JP2974106B2 - ハーネス部品用樹脂組成物 - Google Patents

ハーネス部品用樹脂組成物

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JP2974106B2
JP2974106B2 JP5206479A JP20647993A JP2974106B2 JP 2974106 B2 JP2974106 B2 JP 2974106B2 JP 5206479 A JP5206479 A JP 5206479A JP 20647993 A JP20647993 A JP 20647993A JP 2974106 B2 JP2974106 B2 JP 2974106B2
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靖 亀山
裕幸 片山
将広 福永
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハーネス部品用樹脂組
成物に関し、更に詳しくは耐塩化カルシウム特性、並び
に耐熱性や成形性に優れたハーネス部品、即ち主として
エンジンルーム内の電気配線を束ね保護し、その束ねた
電気配線を車体に固定するためのプロテクタ、クラン
プ、結束バンド等の部品を製造するに適した組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりハーネス部品は、強度や耐熱性
などの観点からポリアミド6、ポリアミド66、あるい
はポリプロピレンなどの合成樹脂を用いて製造されてい
た。しかしポリアミド樹脂は、薄肉部(例えば0.2〜
0.5mm)がエンジンの熱により絶乾状態となり靱性
が損なわれる欠点があり、また耐塩化カルシウム特性も
十分ではなく、ハーネス部品用として満足し得るもので
はなかった。またポリプロピレンは、靱性や耐塩化カル
シウム特性については比較的に良好であるが、長期の耐
塩性と剛性に関してはハーネス部品用として必ずしも満
足すべきものではなかった。
【0003】従ってハーネス部品には靱性と耐熱性、更
に耐塩化カルシウム特性が要求されるにかかわらず、単
一の材料ではすべての要求に対応することができないた
め、使用される場所に応じて異なった材料を用いて製造
されたハーネス部品を使い分けるようにしているのが現
状であった。
【0004】また近年は自動車の性能が向上するにつれ
てエンジンルーム内の部品点数が増え、その中で使用さ
れる樹脂成形品は従来より更に高温の雰囲気に曝される
ようになってきた。そのためハーネス部品についても一
層の高性能が要求されるに至っているが、ポリアミドと
ポリプロピレンの特性を兼ね備えた成形用合成樹脂があ
れば、これらのハーネス部品に対する性能上の種々の要
求に対して広く応えることができると考えられる。
【0005】しかし、単にポリアミド樹脂とポリプロピ
レンとを単に混合させても、得られた樹脂組成物の靱性
及び耐塩化カルシウム特性はあまり向上しないことが知
られている。それはポリアミド樹脂とポリプロピレンと
は本質的に相溶性がないために、これらの樹脂の緊密な
混合物が得られないからである。そこで、これまでにも
ポリアミド樹脂とポリプロピレンとを緊密に混合させる
方法がいくつか提案されている。
【0006】ポリアミド樹脂とポリプロピレンの相溶性
を改善する方法として、アイオノマーを添加する方法
(特公昭43−6529号公報参照)、変成ポリオレフ
ィンを使用する方法(特公昭45−30945号公報参
照)等が提案されている。しかしこれらの方法によって
も、相溶性は改善されるものの高温時の耐塩化カルシウ
ム特性の改善は不十分であった。
【0007】また、双方の末端基を変成して化学的結合
をさせる方法(特公昭64−56751号公報参照)が
提案されている。しかしこの方法は、アミノ末端基を変
成したポリアミド樹脂と不飽和カルボン酸で変成された
ポリプロピレンとを、単軸または2軸押出機を用いて溶
融混練するものであるが、混練の際にそれぞれの末端基
が反応して溶融粘度が上昇して成形性が低下するので、
長期耐熱性並びに高温時の剛性及び耐靭性が不十分であ
り、また、偏肉が生じやすくて薄肉の製品の成形に悪影
響を及ぼす、すという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
従来技術では十分な長期耐熱性並びに高温時の剛性、耐
靭性及び耐塩化カルシウム性を有するハーネス部品が得
られないことに着目して鋭意検討した結果、末端変成し
たポリアミド、未変成ポリアミド及び末端変成したポリ
プロピレンとの特定の割合からなる樹脂組成物から成形
されたハーネス部品が上記要求を満足することを見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、成形性が
良好であって、長期耐熱性並びに高温時の剛性、耐靭性
及び耐塩化カルシウム性を高度に満たしたハーネス部品
を製造することができる新規なハーネス部品用樹脂組成
物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(A)未変成ポリアミド66とアミノ末端基濃度が7×
10-5〜10×10-5eq/gである変成ポリアミド6との
重量混合比率が80/20〜50/50であるポリアミ
ド組成物50〜70重量%と、(B)末端が0.3〜
0.6wt%の無水マレイン酸で変成されたポリプロピ
