JP3870891B2 - 高強度冷延鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度冷延鋼板に関し、特に、自動車車体などに用いられ、且つ必要に応じて溶融めっき、めっき後の合金化処理などが施される高強度冷延鋼板に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、排気ガス規制の観点から、自動車車体の軽量化が叫ばれている。そして、この車体軽量化の有効な手段の一つとして板厚を薄くする方法があるが、この方法を用いる場合には、安全性確保の面から板厚を薄くした分に見合うよう板自体の強度を高める必要がある。そこで、従来は、鋼中にSi、Mn、Cr、P等の所謂固溶強化元素を複合添加したり、あるいはC、Mnを主に添加して、鋼板の高強度化が図られている。
【0003】
ところで、上記のような高強度鋼板は、優れた材質を確保するため、製造過程において、冷間圧延後800℃以上の高温で焼鈍される。また、耐食性を付与するため、上記焼鈍後に、めっきや化成処理などが施されることがある。その焼鈍は、通常、N2 −H2 の雰囲気下で行うが、この雰囲気はFeに関しては還元性雰囲気であるが、Si、Mn、Cr、Pなどに関しては酸化性の雰囲気であり、これら元素は、選択的に酸化されて酸化物となり鋼板表面に濃化する。そして、この鋼板に例えば溶融亜鉛めっきを施した場合、上記酸化物が溶融亜鉛と鋼板との濡れ性を低下させ、鋼板表面で所謂「不めっき」現象をしばしば引き起こす。さらに、焼鈍後に脱脂や酸洗を施しても、これら酸化物は鋼板から完全には除去できないので、電気めっきや化成処理などを施すに際しては、「不めっき」現象や化成処理液の「はじき」などを引起こすことが多い。つまり、めっき性、化成処理性などに優れた高強度冷延鋼板は、得がたいものであった。
【0004】
これらの問題点のうち、溶融めっき性の改善のため、溶融めっきに先立って鋼板の表面にNiによる下地めっきを施す方法が提案された(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、Siを0.1wt%以上3.0wt%以下含有する鋼板、もしくはCを0.03〜0.10wt%、Siを0.001〜0.10wt%未満、Mnを0.5〜2.0wt%、Pを0.01〜0.10wt%、Moを0.50wt%以下をそれぞれ含有する鋼板を対象とした場合、付着量が10g/m2 以上のNiめっきを施すことが必要になり、製造コストの大幅上昇を招いた。そして、このような大量のNiめっきを施すと、溶融亜鉛めっきと鋼板との濡れ性は確かに改善されるが、合金化過程においてめっき表面にSi、Niに起因する欠陥が多発するという別の問題が生じた。
【0005】
また、上記Niめっきに代え、鋼板の表面にFeの下地めっきを施す方法がある(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、Si添加鋼の「不めっき」を防止することはできたが、そのために5g/min2 以上のFeをめっきする必要があり、Niの場合と同様極めて不経済であった。
【0006】
さらに、、冷延後にあらかじめ鋼板を酸化して表層に鉄酸化膜を形成させ、その後還元焼鈍することによって、合金元素の酸化物被膜の形成を抑制してから所望のめっきを施す方法が開示された(特許文献3及び4参照)。しかしながら、これらの方法は、還元焼鈍でめっき前に残存する鉄酸化膜の厚みを一定値以下に制御する方法であるため、還元焼鈍で還元されすぎてしまい、合金元素が表面に濃化してかえってめっき性が不良となる問題、つまり酸化膜と還元量のバランスが崩れるという問題があった。加えて、この過還元を防ぐには、鉄酸化物の膨大量が必要になるため、圧延時にロールなどによって鉄酸化物皮膜が剥離してしまい、その後の還元焼鈍時に合金元素の選択酸化が起ってめっき性が阻害されたり、剥離した鉄酸化物の皮膜が焼鈍炉内に散乱して、操業に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0007】
