JP2974792B2 - ガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents

ガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成物

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JP2974792B2
JP2974792B2 JP41870190A JP41870190A JP2974792B2 JP 2974792 B2 JP2974792 B2 JP 2974792B2 JP 41870190 A JP41870190 A JP 41870190A JP 41870190 A JP41870190 A JP 41870190A JP 2974792 B2 JP2974792 B2 JP 2974792B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス強化ポリカーボネ
ート系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、透明性が
高く、しかも高い剛性を有するガラス強化ポリカーボネ
ート系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂は、透明性、耐
熱性および耐衝撃性に優れていることから、ガラスの代
替材料として、レンズ、プリズム等の光学用途に採用さ
れている。しかし、ガラスに比べて剛性が低いため、高
い剛性を必要とする用途においては、ガラス繊維等の適
当なフィラーを添加することによって、物理的特性の改
良を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
フィラー等を添加した場合には、ガラスの屈折率(慣用
のガラスでは通常1.545程度)とポリカーボネート
の屈折率(慣用のポリカーボネートの場合通常1.58
2程度)との差が大きいために、ポリカーボネート系樹
脂の大きな特徴である透明性が損なわれるという不都合
があった。そこで本発明は、高い剛性を維持しつつ透明
性が改善されたガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は第1に、(A)
(a−1)ポリカーボネート系樹脂と、(a−2)脂肪
族または脂環式ジオールおよび、テレフタル酸およびイ
ソフタル酸の混合物から誘導されるコポリエステルと
を、(a−1):(a−2):99:1〜10:90の
重量比で含む樹脂組成物に、(1)(B)グラスファイ
バーが (a−1)99〜40重量部に対して1〜60
重量部の割合で含まれており、かつ(2)(a−1)お
よび(B)の屈折率の差が0.01以下であることを特
徴とするガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成物を提
供するものである。
【0005】本発明の第1のものにおいては、ポリカー
ボネート系樹脂は公知のものが使用でき、通常、式(化
3):
【0006】
【化3】 上記式中、RおよびR´はそれぞれ独立して、ハロゲン
原子、一価の炭化水素基または炭化水素オキシ基であ
り、Wは二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
−、−S(=O)−、−(O=)S(=O)−、または
−C−(=O)−であり、nおよびn´はそれぞれ独立
して0〜4の整数であり、bは0または1である、で示
されるジフェノールから誘導されるジフェノール成分
と、カーボネート成分とからなる。上記式において、R
およびR´がハロゲン原子の場合には、例えば塩素原子
または臭素原子等が挙げられる。一価の炭化水素基の場
合には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基またはアルカリール基等が挙げられる。ま
た炭化水素オキシ基の場合の炭化水素基は前記した炭化
水素基を挙げることができる。
【0007】また、Wが二価の炭化水素基の場合には、
アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、
またはシクロアルキリデン基等である。
【0008】ジフェノールの具体例としては、例えばジ
フェノール;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(いわゆるビスフェノールA);2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,4ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロドデカン;4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル;4,4−チオジフェノール;4,4−ジヒドロキシ
−3,3−ジクロロジフェニルエーテル;および4,4
−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエー
テル等が挙げられる。その他に米国特許明細書第2,9
99,835号、第3,028,365号、第3,33
4,154号および第4,131,575号に記載され
ているジフェノールが使用できる。このようなポリカー
ボネートは、例えばホスゲンを使用する公知の界面重合
法、溶融重合法等によって製造できる。
【0009】なお、ポリカーボネートは分枝していても
よい。そのような分枝ポリカーボネートは、多官能性芳
香族化合物をジフェノールおよび/またはカーボネート
