JP2971762B2 - 三相誘導電動機の簡易ベクトル制御装置 - Google Patents

三相誘導電動機の簡易ベクトル制御装置

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JP2971762B2 JP6315101A JP31510194A JP2971762B2 JP 2971762 B2 JP2971762 B2 JP 2971762B2 JP 6315101 A JP6315101 A JP 6315101A JP 31510194 A JP31510194 A JP 31510194A JP 2971762 B2 JP2971762 B2 JP 2971762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】三相誘導電動機の速度制御に関し
て、電動機の固定子巻線の相電圧と相電流とを瞬時に検
出し、一次磁束ベクトルと電動機の瞬時発生トルクの演
算を行わせ、発生トルクの調節の可能な一次磁束ベクト
ル形の簡易ベクトル制御装置に関するものであり、ま
た、速度パターンとすべり周波数の演算を付加すること
により速度センサレス機能を備えた簡易ベクトル制御装
置も提案している。
【0002】
【従来の技術】従来、誘導電動機のベクトル制御では、
二次磁束ベクトルに基づいたベクトル制御が行われてい
る。この制御には磁束検出形とすべり周波数制御形の2
つの方法が存在するが、いずれも電動機定数を用いて演
算を行い制御するので、これらパラメータ変動の影響を
受ける。また、これら変動の影響を避けるために補償回
路や演算器が必要となり装置が複雑となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来、二次
磁束ベクトルに基づいた誘導電動機のベクトル制御によ
って生じる電動機パラメータの変動の影響を少なくし、
トルク調節の可能な一次磁束ベクトルに関する簡易化さ
れたベクトル制御装置ならびに速度センサレス機能を備
えた簡易のベクトル制御装置を提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による三相誘導電
動機の簡易ベクトル制御装置は、三相誘導電動機の固定
子巻線の電圧と電流とを検出する電圧・電流検出器と、
前記電圧・電流検出器により検出された巻線電圧と巻線
電流とから固定子巻線の磁束を演算する一次磁束演算器
と、前記電圧・電流検出器により検出された巻線電流と
前記一次磁束演算器により演算された各巻線の磁束とか
ら電動機の瞬時発生トルクを演算するトルク演算器と、
前記一次磁束演算器により演算された各巻線の一次磁束
から空間一次磁束ベクトルを求めるベクトル・アナライ
ザと、前記ベクトル・アナライザにより演算された空間
一次磁束ベクトルの大きさと一次磁束指令値との磁束偏
差値から磁束成分電流指令値を求める磁束制御器を有
し、また、速度指令値と速度検出器により検出された誘
導電動機の回転速度との速度偏差値とトルク成分電流の
値を設定するトルク電流設定値とからトルク電流指令値
を求める速度制御器と、前記速度制御器により演算され
たトルク電流指令値と誘導電動機の実際のトルク成分電
流の帰還された値とからトルク成分電流指令値を演算す
るトルク電流制御器を備えている。
【0005】この場合の電動機のトルク成分電流の演算
方法としては、前記トルク演算器により演算されたトル
クと前記ベクトル・アナライザの演算により得られた一
次磁束ベクトルの大きさとからトルク電流演算器Aの演
算によりトルク成分電流を得る第1の方法と、前記電圧
・電流検出器により検出された巻線電流と前記ベクトル
・アナライザの演算により求められた固定子基準巻線の
磁気軸と一次磁束ベクトルとの空間偏角の正弦値と余弦
値とからトルク電流演算器Bの演算により電動機のトル
ク成分電流を得る第2の方法とがある。
【0006】更に、前記磁束制御器から得られた磁束成
分電流指令値と前記トルク電流制御器により得られたト
ルク成分電流指令値および前記ベクトル・アナライザか
ら求められた前記空間偏角の正弦値と余弦値の各値とか
ら固定子巻線の静止座標系の二相の電流指令値に変換す
る回転・静止座標変換器を備えるか、または、前記磁束
成分電流指令値と前記トルク成分電流指令値の他に、す
べり演算器により前記一次磁束ベクトルの大きさと前記
トルクとからすべり角速度の演算を行い、このすべり角
速度と前記回転速度とが加算器によって加算されて求め
られた固定子巻線の磁束の角速度を入力して演算を行い
磁束成分電圧指令値とトルク成分電圧指令値とを求め、
前記ベクトル・アナライザから求められた前記空間偏角
の正弦値と余弦値と前記磁束成分電圧指令値及び前記ト
ルク成分電圧指令値によって演算を行い固定子巻線の静
止座標系の二相の電圧指令値に変換する回転・静止座標
変換器を備えている。
【0007】また、前記回転・静止座標変換器により静
止座標系に変換された二相の電流指令値または二相の電
