JP2975964B2 - 紡機用リングの製造方法 - Google Patents

紡機用リングの製造方法

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JP2975964B2
JP2975964B2 JP8357013A JP35701396A JP2975964B2 JP 2975964 B2 JP2975964 B2 JP 2975964B2 JP 8357013 A JP8357013 A JP 8357013A JP 35701396 A JP35701396 A JP 35701396A JP 2975964 B2 JP2975964 B2 JP 2975964B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精紡機,撚糸機等
の紡機に使用されるダブルフランジタイプの紡機用リン
グのリングフランジ部および胴部を冷間ローリングによ
り一体に形成する紡機用リングの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、ダブルフランジタイプの紡機用リ
ングの製造方法としては、素材として肌焼鋼または高炭
素クロム軸受鋼のパイプ材或いは丸棒を用い、上記素材
を切断或いは熱間鍛造して図6に12で示すような円筒
状のブランク材を形成し(ブランク材形成工程)、上記
ブランク材を旋盤により旋削加工して図6に13で示す
ような所定の形状の紡機用リングを形成し(旋削工
程)、上記所定の形状に形成されたリング13に焼入,
焼戻し等の熱処理を施し(熱処理工程)、次いで、上記
熱処理が施されたリング13の表面をバレル研磨等によ
り研磨し(研磨工程)、さらに、必要に応じて、リング
13の少なくともリングフランジ部の表面にメッキ,コ
ーティング等の表面処理を施し(表面処理工程)、最後
に検査を経て製品としての紡機用リング13を得るとい
うのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の紡機用リン
グの製造方法では、パイプ材或いは丸棒から図6に12
で示すような円筒状のブランク材を形成し、このブラン
ク材を旋削加工して図6に13で示すような所定形状の
紡機用リングを形成するため、ブランク材12は、その
断面形状が少なくとも紡機用リング13の断面形状を含
む大きさでなくてはならず、そのため、ブランク材12
の重量は紡機用リング13の重量の約4倍〜6倍とな
り、材料歩留まりが非常に悪いという問題点がある。
【0004】また、特に丸棒を熱間鍛造して円筒状のブ
ランク材12を形成する場合、丸棒を所定の長さに切断
し、次いで熱間鍛造により所定の円筒状に形成し、その
後、加工性を向上させるため球状化焼鈍してブランク材
12の組織を球状化させ、さらに、熱間鍛造の際に発生
した炭化スケールを除去するためショットブラストを行
って表面の黒皮を取り除くといった各工程を経てブラン
ク材12を形成するので、ブランク材12のコストが非
常に高くなるという問題点がある。
【0005】また、上記従来の紡機用リングの製造方法
では、ブランク材12を旋盤により旋削加工する際に、
例えば、まず、ブランク材12の一方の端部を把持し、
その状態でブランク材12の一端側の外周面および内周
面を旋削して、リングの一端側のフランジ部および胴部
を旋削,切削等により仕上げる際の仕上げ代を残した形
状とし、その後、ブランク材12を持ち直してブランク
材12の他方の端部を把持し、その状態でブランク材1
2の他端側の外周面および内周面を旋削して、リングの
他端側のフランジ部および胴部を仕上げる際の仕上げ代
を残した形状とし全体として略I字状に形成する荒加工
を行い、次に、このようにして略I字状に形成されたブ
ランク材の一方の端部を把持して、リングのフランジ部
および胴部を旋削し、次いでブランク材を持ち直して他
方のフランジ部および胴部を旋削して紡機用リング13
を形成しているため、紡機用リング13の形成に少なく
とも4工程必要で、工程が繁雑になるという問題点があ
り、また、製品となる部分の外周面を把持するため把持
部に傷が入り、フランジ部に旋削目が入って、それらの
傷や旋削目を後工程において除去出来ない場合があり、
そういった傷や旋削目がトラベラの摩耗に影響するとい
う問題点がある。
【0006】また、上記従来の紡機用リングの製造方法
では、旋削加工によりブランク材12のメタルフローが
切断され、そのメタルフローの切断部がフランジ部の表
面(トラベラ摺動面)に出るため、耐疲労性が低下し、
紡機用リングの寿命が短くなるという問題点がある。
【0007】したがって、紡機用リングの製造におい
て、材料歩留りを良くし、また、製造工程を少なくし
て、製造コストを低減し、かつ、製品表面に傷や旋削目