先駆体と反応させることにより、分枝した熱可塑性ラン
ダム分枝ポリカーボネートとして得られる。
【0010】次に、本発明で使用するコポリエステル
は、脂肪族または脂環式ジオールおよび、テレフタル酸
およびイソフタル酸の混合物から誘導される。脂肪族ジ
オールは2〜18個、好ましくは2〜12個の炭素原子
数を有する。具体的には、エチエレングリコール、1,
2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3
−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−
エチルヘキサンジオール−1,3等が挙げられる。好適
な脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオールである。
脂環式ジオールは6〜18個の炭素原子を有する。具体
的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等が挙げられる。これらの脂環式ジオールはシス
またはトランス立体配置のいずれか、または両者の混合
物として使用できる。好適な脂環式ジオールは1,4−
シクロヘキサンジメタノールである。
【0011】テレフタル酸およびイソフタル酸の混合物
は、5〜99モル%のイソフタル酸を含有することがで
きる。このテレフタル酸およびイソフタル酸の混合物は
他に、少量の、例えば0.5〜2重量%の脂肪族または
他の芳香族ジカルボン酸を含有することができる。使用
できる脂肪族ジカルボン酸は約50個以下の炭素原子数
を有し、脂環式、直鎖および分枝鎖の酸、例えば、アジ
ピン酸、シクロヘキサン二酢酸、C14〜C18の不飽
和酸の二量化物(炭素原子総数32〜36個)および三
量化物等を包含する。芳香族ジカルボン酸は約36個以
下の炭素原子を有し、ヘキサヒドロテレフタル酸、テト
ラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロイソフタル酸、ならびにエンドメチレン−およびエン
ドエチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサクロロエンド
メチレンテトラヒドロフタル酸およびテトラブロモフタ
ル酸を包含する。
【0012】上記コポリエステルは、公知の方法、例え
ば米国特許明細書第2,465,319号、同第2,9
01,466号および同第3,047,539号等に記
載された方法により製造できる。好適なコポリエステル
はポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート−コ−イソフタレート)および(1,4−ブチレ
ンテレフタレート−コ−イソフタレート)である。これ
らのコポリエステルは市販されている。
【0013】これらのコポリエステルは、フェノール/
四塩化エタン(60/40)溶媒または類似の溶剤中、
25〜35℃で測定した固有粘度が0.30〜20dl
/gの範囲にある。特に好適なコポリエステルは固有粘
度が0.40〜1.2dl/gの範囲にある。
【0014】上記した(a−2)コポリエステルは、
(a−1)ポリカーボネートに対して、(a−1):
(a−2)=99:1〜10:90の重量比で使用す
る。(a−2)コポリエステルの量が多すぎると耐熱性
が損なわれ、少なすぎると本発明の効果が得られない。
【0015】次に、本発明で使用するグラスファイバー
は、屈折率が高く、ポリカーボネートに近いほど好まし
い。特に屈折率が1.576〜1.585であるものが
好ましい。そのようなグラスファイバーは、例えばEC
Rグラスとして旭ファイバーグラス株式会社から市販さ
れている。グラスファイバーは成分(a−1)99〜4
0重量部に対して1〜60重量部使用する。グラスファ
イバーの量が少なすぎると、機械的特性が低下し、多す
ぎるとポリカーボネートの特性が活かされない。
【0016】上記した成分(a−1)と(B)の屈折率
の差は、0.01以下であり、好ましくは0.005以
下である。0.01より差が大きいと樹脂組成物の透明
性が低下して実用的でなくなる。
【0017】本発明はさらに、(A´)次式(化4):
【0018】
【化4】 および次式(化5):
【0019】
【化5】 上記式中、RおよびR´はそれぞれ独立して、ハロゲン
原子、一価の炭化水素基または炭化水素オキシ基であ
り、Wは二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
−、−S(=O)−、−(O=)S(=O)−、または
−C(=O)−であり、nおよびn´はそれぞれ独立し
て0〜4の整数であり、Xは炭素数6〜18を有する二
価の脂肪族基であり、bは0または1である、で示され
る構造単位を有するコポリエステルカーボネート 99
〜40重量部に対して、(B)グラスファイバー 1〜
60重量部を含み、かつ(A´)および(B)の屈折率
の差が0.01以下であることを特徴とするガラス強化
ポリカーボネート系樹脂組成物を提供する。好ましくは
さらに、前記した(a−2)コポリエステルを、(A
´):(a−2)=99:1〜10:90の重量比で含
む。
【0020】本発明で使用するコポリエステルカーボネ
ートは、上記式(化4)および(化5)で示される構成
単位を有することが必要である。まず、(化4)で示さ
れる構成単位はジフェノール成分およびカーボネート成
分よりなる。ジフェノール成分を導入するために使用で
きるジフェノールは、先に記載した(化3)で示される
ジフェノールである。特に、上記式(化3)において、
RおよびR´がハロゲン原子の場合、例えば塩素原子ま