圧指令値を誘導電動機の三相固定子の線電流の指令値ま
たは三相固定子の印加電圧の指令値に変換する二相・三
相変換器と、前記二相・三相変換器によって演算された
三相の電流指令値または三相の電圧指令値に基づいて電
源から三相誘導電動機を駆動するために必要な実際の三
相の線電流または三相の印加電圧を発生させるインバー
タを備えたことを特徴とする。
【0008】速度センサレス形簡易ベクトル制御装置の
場合には、三相誘導電動機の固定子巻線の電圧と電流と
を検出する電圧・電流検出器と、前記電圧・電流検出器
により検出された巻線電圧と巻線電流とから固定子巻線
の磁束を演算する一次磁束演算器と、前記電圧・電流検
出器により検出された巻線電流と前記一次磁束演算器に
より演算された各巻線の磁束とから電動機の瞬時発生ト
ルクを演算するトルク演算器と、前記一次磁束演算器に
より演算された各巻線の磁束から空間一次磁束ベクトル
の大きさを求める磁束演算器と、前記磁束演算器により
演算された一次磁束ベクトルの大きさと一次磁束指令値
との磁束偏差値から磁束成分電流指令値を求める磁束制
御器を有し、また、速度指令値と速度パターンから得ら
れる誘導電動機の回転速度との速度偏差値とトルク成分
電流の値を設定するトルク電流設定値とからトルク電流
指令値を求める速度制御器と、前記速度制御器により演
算されたトルク電流指令値と誘導電動機の実際のトルク
成分電流の帰還された値とからトルク成分電流指令値を
演算するトルク電流制御器を備えている。
【0009】この場合に電動機のトルク成分電流の演算
方法として、前記トルク演算器により演算されたトルク
と前記磁束演算器の演算により得られた一次磁束ベクト
ルの大きさとからトルク電流演算器Aの演算によりトル
ク成分電流を得る第1の方法と、前記速度パターンから
得られた電動機の回転速度とすべり周波数指令値とを加
算する加算器と、前記加算器から得られる固定子巻線の
磁束の角周波数を積分する積分器と、前記積分器から求
められる固定子基準巻線の磁気軸と空間一次磁束ベクト
ルとの空間偏角の値から正弦・余弦演算器を通して得ら
れる空間偏角の正弦値および余弦値と前記電圧・電流検
出器により検出された巻線電流とからトルク電流演算器
Bにより電動機のトルク成分電流を得る第2の方法とが
ある。
【0010】次に、前記磁束制御器から得られた磁束成
分電流指令値と前記トルク電流制御器により得られたト
ルク成分電流指令値及び前記正弦・余弦演算器から求め
られた前記空間偏角の正弦値と余弦値の各値とから固定
子巻線の静止座標系の二相の電流指令値に変換する回転
・静止座標変換器を備えるか、または、前記磁束成分電
流指令値と前記トルク成分電流指令値の他に、前記加算
器の加算によって求められた固定子巻線の磁束の角周波
数を入力して演算を行い磁束成分電圧指令値とトルク成
分電圧指令値とを求め、前記空間偏角の正弦値と余弦値
と前記磁束成分電圧指令値および前記トルク成分電圧指
令値によって演算を行い固定子巻線の静止座標系の二相
の電圧指令値に変換する回転・静止座標変換器を備えて
いる。
【0011】また、前記回転・静止座標変換器により静
止座標系に変換された二相の電流指令値または二相の電
圧指令値を誘導電動機の三相固定子の線電流の指令値ま
たは三相固定子の印加電圧の指令値に変換する二相・三
相変換器と、前記二相・三相変換器によって演算された
三相の電流指令値または三相の電圧指令値に基づいて電
源から三相誘導電動機を駆動するために必要な実際の三
相の線電流または三相の印加電圧を発生させるインバー
タを備えている。
【0012】更に、前記トルク演算器により演算された
トルクと前記磁束演算器により演算された一次磁束ベク
トルの大きさとからすべり角速度を演算するすべり演算
器を有し、前記速度パターンに基づいて回転速度が時間
と共に上昇し、前記回転速度が前記速度指令値に一致し
た時点で前記加算器の演算により前記回転速度と前記す
べり周波数指令値とを加算して得られる固定子巻線の磁
束の角周波数を前記速度指令値の電気的角周波数に設定
する第1の操作器を有し、また、前記回転速度と前記速
度指令値とが一致した時点で前記第1の操作器によって
得られる速度指令値の電気的周波数に等しい固定子巻線
の磁束の角周波数から前記すべり演算器により演算され
たすべり角速度を減算する減算器を有し、前記減算器か
ら得られる電動機の回転速度を前記速度制御器に帰還さ
せる第2の操作器を具えたことを特徴とする。
【0013】
【作用】前述のように構成されている本装置を三相誘導
電動機に接続すると、電圧・電流検出器によって固定子
巻線の電圧と電流とが検出され、この巻線電圧と巻線電
流とから一次磁束演算器によって固定子巻線の磁束が演
算される。この巻線磁束と先に検出された巻線電流とか
らトルク演算器により電動機の瞬時発生トルクが演算さ
れ、ベクトル・アナライザの演算により巻線磁束から空
間一次磁束ベクトルの演算を行う。次に、このベクトル
・アナライザによって演算された一次磁束ベクトルの大
きさと一次磁束指令値との磁束偏差値から磁束制御器に
