JPH0940856A - ガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH0940856A
JPH0940856A JP21241595A JP21241595A JPH0940856A JP H0940856 A JPH0940856 A JP H0940856A JP 21241595 A JP21241595 A JP 21241595A JP 21241595 A JP21241595 A JP 21241595A JP H0940856 A JPH0940856 A JP H0940856A
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JP
Japan
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group
glass
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formula
resin composition
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JP21241595A
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Inventor
Akihiro Saito
明宏 斉藤
Koji Nagai
孝司 長井
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い剛性を保持しつつ透明性が改善された、
ガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 A)ポリカーボネート系樹脂および/ま
たはポリエステルカーボネート系樹脂 99〜10重量
部と、B)テレフタル酸および脂環式ジオールから誘導
されるポリエステル 1〜90重量部と、これら両成分
A)およびB)の合計99〜40重量部に対し、C)ガ
ラスフィラー1〜60重量部を含み、かつ前記A)ポリ
カーボネート系樹脂および/またはポリエステルカーボ
ネート系樹脂と前記C)ガラスフィラーとの屈折率の差
が 0.01以下であるガラス強化樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス強化ポリカーボ
ネート樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、透明性が高
く、しかも高い剛性を有するガラス強化ポリカーボネー
ト樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂は、透明性、耐
熱性および耐衝撃性に優れていることから、ガラスの代
替材料として、レンズ、プリズム等の光学用途に採用さ
れている。しかし、ガラスに比べて剛性が低いため、高
い剛性を必要とする用途においては、ガラス繊維等の適
当なフィラーを添加することによって、物理的特性の改
良を図っている。
【0003】しかしながら、ガラスフィラー等を添加し
た場合には、ガラスの屈折率(慣用のガラスでは通常
1.545程度)とポリカーボネートの屈折率(慣用の
ポリカーボネート場合通常1.582程度)との差が大
きいために、ポリカーボネート系樹脂の大きな特徴であ
る透明性が損なわれるという不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高い
剛性を維持しつつ透明性が改善されたガラス強化ポリカ
ーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、A)ポ
リカーボネート系樹脂および/またはポリエステルカー
ボネート系樹脂 99〜10重量部と、B)テレフタル
酸および脂環式ジオールから誘導されるポリエステル
1〜90重量部と、これら両成分A)およびB)の合計
99〜40重量部に対し、C)ガラスフィラー 1〜
60重量部を含み、かつ前記成分A)ポリカーボネート
系樹脂および/またはポリエステルカーボネート系樹脂
と前記成分C)ガラスフィラーとの屈折率の差が 0.
01以下である、ガラス強化樹脂組成物によって解決さ
れる。
【0006】本発明においては、ポリカーボネート系樹
脂は公知のものが使用でき、通常、下式(化1)の繰返
し構造を有するものとして、特徴づけられる。
【0007】
【化1】
【0008】ここでAは重合反応に使用した多価フェノ
ールの2価の芳香族残基である。この様な芳香族ポリカ
ーボネートを得るのに使用できる2価フェノールは、官
能基としてヒドロキシ基を2個含有し、その各々が芳香
族の炭素原子に直接結合している単核か多核の芳香族化
合物である。
【0009】芳香族ヒドロキシ化合物として特に制限は
なく種人々の公知のものを使用することができる。例と
して、以下の式(化2)
【0010】
【化2】
【0011】上記式(化2)中、RおよびR´はそれぞ
れ独立して、ハロゲン原子、一価の炭化水素基または炭
化水素オキシ基であり、Wは二価の炭化水素基、−S
−、−S−S−、−O−、−S(=O)−、−(O=)
S(=O)−、または−C−、(=O)−であり、nお
よびn´はそれぞれ独立して0〜4の整数であり、bは
0または1である、で示されるジフェノールから誘導さ
れるジフェノール成分と、カーボネート成分とからな
る。
【0012】上記式において、RおよびR´がハロゲン
原子の場合には、例えば塩素原子または臭素原子等が挙
げられる。一価の炭化水素基の場合には、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはア
ルカリール基等が挙げられる。また炭化水素オキシ基の
場合の炭化水素基は前記した炭化水素基を挙げることが