たは臭素原子等が挙げられる。一価の炭化水素基の場合
には、炭素数1〜12を有するアルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、デシル基等;炭素数4〜
8を有するシクロアルキル基、例えばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基等;炭素数6〜12を有するアリ
ール基、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基
等;炭素数7〜14を有するアラルキル基、例えばベン
ジル基、シンナミル基等;または炭素数7〜14を有す
るアルカリール基、例えば、トリル基、クメニル基等が
挙げられ、好ましくはアルキル基である。また炭化水素
オキシ基の炭化水素基は前記した炭化水素基を挙げるこ
とができる。そのような炭化水素オキシ基としては、ア
ルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ
基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基で
あり、アルコキシ基およびアリールオキシ基が好まし
い。
【0021】また、Wが二価の炭化水素基の場合には、
炭素数1〜30を有するアルキレン基、例えばメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、オクタメチレン基
等、炭素数2〜30を有するアルキリデン基、例えばエ
チリデン基、プロピリデン基等、または、炭素数6〜1
6を有するシクロアルキレン基、例えばシクロヘキシレ
ン基、シクロドデシレン基等もしくはシクロアルキリデ
ン基、例えばシクロヘキシリデン基等である。
【0022】本発明において有効なジフェノールとして
は、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(いわゆるビスフェノールA);2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フエニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;1,1
−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
シクロドデカン;4,4−ジヒドロキシジフェニルエー
テル;4,4−チオジフェノール;4,4−ジヒドロキ
シ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル;および4,
4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル等が挙げられ、その他に米国特許明細書第2,9
99,835号、第3,028,365号、第3,33
4,154号および第4,131,575号に記載され
ているジフェノールが使用できる。
【0023】またカーボネート成分を導入するための前
駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネ
ート等が挙げられる。
【0024】次に、(化5)で示される構成単位は、ジ
フェノール成分および二価酸成分からなる。ジフェノー
ル成分の導入については、上記したのと同様のジフェノ
ールを使用できる。二価酸成分を導入するために使用す
るモノマーとしては、二価の酸またはその等価物質であ
る。二価の酸としては例えば炭素数8〜20、好ましく
は10〜12の脂肪族二酸である。この二価の酸または
その等価物質は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであっ
ても良い。脂肪族二酸は、α、ω−ジカルボン酸が好ま
しい。そのような二価の酸としては例えば、セバシン酸
(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オ
クタデカン二酸、アイコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジ
カルボン酸が好ましく、セバシン酸およびドデカン二酸
が特に好ましい。また、等価物質としては、上記した二
価の酸の、例えば酸クロリドのような酸ハライド、例え
ばジフェニルエステルのようなジ芳香族エステル等が挙
げられる。ただし、エステルのエステル部分の炭素数
は、上記した酸の炭素数には含めない。上記した二価の
酸またはその等価物質は、単独でも良く、また2種以上
の組合せであっても良い。
【0025】成分(A´)のコポリエステルカーボネー
トは、(化4)(化5)で示される上記した2種の構成
単位の割合は任意であるが、好ましくは(化5)の単位
が2モル%以上、特に7モル%以上である。(化5)の
単位の占める割合が多くなるとコポリエステルカーボネ
ートの屈折率がグラスに近付くので好ましい。
【0026】成分(A′)コポリエステルカーボネート
の重量平均分子量は、通常10,000〜100,00
0、好ましくは18,000〜40,000である。こ
こでいう重量平均分子量とは、ポリカーボネート用に補
正されたポリスチレンを用いて、GPC(ゲル浸透クロ
マトグラフィー)によって測定されたものである。(ま
た、メチレンクロリド中、25℃で測定した固有粘度
が、0.35〜0.65であるものが好ましい。)成分
(A′)のコポリエステルカーボネートは、例えばホス
ゲンを用いる公知の界面重合法、溶融重合法等によって
製造できる。例えば、クイン(Quinn)の米国特許
第4,238,596号明細書ならびにクインおよびマ