より一次磁束ベクトルの大きさが常に一定となるように
磁束成分電流指令値を演算する。一方、回転速度を指定
した速度指令値と速度検出器により検出された電動機の
回転速度との速度偏差値とトルク成分電流の値を設定す
るトルク電流設定値とから速度制御器の演算によってト
ルク電流指令値が演算される。
【0014】電動機の瞬時発生トルクτが(1) 式のよう
に一次磁束ベクトルの大きさΨS と電動機の実際のトル
ク成分電流
【外1】 によって書き表せるので、
【数1】 ここでnは極対数である。トルク演算器により演算され
たトルクを確認しながら一次磁束指令値とトルク電流設
定値とを調節し、このトルク電流指令値を目標の値に設
定する。
【0015】さらに、このトルク電流指令値と誘導電動
機の実際のトルク成分電流の帰還された値とからトルク
電流制御器によってトルク成分電流指令値が演算され
る。この場合、帰還される電動機のトルク成分電流を演
算する方法には次の2つの方法がある。第1の方法はト
ルク演算器によって演算されたトルクとベクトル・アナ
ライザにより演算された一次磁束ベクトルの大きさとか
らトルク電流演算器Aの演算によってトルク成分電流を
得る方法であり、第2の方法は電圧・電流検出器によっ
て先に検出された巻線電流とベクトル・アナライザによ
り演算された一次磁束ベクトルの角度位置(固定子基準
巻線の磁気軸と一次磁束ベクトルとの空間偏角である)
の正弦値と余弦値とからトルク電流演算器Bの演算によ
って電動機のトルク成分電流を得る方法である。
【0016】次に、磁束制御器により演算された磁束成
分電流指令値とトルク電流制御器によって演算されたト
ルク成分電流指令値とを、ベクトル・アナライザから求
められた一次磁束ベクトルの角度位置の正弦値と余弦値
とを用いて、回転・静止座標変換器の演算によって固定
子巻線の静止座標系の二相の電流指令値に変換する。
【0017】または、同じ座標系の二相の電圧指令値に
変換するには、まず前記磁束成分電流指令値と前記トル
ク成分電流指令値の他に、すべり演算器により前記一次
磁束ベクトルの大きさと前記トルクとからすべり角速度
の演算を行い、このすべり角速度と前記回転速度とが加
算器によって加算され求められた固定子巻線の磁束の角
速度を回転・静止座標変換器に入力して演算を行い、磁
束成分電圧指令値とトルク成分電圧指令値とを求める。
次に、回転・静止座標変換器に入力された前記正弦値と
余弦値と前記磁束成分電圧指令値および前記トルク成分
電圧指令値によって、同じ回転・静止座標変換器で演算
を行い固定子巻線の静止座標系の二相電圧指令値を演算
する。
【0018】また、回転・静止座標変換器により演算さ
れた二相の電流指令値または二相の電圧指令値を二相・
三相変換器の演算によって誘導電動機の三相固定子の線
電流の指令値又は三相固定子の印加電圧の指令値に変換
し、この三相の各指令値に基づいて電源から三相誘導電
動機を駆動するために必要な実際の三相の線電流または
三相の印加電圧をインバータによって発生させる。
【0019】速度センサレス形簡易ベクトル制御装置の
場合には、電圧・電流検出器によって検出された固定子
巻線の電圧と電流とから一次磁束演算器により固定子巻
線の磁束が演算される。この巻線磁束と先に検出された
巻線電流とからトルク演算器により電動機の瞬時発生ト
ルクが演算され、また、巻線磁束から磁束演算器によっ
て一次磁束ベクトルの大きさが演算され、この一次磁束
ベクトルの大きさと一次磁束指令値との磁束偏差値から
磁束制御器の演算により一次磁束ベクトルの大きさが常
に一定となるように磁束成分電流指令値を求める。
【0020】一方、回転速度を指定した速度指令値と速
度パターンから得られる電動機の回転速度との速度偏差
値と、トルク成分電流の値を設定するトルク電流設定値
とから速度制御器によってトルク電流指令値が演算され
る。このトルク電流指令値は(1) 式のトルク式に基づ
き、トルク演算器によって演算されたトルクを確認しな
がら一次磁束指令値とトルク電流設定値とを調節し、目
標の値に設定される。
【0021】さらに、このトルク電流指令値と誘導電動
機の実際のトルク成分電流の帰還された値とからトルク
電流制御器によってトルク成分電流指令値が演算され
る。この場合、帰還される電動機の実際のトルク成分電
流を演算する方法には次の2つの方法がある。第1の方
法はトルク演算器により演算されたトルクと磁束演算器
により演算された一次磁束ベクトルの大きさとからトル
ク電流演算器Aの演算によってトルク成分電流を得る方
法であり、第2の方法は速度パターンから得られた電動
機の回転速度とすべり周波数指令値とから加算器の加算
によって得られる固定子巻線の磁束の角周波数を積分器
により積分して一次磁束ベクトルの角度位置(固定子基
準巻線の磁気軸と一次磁束ベクトルとの空間偏角であ
る)が求められ、この角度位置を正弦・余弦演算器に入
力して得られる正弦値と余弦値と先に検出された巻線電
流とからトルク電流演算器Bの演算によって電動機のト
ルク成分電流を得る方法である。
