JP2971242B2 - 高p含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

高p含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP2971242B2 JP11200392A JP11200392A JP2971242B2 JP 2971242 B2 JP2971242 B2 JP 2971242B2 JP 11200392 A JP11200392 A JP 11200392A JP 11200392 A JP11200392 A JP 11200392A JP 2971242 B2 JP2971242 B2 JP 2971242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高P含有高強度合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排気ガス規制の観点から、最近強
くなってきた自動車の軽量化の要求に答えることと、腐
食防止を目的として自動車の外板パネル用に高強度鋼板
を下地とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用する需要
が増大してきている。高強度鋼板の内、P含有高強度鋼
板はP含有量の増加に伴い鋼板の強度は増加するが、合
金化溶融亜鉛めっき鋼板製造時の合金化速度が遅くな
る。従来、低い強度のニーズに対しては従来は製造ライ
ンの通板速度を遅くする方法が採られていたが、材質確
保の観点から通板速度には下限値がある為、この方法で
はP添加量に制約があり、上記の高強度化のニーズに応
じきれないという問題点がある。そこで特願平3−10
285号のように焼鈍前にFe、Niプレめっきを施す
方法が提案されている。但し、プレめっき法ではめっき
設備が必要となるため、そのスペースがない場合は採用
できない。又プレめっき設備設置により生産コストが上
昇する問題も生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
の問題に対して、本発明はプレめっき設備のような新た
な設備を設置することなく、P含有が多い高強度鋼板の
製造を可能にする方法を提案するものである。すなわ
ち、自動車用防錆鋼板の高強度化のニーズに対応するた
めには、P含有高強度鋼板の合金化速度を向上する必要
が有る。そのため本発明者らは焼鈍プロセスの検討を行
った結果以下の知見を得た。酸化帯で鉄酸化膜を積極的
に生成させ、それを再び還元することにより鋼板表面に
純鉄層を形成し、鋼板最表面のP濃度が低下する。その
結果Pにより合金化を阻害されることが無くなるため、
Pの含有量が高い鋼種でも合金化可能になる。しかし、
純鉄層を形成しても還元帯内で鉄酸化膜の還元が終了し
てしまうと、その後めっきするまでの間にPが純鉄層へ
外方拡散し合金化を阻害してしまう。そこで鉄酸化膜が
200〜1000Åになる程度で還元を止め、該鋼板を
スナウトの下部つまりめっき直前に残りの鉄酸化膜の還
元をNa、K、Ca、Mg、Mnを1種または2種以上
含む還元性の蒸気にて行うことによりPを含有しない純
鉄層を確保し合金化速度を改善することが出来る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明法は以上の知見に
基づくものであって、その要旨とすべきところはPの含
有量が0.01〜0.2%である高強度鋼板に溶融亜鉛
めっきを施し、引き続いて加熱合金化を行なう際、酸化
帯に於て燃焼空気比0.9〜1.2の雰囲気中にて酸化
せしめ、その後の還元帯に於て鉄酸化膜厚みが200〜
1000Åの範囲で残留するように還元せしめた後、該
鋼板をNa、K、Ca、Mg、Mnを1種または2種以
上含む還元性の強い蒸気で還元し、溶融亜鉛めっきを施
した後、加熱合金化することを特徴とする、めっき密着
性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
である。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。
【作用】P含有高強度鋼板はP含有量の増加に伴い鋼板
の強度は増加するが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造時
の合金化速度が遅くなる為、合金化速度を向上しなけれ
ばP含有量が多い高強度鋼板は製造できない。合金化速
度低下の原因は、鋼中Pによる、めっき層/地鉄界面に
形成されるAl系合金層の鉄亜鉛合金化反応抑制効果の
強化である。本発明法を用いると、0.2%までの範囲
で任意の濃度のPを含有する鋼種に対して合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造が可能になるが、0.06%以下の
範囲では従来法である通板速度を下げる方法でも対応で
きるため、0.06〜0.2%の範囲が本発明法の利点
が最も生かされる範囲である。
【0006】先ず、溶融めっきラインに於ける酸化帯で
鉄酸化膜を数千Å生成させる。鉄酸化膜中はP等の物質
が拡散し難いので、鉄酸化膜中のP濃度は低くなる。こ
れを還元することにより、鋼板表面のP濃度が低い純鉄
層を形成する事が出来るので、合金化速度低下を防ぐこ