できる。
【0013】また、Wが二価の炭化水素基の場合には、
アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、
またはシクロアルキリデン基等である。
【0014】ジフェノールの具体例としては、例えばジ
フェノール;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(いわゆるビスフェノールA);2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)デカン;1,4ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロドデカン;1,1−ビス(3,5ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;4,4−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル;4,4−チオジフェノー
ル;4,4−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエ
ーテル;4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル:および、4,4−ビフェノール等が挙げ
られる。その他に米国特許明細書第2,999,835号、第3,0
28,365号、第3,334,154号および第4,131,575号に記載さ
れているジフェノールが使用できる。このようなポリカ
ーボネートは、例えばホスゲンを使用する公知の界面重
合法、溶融重合法等によって製造できる。
【0015】上記以外にも芳香族ジヒドロキシ化合物と
して、次の一般式(化3)で示される化合物を用いるこ
とができる。
【0016】
【化3】
【0017】(ここで、Rfは夫々独立して、炭素数1
〜10個の炭化水素基もしくはそのハロゲン化合物また
はハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。)で
示される化合物、例えばレゾルシン、および3−メチル
レゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−プロピルレゾル
シン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシ
ン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、
2,3,4,6−テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6−
テトラブロムレゾルシン等の置換レゾルシン;カテコー
ル;ハイドロキノン、および、3−メチルハイドロキノ
ン、3−エチルハイドロキノン、3−プロピルハイドロキ
ノン、3−ブチルハイドロキノン、3−t−ブチルハイド
ロキノン、3−フェニルハイドロキノン、3−クミルハイ
ドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン、2,3,5,6−テトラブロムハイドロキノンなどの置
換ハイドロキノン等、および、次式(化4)
【0018】
【化4】
【0019】で示される2,2,2’,2’−テトラヒドロ
−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス
(1H−インデン)−7,7’−ジオール等を用いること
もできる。
【0020】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0021】なお、ポリカーボネートは分岐していても
よい。そのような分岐ポリカーボネートは、多官能性芳
香族化合物をジフェノールおよび/またはカーボネート
先駆体と反応させることにより、分岐した熱可塑性ラン
ダム分岐ポリカーボネートとして得られる。
【0022】本発明はさらに、(A´)成分として次式
(化5):
【0023】
【化5】
【0024】および次式(化6):
【0025】
【化6】
【0026】上記式中、RおよびR´はそれぞれ独立し
て、ハロゲン原子、一価の炭化水素基または炭化水素オ
キシ基であり、Wは二価の炭化水素基、−S−、−S−
S−、−O−、−S(=O)−、−(O=)S(=O)
−、または−C(=O)−であり、nおよびn´はそれ
ぞれ独立して0〜4の整数であり、Xは炭素数6〜18
を有する二価の脂肪族基であり、bは0または1であ
る、で示される構造単位を有するコポリエステルカーボ
ネートを用いることができる。また、このコポリエステ
ルカーボネートは、前記したポリカーボネート系樹脂と
共に任意の比率で用いることもできる。
【0027】本発明で、使用するコポリエステルカーボ
ネートは、上記式(化5)および(化6)で示される構
成単位を有することが必要である。まず、(化5)で示
される構成単位はジフェノール成分およびカーボネート
成分よりなる。ジフェノール成分を導入するために使用
できるジフェノールは、先に記載した(化2)で示され
るジフェノールである。特に、上記式(化2)におい
て、RおよびR´がハロゲン原子の場合、例えば塩素原
子または臭素原子等が挙げられる。
【0028】一価の炭化水素基の場合には、炭素数1〜
12を有するアルキル基、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、デシル基等;炭素数4〜8を有するシクロ
アルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル
基等;炭素数6〜12を有するアリール基、例えばフェ
ニル基、ナフチル基、ビフェニル基等;炭素数7〜14