【0022】次に、磁束制御器により演算された磁束成
分電流指令値とトルク電流制御器によって演算されたト
ルク成分電流指令値および積分器から得られた一次磁束
ベクトルの角度位置の正弦値と余弦値とから回転・静止
座標変換器の演算によって固定子巻線の静止座標系の二
相の電流指令値が演算される。または、同じ座標系の二
相の電圧指令値に変換するには、まず前記磁束成分電流
指令値と前記トルク成分電流指令値の他に、前記加算器
の加算によって得られる固定子巻線の磁束の角周波数を
回転・静止座標変換器に入力して演算を行い、磁束成分
電圧指令値とトルク成分電圧指令値を求める。次に、回
転・静止座標変換器に入力された前記正弦値と余弦値と
前記磁束成分電圧指令値および前記トルク成分電圧指令
値によって、同じ回転・静止座標変換器で演算を行い、
固定子巻線の静止座標系の二相の電圧指令値を演算す
る。
【0023】また、回転・静止座標変換器により変換さ
れた二相の電流指令値または二相の電圧指令値を二相・
三相変換器の演算によって誘導電動機の三相固定子の線
電流の指令値または三相固定子の印加電圧の指令値に変
換し、この三相の各指令値に基づいて電源から三相誘導
電動機を駆動するために必要な実際の三相の線電流また
は三相の印加電圧をインバータによって発生させる。
【0024】さらに、トルク演算器によって演算された
トルクと磁束演算器によって演算された一次磁束ベクト
ルの大きさとから、すべり演算器によりすべり角速度を
演算する。一方、速度パターンに基づいて回転速度が時
間と共に上昇し、この回転速度が速度指令値と同じ値に
なった時点で加算器の演算により得られる固定子巻線の
磁束の角周波数を第1の操作器によって速度指令値の電
気的角周波数に設定する。この時、速度指令値の電気的
角周波数に等しい固定子巻線の磁束の角周波数からすべ
り演算器により演算されたすべり角速度を減算器により
減算して得られる電動機の回転速度を第2の操作器によ
って速度制御器に帰還させ、速度センサレスの機能を持
たせて簡易ベクトル制御を得るようにしたものである。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例について
詳細に説明する。図1において、誘導電動機1の三相固
定子巻線の電圧をVa ,Vb ,Vc で表し、電流を
a ,Ib ,Ib でそれぞれ表示すれば、電動機の運転
中に零相の値が存在しない正常の動作時には電圧・電流
検出器2によってそれぞれの巻線電圧と巻線電流中の二
つの電圧Va ,Vb と二つの電流Ia ,Ib を検出す
る。前記電圧・電流検出器2により検出されたこれら二
つの巻線電圧と巻線電流とは一次磁束演算器3に入力さ
れ、(2) 式により三相固定子巻線の二つの巻線の磁束Ψ
a ,Ψb が演算される。
【数2】 ここで、RS は固定子巻線の巻線抵抗を示す。
【0026】前記電圧・電流検出器2により検出された
二つの巻線電流Ia ,Ib と前記一次磁束演算器3によ
り演算された二つの巻線の磁束Ψa ,Ψb をトルク演算
器4に入力し、(3) 式の演算を行うことにより電動機1
の瞬時発生トルクτを求めることができる。
【数3】
【0027】前記一次磁束演算器3によって演算された
二つの巻線の磁束Ψa ,Ψb をベクトル・アナライザ5
に入力すれば、(4) 式の演算が行われ空間一次磁束ベク
トル
【数4】 の大きさΨS と固定子基準巻線の磁気軸(三相固定子巻
線a相,b相,c相中のa相巻線の磁気軸)とこの一次
磁束ベクトルΨS との空間偏角φS の正弦値 sinφS
余弦値 cosφS とが得られる。
【0028】次に、前記一次磁束ベクトルの大きさΨS
と一次磁束指令値
【外2】 とは磁束制御器6に入力され、この磁束制御器6の演算
により一次磁束ベクトルの大きさが常に一定になるよう
に磁束成分電流指令値
【外3】 が演算される。また、回転速度を指定する速度指令値
【外4】 と速度検出器7により検出された誘導電動機の回転速度
ωm とトルク成分電流の値を設定するトルク電流設定値
【外5】 は速度制御器8に入力されトルク電流指令値
【外6】 の演算がなされる。この場合、前記磁束制御器6および
前記速度制御器8の演算にはPI制御が使用できる。
【0029】前記トルク電流指令値は(1) 式のトルク式
に基づき、トルク演算器4によって演算されたトルクτ
を確認しながら一次磁束指令値
【外7】 とトルク電流設定値
【外8】 とを調節し、目標の値に設定される。
【0030】さらに、前記速度制御器8により演算され
たトルク電流指令値
【外9】 と誘導電動機1の実際のトルク成分電流
【外10】 の帰還さた値とがトルク電流制御器9に入力されトルク
成分電流指令値
【外11】 が演算される。このトルク電流制御器9は前記トルク電
流指令値
【外12】 と前記帰還されたトルク成分電流の値
【外13】 とが比較され、前記トルク電流指令値に基づいたトルク
成分電流が電動機1に発生するように補正を行い、前記
トルク成分電流指令値
【外14】 の演算を行っている。誘導電動機1の前記トルク成分電