レン30〜50重量%とを含んでなるハーネス部品用樹
脂組成物によって達成される。
【0010】本発明において未変成ポリアミド66と混
合して(A)成分を構成するアミノ末端基濃度が変成さ
れた変成ポリアミド6は、アミノ末端基濃度が7×10
-5〜10×10-5eq/gの範囲内にあることが必要であっ
て、アミノ末端基濃度が7×10-5eq/g未満であると無
水マレイン酸変成されたポリプロピレンとの相溶性が不
十分となり、好ましくない。またアミノ末端基濃度が1
0×10-5eq/gを越えると変成されたポリプロピレンと
の反応が完結しないまま成形機に持ち込まれることとな
るため、成形中に粘度上昇を起こすなどにより安定した
成形を行なうことが困難となる。
【0011】未変成ポリアミド66と変成ポリアミド6
との重量混合比率を80/20より多くすると、変成ポ
リプロピレンとの相溶性が悪くなるために耐塩化カルシ
ウム特性を損なう結果となり、逆に重量混合比率が50
/50より変成ポリアミド6の多い側となると、混合工
程中での変成ポリアミド6と変成ポリプロピレンとの反
応が完結しないまま射出成形機に投入される結果、上記
と同様に成形の安定性を損なうこととなる。
【0012】また、本発明で用いられる樹脂組成物を構
成する(B)成分である変成されたポリプロピレンは、
末端が0.3〜0.6wt%の無水マレイン酸で変成さ
れたものである。この無水マレイン酸変成は、ポリプロ
ピレンと無水マレイン酸とを加熱混練する等の方法によ
りグラフトさせることにより行なわれるが、無水マレイ
ン酸の量がポリプロピレンに対して0.3wt%未満で
あると十分な相溶性が得られず、組成物の衝撃強度が不
足する結果となる。またポリプロピレンに対して0.6
wt%を越える多量を用いて変成しても、(A)成分と
の相溶性は良くなるものの衝撃強度は飽和値に達してそ
れ以上の改良はみられない。
【0013】本発明において、樹脂組成物を構成する
(A)成分である未変成ポリアミド66及び変成ポリア
ミド6からなるポリアミド組成物と(B)成分である変
成ポリプロピレンとの配合割合は、樹脂組成物の合計量
100重量%に対して(A)成分が50〜70重量%、
(B)成分が30〜50重量%であることが必要であ
る。変成ポリプロピレンの量が30重量%未満であると
耐塩化カルシウム特性及び靱性の面で製品特性を満足さ
せることができず、また70重量%を越えると耐熱性が
不足するばかりでなく成形性が低下して好ましくない。
【0014】本発明のハーネス部品用の樹脂組成物は、
(A)成分である未変成ポリアミドと変成ポリアミド、
及び(B)成分である変成ポリプロピレンを必須の構成
成分とするが、本発明の目的が達成できる範囲において
上記の必須成分の他に、無機充填材、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、耐候・耐光安定剤、離型剤、結晶核剤、耐熱
安定剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料染
料などを適宜選択添加することができる。またこのよう
な樹脂組成物は、これらの成分を配合したうえ、単軸、
又は二軸押出機、或いはニーダーなどの従来公知のコン
バウンド製造装置を使用して混練するなどの方法により
製造することができる。
【0015】本発明の樹脂組成物を使用して耐塩化カル
シウム特性などの優れたハーネス部品を製造するにあた
っては、射出成形、圧縮成形、押出成形などの従来公知
の成形方法により成形することができ、その成形方法は
特に限定されない。また本発明の樹脂組成物は、ハーネ
ス用プロテクタ、ハーネス用クランプ、結束バンド等の
ハーネス部品を製造するに用いられるほか、類似の他種
の製品を製造するに用いることができ、その用途は特に
限定されない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。 (実施例1) 相対粘度ηr が2.5である未変成ポリアミド66(宇
部興産製、2015B)と、アミノ末端基濃度が9.8
×10-5eq/gで、カルボキシ末端基濃度が2.5×10
-5eq/g、相対粘度ηr が2.6である変成ポリアミド6
(宇部興産製、1015A)とを、重量で2:1の比率
でブレンドして(A)成分であるポリアミド組成物を作
成した。
【0017】(B)成分の変成ポリプロピレン(宇部興
産製、ZP648)は、無水マレイン酸0.4重量%を
用いて230℃で溶融グラフト変成することによって製
造されたもので、メルトフローレイト(ASTMD−1
238による)が50g/10分であった。上記のポリ
アミド組成物と変成ポリプロピレンとを重量比で60/
40となるよう配合した樹脂配合物100重量部に対し
て、耐熱剤としてヨウ化銅0.003重量部、ヨウ化カ
リウム0.05重量部、メラミン0.002重量部を配
合し、二軸押出機を用いて混練して本発明の樹脂組成物
を得た。
【0018】この樹脂組成物を用い、射出成形機(東芝
製、IS125CN)で下記の成形条件により成形し
て、図1に示す形状のハーネス用プロテクタを得た。 [射出成形条件] シリンダー温度:290℃ 金型温度: 80℃ 射出圧力: 700kgf/cm2 射出速度: 中低速
【0019】(実施例2) 実施例1で用いたと同じポリアミド組成物と変成ポリプ
ロピレンとの配合割合を重量比で60/40とする代わ
りに70/30とした以外は、実施例1と同様にして本