が付かないようにしてトラベラの耐摩耗性を向上させ、
また、少なくともフランジ部のトラベラ摺動面にメタル
フローの切断部が出ないようにしてリングの耐疲労性を
向上させ、寿命を長くすることが課題である。
【0008】本発明は上記課題を解決することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、鋼製のリング状素材を
マンドレルと成形ロールとで挟圧し、冷間ローリングに
より前記リング状素材の内周面および外周面をそれぞれ
押圧変形させて、環状の胴部の両端にそれぞれフランジ
部を備えたリング体に成形加工する紡機用リングの製造
方法であって、前記成形ロールが、その外周面の軸方向
両側にそれぞれフランジ外端面形成用周壁を備えるとと
もに、それら各フランジ外端面形成用周壁に連続して内
側にそれぞれフランジ部形成用溝を備え、それらフラン
ジ部形成用溝間に該成形ロールの前記各フランジ外端面
形成用周壁の軸方向外側に連続する両側端部の外径より
小さい外径を有する胴部形成用周面を備えてなり、ま
た、前記マンドレルが、その外周面の軸方向両側に前記
成形ロールの各フランジ部形成用溝と協動するフランジ
部形成用溝を備えるとともに、それらフランジ部形成用
溝間に該マンドレルの前記各フランジ部形成用溝の軸方
向外側に連続する両側端部の外径より大きい外径を有す
る胴部形成用周面を備えてなり、前記リング状素材を前
記マンドレルと前記成形ロールとで挟圧することによ
り、当初、前記マンドレルの前記フランジ部形成用溝と
前記成形ロールの前記フランジ部形成用溝とで前記リン
グ状素材を押圧変形させ、該リング状素材を両フランジ
部形成用溝間に流動充足させてフランジ部を成形し、続
いて、前記両フランジ部形成用溝間への流動充足と略同
時に、前記マンドレルの前記胴部形成用周面と前記成形
ロールの前記胴部形成用周面とで前記リング状素材を押
圧変形させ、該リング状素材を両胴部形成用周面間に流
動充足させて胴部を成形し、その際、前記両フランジ部
形成用溝間および前記両胴部形成用周面間で前記リング
状素材を厚み方向に圧延することにより拡径させて前記
フランジ部および前記胴部を所定寸法に加工することを
特徴とする紡機用リングの製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明による上記紡機用リングの製造方法
では、リング状素材はマンドレルと成形ロールとで挟圧
され、冷間ローリング加工される。その際、加工初期
に、リング状素材がマンドレルの各フランジ部形成用溝
および成形ロールの各フランジ部形成用溝とにより内周
面側および外周面側から押圧変形されてそれらフランジ
部形成用溝間に流動充足することにより両端の各フラン
ジ部が成形され、続いて、それら各フランジ部形成用溝
間への流動充足と略同時に、リング状素材がマンドレル
の胴部形成用周面と成形ロールの胴部形成用周面とによ
って押圧変形されてそれら胴部形成用周面間に流動充足
することにより胴部が成形される。そして、その際、リ
ング状素材は厚み方向に圧延されることにより拡径し、
フランジ部および胴部がそれぞれ所定寸法に加工され
る。
【0011】本発明によれば、このように冷間ローリン
グ加工で紡機用リングを製造し、本質的に材料の除去を
行わないため、材料歩留りが良く、また、製造工程が少
なくて、製造コストが低減される。また、本質的に旋削
を行わないため、製品表面に傷や旋削目が付かず、トラ
ベラの耐摩耗性が向上し、また、本質的にリングフラン
ジ部のメタルフローが切断されることなく連続して形成
されるため、トラベラ摺動面にメタルフローの切断部が
出ることはなく、リングの耐疲労性が向上し、寿命が長
くなる。
【0012】上記構成において、好ましくは、鋼製のリ
ング状素材として、予め焼鈍した、少なくとも表面の硬
度がHv180〜Hv250の焼鈍材を用いる。
【0013】また、紡機用リングのフランジ部のローリ
ング加工量と胴部のローリング加工量との差が大きすぎ
ると、各部の円周方向の伸びに差が生じ、フランジ部が
割れたり、あるいはフランジ部と胴部との間の接続部に
割れが生じたり、破断したりすることがあるため、鋼製
のリング状素材として、予め鍛造,旋削,ローリング加
工等の加工手段により胴部に相当する部分をフランジ部
に相当する部分より薄くした素材を用いるのがよい。そ
うすることにより割れや破断を防止できる。
【0014】また、鋼製のリング状素材は、断面I字状
の素材であって、フランジ部を形成する軸方向両端の頭
部の径方向幅が紡機用リングのフランジ幅の1.05倍
〜1.5倍、胴部を形成する中間部の厚さが紡機用リン
グの胴部の厚さの1.1倍〜1.6倍の素材とするのが