【外15】 の演算の方法には次の2つの方法があり、どちらかの演
算を行い上記トルク電流制御器9に入力されるトルク成
分電流
【外16】 として使用される。
【0031】第1の方法はトルク演算器4により演算さ
れたトルクτとベクトル・アナライザ5の演算により得
られた(4) 式の一次磁束ベクトルの大きさΨS とから、
符号10で示したトルク電流演算器Aによって(5) 式に示
す演算を行い、トルク成分電流
【外17】 を得る。
【数5】
【0032】第2の方法は前記電圧・電流検出器2によ
り検出された巻線電流Ia ,Ib とベクトル・アナライ
ザ5の演算により求められた(4) 式の正弦値 sinφS
余弦値 cosφS とから符号11により示したトルク電流演
算器Bによって(6) 式の演算を行い電動機1のトルク成
分電流
【外18】 を得る(図1においては、トルク電流演算器Bからのこ
のトルク成分電流を破線で示している)。
【数6】
【0033】次に、磁束制御器6から得られた磁束成分
電流指令値
【外19】 とトルク電流制御器9により得られたトルク成分電流指
令値
【外20】 およびベクトル・アナライザ5の演算により求められた
(4) 式の正弦値 sinφSと余弦値 cosφS の各値とから
回転・静止座標変換器12によって(7) 式の演算を行い、
固定子巻線の静止座標系の二相の電流指令値
【外21】 に変換する。
【数7】
【0034】または、同じ静止座標系の二相の電圧指令
【外22】 に変換するには、まず前記磁束成分電流指令値
【外23】 と前記トルク成分電流指令値
【外24】 の各値とすべり演算器13により前記一次磁束ベクトルの
大きさΨS と前記トルクτとから(8) 式によってすべり
角速度ωSlの演算を行い、このすべり角速度ωSl
【数8】 ここで、K1 は係数を示す。と前記回転速度ωm を加算
器14によって加算され求められた固定子巻線の磁束の角
速度ωS (図1においては、加算器14からのこの角速度
ωS を破線で示す)を回転・静止座標変換器12に入力し
て(9) 式の演算を行い磁束成分電圧指令値
【外25】 とトルク成分電圧指令値
【外26】 を求める。
【数9】
【0035】次に、回転・静止座標変換器12に入力され
た前記正弦値 sinφS と余弦値cosφS と前記磁束成分
電圧指令値
【外27】 および前記トルク成分電圧指令値
【外28】 によって、(10)式の演算を同じ回転・静止座標変換器12
で行い固定子巻線の静止座標系の二相の電圧指令値
【外29】 に変換する。
【数10】
【0036】前記回転・静止座標変換器12により静止座
標系に変換された二相の電流指令値
【外30】 または二相の電圧指令値
【外31】 を二相・三相変換器15に入力し、(11)式の演算によって
誘導電動機1の三相固定子の線電流の指令値
【外32】 に変換し、同じ二相・三相変換器15により(12)式の演算
を行い三相固定子の印加電圧の指令値
【外33】 に変換する。
【数11】
【数12】
【0037】二相・三相変換器15によって演算された三
相の電流指令値
【外34】 または三相の電圧指令値
【外35】 をインバータ16に入力し、電源Eから三相誘導電動機1
を駆動するために必要な実際の三相の線電流ia
b ,ic または三相の印加電圧va ,vb ,vc を発
生させる。
【0038】図2に示す速度センサレス形簡易ベクトル
制御装置では、誘導電動機1の運転中に零相の値が存在
しない正常の動作時には電圧・電流検出器2によってそ
れぞれの三相の巻線電圧と三相の巻線電流のうちの二つ
の電圧Va ,Vb と二つの電流Ia ,Ib を検出する。
前記電圧・電流検出器2により検出されたこれら二つの
巻線電圧と巻線電流とは一次磁束演算器3に入力され、
(2) 式により三相固定子巻線の二つの巻線の磁束Ψa
Ψb が演算される。
【0039】前記電圧・電流検出器2により検出された
二つの巻線電流Ia ,Ib と前記一次磁束演算器3によ
り演算された二つの巻線の磁束Ψa ,Ψb をトルク演算
器4に入力し、(3) 式の演算を行うことにより電動機1
の瞬時発生トルクτを求めることができる。
【0040】前記一次磁束演算器3によって演算された
二つの巻線の磁束Ψa ,Ψb を磁束演算器17に入力すれ
ば、(4) 式の演算が行われ空間一次磁束ベクトルの大き
さΨ S が得られる。
【0041】次に、前記一次磁束ベクトルの大きさΨS
と一次磁束指令値
【外36】 とは磁束制御器6に入力され、この磁束制御器6の演算
により一次磁束ベクトルの大きさが常に一定になるよう
に磁束成分電流指令値
【外37】が演算される。また、回転速度を指定する速
度指令値
【外38】 と速度パターン18から得られる電動機1の回転速度ωmp
とトルク成分電流の値を設定するトルク電流設定値
【外39】 は速度制御器8に入力されトルク電流指令値
【外40】の演算がなされる。この場合、前記磁束制御
器6および前記速度制御器8の演算にはPI制御が使用で
きる。
