JP2971256B2 - 立体駐車場のエレベーター台のパレット固定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、立体駐車場のエレベー
ター台のパレット固定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】入出庫を安全かつ迅速に行うとともに、
格納効率を大幅に高める経済的なエレベーター式立体駐
車場としては、従来、図５平面図及び図６縦断面図に示
すように、長方形デッキの多段構造よりなり、各デッキ
の中央部を貫通して鉛直方向に延びる自動車エレベータ
ーＥを有し、パレットに上載された自動車を上記エレベ
ーターにて各段の格納デッキに運搬格納するエレベータ
ー式立体駐車場において、上記各デッキでそれぞれ上記
エレベーターに隣接してその前後左右及び対角位置の合
計８ヶ所に配設さた長方形格納スペースＰ１〜Ｐ８と、
上記各格納スペース，エレベーター床板にそれぞれ配設
され、それぞれ上載された自動車を上記エレベーター
床，各格納スペースの縦方向，横方向に選択的に移動す
るパレット搬送手段とを具えたものが知られている。と
ころで、車庫法の改正に伴い最近新しい駐車システムの
開発が盛んに行われるようになっている。駐車システム
の開発に当たっては、多くの駐車ができるようにスペー
スの有効利用のほか、安全性の確保は勿論、全体的に効
率的に制御管理が行われなければならず、その中にあっ
て複数階を貫通して昇降するエレベーター台に対する車
両載置パレットの固定装置についても同様な観点に立っ
て開発されなければならない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、上記した
この種の立体駐車場のように、特に建屋の中央で鉛直に
各デッキに貫設されたエレベーター台の昇降路から、前
後左右方向に車両載置パレットの移動を行う大型のシス
テムにおいても、安全性及び効率性を重視したパレット
の固定装置が要求されている。また、水平方向の横揺れ
に対する安全性のみならず鉛直方向の浮き上がりを防止
しうるようなパレット固定装置の開発も要求されてい
る。

【０００４】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、遠隔操作により、パレットを迅速かつ確実に
エレベーター台に固定して、エレベーター台の横揺れに
際して、パレットの相対的水平移動及び又は浮き上がり
を防止する構造簡単かつ低コストの経済的な立体駐車装
置のエレベーター台のパレット固定装置を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのために、請求項１の
発明は、長方形デッキの多段構造よりなり、各デッキの
中央部を貫通して鉛直方向に昇降するエレベーター台を
介して上記各デッキで前後左右にそれぞれ配設された格
納スペースに自動車上載パレットを入出庫するようにし
たエレベーター式立体駐車装置において、エレベーター
台の上面外周部であって中心対称の少なくとも２箇所に
それぞれ、固定された各基台に揺動可能に枢支された駆
動シリンダー及び上下動可能に案内された鉛直方向ロッ
クピンと、同基台上に枢支され上記駆動シリンダーの伸
縮ストロークを上記ロックピンの上下ストロークに変換
する運動変換手段と、車両を載置して上記エレベーター
台によって昇降搬送される水平長方形パレットのフレー
ムの下面外周部であって前記２箇所のロックピンの直上
位置に設けられたロックピン嵌合孔とを具えたことを特
徴とする。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１において、運
動変換手段は、上記駆動シリンダーの作動桿の自由端に
連接された第１のクランクと同第１のクランクに一端が
連結され上記基台に揺動可能に軸承された水平連結軸と
同水平連結軸の他端に連結された第２のクランクとから
なる立体的ベルクランクと、上記第２クランクの自由端
部に開設され上記ロックピンの側面に突設された作動ピ
ンと摺動的に嵌合する長手方向の長孔と、上記基台に付
設され内挿された上記ロックピンを鉛直方向に摺動自在
に案内するロックピン支持孔とから構成されたことを特
徴とする。