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による紡機用リング
の製造方法の実施の形態の一例を図面に基づいて説明す
る。
【0016】図1は本発明による紡機用リングの製造方
法に使用される冷間ローリング加工装置の要部概略構成
を示している。この冷間ローリング加工装置は、所定の
リング外側形状を有する成形ロール1と、所定のリング
内側形状を有するマンドレル2とから構成されたもの
で、マンドレル2は、成形ロール1により、マンドレル
2を挟んで成形ロール1に対向する位置に配置された受
けロール8に向けて押し付けられる。
【0017】本発明による紡機用リングの製造方法にお
いて、リング状素材としては例えば図2(a)および
(b)に示すような各種形態のものが使用される。図2
(a)に示すリング状素材9は、熱間加工材を旋削,圧
延等により成形加工して、紡機用リング11の胴部11
cに相当する中間部9cの幅tを紡機用リング11のフ
ランジ部11a,11bに相当する頭部9a,9bの幅
Tより薄くした断面I字状を有する円筒状素材であり、
同図(b)に示すリング状素材10は、熱間鍛造によ
り、あるいは円筒状素材から冷間ローリング加工により
成形加工して、紡機用リング11の胴部11cに相当す
る中間部10cの幅tを紡機用リング11のフランジ部
11a,11bに相当する頭部10a,10bの幅Tよ
り薄くした断面略コ字状を有する円筒状素材である。
【0018】上記図2(a),(b)に示すようなリン
グ状素材9,10を使用して、図3に示される紡機用リ
ング11を製造する。この紡機用リング11は軸方向両
端に相対する対称配置の一対のフランジ部11a,11
bを環状の胴部11cの両端に備えたリング体を形成す
るものである。なお、図3に示される紡機用リング11
は、フランジ部11a,11bの幅Aが3.2mm、胴
部11cの幅Bが0.6mm、高さHが10mmの場合
であるが、これに限られるものではなく、本発明は通常
使用されている各種寸法のものに適用できる。
【0019】図4は、上記図2(a)に示されるリング
状素材9を使用して、上記図3に示される紡機用リング
11を製造する場合の、冷間ローリング加工装置の加工
部にリング状素材9が配置された加工前の状態を示して
いる。図4に示すように、断面I字状を有する鋼製のリ
ング状素材9は、マンドレル2に挿通され、内周面がマ
ンドレル2に対峙し、外周面が成形ロール1に対峙する
よう配置される。この状態から、受けロール8を回転さ
せ、該受けロール8が回転している状態で、成形ロール
1を回転させながらマンドレル2に接近させて、リング
状素材9の外周面に押し当てることにより、図5に示す
ように、リング状素材9がマンドレル2と成形ロール1
とで挟圧され、フランジ部11a,11bおよび胴部1
1cを備えたリング体の形状に成形加工される。そし
て、このようにしてフランジ部11a,11bおよび胴
部11cの成形加工が完了した後、成形ロール1を後退
させ、所定の形状に成形したリング体が取り出される。
【0020】そして、この成形加工されたリング体は、
必要に応じて、両端のフランジ部11a,11bの各々
の外端面に旋削,切削等の仕上げ加工が施され、さら
に、サイジング処理が施され、真円度調整が行われ、そ
の後、熱処理が施され、表面硬化処理が行われて仕上げ
られ、図3に示される紡機用リング11とされる。
【0021】なお、上記紡機用リング11には、少なく
とも両端のフランジ部11a,11bの表面にバレル研
磨、バフ研磨等の加工手段により研磨加工を施したり、
耐摩耗性を向上させるため、メッキ、コーティング或い
は金属の拡散浸透処理等の表面処理を施すことも可能で
ある。
【0022】上記成形ロール1は、図4および図5に示
されるように、その外周面の軸方向両側にそれぞれフラ
ンジ外端面形成用周壁3a,3bを備え、それら各フラ
ンジ外端面形成用周壁3a,3bに連続して内側にそれ
ぞれフランジ部形成用溝4a,4bを備え、それらフラ
ンジ部形成用溝4a,4b間に成形ロール1の両側端部
の外径D1より小さい外径d1を有する胴部形成用周面5
を備えている。
【0023】また、上記マンドレル2は、図4および図
5に示されるように、その外周面の軸方向両側に成形ロ
ール1の各フランジ部形成用溝4a,4bと協動するフ
ランジ部形成用溝6a,6bを備え、それらフランジ部
形成用溝6a,6b間に、マンドレル2の両側端部の外
径D2より大きい外径d2を有し、成形ロール1の胴部形
成用周面5と協動する胴部形成用周面7を備えている。
【0024】なお、上記成形ロール1のフランジ部形成
用溝4a,4bの形状およびマンドレル2のフランジ部
形成用溝6a,6bの形状は、加工形成される紡機用リ
ングの形状に略正確に賦型された形状を有するものであ
る。