ルケジッヒ(Markezich)の米国特許第4,2
38,597号明細書に記載された方法で製造すること
ができる。具体的には、まず、エステル形成基とジフェ
ノールとの反応に先立ち酸ハライドを形成し、次いでホ
スゲンと反応させる。なお、ゴールドベルグ(Gold
berg)の塩基性溶液法(米国特許第3,169,1
21号明細書)では、ピリジン溶媒が使用でき、またジ
カルボン酸が用いられる。α、ω−ジカルボン酸(例え
ばセバシン酸)のジエステル、(例えばジフェニルエス
テル)を使用する溶融重合法もまた使用できる。好まし
い製造方法は、米国特許第4,286,083号明細書
のコカノウスキー(Kochanowski)の改良法
である。この方法では、アジピン酸のような低級の二酸
をあらかじめ塩の形(好ましくはナトリウム塩のような
アルカリ金属塩)にしておき、ジフェノールが存在する
反応容器に添加する。ホスゲンとの反応中、水相をアル
カリ性のpH)好ましくは約pH8〜9に保持し、次い
でホスゲンとの反応の残り最小限約5%のところで、p
H10〜11に上げる。
【0027】界面重合法、例えばビスクロロフォーメー
ト法による場合には、ポリカーボネートやコポリエステ
ルカーボネートの合成において良く知られている一般的
な触媒系を使用するのが好ましい。主な触媒系として
は、第3級アミン、アミジンまたはグアニジンのような
アミン類が挙げられる。第3級アミンが一般的に使用さ
れ、その中でもトリエチルアミンのようなトリアルキル
アミンが特に好ましい。
【0028】また、成分(A´)のコポリエステルカー
ボネートは、その末端がフェノールであっても十分な耐
衝撃強度を有するが、p−t−ブチルフェノール、イソ
ノニルフェノール、イソオクチルフェノール、m−また
はp−クミルフェノール(好ましくはp−クミルフェノ
ール)、クロマニル化合物、例えばクロマンのような、
よりかさ高い末端基を導入すると、より低温衝撃性が優
れたコポリエステルカーボネートを得ることができる。
【0029】次に、使用するグラスファイバーとして
は、第1の発明において記載した(B)グラスファイバ
ーである。グラスファイバーは成分(A´)99〜40
重量部に対して1〜60重量部使用する。グラスファイ
バーの量が少なすぎると、機械的特性が低下し、多すぎ
るとポリカーボネートの特性が活かされない。
【0030】上記した成分(A´)と成分(B)の屈折
率の差は0.01以下であり、好ましくは0.005以
下である。0.01より差が大きいと樹脂組成物の透明
性が低下して実用的でなくなる。
【0031】本発明のガラス強化ポリカーボネート系樹
脂組成物は、剛性を維持しつつ透明性が高いので、レン
ズ、プリズム等の光学用途に有利に使用できるばかりで
なく、軽量であることを活かして、サンルーフ、窓、園
芸用ハウス等にガラスの代替品として使用できる。
【0032】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例では以下のものを使用した。成分(A) (a−1)ポリカーボネート(商標:LEXAN、ビス
フェノールAカーボネート、日本ジーイープラスチック
ス株式会社製、n=1.582)、以下、PCと呼
ぶ。 (a−2)コポリエステル(商標:コダールA150、
1,4−シクロヘキサンジメタノールと、テレフテル酸
およびイソフタル酸の混合物との共重合体、イーストマ
ンコダック社製)成分(A´) CPEC:以下のようにして製造したコポリエステルカ
ーボネート(n=1.581);ドデカン二酸(DD
DA)7.2g(31ミリモル)およびNaOH錠剤
2.7g(68ミリモル)を水180mlに溶解し、D
DDAのジナトリウム塩を製造した。次に、底部に試料
取出し口を備え、上部に5つの口を持つ2000mlの
モルトンフラスコに、撹拌羽根、pH測定端、注入管お
よびドライアイスコンデンサー付きのクライゼンアダプ
ターを装着した。この重合フラスコに、ビスフェノール
A71g(311ミリモル)、トリエチエルアミン0・
9ml、p−クミルフェノール2.0g(9ミリモ
ル)、メチレンクロリド220mlおよび先に製造した
DDDAのジナトリウム塩を仕込んだ。引き続いて、こ
のフラスコに、ホスゲンを2g/分の速度で注入した。
このとき、50%NaOH水溶液を注入管より追加しな
がら、溶液をpH8に10分間維持した。その後、さら
にホスゲンの注入を続けながら、50%NaOH水溶液
を注入管より追加して溶液のpHを10.5とし、10
分間このpHに維持した。使用したホスゲンの量は全部
で40g(400ミリモル)であつた。反応終了後、溶
液のpHを11〜11.5に調整して、有機溶媒相を水
相から分離した。有機溶媒相を2%の塩酸300mlで
3回、次いでイオン交換水300mlで5回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、▲ろ▼過した。こ
れをメタノール1500ml中に投入して重合物を沈殿
させた。得られた重合物を▲ろ▼過により分離し、メタ
ノール500mlで1回、次いでイオン交換水500m
lで4回洗浄した後、110℃で15時間乾燥した。か
くして次式(化6)および(化7)の構造単位を、9
0:10のモル比で有するコポリエステルカーボネート
を得た。この固有粘度(メチレンクロリド中25℃で測
定)は0.46であった。以下ではこれをCPECと略
記する。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】 成分(B) グラスファイバーA(商標:FT121、Eガラス、屈
折率1.545、旭ファイバーグラス株式会社製) グラスファイバーB(商標:ECRグラス、屈折率1.