【０００７】請求項３の発明は、長方形デッキの多段構
造よりなり、各デッキの中央部を貫通して鉛直方向に延
びるエレベーター台を介して上記各デッキで前後左右に
それぞれ配設された格納スペースに自動車上載パレット
を入出庫するようにしたエレベーター式立体駐車装置に
おいて、上記エレベーター台上の上面外周部であって、
中心対称の少なくとも２箇所にそれぞれ固着された各基
台に揺動可能に枢支された駆動シリンダーと、上記各基
台に揺動可能に枢支され一端で上記駆動シリンダーの作
動桿に連接され他端にストッパー突起が突設されたベル
クランクと車両を載置して上記エレベーター台によって
昇降搬送されるパレットのフレームの下面外周部で少な
くとも上記２箇所のストッパー突起に対応した立面位置
に形成されたストッパー嵌合孔とから構成されたことを
特徴とする。

【０００６】

【作用】このような請求項１，２によれば、エレベータ
ー台に支点が枢支された駆動シリンダーが伸長すると、
クランクを介してロックピンが上動して、その上端がパ
レットの嵌合孔に嵌合することにより、パレットのエレ
ベーター台に対する水平方向の相対的移動を規制するこ
とができる。また、請求項３によれば、エレベーター台
に支点が枢支された駆動シリンダーが伸長すると、ベル
クランクが連動し、その自由端がパレットの外周フレー
ムの側面に凹設された嵌合孔に嵌合することにより、パ
レットのエレベーター台に対する相対的上動を規制する
ことができる。

【０００７】

【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図１はその第１実施例の駐車デッキに到達した状態
を示す全体斜視図、図２は図１において、パレットがエ
レベーター台に固定される直前におけるパレット固定装
置を示す斜視図、図３は図２において、パレットがエレ
ベーター台に固定された状態のパレット固定装置を示す
斜視図、図４は本発明の第２実施例を示す斜視図であ
る。

【０００８】まず、図１〜図２に示す第１実施例におい
て、立体駐車場のエレベーター台６への、パレット固定
装置１０は、複数の駐車デッキの中央部を貫通する鉛直
方向昇降路５に沿って四隅部のワイヤ（図示省略）で昇
降駆動される水平長方形状のエレベーター台６にその各
辺縁部に中心対称的に１組ずつ合計４組設けられてお
り、エレベーター台６上に複数個配列された２方向ロー
ラー（図示省略）上に搬送装置（図示省略）によって搬
入されて来たパレット７を横ずれしないように固定する
ものである。パレット固定装置１０は、図２に示すよう
に、エレベーター台６上に固定されたクレビスブラケッ
ト１１ａに支持脚１２を介して揺動可能に枢支されたほ
ぼ水平方向の電気シリンダー１２と、上下動可能に第２
ブラケット１１ｂの鉛直方向のガイド孔１１ｂ′に挿入
案内されたロックピン１３と、第３ブラケット１１ｃに
枢支され電気シリンダー１２の作動桿１２ａの伸縮作動
をロックピン１３の上下運動に変換する運動変換手段１
４と、パレット７のフレーム７ａの上記ロックピン１３
に対応した４つの位置に形成されたロックピン嵌合孔１
５とから構成されている。

【０００９】昇降路５は、エレベーター台６の四隅部の
昇降を案内する４本のＨ型鋼（図１では１本の図示を省
略している）から構成されており、エレベーター台６の
前後左右の四辺から車両用パレット７の出入が行えるよ
うにしている。電気シリンダー１２は、無励磁状態で内
蔵スプリングの作用で作動桿１２ａが伸張し、励磁され
ると、作動桿１２ａを収縮する構造となっており、遠隔
操作され、停電時でもスプリング力によってロックピン
１３を突出した状態とすることができるようになってい
る。運動変換手段１４は、作動桿１２ａの自由端に連接
されたクランク１４ａと、クランク１４ａに一端で連結
されるとともに、第３ブラケット１１ｃに軸承された連
結軸１４ｂと、連結軸１４ｂの他端に突設されたクラン
ク１４ｃと、クランク１４ｃの自由端部に開設されロッ
クピン１３の側面に突設された作動ピン１３ａと摺動係
合した長孔１４ｄと、第２ブラケット１１ｂのロックピ
ンガイド孔１１ｂ′だとから構成されている。第２ブラ
ケット１１ｂの側面には、作動ピン１３ａが上下動でき
るようにする鉛直方向の長孔１１ｂ″が形成されてい
る。

