JP2971243B2 - P含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

P含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、P含有高強度合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排気ガス規制の観点から、最近強
くなってきた自動車の軽量化の要求に答えることと、腐
食防止を目的として自動車の外板パネル用に高強度鋼板
を下地とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用する需要
が増大してきている。高強度鋼板の内、P含有高強度鋼
板はP含有量の増加に伴い鋼板の強度は増加するが、合
金化溶融亜鉛めっき鋼板製造時の合金化速度が遅くな
る。従来、低い強度のニーズに対しては従来は製造ライ
ンの通板速度を遅くする方法が採られていたが、材質確
保の観点から通板速度には下限値がある為、この方法で
はP添加量に制約があり、上記の高強度化のニーズに応
じきれないという問題点がある。そこで特開平2−38
549号公報のように焼鈍前にプレめっきを施す方法が
提案されている。但し、プレめっき法ではめっき設備が
必要となるため、そのスペースがない場合は採用できな
い。又プレめっき設備設置により生産コストが上昇する
問題も生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、従来技
術の問題に対して、本発明はプレめっき設備のような新
たな設備を設置することなく、P含有が多い高強度鋼板
の製造を可能にする方法を提案するものである。すなわ
ち、自動車用外板パネルの高強度化のニーズに対応する
ためには、P含有高強度鋼板の合金化速度を向上する必
要が有り、そのため本発明者らは焼鈍条件やめっき浴組
成の検討を行った結果以下の知見を得た。酸化帯で鉄酸
化膜を積極的に生成させ、それを再び還元することによ
り鋼板表面に純鉄層を形成する。その結果Pにより合金
化を阻害されることが無くなるため、Pの含有量が高い
鋼板でも合金化可能になる。しかし、純鉄層を形成して
も、還元帯内で鉄酸化膜を全部還元してしまうと、冷却
炉内でPが純鉄層へ外方拡散し、合金化を阻害してしま
う。そこで鉄酸化膜が200〜1000Åになる程度で
還元を止め、残りの鉄酸化膜の還元をめっき浴中で行な
うことによりPを含有しない純鉄層を確保出来る。但し
鉄酸化膜の還元をめっき浴中で行なう為にはめっき浴の
還元力を向上する必要がある。最も簡便に還元力を高く
する方法は、めっき浴中のAl濃度を高くすることであ
るが、AlはFeと反応性が高いため選択的に反応し、
めっき層/地鉄界面にFe−Zn合金化反応を阻害する
Fe−Zn−Al合金層を形成する。またAl濃度が高
くなると合金化速度が低下する為、この方法は不適であ
る。そこで還元性を向上するため、本発明法はAl濃度
を増加せずにMn、Mg、Caの内1種又は2種以上を
0.05〜0.2%添加する方法を採用したものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の知見に基
づいてなされたものであって、その要旨とすべきところ
は、Pの含有量が0.01%以上である高強度鋼板に連
続的に溶融亜鉛めっきを施し、引き続いて加熱合金化を
行なう際、酸化帯に於て燃焼空気比0.9〜1.2の雰
囲気中にて酸化せしめ、その後の還元帯に於て鉄酸化膜
厚みが200〜1000Åの範囲で残留するように還元
せしめた後、Alを0.05〜0.2%、Mn、Mg、
Ca、Ti、V、Cr、Co、Ceの内1種または2種
以上をそれぞれ0.05〜0.2%含有し、残部Znよ
りなる亜鉛めっき浴を用いて溶融めっき処理を行ない、
更に加熱合金化することを特徴とするP含有高強度合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。
【作用】P含有高強度鋼板はP含有量の増加に伴い鋼板
の強度は増加するが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造時
の合金化速度が遅くなる為、合金化速度を向上しなけれ
ばP含有量が多い高強度鋼板は製造できない。合金化速
度低下の原因は、鋼中Pによる、めっき層/地鉄界面に
形成されるAl系合金層の鉄亜鉛合金化反応抑制効果の
強化である。本発明法を用いると、0.2%までの範囲
で任意の濃度のPを含有する鋼種に対して合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造が可能になるが、0.06%以下の
範囲では従来法である通板速度を下げる方法でも対応で