【0042】前記トルク電流指令値
【外41】 は(1) 式のトルク式に基づき、トルク演算器4によって
演算されたトルクτを確認しながら一次磁束指令値
【外42】 とトルク電流設定値
【外43】 とを調節し、目標の値に設定される。
【0043】さらに、前記速度制御器8により演算され
たトルク電流指令値
【外44】 と誘導電動機1の実際のトルク成分電流
【外45】 の帰還さた値とがトルク電流制御器9に入力されトルク
成分電流指令値
【外46】 が演算される。このトルク電流制御器9は前記トルク電
流指令値
【外47】 と前記帰還されたトルク成分電流の値
【外48】 とが比較され、前記トルク電流指令値に基づいたトルク
成分電流が電動機1に発生するように補正を行い、前記
トルク成分電流指令値
【外49】 の演算を行っている。誘導電動機1の前記トルク成分電
【外50】 の演算の方法には次の2つの方法があり、どちらかの演
算を行い上記トルク電流制御器9に入力されるトルク成
分電流
【外51】 として使用される。
【0044】第1の方法はトルク演算器4により演算さ
れたトルクτと磁束演算器17の演算により得られた(4)
式の一次磁束ベクトルの大きさΨS とから、符号10で示
したトルク電流演算器Aによって(5) 式に示す演算を行
い、トルク成分電流
【外52】 を得る。
【0045】第2の方法は速度パターン18から得られた
電動機1の回転速度ωmpとすべり周波数指令値
【外53】 とから加算器19の加算によって得られる固定子巻線の磁
束の角周波数ωS を積分器20により積分して一次磁束ベ
クトルの角度位置φS (固定子基準巻線の磁気軸と空間
一次磁束ベクトルとの空間偏角)が求められ、さらにこ
の角度位置を正弦・余弦演算器21に入力して得られる正
弦値 sinφS と余弦値 cosφS と前記電圧・電流検出器
2により検出された巻線電流Ia ,Ib とから符号11で
示したトルク電流演算器Bによって(6) 式の演算を行い
電動機1のトルク成分電流
【外54】を得る(図2においては、トルク電流演算器
Bからのこのトルク成分電流を破線で示す)。
【0046】次に、磁束制御器6から得られた磁束成分
電流指令値
【外55】 とトルク電流制御器9により得られたトルク成分電流指
令値
【外56】 および積分器20からの角度位置φS を正弦・余弦演算器
21に入力して得られる正弦値 sinφS と余弦値 cosφS
の各値とから、回転・静止座標変換器12によって(7) 式
の演算を行い、固定子巻線の静止座標系の二相の電流指
令値
【外57】 に変換する。
【0047】または、同じ静止座標系の二相の電圧指令
【外58】 に変換するには、まず前記磁束成分電流指令値
【外59】 と前記トルク成分電流指令値
【外60】 の各値と加算器19の加算によって得られる固定子巻線の
磁束の角周波数ωS (図2においては、加算器19からの
この角周波数ωS を破線で示す)を回転・静止座標変換
器12に入力して(9) 式の演算を行い磁束成分電圧指令値
【外61】 とトルク成分電圧指令値
【外62】 を求める。さらに、回転・静止座標変換器12に入力され
た前記正弦値 sinφS と余弦値 cosφS と前記磁束成分
電圧指令値
【外63】 および前記トルク成分電圧指令値
【外64】 によって、(10)式の演算を同じ回転・静止座標変換器12
で行い固定子巻線の静止座標系の二相の電圧指令値
【外65】 に変換する。
【0048】前記回転・静止座標変換器12により静止座
標系に変換された二相の電流指令値
【外66】 または二相の電圧指令値
【外67】 を二相・三相変換器15に入力し、(11)式の演算によって
誘導電動機1の三相固定子の線電流の指令値
【外68】 に変換し、同じ二相・三相変換器15により(12)式の演算
を行い三相固定子の印加電圧の指令値
【外69】 に変換する。
【0049】二相・三相変換器15によって演算された三
相の電流指令値
【外70】 または三相の電圧指令値
【外71】 をインバータ16に入力し、電源Eから三相誘導電動機1
を駆動するために必要な実際の三相の線電流ia
b ,ic または三相の印加電圧va ,vb ,vc を発
生させる。
【0050】また、トルク演算器4により演算されたト
ルクτと磁束演算器17によって演算された一次磁束ベク
トルの大きさΨS とからすべり演算器13により(8) 式の
すべり角速度ωSlを演算する。一方、速度パターン18に
基づいて回転速度ωmpが時間と共に上昇し、この回転速
度ωmpが速度指令値
【外72】 と同じ値になった時点で加算器19の演算により得られる
固定子巻線の磁束の角周波数ωS を第1の操作器22の切
換操作によって速度指令値
【外73】 の電気的角周波数に設定する。同時に、速度指令値
【外74】 の電気的角周波数に等しい固定子巻線の磁束の角周波数
ωS からすべり演算器13により演算された(8) 式のすべ
り角速度ωSlを減算器23により減算して得られる電動機
1の回転速度ωm を第2の操作器24の切換操作によって