【００１０】この第１実施例のパレット固定装置１０の
作動制御は、図２及び図３から理解されるように、電気
シリンダー１２の励起コイルへの給電制御による作動桿
１２ａの伸縮によって行われる。エレベーター台６の昇
降移動中にロックピン係合が解除されないように安全装
置も設けられていることはいうまでもない。

【００１１】次に、第３実施例に示す立体駐車場のエレ
ベーター台へのパレット固定装置の第２実施例を図１及
び図４によって具体的に説明すると、パレット固定装置
２０は、エレベーター台６上に固定された第１クレビス
ブラケット２１ａに揺動可能に枢支された上記と同一作
動原理の電気シリンダー２２と、第２クレビスブラケッ
ト２１ｂに揺動可能に枢支され一端で電気シリンダー２
２の作動桿２２ａに連接され、他端に凸型状ストッパー
２３を備えたベルクランク２４と、パレット７ａのスト
ッパー２３に対応した立面位置に形成された長方形嵌合
孔２５とから構成されており、パレット７の横ずれ及び
浮き上がりも防止できるようになっている。

【００１２】

【発明の効果】要するに請求項１の発明によれば、長方
形デッキの多段構造よりなり、各デッキの中央部を貫通
して鉛直方向に昇降するエレベーター台を介して上記各
デッキで前後左右にそれぞれ配設された格納スペースに
自動車上載パレットを入出庫するようにしたエレベータ
ー式立体駐車装置において、エレベーター台の上面外周
部であって中心対称の少なくとも２箇所にそれぞれ、固
定された各基台に揺動可能に枢支された駆動シリンダー
及び上下動可能に案内された鉛直方向ロックピンと、同
基台上に枢支され上記駆動シリンダーの伸縮ストローク
を上記ロックピンの上下ストロークに変換する運動変換
手段と、車両を載置して上記エレベーター台によって昇
降搬送される水平長方形パレットのフレームの下面外周
部であって前記２箇所のロックピンの直上位置に設けら
れたロックピン嵌合孔とを具えたことにより、遠隔操作
により、パレットを迅速かつ確実にエレベーター台に固
定して、エレベーター台の横揺れに際して、パレットの
相対的水平移動を防止する構造簡単かつ低コストの経済
的な立体駐車装置のエレベーター台のパレット固定装置
を得るから、本発明は産業上極めて有益なものである。

【００１３】請求項２の発明によれば、請求項１におい
て、運動変換手段は、上記駆動シリンダーの作動桿の自
由端に連接された第１のクランクと同第１のクランクに
一端が連結され上記基台に揺動可能に軸承された水平連
結軸と同水平連結軸の他端に連結された第２のクランク
とからなる立体的ベルクランクと、上記第２クランクの
自由端部に開設され上記ロックピンの側面に突設された
作動ピンと摺動的に嵌合する長手方向の長孔と、上記基
台に付設され内挿された上記ロックピンを鉛直方向に摺
動自在に案内するロックピン支持孔とから構成されたこ
とにより、請求項１と実質的に同一の効果を奏すから、
本発明は産業上極めて有益なものである。

【００１４】請求項３の発明によれば、長方形デッキの
多段構造よりなり、各デッキの中央部を貫通して鉛直方
向に延びるエレベーター台を介して上記各デッキで前後
左右にそれぞれ配設された格納スペースに自動車上載パ
レットを入出庫するようにしたエレベーター式立体駐車
装置において、上記エレベーター台上の上面外周部であ
って、中心対称の少なくとも、２箇所にそれぞれ固着さ
れた各基台に揺動可能に枢支された駆動シリンダーと、
上記各基台に揺動可能に枢支され一端で上記駆動シリン
ダーの作動桿に連接され他端にストッパー突起が突設さ
れたベルクランクと車両を載置して上記エレベーター台
によって昇降搬送されるパレットのフレームの下面外周
部で少なくとも上記２箇所のストッパー突起に対応した
立面位置に形成されたストッパー嵌合孔とから構成され
たことにより、パレットのエレベーター台に対する相対
的水平方向移動及び浮き上がりを防止する立体駐車装置
のエレベーター台のパレット固定装置を得るから、本発
明は産業上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示すもので、パレットが
エレベーター台上に移動した状態を示す全体斜視図であ
る。