きるため、0.06〜0.2%の範囲が本発明法の利点
が最も生かされる範囲である。
【0006】先ず、連続式溶融めっきラインに於ける酸
化帯で鉄酸化膜を数千Å生成させる。鉄酸化膜中はP等
の物質が拡散し難いので、鉄酸化膜中のP濃度は低くな
る。これを還元することにより、鋼板表面のP濃度が低
い純鉄層を形成する事が出来るので、合金化速度低下を
防ぐことが出来る。但し、鉄酸化膜を形成せしめる時の
酸化帯の燃焼空気比はPを含有しない純鉄層を形成する
ために十分な鉄の酸化膜を生成するには0.9以上必要
であり、0.9未満の場合は酸化膜を形成せしめること
ができない。又、燃焼空気比が1.2%を越えると酸化
帯内で形成される鉄酸化膜厚が厚すぎて、次の還元帯、
めっき浴内で還元しきれなくなり、酸化膜層がめっき層
の下に残るため合金化を阻害してしまう。よって、酸化
帯の燃焼空気比は0.9〜1.2の範囲に調節する必要
がある。
【0007】鉄酸化膜厚は場所により不均一である為、
焼鈍後の鉄酸化膜厚が200Å以下になると鉄酸化膜は
部分的に還元されて純鉄の部分が生じる。純鉄部分はP
が鋼板内部から表面に拡散し、P濃度が高くなるので、
合金化速度が低下する。又、焼鈍後の鉄酸化膜厚が10
00Å以上になると、めっき浴内で還元しきれなくな
り、酸化膜層がめっき層の下に残るため合金化を阻害し
てしまう。よって、めっき浴浸入直前の鉄酸化膜厚は2
00〜1000Åの範囲になるように調節するべきであ
る。めっき浴中で酸化膜を還元する為、めっき浴の還元
力が高い必要がある。最も簡便に還元力を高くする方法
は、めっき浴中のAl濃度を高くすることであるが、A
l濃度が高くなると合金化速度が低下する為、この方法
は不適である。合金化速度を低下させることなく還元性
を向上するため、本発明法では、Mn、Mg、Caの内
1種又は2種以上をそれぞれ0.05〜0.2%含有
し、残部Znよりなる亜鉛めっき浴を用いた。
【0008】
【実施例】従来使用されている連続式溶融めっきライン
を使用し製造した例を実施例として表1に示す。試験方
法は次の通り (1)めっき外観 ◎:均一に合金化、外観良好。 ○:合金化にムラ有り。 ×:めっき不良部有り。
【0009】(2)耐パウダリング性試験 めっき密着性は60°V曲げによるパウダリング試験に
よって評価した。 ◎:剥離量 0mm ○:剥離量 0mm超、1mm以下 △:剥離量 1mm超、3mm以下 ×:剥離量 3mm超
【0010】(3)耐食性試験 JIS Z 2371による塩水噴霧試験を1000時
間連続して行い、板厚減少量の比較調査。 ◎:板厚減少量が極小 ○:板厚減少量が小 △:板厚減少量が大
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】表1及び表2に於ける1〜8は鋼板中P濃
度を0.01〜0.2%まで変えた例、9はhot材に
適用した例、10〜14は酸化帯内板温を400〜80
0℃に変えた例、15〜16は酸化帯空気比を0.95
〜1.2に変えた例、17〜20は還元帯内板温を70
0〜1000℃に変えた例、22〜23は還元帯の水素
濃度を20〜30%に変えた例、24〜54はめっき浴
組成を変えた例、60〜61は加熱合金化炉内板温を変
えた例、62〜64は合金化時間を変えた例、65〜7
1は比較例である。その内66は燃焼空気比が低い為十
分な純鉄層が形成できないため不適な例、67〜71は
めっき浴のAl濃度が高すぎるため合金化速度が低下し
て不適な例である。
【0014】
【発明の効果】本発明法に従うとプレめっき設備のよう
な新たな設備を設置することなく、P含有高強度鋼板を
製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pの含有量が0.01〜0.2%である
    高強度鋼板に連続的に溶融亜鉛めっきを施し、引き続い
    て加熱合金化を行なう際、酸化帯に於て燃焼空気比0.
    9〜1.2の雰囲気中にて酸化せしめ、その後の還元帯
    に於て鉄酸化膜厚みが200〜1000Åの範囲で残留
    するように還元せしめた後、Alを0.05〜0.2
    %、Mn、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Co、Ceの
    内1種又は2種以上をそれぞれ0.05〜0.2%含有
    し、残部Znよりなる亜鉛めっき浴を用いて溶融めっき
    処理を行ない、更に加熱合金化処理することを特徴とす
    るP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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