JP2970079B2 - 船外機のエンジン潤滑構造 - Google Patents

船外機のエンジン潤滑構造

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JP2970079B2 JP3161705A JP16170591A JP2970079B2 JP 2970079 B2 JP2970079 B2 JP 2970079B2 JP 3161705 A JP3161705 A JP 3161705A JP 16170591 A JP16170591 A JP 16170591A JP 2970079 B2 JP2970079 B2 JP 2970079B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船外機のエンジン潤滑
構造に係り、特に大型で高出力な4サイクルエンジンに
対し、エンジン内各部に充分な量の潤滑オイルを供給で
きるようにした、船外機のエンジン潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に船外機のエンジンは、クランクシ
ャフトが直立する姿勢でケーシング上に搭載され、エン
ジンの出力は上記ケーシング内に鉛直に軸支されたドラ
イブシャフトによって下方のプロペラに伝達される。
【0003】このようなエンジンが4ストロークエンジ
ンである場合、潤滑オイルは、エンジンの下部に設けら
れたオイルパンよりオイルポンプによって汲み上げら
れ、エンジン内の各潤滑部に送られた後、エンジンケー
ス内の底部に落下し、この場所に設けられた排油路を流
下して上記オイルパンへ戻る。
【0004】4ストロークエンジンを搭載した従来の船
外機の多くは、比較的小型で低出力のものであり、潤滑
オイルの循環量が少ないので、上述したようにエンジン
ケースの底部に設けられる排油路は、小さな形状のもの
を1カ所設けるだけで充分に潤滑オイルをオイルパンに
戻すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年増加し
つつある大型で大出力の4ストロークエンジンを搭載し
た船外機では、大荷重や大熱量に対処してエンジン内の
各潤滑部に多量の潤滑オイルを供給する必要があるの
で、この多量の潤滑オイルをエンジンケース内からすみ
やかにオイルパンへ戻すためには、前記排油路を大型
化、若しくは多数化してやらなければならない。
【0006】しかしながら、船外機の4ストロークエン
ジンは、一般にエンジンとオイルパンとの間にオイルポ
ンプなどの部品が設置されるため、上記排油路を設ける
スペースが限られており、エンジンケース内、特にクラ
ンク室の排油を充分に行うことができない。
【0007】このため従来の船外機の4ストロークエン
ジンは、クランク室に潤滑オイルが残留する傾向があ
り、クランクシャフトが潤滑オイルに浸って回転抵抗と
なる上、結果的にオイルパン内の潤滑オイルが不足気味
となるため、エンジンが大型で大出力である場合には動
弁装置を始めとするエンジンの他の部分へ、大出力に見
合う充分な量の潤滑オイルを供給することができない。
【0008】また従来の4ストローク船外機エンジンの
場合、動弁装置の各潤滑部へ潤滑オイルを供給する経路
あるいは潤滑オイルを噴射する構造などが大出力エンジ
ン向けに考慮されたものではなく、適正な潤滑状態が得
られない恐れがあった。
【0009】本発明は、上述した問題点を考慮してなさ
れたもので、クランク室の排油性を向上させることによ
ってクランクシャフトの回転抵抗をなくすとともにエン
ジン各部、特に動弁装置により多くの潤滑オイルを供給
し、大出力に見合う良好な潤滑状態を得ることのできる
船外機のエンジン潤滑構造を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するめ、
本発明に係る船外機のエンジン潤滑構造は、クランクシ
ャフトが直立する姿勢で4ストロークエンジンを搭載す
る船外機のエンジン潤滑構造において、最下シリンダ周
囲のウォータジャケットを一部区画して集油室を設け、
この集油室を最下クランク室およびオイルパンに開口さ
せてクランク室主排油路を構成し、上記集油室のクラン
ク室側開口部を、最下クランクホイールの遠心力により
飛散する潤滑オイルが集まる場所に設けたものである。
【0011】一方、本発明に係る船外機のエンジン潤滑