【0025】また、この例では、図5に示すように、成
形ロール1のフランジ外端面形成用周壁3a,3bにそ
れぞれ傾斜を設けている。これは素材の流動充足を良好
にするためで、傾斜角度αは3゜〜15゜とし、好まし
くは7゜〜12゜とするものである。この場合、成形ロ
ール1側の傾斜に合わせてマンドレル2側も傾斜を設け
る。ただし、これらの傾斜は必ずしも必要とするもので
はない。
【0026】次に、上記成形ロール1とマンドレル2を
備えた冷間ローリング加工装置による紡機用リングの加
工方法について説明する。
【0027】リング状素材として例えば図2(a)に示
される断面I字状を有する円筒状のリング状素材9を使
用し、これをマンドレル2の加工部に挿通配置し、上記
マンドレル2の外周面に近接して配置された受けロール
8を回転させた状態で、成形ロール1を回転させながら
マンドレル2に接近させて、リング状素材9の外周面に
押し当てる。これにより、マンドレル2は受けロール8
と接触して回転する。
【0028】こうして成形ロール1の回転および押圧作
用とマンドレル2の回転により、リング状素材9はマン
ドレル2と成形ロール1とで挟圧され、成形ロール1の
フランジ部形成用溝4a,4bおよび胴部形成用周面5
と、マンドレル2のフランジ部形成用溝6a,6bおよ
び胴部形成用周面7とにより、リング状素材9の外周面
および内周面が所定の紡機用リング11の外郭形状に賦
型されると共に、リング状素材9の肉厚が薄くなり、同
時に全体が拡径される。そして、図5に示されるよう
な、フランジ部11a,11bおよび胴部11cを備え
たリング体の形状に成形加工される。
【0029】そして、このようにしてフランジ部11
a,11bおよび胴部11cの成形加工が完了した後、
成形ロール1を後退させ、所定の形状に成形したリング
体が取り出される。
【0030】そして、この成形加工されたリング体は、
必要に応じて、両端のフランジ部11a,11bの各々
の外端面に旋削,切削等の仕上げ加工が施され、さら
に、サイジング処理が施され、真円度調整が行われ、そ
の後、熱処理が施され、表面硬化処理が行われて仕上げ
られ、図3に示される紡機用リング11とされる。ま
た、上記紡機用リング11には、必要に応じて、少なく
ともフランジ部11a,11bの各々の表面にバレル研
磨、バフ研磨等の加工手段により研磨加工が施され、ま
た、耐摩耗性を向上させるため、メッキ,コーティング
或いは金属の拡散浸透処理等の表面処理が施される。
【0031】上記加工方法によれば、冷間ローリング加
工の当初において、リング状素材9はマンドレル2の各
フランジ部形成用溝6a,6bおよび成形ロール1の各
フランジ部形成用溝4a,4bにより内周面側および外
周面側から押圧変形されて、協動するフランジ部形成用
溝6a,4a間およびフランジ部形成用溝6b,4b間
にそれぞれ流動充足し、フランジ部11a,11bを形
成する。
【0032】その後、略同時に、リング状素材9はマン
ドレル2の胴部形成用周面7と成形ロール1の胴部形成
用周面5とによって内周面側および外周面側から押圧変
形されて円周方向に塑性流動され、拡径されながら肉厚
が薄くなって、両胴部形成用周面5,7間に流動充足
し、胴部11cを形成する。
【0033】こうして、リング状素材9は厚み方向に圧
延されることにより、円周方向に伸ばされ、その径が拡
大して、所定寸法のフランジ部11a,11bおよび胴
部11cが形成され、所定の紡機用リング11の形状お
よび寸法に加工される。
【0034】また、上記鋼製のリング状素材としては、
予め焼鈍した、硬度がHv180〜Hv250の焼鈍材
を使用するのがよい。
【0035】
【発明の効果】本発明の紡機用リングの製造方法は、冷
間ローリング加工により紡機用リングを製造するもので
あり、紡機用リングは素材径に対して拡径されて形成さ
れ、本質的に材料の除去を行わないため、従来の切削加
工に比べて素材の歩留りが大幅に向上し、しかも、製造
工程が少なくてすみ、製造時の省工数化、コスト低減に
大きく貢献することができる。
【0036】また、本質的に旋削を行わないため、製品
表面の特にトラベラと接触するフランジ内周面に傷や旋
削目が付かず、したがって、トラベラの耐摩耗性を向上
させることができる。
【0037】また、本質的にリングフランジ部のメタル
フローが切断されることなく連続して形成されるため、
トラベラ摺動面にメタルフローの切断部が出ることがな
く、したがって、リングの耐疲労性を向上させ、リング
の寿命を延長することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡機用リングの製造方法に使用される
冷間ローリング加工装置の一例を示す要部概略構成図で
ある。
【図2】本発明の紡機用リングの製造方法に使用される