を有するアラルキル基、例えばベンジル基、シンナミル
基等;または炭素数7〜14を有するアルカリール基、
例えばトリル基、クメニル基等が挙げられ、好ましくは
アルキル基である。
【0029】また炭化水素オキシ基の炭化水素基は、前
記した炭化水素基を挙げることができる。そのような炭
化水素オキシ基としては、アルコキシ基、シクロアルキ
ルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基ま
たはアルカリールオキシ基であり、アルコキシ基および
アリールオキシ基が好ましい。
【0030】また、Wが二価の炭化水素基の場合には、
炭素数1〜30を有するアルキレン基、例えばメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、オクタメチレン基
等、炭素数2〜30を有するアルキリデン基、例えばエ
チリデン基、プロピリデン基等、または、炭素数6〜1
6を有するシクロアルキレン基、例えばシクロヘキレン
基、シクロドデシレン基等もしくはシクロアルキリデン
基、例えばシクロヘキシリデン基等である。
【0031】本発明において有効なジフェノールとして
は、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(いわゆるビスフェノールA);2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2
−ビス(3,5ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)デカン;1,4ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロドデカン;1,1−ビス(3,5ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロドデカン;4,4−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル;4,4−チオジフェノール;4,4−
ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル;お
よび4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル等が挙げられ、その他に米国特許明細書第2,
999,835号、第3,028,365号、第3,334,154号および第4,1
31,575号に記載されているジフェノールが使用できる。
【0032】またカーボネート成分を導入するための前
駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネ
ート等が挙げられる。
【0033】次に、上記式(化6)で示される構成単位
は、ジフェノール成分および二価酸成分からなる。ジフ
ェノール成分の導入については、上記したのと同様のジ
フェノールを使用できる。二価酸成分を導入するために
使用するモノマーとしては、二価の酸またはその等価物
質である。二価の酸としては例えば炭素数8〜20、好
ましくは10〜12の脂肪族二酸である。
【0034】この二価の酸またはその等価物質は、直鎖
状、分岐状、環状のいずれであっても良い。脂肪族二酸
は、α、ω−ジカルボン酸が好ましい。そのような二価
の酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデ
カン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、アイ
コサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好まし
く、セバシン酸およびドデカン二酸が特に好ましい。
【0035】また、等価物質としては、上記した二価の
酸の、例えば酸クロリドのような酸ハライド、例えばジ
フェニルエステルのようなジ芳香族エステル等が挙げら
れる。ただし、エステルのエステル部分の炭素数は、上
記した酸の炭素数には含めない。上記した二価の酸また
はその等価物質は、単独でも良く、また2種以上の組合
わせであっても良い。
【0036】成分(A´)のコポリエステルカーボネー
トは、上記式(化5)、(化6)で示される上記した2
種の構成単位の割合は任意であるが、好ましくは式(化
6)の単位が2モル%以上、特に7モル%以上である。
式(化6)の単位の占める割合が多くなるとコポリエス
テルカーボネートの屈折率がガラスに近付くので好まし
い。
【0037】成分(A´)のコポリエステルカーボネー
トの重量平均分子量は、通常10,000〜100,0
00、好ましくは18,000〜40,000である。
【0038】ここでいう重量平均分子量とはポリカーボ
ネート用に補正されたポリスチレンを用いて、GPC
(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定されたも
のである。(また、メチルクロリド中、25℃で測定し
た個有粘度が、0.35〜0.65であるものが好まし
い。)
【0039】成分(A´)のコポリエステルカーボネー
トは、例えばホスゲンを用いる公知の界面重合法、溶融
重合法等によって製造できる。例えば、クイン(Qui
nn)の米国特許第4,238,596号明細書ならびにクイン
およびマルケジッヒ(Markezich)の米国特許
第4,238,597号明細書に記載された方法で製造すること
ができる。
【0040】具体的には、まず、エステル形成基とジフ
ェノールとの反応に先立ち酸ハライドを形成し、次いで
ホスゲンと反応させる。なお、ゴールドベルグ(Gol
dberg)の塩基性溶液法(米国特許第3,169,121号
明細書)では、ピリジン溶媒が使用でき、またジカルボ
ン酸が用いられる。