構造は、上記目的達成のため、エンジンとエンジンホル
ダとの間に配置されるオイルポンプおよびマウントブラ
ケットを貫通し、最下クランク室とオイルパンとを連通
させるクランク室副排油路を設けたものである。
【0012】またロッカシャフトがカムホルダに挿通さ
れる部分に環状溝を設け、この環状溝にロッカシャフト
内部送油路へ継がる導油孔を穿設する一方、上記環状溝
をシリンダヘッド送油路およびカムシャフト軸受に連通
させるカムホルダ送油路をカムホルダ内部に形成してい
る。
【0013】さらに、ロッカシャフトに設けられた給油
孔に一致するようカムホルダに噴射孔を設け、これら給
油孔および噴射孔の方向を、他方のロッカシャフトに軸
支されたロッカアームの摺動部に指向させたものであ
る。
【0014】
【作用】船外機のエンジン潤滑構造をこのように構成す
ることにより、最下クランク室内の潤滑オイルは、大半
が最下クランクホイールの遠心力によってクランク室主
排油路の集油室に飛び込み、迅速にオイルパンへ戻る。
また、集油室に入らなかった潤滑オイルはクランク室副
排油路を経てオイルパンに戻るので最下クランク室に潤
滑オイルが残留することはない。このためクランクシャ
フトが潤滑オイル中に浸ることがなく、クランクシャフ
トは常時スムーズに回転できる。またオイルパン内の潤
滑オイルが不足する恐れがなく、多量の潤滑オイルを、
動弁装置を始めとするエンジン各部へ送ることが可能と
なる。
【0015】さらに、上記動弁装置へ潤滑オイルを送る
ロッカシャフト内部送油路に潤滑オイルが流入する際の
流入抵抗が非常に小さくなり、潤滑オイルの供給量を増
大できる。
【0016】また、多量の潤滑オイルを吸、排気側双方
のロッカアームの摺動部へ的確に噴射させることが可能
となり、大出力エンジンに見合う良好な潤滑状態を得る
ことができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。
【0018】図1は、本発明に係る船外機のエンジン潤
滑構造を備えた船外機1の右側面図である。
【0019】この船外機1は、ケーシング2の最上部に
載置された略平板状のエンジンホルダ3の上に、クラン
クシャフト4を直立させる姿勢でエンジン5を載置し、
このエンジン5の出力をケーシング2内に垂設されたド
ライブシャフト6と、前後進切換装置7を介してプロペ
ラシャフト8に伝達し、プロペラ9を正転、若しくは逆
転駆動させる一般的なレイアウトを持つものである。
【0020】エンジンカバー11に被装された上記エン
ジン5は、例えば大型かつ大出力の4ストロークエンジ
ンであり、エンジンホルダ3の下部にはエンジン5に連
通するオイルパン12が設置されている。
【0021】そして上記ケーシング2とエンジンホルダ
3に枢着されたクランプブラケット13によって船外機
1は船体14に対して左右回動自在に取り付けられ、船
体14を推進させ、操舵を行う。
【0022】図2はエンジン5の縦断面図であり、図3
は図2のIII −III 線に沿う横断面図である。
【0023】このエンジン5は例えば直列4シリンダ配
置のSOHC 4バルブ型式で、シリンダヘッド15、
シリンダブロック16、クランクケース17、およびヘ
ッドカバー18によって形作られ、上記シリンダヘッド
15とシリンダブロック16とが前記エンジンホルダ3
に固定されている。
【0024】シリンダブロック16とクランクケース1
7は、4つのクランク室19a,19b,19c,19
dを画成し、シリンダブロック16とクランクケース1
7の合面部に設けられたクランク軸受22にはクランク
シャフト4が回転自在に軸支され、シリンダブロック1
6に形成された4本のシリンダ23a,23b,23
c,23d内を摺動自在であるピストン24の往復運動
が、コンロッド25を介してクランクシャフト4の回転
運動に変換される。
【0025】上記クランク室19a,19b,19c,
19dは連通孔26等によって相互に連通しており、最
下に位置するクランク室19dとオイルパン12は、本
発明に係るクランク室主排油路27およびクランク室副
排油路28,29によって連通している。これらの排油
路27,28,29については後に詳しく述べる。
【0026】一方、シリンダヘッド15とヘッドカバー
18はカム室31を画成しており、このカム室31の最
下部にはオイルパン12内へ連通するカム室排油路32
が形成されている。そしてカム室31にはカムシャフト
