状に賦型されると共に、リング状素材13
Aの肉厚が薄くなり、同時に全体が拡径される。そし
て、図5に示されるような、フランジ部17a,ネック
部17b,鍔部17cおよび嵌まり込み部17dを備え
たリング体の形状に成形加工される。
【0029】そして、このようにしてフランジ部17
a,ネック部17b,鍔部17cおよび嵌まり込み部1
7dの成形加工が完了した後、成形ロール1後退さ
せ、所定の形状に成形したリング体が取り出される。
【0030】そして、この成形加工されたリング体は、
必要に応じて、フランジ部17aの上面、嵌まり込み部
17dの下面に旋削,切削等の仕上げ加工が施され、さ
らに、サイジング処理が施され、真円度調整が行われ、
その後、熱処理が施され、表面硬化処理が行われて仕上
げられ、図3に示される紡機用リング17とされる。ま
た、上記紡機用リング17には、必要に応じて、少なく
ともフランジ部17aの表面にバレル研磨、バフ研磨等
の加工手段により研磨加工が施され、耐摩耗性を向上さ
せるため、メッキ、コーティング或いは金属の拡散浸透
処理等の表面処理を施される。
【0031】上記加工方法によれば、冷間ローリング加
工の当初において、リング状素材13Aはマンドレル2
の鍔部形成用突条10により内周面側から押圧変形され
ることにより、成形ロール1の鍔部形成用溝6との間に
流動充足し、鍔部17cを形成する。
【0032】その後、略同時に、リング状素材13Aは
成形ロール1のネック部形成用突条5によって外周面側
から押圧変形されて円周方向に塑性流動され、拡径され
ながら肉厚が薄くなって、マンドレル2のネック部形成
用段差部9との間に流動充足し、ネック部17bを形成
する。
【0033】また、略同時に、成形ロール1のフランジ
部形成用溝4とマンドレル2のフランジ部形成用溝8と
によりリング状素材13Aの一方の側端部が挟圧されて
塑性流動され、両溝4,8間に流動充足し、フランジ部
17aを形成する。
【0034】さらに、略同時に、成形ロール1の嵌まり
込み部形成用周面7とマンドレル2の嵌まり込み部形成
用段差部11とによってリング状素材13Aの他方の側
端部が挟圧されて塑性流動され、これら周面7と段差部
11との間に流動充足し、嵌まり込み部を形成する。こ
うして、リング状素材13Aは厚み方向に圧延されるこ
とにより、円周方向に延ばされ、その径が拡大して、所
定寸法のフランジ部17a,ネック部17b,鍔部17
cおよび嵌まり込み部17dが形成され、所定の紡機用
リング17の形状および寸法に加工される。
【0035】また、上記鋼製のリング状素材としては、
予め焼鈍した、硬度がHv180〜Hv250の焼鈍材
を使用するのがよく、その外径は紡機用リングの鍔径の
50%〜70%、厚さは紡機用リングのフランジ幅の
1.1倍〜2.0倍、高さは紡機用リングの全高の0.
8倍〜1.5倍とするのがよい。
【0036】なお、上記の例では、紡機用リングの形状
を1工程で形成しているが、フランジ部の加工量とネッ
ク部の加工量の差が大きすぎると、上記各部の円周方向
の伸びに差が生じて、フランジ部が割れたりする恐れが
あるため、2工程で形成するものとして、それぞれの加
工量の差を小さくすることも可能である。すなわち、リ
ング状素材としては、図2(b)或いは(c)に示され
るように、予め鍛造,旋削,ローリング加工等の加工手
段によりネック部に相当する部分を他の部位より薄くし
た形状のリング状素材13B,13Cを用いてもよいも
のである。
【0037】
【発明の効果】本発明の紡機用リングの製造方法は、冷
間ローリング加工により紡機用リングを製造するもので
あり、紡機用リングは素材径に対して拡径されて形成さ
れ、本質的に材料の除去を行わないため、従来の切削加
工に比べて素材の歩留りが大幅に向上し、しかも、製造
工程が少なくてすみ、製造時の省工数化、コスト低減に
大きく貢献することができる。
【0038】また、本質的に旋削を行わないため、製品
表面の特にトラベラと接触するフランジ内周面に傷や旋
削目が付かず、したがって、トラベラの耐摩耗性を向上
させることができる。
【0039】また、本質的にリングフランジ部のメタル
フローが切断されることなく連続して形成されるため、
トラベラ摺動面にメタルフローの切断部が出ることがな
く、したがって、リングの耐疲労性を向上させ、リング
の寿命を延長することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡機用リングの製造方法に使用される
冷間ローリング加工装置の一例を示す要部概略構成図で
ある。
【図2】本発明の紡機用リングの製造方法に使用される
リング状素材の一例を示す各種リング状素材の断面図で
ある。
【図3】本発明の紡機用リングの製造方法により得られ
る紡機用リングの一例の一部破断断面図である。
【図4】本発明の紡機用リングの製造方法における冷間