以上述べたように、自動車用高強度材料として現在魅力のある高強度鋼板であっても、これを溶融めっきなどを施した後に耐食性の良好な表面処理鋼板として使用するには、まだまだ改良の余地が残されているのが実状である。
【0008】
【特許文献1】
特公昭61−9386号公報(3頁、左欄の13〜22行)
【特許文献2】
特開昭57−70268号公報(3頁、左上欄の17行〜右上欄の6行)
【特許文献3】
特開昭55−122865号公報(2頁、右上欄の6〜18行)
【特許文献4】
特開平4−254531号公報(2頁、右欄の段落[0008])
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情を鑑み、鋼板の母材に工夫をこらして、溶融めっき時の「不めっき」やめっき後の合金化処理時の「合金化むら」を生じさせることなく、溶融めっき性及びめっき後の合金化処理性に優れた高強度冷延鋼板を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記したように、Si、Mn等の固溶強化元素が複合添加されている高強度冷延鋼板に、溶融めっきを施すと、これら元素が表面に濃化して皮膜を形成し、溶融亜鉛や化成処理液と鋼板との濡れ性を阻害するため「不めっき」が発生する。また、表面濃化量とめっき性、合金化速度には相関があり、表面濃化量の少ない方がめっき性が良くなるし、合金化速度は速くなることは、既に知られている。
【0011】
そこで、発明者は、表面濃化を抑制するための鋼板の表層構造の詳細な検討を鋭意行った。
【0012】
その結果、ある特定した成分を含有する高強度冷延鋼板表層の結晶粒界及び粒内に、予めSiO ,MnO,FeSiO ,Fe SiO ,MnSiO ,Mn SiO ,P 等の酸化物を生成させておくと、該高強度鋼板の溶融めっき性及びめっき後の合金化処理性を飛躍的に向上させることを見いだし、本発明を完成させた。
【0013】
すなわち、本発明は、溶融めっきに供される高強度冷延鋼板であって、Si:0.1〜3.0wt%、C:0.002〜0.070wt%、Mn:0.8〜2.0wt%、P:0.04〜0.1wt%,Cr: 2. 0wt%以下,B:0.3wt%以下,Mo:0.3wt%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物元素からなる高強度冷延鋼板の、鋼板表層から0.1〜100μmの深さまでの結晶粒界及び結晶粒内に、SiO,MnO,FeSiO,FeSiO,MnSiO,MnSiO及びPから選ばれた1種以上の酸化物が形成されてなることを特徴とする高強度冷延鋼板である。
【0014】
また、本発明は、溶融めっきに供される高強度冷延鋼板であって、
鋼板の組成元素として、
C:0.03〜0.10wt%
Si:0.00〜0.10wt%未満
Mn:0.5〜2.0wt%
P:0.01〜0.10wt%
Mo:0.50wt%以下
Cr:0.01wt%以下
を含有し、残部はFe及び不可避不純物元素からなる高強度冷延鋼板の、鋼板表層から0.1〜100μmの深さまでの結晶粒界及び結晶粒内に、SiO,MnO,FeSiO,FeSiO,MnSiO,MnSiO及びPから選ばれた1種以上の酸化物が形成されてなることを特徴とする高強度冷延鋼板である。
【0015】
かかる本発明によれば、溶融めっき時の「不めっき」やめっき後の合金化処理時の「合金化むら」を生じさせることなく、溶融めっき性及びめっき後の合金化処理性に優れた高強度冷延鋼板を製造できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る高強度冷延鋼板の表層内の結晶粒界及び粒内に存在する酸化物は、該鋼板を冷間圧延する前段階の熱間圧延時に生成させておく。特に、熱延後のコイル巻取温度が高く、その後の冷却速度が遅い場合に、それら酸化物が成長する。粒界に形成された酸化物の様子を図1に示すが、所謂黒皮の直下にそれが観察される。この酸化物をEPMAで分析した結果を図2に示す。