リング状素材の一例を示す各種リング状素材の一部破断
断面図である。
【図3】本発明の紡機用リングの製造方法により得られ
る紡機用リングの一例の一部破断断面図である。
【図4】本発明の紡機用リングの製造方法における冷間
ローリング加工装置にリング状素材を配置した加工前の
状態の一例を示す要部構成図である。
【図5】図4の状態から冷間ローリング加工を行い、加
工が完了した状態を示す要部拡大図である。
【図6】従来の紡機用リングとブランク材との関係を示
す一部破断断面図である。
【符号の説明】
1 成形ロール 2 マンドレル 3a,3b フランジ外端面形成用周壁 4a,4b フランジ部形成用溝 5 胴部形成用周面 6a,6b フランジ部形成用溝 7 胴部形成用周面 8 受けロール 9 リング状素材 10 リング状素材 11 紡機用リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 次雄 兵庫県宝塚市安倉中5丁目5−26 (56)参考文献 特開 平8−144135(JP,A) 実開 平4−78280(JP,U) 特公 昭30−7918(JP,B1) 特公 昭26−579(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01H 7/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製のリング状素材をマンドレルと成形
    ロールとで挟圧し、冷間ローリングにより前記リング状
    素材の内周面および外周面をそれぞれ押圧変形させて、
    環状の胴部の両端にそれぞれフランジ部を備えたリング
    体に成形加工する紡機用リングの製造方法であって、 前記成形ロールが、その外周面の軸方向両側にそれぞれ
    フランジ外端面形成用周壁を備えるとともに、それら各
    フランジ外端面形成用周壁に連続して内側にそれぞれフ
    ランジ部形成用溝を備え、それらフランジ部形成用溝間
    に該成形ロールの前記各フランジ外端面形成用周壁の軸
    方向外側に連続する両側端部の外径より小さい外径を有
    する胴部形成用周面を備えてなり、 また、前記マンドレルが、その外周面の軸方向両側に前
    記成形ロールの各フランジ部形成用溝と協動するフラン
    ジ部形成用溝を備えるとともに、それらフランジ部形成
    用溝間に該マンドレルの前記各フランジ部形成用溝の軸
    方向外側に連続する両側端部の外径より大きい外径を有
    する胴部形成用周面を備えてなり、 前記リング状素材を前記マンドレルと前記成形ロールと
    で挟圧することにより、当初、前記マンドレルの前記フ
    ランジ部形成用溝と前記成形ロールの前記フランジ部形
    成用溝とで前記リング状素材を押圧変形させ、該リング
    状素材を両フランジ部形成用溝間に流動充足させてフラ
    ンジ部を成形し、 続いて、前記両フランジ部形成用溝間への流動充足と略
    同時に、前記マンドレルの前記胴部形成用周面と前記成
    形ロールの前記胴部形成用周面とで前記リング状素材を
    押圧変形させ、該リング状素材を両胴部形成用周面間に
    流動充足させて胴部を成形し、 その際、前記両フランジ部形成用溝間および前記両胴部
    形成用周面間で前記リング状素材を厚み方向に圧延する
    ことにより拡径させて前記フランジ部および前記胴部を
    所定寸法に加工することを特徴とする紡機用リングの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 鋼製のリング状素材として、予め焼鈍し
    た、少なくとも表面の硬度がHv180〜Hv250の
    焼鈍材を用いた請求項1記載の紡機用リングの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 鋼製のリング状素材として、予め鍛造,
    旋削,ローリング加工等の加工手段により胴部に相当す
    る部分をフランジ部に相当する部分より薄くした素材を
    用いた請求項1または2記載の紡機用リングの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 鋼製のリング状素材として、断面I字状
    の素材であって、フランジ部を形成する軸方向両端の頭
    部の径方向幅が紡機用リングのフランジ幅の1.05倍
    〜1.5倍、胴部を形成する中間部の厚さが紡機用リン
    グの胴部の厚さの1.1倍〜1.6倍の素材を用いた請
    求項1,2または3記載の紡機用リングの製造方法。
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