【図２】図１において、パレットがエレベーター台に固
定される直前におけるパレット固定装置を示す斜視図で
ある。

【図３】図２において、パレットがエレベーター台に固
定された状態のパレット固定装置を示す斜視図である。

【図４】本発明の第２実施例を示す斜視図であり、パレ
ットがエレベーター台に向かって移動しつつある状態を
示す。

【図５】公知の立体駐車場の駐車デッキを示す平面図で
ある。

【図６】図５のVI−VI矢視縦断面図である。

【符号の説明】

５ 昇降路 ６ エレベーター台 ７ パレット ７ａ フレーム １０ パレット固定装置 １１ ブラケット １１ａ クレビスブラケット １１ｂ 第２ブラケット １１ｃ 第３ブラケット １１ｂ′ ガイド孔 １１ｂ″ 長孔 １２ 駆動シリンダー １２ａ 作動桿（電気シリンダー） １３ ロックピン １３ａ 作動ピン １４ 運動変換手段 １４ａ クランク １４ｂ 連結軸 １４ｃ クランク １４ｄ 長孔 １５ ロックピン嵌合孔 ２０ パレット固定装置 ２１ａ クレビスブラケット ２２，２２ａ 駆動シリンダー（電気シリンダー） ２３ 凸型状ストッパー ２４ ベルクランク ２５ ストッパー嵌合孔

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長方形デッキの多段構造よりなり、各デ
   ッキの中央部を貫通して鉛直方向に昇降するエレベータ
   ー台を介して上記各デッキで前後左右にそれぞれ配設さ
   れた格納スペースに自動車上載パレットを入出庫するよ
   うにしたエレベーター式立体駐車装置において、エレベ
   ーター台の上面外周部であって中心対称の少なくとも２
   箇所にそれぞれ、固定された各基台に揺動可能に枢支さ
   れた駆動シリンダー及び上下動可能に案内された鉛直方
   向ロックピンと、同基台上に枢支され上記駆動シリンダ
   ーの伸縮ストロークを上記ロックピンの上下ストローク
   に変換する運動変換手段と、車両を載置して上記エレベ
   ーター台によって昇降搬送される水平長方形パレットの
   フレームの下面外周部であって前記２箇所のロックピン
   の直上位置に設けられたロックピン嵌合孔とを具えたこ
   とを特徴とする立体駐車場のエレベーター台のパレット
   固定装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、運動変換手段は、上
   記駆動シリンダーの作動桿の自由端に連接された第１の
   クランクと同第１のクランクに一端が連結され上記基台
   に揺動可能に軸承された水平連結軸と同水平連結軸の他
   端に連結された第２のクランクとからなる立体的ベルク
   ランクと、上記第２クランクの自由端部に開設され上記
   ロックピンの側面に突設された作動ピンと摺動的に嵌合
   する長手方向の長孔と、上記基台に付設され内挿された
   上記ロックピンを鉛直方向に摺動自在に案内するロック
   ピン支持孔とから構成されたことを特徴とする立体駐車
   場のエレベーター台のパレット固定装置。
3. 【請求項３】 長方形デッキの多段構造よりなり、各デ
   ッキの中央部を貫通して鉛直方向に延びるエレベーター
   台を介して上記各デッキで前後左右にそれぞれ配設され
   た格納スペースに自動車上載パレットを入出庫するよう
   にしたエレベーター式立体駐車装置において、上記エレ
   ベーター台上の上面外周部であって、中心対称の少なく
   とも２箇所にそれぞれ固着された各基台に揺動可能に枢
   支された駆動シリンダーと、上記各基台に揺動可能に枢
   支され一端で上記駆動シリンダーの作動桿に連接され他
   端にストッパー突起が突設されたベルクランクと、車両
   を載置して上記エレベーター台によって昇降搬送される
   パレットのフレームの下面外周部で少なくとも上記２箇
   所のストッパー突起に対応した立面位置に形成されたス
   トッパー嵌合孔とから構成されたことを特徴とする立体
   駐車場のエレベーター台のパレット固定装置。