図2より、Si、Mn、P、Oのピークが見られることから、これら元素の酸化物が生成していることがわかる。また、熱延鋼板の表層のレプリカを取りTEM(透過型電子顕微鏡)により観察した結果を図3に示す。図3より、粒界だけでなく、表層の結晶粒内にも析出物が確認される。これをEDXにより元素の成分分析した結果を表1に示す。表1より、粒界については、Fe、Mn、Siなど、粒内については、Mn、Siなどが確認できる。また、レプリカにより剥離可能であること及びこれらの元素の鋼中における存在形態を鑑みるに、これらの元素は酸化物を形成しているものと考えられる。
【0018】
【表1】
Figure 0003870891
【0019】
さらに、これら鋼板表層直下に存在する酸化物は、熱間圧延段階で形成した黒皮直下の酸化物が、その後の酸洗、冷延、焼鈍などの工程を経ても残存するものである。図4には、冷延及び焼鈍後の本発明に係る鋼板をグロー放電(GDS)による発光分析法で、表層から10μm程度の深さまで元素分析した結果を示す。それによれば、表層からの深さ0.5〜3μm程度にみえるSi、Mn、Pのピークが上記の酸化物に相当する。
【0020】
通常、CGLでの還元焼鈍では、Si、Mnなどは選択酸化されて表面濃化するが、本発明に係る高強度冷延鋼板では、これら元素が鋼板表面近傍のバルクから表面へ移動しにくくなり、逆に酸素の内部への移動が促進されるため、内部酸化層が生成し、再表面での表面濃化が抑制される。言い換えると、表層酸化物層により、金属元素の外方向拡散(表面濃化)から酸素の内方向拡散(内部酸化)に変化する。そのため、鋼板表面にはめっき密着性や化成処理性を悪くするSi、Mnなどの酸化物皮膜が存在せず、該鋼板の性能は良好となる。従って、本発明によれば、Si、Mn等の合金元素が複合添加されている高強度鋼板の各種表面処理性、具体的には溶融めっき性及びめっき後の合金化処理性が飛躍的に向上するのである。
【0021】
ここで、溶融めっき性について例を挙げれば、鋼中にSiを0.1wt%以上3.0wt%以下含有する、もしくはCを0.03〜0.10wt%、Siを0.001〜0.10wt%未満、Mnを0.5〜2.0wt%、Pを0.01〜0.10wt%、Moを0.50wt%以下、それぞれ含有するが、前記表層の結晶粒界や粒内に酸化物を含まない高強度冷延鋼板を通常プロセスで溶融めっきすると、めっき前の焼鈍過程で鋼中のSiやMnが鋼板表面の加熱によって選択的に酸化され、SiやMnの酸化物が鋼板表面に形成する。このSiやMnの酸化物は還元焼鈍でも還元されないので、鋼中のSi含有量の増加にともない該鋼板と溶融亜鉛との濡れ性が急激に低下し、所謂「不めっき」が発生する。
【0022】
しかしながら、本発明では、鋼板表層内に予め酸化物を形成させておくので、前記表面濃化が抑制され、SiやMnの酸化物が鋼板表面に形成しない。その効果は、Siを0.1wt%以上もしくはMnを0.5wt%以上含有する場合が最も大きい。
【0023】
なお、本発明に係る高強度冷延鋼板に適用できる溶融めっき方法としては、溶融亜鉛めっきに限らず、溶融アルミニウムめっきや溶融アルミニウム−亜鉛めっきである5%アルミニウム−亜鉛めっき(通称、ガルバリウムめっき)等である。これは、SiやMnなどの酸化物の表面への濃化が抑制されるため、亜鉛に限らずアルミニウムなどの溶融金属と鋼板との濡れ性が改善されるためである。従って、結局のところ高強度冷延鋼板の表層に予め酸化物を生成せしめておくことで、SiやMnなどの酸化物の表面への濃化が抑制されるため、SiやMnの添加物の多い高強度鋼板でも金属種を問わず溶融めっき性が良好になるわけである。
【0024】
また、めっき後の合金化についても同様で、表面濃化量と相関があるのはめっき性だけでなく、合金化速度とも相関があり、表面濃化量の少ない方がめっき性がよくなるし、合金化速度は速くなることが確認されている。従って、Si、Mn、Cr、Pなどの強化元素が添加された高強度冷延鋼板の溶融めっき性及びめっき後の合金化処理性を飛躍的に向上させるためには結局のところSi、Mnなどの表面濃化を顕著に抑制することが最も効果的かつ適切である。