発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施
例1と同一の成形条件により成形し、ハーネス用プロテ
クタを得た。
【0020】(比較例1) 実施例1で用いたポリアミド組成物の代わりに末端を変
成していないポリアミド6を用いた以外は、実施例1と
同様にして比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物
を用いて実施例1と同一の成形条件により成形し、比較
品のハーネス用プロテクタを得た。
【0021】(比較例2) 実施例1で用いたと同じポリアミド組成物の代わりに、
相対粘度ηr が2.5である未変成ポリアミド66(宇
部興産製、2015B)と相対粘度が2.6である未変
成ポリアミド6(宇部興産製、1015B)とを重量で
2:1の比率でブレンドしたポリアミド組成物を用いた
以外は、実施例1と同様にして比較用の樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同一の成形条件
により成形し、比較品のハーネス用プロテクタを得た。
【0022】(比較例3) 実施例1で用いたと同じポリアミド組成物と変成ポリプ
ロピレンとの配合割合を重量比で60/40とする変わ
りに80/20とした以外は、実施例1と同様にして本
発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施
例1と同一の成形条件により成形し、ハーネス用プロテ
クタを得た。
【0023】更にこうして得たハーネス用プロテクタの
それぞれについて下記のような評価を行い、その性質を
比較した。 [評価項目及び評価方法] (1) 耐塩化カルシウム特性 試験対象のハーネス用プロテクタの蓋を閉じて、下記の
手順によって折り曲げヒンジ部に対する飽和塩化カルシ
ウム水溶液の作用を調べた。 手順1:40℃、RH95%の環境下に8時間放置 手順2:飽和塩化カルシウム水溶液を噴霧 手順3:80℃の乾燥器中に6時間放置 手順4:23℃、RH65%の環境下に6時間放置 手順5:−30℃の冷凍室中に4時間放置 手順6:23℃、RH65%の環境下に6時間放置 こうして順に1連の処理を行い、これを反復実施した。
そして1連の処理を行なうごとにクラック発生の有無を
観察し、クラックが発生するまでの処理の反復回数によ
り耐塩化カルシウム特性を評価した。
【0024】(2) 靱性 ASTM D−638に準じ、引張伸び(%)を測定し
た。 (3) 荷重撓み温度 ASTM D−648に準じ、荷重4.6kgf/cm2 の条
件の下で荷重撓み温度(℃)を測定した。 (4) 長期耐熱性 120℃のギヤーオープン中に引張試験用テストビース
を入れ、ASTM D−638に準じて測定した引張強
さが初期値から半減するまでの時間(hrs )を求めて、
長期高温耐熱性を評価した。
【0025】更に、実施例及び比較例の樹脂組成物の配
合組成を表1に、またこれらの樹脂組成物から成形され
たハーネス用プロテクタについての試験結果を表2に、
それぞれ示した。この結果から、本発明の樹脂組成物を
用いれば優れた特性を有するハーネス部品が製造できる
ことがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明は、成形性が良好であって、長期
耐熱性並びに高温時の剛性、耐靭性及び耐塩化カルシウ
ム性を高度に満たしたハーネス部品を高い生産性で製造
することができる新規なハーネス部品用樹脂組成物を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂組成物を用いて成形した試験用ハ
ーネス用プロテクタの斜視図である。
【符号の説明】
1 ハーネス用プロテクタ
フロントページの続き (72)発明者 亀山 靖 広島県広島市南区仁保新町2−1−25 矢崎部品株式会社内 (72)発明者 片山 裕幸 広島県広島市南区仁保新町2−1−25 矢崎部品株式会社内 (72)発明者 福永 将広 山口県宇部市大字小串1978−10 宇部興 産株式会社 宇部ケミカル工場内 (72)発明者 森本 興廣 山口県宇部市大字小串1978−10 宇部興 産株式会社 宇部ケミカル工場内 審査官 天野 宏樹 (56)参考文献 特開 平4−252264(JP,A) 特開 昭61−76540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 23/26 - 23/36 B60R 16/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)未変成ポリアミド66とアミノ末
    端基濃度が7×10-5〜10×10-5eq/gである変成ポ
    リアミド6との重量混合比率が80/20〜50/50
    であるポリアミド組成物50〜70重量%と、(B)末
    端が0.3〜0.6wt%の無水マレイン酸で変成され
    たポリプロピレン30〜50重量%とを含んでなるハー
    ネス部品用樹脂組成物。
JP5206479A 1993-08-20 1993-08-20 ハーネス部品用樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2974106B2 (ja)

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