33が回転自在に軸支される。このカムシャフト33
は、タイミングベルト34等を介してクランクシャフト
4に駆動される。
【0027】シリンダヘッド15には、吸気バルブ35
および排気バルブ36の開弁によって燃焼室37に連通
する吸気ポート38および排気ポート39が配設されて
いる。上記吸、排気バルブ35,36は、バルブスプリ
ング41,42によって常時閉弁方向に付勢されてお
り、これらバルブ35,36の開弁は、前記カムシャフ
ト33に回転一体である吸気カム43および排気カム4
4が、動弁装置45のロッカシャフト46,47廻りに
揺動自在に軸支された吸気側ロッカアーム48および排
気側ロッカアーム49を介し、吸、排気バルブ35,3
6の頭部を押圧することによってなされる。
【0028】上記吸気ポート38の外部には図示しない
キャブレタ等の混合気供給装置が取り付けられる。また
排気ポート39は、シリンダブロック16内部長手方向
に形成された排気チャンネル51に継がり、この排気チ
ャンネル51はケーシング2内の図示しない排気膨張室
に接続されている。そしてエンジン5の排気ガスは、こ
れらの通路を経て例えば水中に放出される。
【0029】前記シリンダ23a〜23d、燃焼室3
7、および上記排気チャンネル51の周囲には、船外機
1の外部から取り入れられた水が流通するウォータジャ
ケット52が形成されており、シリンダ23a〜23d
と燃焼室37、および排気チャンネル51が冷却され
る。
【0030】また、このエンジン5の潤滑を担うオイル
ポンプ53は、例えば一般的なトロコイドポンプであ
り、エンジン5の下面図である図4にも示すように、ク
ランクシャフト4がエンジン5の下面より突出する部分
に設置され、クランクシャフト4によって直接駆動され
る。このオイルポンプ53の吸入孔54には、オイルパ
ン12内に溜められた潤滑オイルO中に没するように取
り付けられオイルストレーナ55が、オイルパイプ56
によって接続されており、上記潤滑オイルOはエンジン
5各部へ圧送される。
【0031】図5はエンジンホルダ3の上面を示すもの
である。エンジンホルダ3の上面には、マウントブラケ
ット57,58が左右に設置されている。これらマウン
トブラケット57,58は、船外機1を前記クランプブ
ラケット13のステアリングシャフト59に枢着させる
ための回動アーム61を弾性的に保持してエンジン5の
振動等が船体14に伝わるのを防ぐものであり、上記回
動アーム61を固定するマウントボルト62は、弾性ブ
ッシュ63を介してマウントブラケット17,58に弾
性保持される。
【0032】図4に示すエンジン5の下面と、図5に示
すエンジンホルダ3の上面には、前記クランク室主排油
路27とクランク室副排油路28,29とカム室排油路
32、および排気チャンネル51とウォータジャケット
52、さらにオイルポンプ53の吸入孔54がそれぞれ
同位置に対面するよう形成され、エンジン5の下面とエ
ンジンホルダ3の上面は図中の斜線部において密着す
る。
【0033】図6は、図4および図5のVI−VI線に沿う
断面図であり、本発明の一実施例を示している。また図
7は図6のVII −VII線に沿う断面図である。
【0034】図6および図7に示すように、クランク室
主排油路27は、最下シリンダ23d周囲の前記ウォー
タジャケット52を区画壁64により一部区画して集油
室65を設け、この集油室65を最下クランク室19d
およびオイルパン12に開口させることにより構成され
る。
【0035】上記集油室65は、最下クランク室19d
から離れるにつれて細くなるテーパ状とされ、集油室6
5のクランク室側開口部66は、図3に示すように最下
クランクホイール4aの遠心力により飛散する潤滑オイ
ルOが集まる場所となる、例えば最下のシリンダ23d
と最下のクランク室19dとの境界部67の外方に設け
られている。また集油室65のオイルパン側開口部68
は、最下シリンダ23dの下方から垂設され、オイルパ
ン12へ連通する。
【0036】一方、クランク室副排油路28,29は、
前記オイルポンプ53および、例えば左側のマウントブ
ラケット57を貫通し、最下クランク室19dとオイル
パン12とを連通させるように設けられている。
【0037】本実施例においてオイルポンプ53には、
内部の通路69,70の合間のデッドスペースに貫通ポ
ート71,72が形成されている。また、マウントブラ