【0025】
次に、本発明で採用した成分や他の条件の限定理由を説明する。
【0026】
第1発明でSi量の下限を0.1wt%,第2発明でMn量の下限を0.5wt%としたのは、これより少ない範囲では本発明を適用しなくても通常のラジアント・チューブ(RTH)型や無酸化炉(NOF)型CGLを用いて良好な溶融亜鉛めっきが可能だからである。また、合金化反応についても、特に合金化反応速度の低下は見られず、従来と同様の合金化設備や合金化温度、合金化時間、加熱時の昇温速度、冷却時の冷却速度などにて合金化が可能であることから、第1発明では、Si量を0.1wt%以上、あるいは第2発明では、Mn量を0.5wt%以上とする。
【0027】
第1発明でSi量の上限を3.0wt%,第2発明でMn量の上限を2.0wt%としたのは、Si量が3.0wt%を超える、もしくはMn量が2.0wt%を超えると、鋼板表面に酸化膜を形成し、めっき浴との密着性を著しく低下させるためである。
【0028】
第2の発明は、Siが0.1wt%未満の場合でも、上述のようにMnを2.0〜0.5wt%に限定することのみで、本願の特性を有する高強度冷延鋼板を得るものであり、Siの下限値0.001wt%は不可避的な含有量である。
【0029】
同様に、鋼中にCrを0.1wt%以上、2.0wt%以下含有する高強度鋼板においても、鋼中のCrが焼鈍過程において鋼板表面の加熱によって選択的に酸化され、鋼板表面に拡散されるため、これらの酸化物が濃化し、鋼板表面で皮膜を形成する。また、この酸化物層は、酸洗によっても充分には除去されず、鋼板と溶融亜鉛との濡れ性を著しく阻害し、鋼板に溶融亜鉛が付着しない、所謂「不めっき」がしばしば起る。
【0030】
しかしながら、本発明では、高強度鋼板の表層の結晶粒界及び粒内に、酸化物を生成させると、Si、Mn、P、Crなどの表面濃化が抑制され、これらの酸化物が鋼板表面に形成しないため、「不めっき」がおこらない。そのため、鋼中にCrを0.1wt%以上2.0wt%以下含有する高強度冷延鋼板に対しても、本発明は効果がある。
【0031】
Pは、深絞り性の劣化が少なく鋼板を硬化できること、Bは、鋼の二次加工脆性に絶大な効果を有することから、高強度鋼板には必須の元素である。これらは、焼鈍過程において鋼板表面の加熱によって選択的に酸化され、鋼板表層に拡散されるが、溶融亜鉛との濡れ性を著しく阻害することはない。また、焼鈍後の脱脂酸洗が充分でなく表層に残存したとしても「不めっき」の原因にもなりにくい。しかし、Pについては多量に含有すると、合金化遅延を引き起こす恐れがあることから、0.10wt%以下とするが、Bについては特に含有量の限定はしない。
【0032】
加えて、Moの添加は、鋼板の機械的特性を向上させる効果がある。そのため、本発明ではその含有量を0.5wt%以下とする。
【0033】
一方、酸化物層の厚みを0.1以上、100μm以下に限定したのは、0.1μm以下であると、本発明に係る酸化物の生成量そのものが少ないため、表面濃化を抑制することができなくなるからであり、100μm以上であると、酸化物は脆ので、鋼板自身の機械的特性が低下する恐れがあるからである。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明の内容を補足する。
【0035】
表2に示す組成の高強度鋼板を熱間圧延後、酸洗し冷間圧延を行った。その後、前記した各種表面処理を施し、表3及び4に挙げたような表面処理鋼板を製造した。その条件は、1200から1250℃でスラブ加熱を実施してから熱間圧延を行った後、860〜910℃にて仕上圧延し、巻取温度450〜740℃でコイル状に巻き取りを行った。ついで、該熱延鋼板の黒皮を酸洗で除去し、その後、冷間圧延、還元焼鈍、各種表面処理を施した。還元焼鈍は、表2の鋼種でNo.1が850℃、No.2が880℃、No.3が840℃、No.5が860℃、No.6が870℃、No.7が860℃、No.8が850℃、No.9が870℃で行った。また、表3及び4中で「厚み」とは、鋼板表層から酸化物が分布する範囲の厚みを表す。なお、No.8は、化学組成が第2発明に該当するもので、この場合結晶粒界及び粒内に生じるめっき性の改良に有効な酸化物は、Si含有量が少ないことからMnO,P が主体となる。