速度制御器8に帰還させ、速度センサレス機能を持たせ
ている。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による三相
誘導電動機の簡易ベクトル制御装置においては、一次磁
束ベクトルに基づいているので、従来、二次磁束ベクト
ルを基準としたベクトル制御によって生じる電動機パラ
メータの変動の影響を少なくすることができ、この変動
の影響を避けるための補償回路や演算器を必要としない
ので装置が簡易化され、さらにトルク調節や速度センサ
レス・ベクトル制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による三相誘導電動機の一次磁束検出形
簡易ベクトル制御装置の一実施例を示す図である。
【図2】本発明による三相誘導電動機の一次磁束検出形
と速度センサレス形を兼ね備えた簡易ベクトル制御装置
の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 三相誘導電動機 2 電圧・電流検出器 3 一次磁束演算器 4 トルク演算器 5 ベクトル・アナライザ 6 磁束制御器 7 速度検出器 8 速度制御器 9 トルク電流制御器 10 トルク電流演算器A 11 トルク電流演算器B 12 回転・静止座標変換器 13 すべり演算器 14 加算器 15 二相・三相変換器 16 インバータ 17 磁束演算器 18 速度パターン 19 加算器 20 積分器 21 正弦・余弦演算器 22 第1の操作器 23 減算器 24 第2の操作器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相誘導電動機の固定子巻線の電圧と電
    流とを検出する電圧・電流検出器と、前記電圧・電流検
    出器により検出された巻線電圧と巻線電流とから固定子
    巻線の磁束を演算する一次磁束演算器と、前記電圧・電
    流検出器により検出された巻線電流と前記一次磁束演算
    器により演算された各巻線の磁束とから電動機の瞬時発
    生トルクを演算するトルク演算器と、前記一次磁束演算
    器により演算された各巻線の磁束から空間一次磁束ベク
    トルを求めるベクトル・アナライザと、前記ベクトル・
    アナライザにより演算された空間一次磁束ベクトルの大
    きさと一次磁束指令値との磁束偏差値から磁束成分電流
    指令値を求める磁束制御器を有し、また、速度指令値と
    速度検出器により検出された誘導電動機の回転速度との
    速度偏差値とトルク成分電流の値を設定するトルク電流
    設定値とからトルク電流指令値を求める速度制御器と、
    前記速度制御器により演算されたトルク電流指令値と誘
    導電動機の実際のトルク成分電流の帰還された値とから
    トルク成分電流指令値を演算するトルク電流制御器を備
    え、 電動機のトルク成分電流の演算方法として、前記トルク
    演算器により演算されたトルクと前記ベクトル・アナラ
    イザの演算により得られた一次磁束ベクトルの大きさと
    からトルク電流演算器Aの演算によりトルク成分電流を
    得る第1の方法か、または、前記電圧・電流検出器によ
    り検出された巻線電流と前記ベクトル・アナライザの演
    算により求められた固定子基準巻線の磁気軸と一次磁束
    ベクトルとの空間偏角の正弦値と余弦値とからトルク電
    流演算器Bの演算により電動機のトルク成分電流を得る
    第2の方法を備えており、 前記磁束制御器から得られた磁束成分電流指令値と前記
    トルク電流制御器から得られたトルク成分電流指令値お
    よび前記ベクトル・アナライザから求められた前記空間
    偏角の正弦値と余弦値の各値とから固定子巻線の静止座
    標系の二相の電流指令値に変換する回転・静止座標変換
    器を備えるか、または、前記磁束成分電流指令値と前記
    トルク成分電流指令値との他に、すべり演算器により前
    記一次磁束ベクトルの大きさと前記トルクとからすべり
    角速度の演算を行い、このすべり角速度と前記回転速度
    とが加算器によって加算され求められた固定子巻線の磁
    束の角速度を入力して演算を行い磁束成分電圧指令値と
    トルク成分電圧指令値とを求め、前記ベクトル・アナラ
    イザから求められた前記空間偏角の正弦値と余弦値と前
    記磁束成分電圧指令値及び前記トルク成分電圧指令値に
    よって演算を行い固定子巻線の静止座標系の二相の電圧
    指令値に変換する回転・静止座標変換器を備え、 且つ、前記回転・静止座標変換器により静止座標系に変
    換された二相の電流指令値または二相の電圧指令値を誘
    導電動機の三相固定子の線電流の指令値または三相固定
    子の印加電圧の指令値に変換する二相・三相変換器と、
    前記二相・三相変換器によって演算された三相の電流指
    令値または三相の電圧指令値に基づいて電源から三相誘