【0041】α、ω−ジカルボン酸(例えばセバシン
酸)のジエステル、(例えばジフェニルエステル)を使
用する溶融重合法もまた使用できる。好ましい製造方法
は、米国特許第4,286,083号明細書のコカノウズキー
(Kochanowski)の改良方法である。この方
法では、アジピン酸のような低級の二酸をあらかじめ塩
の形(好ましくはナトリウム塩のようなアルカリ金属
塩)にしておき、ジフェノールが存在する反応容器に添
加する。
【0042】ホスゲンとの反応中、水相をアルカリ性の
pH、好ましくは約pH8〜9に保持し、次いでホスゲ
ンとの反応の残り最小限約5%のところで、pH10〜
11に上げる。
【0043】界面重合法、例えばビスクロロフォーメー
ト法による場合には、ポリカーボネートやコポリエステ
ルカーボネートの合成において良く知られている一般的
な触媒系を使用するのが、好ましい。
【0044】主な触媒系としては、第3級アミン、アミ
ジンまたはグアニジンのようなアミン類が挙げられる。
第三級アミンが一般的に使用され、その中でもトリエチ
ルアミンのようなトリアルキルアミンが特に好ましい。
【0045】また、成分(A´)のコポリエステルカー
ボネートは、その末端がフェノールであっても十分な耐
衝撃強度を有するが、p−t−ブチルフェノール、イソ
ノニルフェノール、イソオクチルフェノール、m−また
はp−クミルフェノール(好ましくはp−クミルフェノ
ール)、クロマニル化合物、例えばクロマンのような、
よりかさ高い末端基を導入すると、より低温衝撃性が優
れたコポリエステルカーボネートを得ることができる。
【0046】次に、本発明で使用するポリエステルは、
テレフタル酸および脂環式ジオールから誘導される。脂
環式ジオールは6〜18個の炭素原子を有する。具体的
には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
が挙げられる。これらの脂環式ジオールはシスまたはト
ランス立体配置のいずれか、または両者の混合物として
使用できる。好適な脂環式ジオールは1,4−シクロヘキ
サンジメタノールである。
【0047】また、ここで任意成分として、脂肪族ジオ
ールを脂環式ジオールと共に併用することができる。脂
肪族ジオールは2〜18個、好ましくは2〜12個の炭
素原子数を有する。具体的には、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,3−プロパンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−エチルヘキサンジオ
ール−1,3等が挙げられる。好適な脂肪族ジオールは、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオールである。
【0048】上記ポリエステルは公知の方法、例えば米
国特許明細書第2,465,319号、同第2,901,466号、3,047,
539号等に記載された方法により製造できる。好適なポ
リエステルは、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルテレフタレート)であり、一般式(化7)
【0049】
【化7】
【0050】(式中、シクロヘキサン環はそれのシスお
よびトランスの異性体から選ばれたものである)によっ
て表される反復単位を有する。
【0051】好ましい成分(A)と成分(B)の使用量
範囲は、成分(A)99〜10重量部に対し、成分
(B)1〜90重量部用いることができる。さらに好ま
しくは成分(A)95〜40重量部に対し成分(B)5
〜60重量部である。成分(B)の割合が低くても高く
ても本発明の効果が十分発揮されない。
【0052】次に、本発明で使用するグラスフィラー
は、その屈折率が高く、ポリカーボネートに近いほど好
ましい。特に屈折率が1.576〜1.590であるも
のが好ましい。そのようなグラスファイバーは、例えば
ECRグラスとして旭ファイバーグラス株式会社から市
販されている。グラスファイバーは成分(A)99〜4
0重量部に対して1〜60重量部使用する。グラスフィ
ラーの量が少なすぎると、十分な剛性が発現されず、反
対に多すぎると溶融混練する際ストランドが安定せず好
ましくない。
【0053】また、形態としては、例えば、ガラス繊
維、ミルドガラス、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガ
ラスパウダー等を用いることができ、これらは単独でも
二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0054】ガラスフィラーと樹脂との接着性を改良す
るために、アミノシランやエポキシシランなどのカップ
リング剤を用いることが出来る。さらに、ガラスファイ
バーの場合、好適なバインダーとしてエポキシ系やウレ
タン系のバインダ−を用いることができる。
【0055】上記した、成分(A´)と成分(C)の屈
折率の差は0.01以下であり、好ましくは0.005
以下である。0.01より差が大きいと樹脂組成物の透
明性が低下して実用的でなくなる。
【0056】本発明のガラス強化ポリカーボネート樹脂
組成物は、剛性を維持しつつ透明性が高いので、レン
ズ、プリズム等の光学用途に有利に使用できるばかりで
なく、軽量であることかを活かして、サンルーフ、窓、
園芸用ハウス等にガラスの代替品として使用できる。
【0057】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお実施例では各成分として、以下のものを使
用した。
【0058】成分(A) (a−1)ポリカーボネー
ト(商標:LEXAN、ビスフェノールAカーボネー
ト、日本ジ−イ−プラスチツクス(株)製、nD=1.