579、旭ファイバーグラス株式会社製)実施例1および比較例1〜2 各成分を表1に示す割合(重量比)で混合し、260
℃、150rpm、15Kg/時間(押出速度)に設定
した2軸押出機(30mm)で押出し、ペレットを作成
し、次いで、80トンの成形機を用いて、設定温度26
0℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた成形品
についてヘイズおよび曲げ弾性率を測定した。結果を表
1に示す。ヘイズは50×50×3mmの試験片につい
て、ヘイズメーターを使用して測定し、曲げ弾性率はA
STM D790にしたがって測定した。
【0035】
【0036】実施例1と比較例1とを比べると、本発明
に従いコポリエステルを混合することにより透明性が顕
著に向上し、しかも剛性は維持されることが明らかであ
る。比較例2に示すように、低屈折率のガラスを用いた
場合、すなわちポリカーボネートとの屈折率の差が大き
い場合には、本発明の効果は得られない。実施例2および比較例3〜4 各成分を表2に示す量で混合し、実施例1と同様にして
成形品を製造し、ヘイズおよび曲げ弾性率を測定した。
結果を表2に示す。なお、参考のために、比較例1の結
果も併記した。
【0037】
【0038】慣用のポリカーボネートに代えてコポリエ
ステルカーボネートを用いることによって、透明性が著
しく改善された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、透明性が高く、かつ高
い剛性を有するガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成
物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 69/00 C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/00 - 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a−1)ポリカーボネート系樹
    脂と、(a−2)脂肪族または脂環式ジオールおよび、
    テレフタル酸およびイソフタル酸の混合物から誘導され
    るコポリエステルとを、(a−1):(a−2)=9
    9:1〜10:90の重量比で含む樹脂組成物に、
    (1)(B)グラスファイバーが (a−1)99〜4
    0重量部に対して1〜60重量部の割合で含まれてお
    り、かつ(2)(a−1)および(B)の屈折率の差が
    0.01以下であることを特徴とするガラス強化ポリカ
    ーボネート系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A´)次式(化1): 【化1】 および次式(化2): 【化2】 上記式中、RおよびR´はそれぞれ独立して、ハロゲン
    原子、一価の炭化水素基または炭化水素オキシ基であ
    り、Wは二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
    −、−S(=O)−、−(O=)S(=O)−、または
    −C(=O)−であり、nおよびn´はそれぞれ独立し
    て0〜4の整数であり、Xは炭素数6〜18を有する二
    価の脂肪族基であり、bは0または1である、で示され
    る構造単位を有するコポリエステルカーボネート 99
    〜40重量部に対して、(B)グラスファイバー 1〜
    60重量部を含み、かつ(A´)および(B)の屈折率
    の差が0.01以下であることを特徴とするガラス強化
    ポリカーボネート系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a−2)脂肪族または脂環式ジオール
    および、テレフタル酸およびイソフタル酸の混合物から
    誘導されるコポリエステルを、前記(A´)のコポリエ
    ステルカーボネート:(a−2)コポリエステル=9
    9:1〜10:90の重量比でさらに含む請求項2記載
    のガラス強化ポリカーボネート系樹脂組成物。
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