とが出来る。但し、鉄酸化膜を形成せしめる時の酸化帯
の燃焼空気比はPを含有しない純鉄層を形成するために
十分な鉄の酸化膜を生成するには0.9以上必要であ
り、0.9未満の場合は酸化膜を形成せしめることがで
きない。又、燃焼空気比が1.2%を越えると酸化帯内
で形成される鉄酸化膜厚が厚すぎて、次の還元帯、めっ
き浴内で還元しきれなくなり、酸化膜層がめっき層の下
に残るため合金化を阻害してしまう。よって、酸化帯の
燃焼空気比は0.9〜1.2の範囲に調節する必要があ
る。
【0007】鉄酸化膜厚は場所により不均一である為、
焼鈍後の鉄酸化膜厚が200Å以下になると鉄酸化膜は
部分的に還元されて純鉄の部分が生じる。純鉄部分はP
が鋼板内部から表面に拡散し、P濃度が高くなるので、
合金化速度が低下する。又、焼鈍後の鉄酸化膜厚が10
00Å以上になると、めっき浴内で還元しきれなくな
り、酸化膜層がめっき層の下に残るため合金化を阻害し
てしまう。よって、めっき浴浸入直前の鉄酸化膜厚は2
00〜1000Åの範囲になるように調節するべきであ
る。
【0008】更にスナウト下部すなわちめっき直前でN
a、K、Ca、Mgの1種又は2種以上含む還元性の強
い蒸気でめっき浴浸漬直前に鉄の酸化膜の還元を終了さ
せる。この方法だと鋼板が460℃付近まで冷却されて
いる上、鉄の酸化膜の還元が終了してから鋼板がめっき
浴に浸漬するまでの時間が殆ど0に近いためPが純鉄層
に拡散することはない。還元性の強い蒸気の導入方法の
例として次の2つがある。1つはスナウト内部にNa、
K、Ca、Mg、Mnの1種又は2種以上含む還元性の
強い物質をいれておき加熱装置により蒸気にする方法。
2つ目としてはスナウト外部においてNa、K、Ca、
Mg、Mnの1種又は2種以上含む還元性の強い物質を
加熱気化をし、水素、窒素の混合気とともにスナウト内
部に導入する方法である。又、還元性の気体蒸気をめっ
き浴面に接触した状態に固定するための技術として、窒
素カーテンにより気体蒸気をシールする方法がある。
【0009】ここでいうスナウトとは図1に示すように
溶融めっきラインに於ける冷却帯とめっき浴の間の部分
をシールする設備である。本発明法で使用するめっき浴
は通常合金化溶融亜鉛めっきで使用するものと同様のも
のである。更に、めっき処理を施した後、加熱合金化を
する。本発明法では完全にめっき不良が解消されている
ので加熱合金化処理ができるが、従来技術では加熱合金
化すると、僅かに発生しためっき不良が広がって逆に耐
食性が落ちてしまう。自動車用防錆鋼板にとって耐食性
は重要な性質である。
【0010】
【実施例】従来から使用されている合金化溶融めっきラ
インを使用して実施した結果を実施例として表1に示
す。試験方法は次の通り (1)めっき外観評価 めっき外観を合金化不良の発生程度により評価した。 ◎:均一に合金化、外観良好。 ○:合金化にムラ有り。 ×:めっき不良部有り。
【0011】(2)耐パウダリング性試験 めっき密着性は60°V曲げによるパウダリング試験に
より行なった。 ◎:剥離量 0mm ○:剥離量 0mm超、1mm以下 △:剥離量 1mm超、3mm以下 ×:剥離量 3mm超
【0012】(3)耐食性試験 JIS Z 2371による塩水噴霧試験を1000時
間連続して行い、板厚減少量の比較調査。 ◎:板厚減少量が極小 ○:板厚減少量が小 ×:板厚減少量が大
【0013】
【表1】
【0014】表1に於ける1〜5は鋼板中P濃度を変え
た例、6〜7は酸化帯板温を変えた例、8〜9は酸化帯
中空気比を変えた例、10〜11は還元帯板温を変えた
例、16、17は還元帯の水素濃度を変えた例、18〜
20は加熱合金化炉板温を変えた例、21〜22は加熱
合金化時間を変えた例、23〜26は還元性気体の種類
を変えた例、27はHot材について試験を行なったも
の、28、29は比較例であり、28は還元性の蒸気を
使用していないため不適な例、29は予め酸化膜を生成
しなかった為不適な例である。
【0015】
【発明の効果】本発明法に従うとプレめっき設備のよう
な新たな設備を設置することなく、P含有高強度鋼板を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の概念図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pの含有量が0.01〜0.2%である
    高強度鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、引き続いて加熱合
    金化を行なう際、酸化帯に於て燃焼空気比0.9〜1.
    2の雰囲気中にて酸化せしめ、その後の還元帯に於て鉄
    酸化膜厚みが200〜1000Åの範囲で残留するよう
    に還元せしめた後、該鋼板をNa、K、Ca、Mg、M
    nを1種または2種以上含む還元性の強い蒸気で還元
    し、溶融亜鉛めっきを施した後、加熱合金化することを
    特徴とする、めっき密着性に優れた高強度合金化溶融亜
    鉛めっき鋼板の製造方法。
JP11200392A 1992-05-01 1992-05-01 高p含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP2971242B2 (ja)

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