【0036】
【表2】
Figure 0003870891
【0037】
【表3】
Figure 0003870891
【0038】
【表4】
Figure 0003870891
【0039】
表面処理方法としては、溶融亜鉛めっき浴はアルミ濃度を0.16%添加した浴で、めっき温度は480℃とした。溶融めっき、合金化等の表面処理方法を施した鋼板の外観性については、目視で観察した上で良好か否か、「不めっき」発生があるか否か、「付着量むら」があるか等を判断した。合金化処理温度については、430℃から600℃の温度範囲で種々変更した。合金化状態については、合金化後、目視で合金化むら、合金化遅延などが起っていないかどうか確認したうえで評価した。なお、鋼板表層直下の酸化物の有無観察は、断面研磨後1%ナイタール液によりエッチングして行った。
【0040】
上記のようにして製造した各種表面処理の結果を前記表3、表4及び表5に示す。本発明の請求範囲外の場合(比較例)、「不めっき」、また酸化物層が150μmと厚い場合は鋼板自身の機械的特性が劣化するなど、様々な不具合が発生した。しかし、本発明の請求範囲内の場合(実施例)、「不めっき」はおろか、鋼板自身の機械的特性の劣化などいかなる不具合も生じなかった。
【0041】
【表5】
Figure 0003870891
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る鋼板表層の結晶粒界及び粒内に酸化物が生成せしめられている高強度冷延鋼板は、Si、Mn、Crなどを含有していても、普通鋼と同様に効率的に従来困難であった各種表面処理を施すことが可能であり、高機能表面処理鋼板の製造に対し極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延鋼板表層の結晶粒界にある酸化物層を示す図である。
【図2】上記酸化物層のEPMAによる断面分析結果を示す図である。
【図3】本発明に係る高強度冷延鋼板の電子顕微鏡による断面を示す図である。
【図4】グロー放電による鋼板断面の深さ方向分析結果を示す図である。
【符号の説明】
1 粒界
2 粒内
3 黒皮
4 鋼板表面
5 酸化物層

Claims (2)

  1. 溶融めっきに供される高強度冷延鋼板であって、
    Si:0.1〜3.0wt%、C:0.002〜0.070wt%、Mn:0.8〜2.0wt%、P:0.04〜0.1wt%,Cr: 2.0 wt%以下,B:0.3wt%以下,Mo:0.3wt%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物元素からなる高強度冷延鋼板の、鋼板表層から0.1〜100μmの深さまでの結晶粒界及び結晶粒内に、SiO,MnO,FeSiO,FeSiO,MnSiO,MnSiO及びPから選ばれた1種以上の酸化物が形成されてなることを特徴とする高強度冷延鋼板。
  2. 溶融めっきに供される高強度冷延鋼板であって、
    鋼板の組成元素として、
    C:0.03〜0.10wt%
    Si:0.00〜0.10wt%未満
    Mn:0.5〜2.0wt%
    P:0.01〜0.10wt%
    Mo:0.50wt%以下
    Cr:0.01wt%以下
    を含有し、残部はFe及び不可避不純物元素からなる高強度冷延鋼板の、鋼板表層から0.1〜100μmの深さまでの結晶粒界及び結晶粒内に、SiO,MnO,FeSiO,FeSiO,MnSiO,MnSiO及びPから選ばれた1種以上の酸化物が形成されてなることを特徴とする高強度冷延鋼板。
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