ケット57には貫通ポート73が設けられ、上記貫通ポ
ート71と対面する。こうして左側のクランク室副排油
路28はオイルポンプ53およびマウントブラケット5
7を貫通してオイルパン12に抜け、右側のクランク室
副排油路29はオイルポンプ53を貫通してオイルパン
12に抜ける。
【0038】そして図8に示すように、クランク室19
a〜19d、およびシリンダ23a〜23dに供給され
た潤滑オイルは、前記連通孔26等を経て最下のクラン
ク室19d内に流下し、図3にも示したようにクランク
シャフト4の最下クランクホイール4aに当たって遠心
力により飛散し、その大部分がクランク室主排油路27
のクランク室側開口部66に飛び込んで集油室65へ集
まり、オイルパン側開口部68を経てすみやかにオイル
パン12へ戻る。このとき、クランク室側開口部66へ
入らなかった潤滑オイルはクランク室副排油路28,2
9を経てオイルパン12へ戻り、最下クランク室19d
内に潤滑オイルが残留することはない。このためクラン
クシャフト4は、潤滑オイルの抵抗を受けることなく常
時スムーズに回転できる。またオイルパン12内の潤滑
オイルが不足気味になる恐れはない。
【0039】なおクランク室主排油路27の集油室65
は、ウォータジャケット52を一部区画して形成されて
いるため、シリンダブロック16の内外に出っ張ること
がなく、スマートに形成できる。また、集油室65内に
は常に多量の潤滑オイルが流通するため、ウォータジャ
ケット52と同様に最下のシリンダ23dを冷却し、集
油室65の形成によって最下シリンダ23dの冷却効果
が損われる恐れはない。
【0040】さらに集油室65とオイルパン側開口部6
8とは、図7に示すパーティングライン74によって鋳
型が分けられるため、集油室65を形成するためにシリ
ンダブロック16の鋳型が特にコストアップすることは
なく、追加加工も要しない。
【0041】またクランク室副排油路28,29を、オ
イルポンプ53の内部やマウントブラケット57側部の
デッドスペースを利用して設けたため、排油路として専
用のスペースを占有することなく、船外機1をコンパク
トに保ったまま最下クランク室19dの排油を一層効率
的に行うことができる。
【0042】このように効率良くオイルパン12に戻さ
れた潤滑オイルは、本発明の目的に沿い、前記動弁装置
45へより多く送られる。
【0043】図9は動弁装置45の部分斜視図、図10
は図9の平断面図、そして図11は図10のXI−XI線に
沿う断面図である。
【0044】動弁装置45は、前記カムシャフト33を
シリンダヘッド15に軸支させるカムホルダ75,76
と、これらカムホルダ75,76に挿通され、固定支持
されるパイプ状の前記ロッカシャフト46,47と、こ
れらロッカシャフト46,47廻りに揺動自在に軸支さ
れた前記吸気側ロッカアーム48および排気側ロッカア
ーム49などから構成される。エンジン5は前述したよ
うにSOHC 4バルブ型式であるため、上記吸、排気
ロッカシャフト48,49はそれぞれ1シリンダ当り2
個ずつ備えられており、図9、図10はそれぞれ1シリ
ンダ分の動弁装置を示している。
【0045】図11に示すようにカムホルダ75は、ノ
ックピン77によってシリンダヘッド15に位置決めさ
れ、固定ボルト78で固定されてカムシャフト軸受79
を形成し、カムシャフト33を軸支する。またカムホル
ダ76も同様にシリンダヘッド15に固定される。その
際、カムホルダ75,76に挿通されたロッカシャフト
46,47に上記固定ボルト78が貫通し、ロッカシャ
フト46,47はカムホルダ75,76に共締めされる
ようになっている。
【0046】ロッカシャフト46,47がカムホルダ7
5に挿通される部分には環状溝81,82が設けられ、
この環状溝81,82にはロッカシャフト内部送油路8
3,84へ継がる導油孔85,86が穿設されている。
なお、図10中の87は、上記ロッカシャフト内部送油
路83,84を閉塞するプラグである。
【0047】一方、カムホルダ75には上記環状溝8
1,82をシリンダヘッド送油路88およびカムシャフ
ト軸受79に連通させるカムホルダ送油路90,91,
92が形成される。上記シリンダヘッド送油路88は、
オイルポンプ53から吐出される潤滑オイルを動弁装置
45に供給するためシリンダヘッド15に設けられた送
油路である。
【0048】こうしてシリンダヘッド送油路88より送