ローリング加工装置にリング状素材を配置した加工前の
状態の一例を示す要部構成図である。
【図5】図4の状態から冷間ローリング加工を行い、加
工が完了した状態を示す要部拡大図である。
【図6】従来の紡機用リングとブランク材との関係を示
す一部破断断面図である。
【符号の説明】
1 成形ロール 2 マンドレル 3a,3b 周壁 4 フランジ部形成用溝 5 ネック部形成用突条 6 鍔部形成用溝 7 嵌まり込み部形成用周面 8 フランジ部形成用溝 9 ネック部形成用段差部 10 鍔部形成用突条 11 嵌まり込み部形成用段差部 12 受けロール 13A,13B,13C リング状素材 17 紡機用リング 17a フランジ部 17b ネック部 17c 鍔部 17d 嵌まり込み部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−144135(JP,A) 特公 昭30−7918(JP,B1) 特公 昭26−579(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01H 7/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製のリング状素材をマンドレルと成形
    ロールとで挟圧し、冷間ローリングにより前記リング状
    素材の内周面および外周面をそれぞれ押圧変形させて、
    フランジ部,該フランジ部に連続するネック部,該ネッ
    ク部に連続する鍔部および該鍔部に連続する嵌まり込み
    部を備えたリング体に成形加工する紡用リングの製造
    方法であって、 前記成ロールが、その外周面の軸方向両側に一対の周
    壁を備え、一方の周壁に連続してフランジ部形成用溝を
    備え、該フランジ部形成用溝に連続してネック部形成用
    突条を備え、該ネック部形成用突条に連続して鍔部形成
    用溝を備え、さらに該鍔部形成用溝に連続して嵌まり込
    み部形成用周面を備えてなり、 また、前記マンドレルが、前記フランジ部形成用溝と協
    動するフランジ部形成用溝と、前記ネック部形成用突条
    と協動するネック部形成用段差部と、前記鍔部形成用溝
    と協動する鍔部形成用突条と、前記嵌まり込み部形成用
    周面と協動する嵌まり込み部形成用段差部を備えてな
    り、 前記リング状素材を前記マンドレルと前記成形ロールと
    で挟圧することにより、当初、前記マンドレルの鍔部形
    成用突条により前記リング状素材を内周面側から押圧変
    形させ該リング状素材を前記成形ロールの鍔部形成用溝
    との間に流動充足させて鍔部を成形し、 続いて、前記鍔部形成用溝への流動充足と略同時に、前
    記成形ロールのネック部形成用突条によって前記リング
    状素材を外周面側から押圧変形させ該リング状素材を前
    記マンドレルのネック部形成用段差部との間に流動充足
    させてネック部を成形すると共に、前記成形ロールのフ
    ランジ部形成用溝と前記マンドレルのフランジ部形成用
    溝とにより前記リング状素材の一方の側端部を挟圧し該
    側端部を両溝間に流動充足させてフランジ部を成形し、
    また、略同時に、前記成形ロールの嵌まり込み部形成用
    周面と前記マンドレルの嵌まり込み部形成用段差部とに
    よって前記リング状素材の他方の側端部を挟圧し該側端
    部をこれら周面と段差部との間に流動充足させて嵌まり
    込み部を成形し、 その際、前記リング状素材を厚み方向に圧延することに
    より拡径させ、前記フランジ部,ネック部,鍔部および
    嵌まり込み部を所定寸法に加工することを特徴とする紡
    機用リングの製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼製のリング状素材として、予め焼鈍し
    た、少なくとも表面の硬度がHv180〜Hv250の
    焼鈍材を用いた請求項1記載の紡機用リングの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 鋼製のリング状素材として、外径が紡機
    用リングの鍔径の50%〜70%、厚さが紡機用リング
    のフランジ幅の1.1倍〜2.0倍、高さが紡機用リン
    グの全高の0.8倍〜1.5倍の素材を用いた請求項1
    または2記載の紡機用リングの製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼製のリング状素材として、予め鍛造,
    旋削,ローリング加工等の加工手段によりネック部に相
    当する部分を他の部位より薄くした素材を用いた請求項
    1,2又は3記載の紡機用リングの製造方法。
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