582)、以下、PCと呼ぶ。成分(A´) CPEC:以下のようにして製造したコ
ポリエステルカーボネート(nD=1.581);ドデ
カン二酸(DDDA)7.2g(31ミリモル)および
NaOH錠剤2.7g(68ミリモル)を水180ml
に溶解し、DDDAのジナトリウム塩を製造した。
【0059】次に、低部に試料取出し口を備え、上部に
5つの口を持つ2000mlのモルトンフラスコに、撹
拌羽根、pH測定端、注入管およびドライアイスコンデ
ンサー付きのクライゼンアダプターを装着した。この重
合フラスコに、ビスフェノールA71g(311ミリモ
ル)、トリエチルアミン0.9ml、p−クミルフェノ
ール2.0g(9ミリモル)、メチレンクロリド220
mlおよび先に製造したDDDAのジナトリウム塩を仕
込んだ。
【0060】引き続いて、このフラスコに、ホスゲンを
2g/分の速度で注入した。このとき、50%NaOH
水溶液を注入管より追加しながら、溶液をpH8に10
分間維持した。
【0061】その後、さらにホスゲンの注入を続けなが
ら、50%NaOH水溶液を注入管より追加して溶液の
pHを10.5とし、10分間このpHに維持した。
【0062】使用したホスゲンの量は全部で40g(4
00ミリモル)であった。反応終了後、溶液のpHを1
1〜11.5に調整して、有機溶媒相を水相から分離し
た。
【0063】有機溶媒相を2%の塩酸300mlで3
回、次いでイオン交換水300mlで5回洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。
【0064】これをメタノール1500ml中に投入し
て重合物を沈澱させた。得られた重合物をろ過により分
離し、メタノール500mlで1回、次いでイオン交換
水500mlで4回洗浄した後、110℃で15時間乾
燥した。
【0065】かくして次式(化8)および(化9)の構
造単位を、90:10のモル比で有するコポリエステル
カーボネートを得た。この固有粘度(メチレンクロリド
中25℃で測定)は0.46であった。以下ではこれを
CPECと略記する。
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】成分(B) PCT(イーストマンコダ
ック社製):1,4−シクロヘキサンジメタノールとテレ
フタル酸より誘導されたポリエステル。一般式(化1
0)
【0069】
【化10】
【0070】によって表される反復単位を有する。(な
お、表1ではPCTと略す。)
【0071】成分(C) グラスファイバーA(商
標:FT121、Eガラス、屈折率1.545、旭ファ
イバーグラス(株)製)グラスファイバーB(商標:E
CRグラス、屈折率1.579、旭ファイバーグラス
(株)製)
【0072】実施例および比較例 各成分を表1に示す割合(重量比)で混合し、260
℃、150rpm、15Kg/時間(押出速度)に設定
した2軸押出機(30mm)で押出し、ペレットを作成
し、次いで、80トンの成形機を用いて、シリンダー設
定温度260℃、金型温度80℃で射出成形した。
【0073】得られた、成形品についてヘイズおよび曲
げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。ヘイズは50
×50×3mmの試験片について、ヘイズメーターを使
用して測定し、曲げ弾性率はASTM D790にした
がって測定した。
【0074】実施例と比較例とを比べると、本発明に従
いコポリエステルを混合することにより透明性が顕著に
向上し、しかも剛性は維持されることが明らかである。
比較例に示すように、低屈折率のガラスを用いた場合、
すなわちポリカーボネートとの屈折率の差が大きい場合
には、本発明の効果は得られない。
【0075】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように、高い剛
性を維持しつつポリカーボネート特有の透明性を発揮す
るガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)ポリカーボネート系樹脂および/ま
    たはポリエステルカーボネート系樹脂 99〜10重量
    部と、 B)テレフタル酸および脂環式ジオールから誘導される
    ポリエステル1〜90重量部と、これら両成分A)およ
    びB)の合計 99〜40重量部に対し、 C)ガラスフィラー 1〜60重量部を含み、かつ前記
    成分A)ポリカーボネート系樹脂および/またはポリエ
    ステルカーボネート系樹脂と前記成分C)ガラスフィラ
    ーとの屈折率の差が 0.01以下であることを特徴と
    するガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物。
JP21241595A 1995-07-27 1995-07-27 ガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JPH0940856A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077334A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Fujitsu Ltd 樹脂筐体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077334A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Fujitsu Ltd 樹脂筐体

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