    導電動機を駆動するために必要な実際の三相の線電流ま
    たは三相の印加電圧を発生させるインバータを備えたこ
    とを特徴とする一次磁束検出形の三相誘導電動機の簡易
    ベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】 三相誘導電動機の固定子巻線の電圧と電
    流とを検出する電圧・電流検出器と、前記電圧・電流検
    出器により検出された巻線電圧と巻線電流とから固定子
    巻線の磁束を演算する一次磁束演算器と、前記電圧・電
    流検出器により検出された巻線電流と前記一次磁束演算
    器により演算された各巻線の磁束とから電動機の瞬時発
    生トルクを演算するトルク演算器と、前記一次磁束演算
    器により演算された各巻線の磁束から空間一次磁束ベク
    トルの大きさを求める磁束演算器と、前記磁束演算器に
    より演算された一次磁束ベクトルの大きさと一次磁束指
    令値との磁束偏差値から磁束成分電流指令値を求める磁
    束制御器を有し、また、速度指令値と速度パターンから
    得られる誘導電動機の回転速度との速度偏差値とトルク
    成分電流の値を設定するトルク電流設定値とからトルク
    電流指令値を求める速度制御器と、前記速度制御器によ
    り演算されたトルク電流指令値と誘導電動機の実際のト
    ルク成分電流の帰還された値とからトルク成分電流指令
    値を演算するトルク電流制御器を備え、 電動機のトルク成分電流の演算方法として、前記トルク
    演算器により演算されたトルクと前記磁束演算器の演算
    により得られた一次磁束ベクトルの大きさとからトルク
    電流演算器Aの演算によりトルク成分電流を得る第1の
    方法か、または前記速度パターンから得られた電動機の
    回転速度とすべり周波数指令値とを加算する加算器と、
    前記加算器から得られる固定子巻線の磁束の角周波数を
    積分する積分器と、前記積分器から求められる固定子基
    準巻線の磁気軸と空間一次磁束ベクトルとの空間偏角の
    値から正弦・余弦演算器を通して得られる空間偏角の正
    弦値および余弦値と前記電圧・電流検出器により検出さ
    れた巻線電流とからトルク電流演算器Bにより電動機の
    トルク成分電流を得る第2の方法を備えており、 前記磁束制御器から得られた磁束成分電流指令値と前記
    トルク電流制御器から得られたトルク成分電流指令値お
    よび前記正弦・余弦演算器から求められた前記空間偏角
    の正弦値と余弦値の各値とから固定子巻線の静止座標系
    の二相の電流指令値に変換する回転・静止座標変換器を
    備えるか、または、前記磁束成分電流指令値と前記トル
    ク成分電流指令値の他に、前記加算器の加算によって求
    められた固定子巻線の磁束の角周波数を入力して演算を
    行い磁束成分電圧指令値とトルク成分電圧指令値とを求
    め、前記空間偏角の正弦値と余弦値と前記磁束成分電圧
    指令値および前記トルク成分電圧指令値によって演算を
    行い固定子巻線の静止座標系の二相の電圧指令値に変換
    する回転・静止座標変換器を備え、 且つ、前記回転・静止座標変換器により静止座標系に変
    換された二相の電流指令値または二相の電圧指令値を誘
    導電動機の三相固定子の線電流の指令値または三相固定
    子の印加電圧の指令値に変換する二相・三相変換器と、
    前記二相・三相変換器によって演算された三相の電流指
    令値または三相の電圧指令値に基づいて電源から三相誘
    導電動機を駆動するために必要な実際の三相の線電流ま
    たは三相の印加電圧を発生させるインバータを備え、 更に、前記トルク演算器により演算されたトルクと前記
    磁束演算器により演算された一次磁束ベクトルの大きさ
    とからすべり角速度を演算するすべり演算器を有し、前
    記速度パターンに基づいて回転速度が時間と共に上昇
    し、前記回転速度が前記速度指令値に一致した時点で前
    記加算器の演算により前記回転速度と前記すべり周波数
    指令値とを加算して得られる固定子巻線の磁束の角周波
    数を前記速度指令値の電気的角周波数に設定する第1の
    操作器を有し、また、前記回転速度と前記速度指令値と
    が一致した時点で前記第1の操作器によって得られる速
    度指令値の電気的周波数に等しい固定子巻線の磁束の角
    周波数から前記すべり演算器により演算されたすべり角
    速度を減算する減算器を有し、前記減算器から得られる
    電動機の回転速度を前記速度制御器に帰還させる第2の
    操作器を具えたことを特徴とする一次磁束検出形で且つ
    速度センサレスの三相誘導電動機の簡易ベクトル制御装
    置。
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