られる潤滑オイルは、例えばロッカシャフト47→カム
シャフト軸受79→ロッカシャフト46の順に送油さ
れ、図10および図12(a),(b)に示すようにロ
ッカシャフト46,47に設けられた給油孔93,9
4,95から、吸、排気ロッカアーム48,49の軸支
部96,97および摺動部98,99に供給される。
【0049】図12(a)において、カムホルダ75
(76)にはロッカシャフト46の給油孔93に一致す
る位置に噴射孔101が設けられており、上記給油孔9
3および噴射孔101の方向は他方のロッカシャフト4
7に軸支された排気側ロッカアーム49の摺動部99に
指向されている。そして潤滑オイルは、上記摺動部99
に接触する直前の排気カム44のカム面に噴射される。
【0050】また図12(b)において、吸気側ロッカ
アーム48に設けられた噴射孔102は、ロッカシャフ
ト46の給油孔94に連通し、吸気ロッカアーム48の
摺動部98に接触する直前の吸気カム43のカム面に潤
滑オイルを噴射させる。
【0051】このように構成された動弁装置45では、
シリンダヘッド送油路88からの潤滑オイルがロッカシ
ャフト内部送油路83,84へ流れ込む際の流入抵抗が
非常に少ないため、充分な量の潤滑オイルを送ることが
可能である。
【0052】また、吸、排気側ロッカアーム48,49
の摺動部98,99には噴射孔101,102より充分
な量の潤滑オイルが的確に噴射されるため、大出力エン
ジンに見合う良好な潤滑状態を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る船外
機のエンジン潤滑構造は、クランクシャフトが直立する
姿勢で4ストロークエンジンを搭載する船外機のエンジ
ン潤滑構造において、最下シリンダ周囲のウォータジャ
ケットを一部区画して集油室を設け、この集油室を最下
クランク室およびオイルパンに開口させてクランク室主
排油路を構成し、上記集油室のクランク室側開口部を、
最下クランクホイールの遠心力により飛散する潤滑オイ
ルが集まる場所に設けたので、最下クランク室内の潤滑
オイルは、大半が最下クランクホイールの遠心力によっ
てクランク室主排油路の集油室に飛び込み、迅速にオイ
ルパンへ戻るため、最下クランク室に潤滑オイルが溜ま
る恐れがない。このためクランクシャフトが潤滑オイル
中に浸ることがなく、クランクシャフトは常時スムーズ
に回転できる。またオイルパン内の潤滑オイルが不足す
る恐れがなく、多量の潤滑オイルを、動弁機構を始めと
するエンジン各部へ送ることが可能となる。
【0054】また、エンジンとエンジンホルダとの間に
配置されるオイルポンプおよびマウントブラケットを貫
通し、最下クランク室とオイルパンとを連通させるクラ
ンク室副排油路を設けたため、排油路として専用のスペ
ースを占有することなく、船外機をコンパクトに保った
まま、上記クランク室主排油路に入らなかった潤滑オイ
ルを確実にオイルパンに戻し、クランク室内の排油を一
層効率的にする。
【0055】さらに、ロッカシャフトがカムホルダに挿
通される部分に環状溝を設け、この環状溝にロッカシャ
フト内部送油路へ継がる導油孔を穿設する一方、上記環
状溝をシリンダブロック送油路およびカムシャフト軸受
に連通させるカムホルダ送油路をカムホルダ内部に形成
したので、ロッカシャフト内部送油路への潤滑オイル流
入が非常にスムーズになり、動弁装置への潤滑オイル供
給量を増大させることが可能となる。
【0056】また、上記ロッカシャフトに設けられた給
油孔に一致するようカムホルダに噴射孔を設け、これら
給油孔および噴射孔の方向を、他方のロッカシャフトに
軸支されたロッカアームの摺動部に指向させたので、大
量の潤滑オイルを吸、排気双方のロッカアームの摺動部
へ的確に噴射させることが可能となり、大出力エンジン
に見合う良好な潤滑状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機のエンジン潤滑構造を備え
た船外機の右側面図。
【図2】エンジンの縦断面図。
【図3】図2のIII −III 線に沿う断面図。
【図4】図2のIV−IV矢視である、エンジンの下面図。
【図5】図2のV−V矢視である、エンジンホルダの上
面図。
【図6】図4および図5のVI−VI線に沿う断面図であ
り、本発明の一実施例を示す図。
【図7】図6のVII −VII 線に沿う断面図。
【図8】本発明の作用を示す図。
【図9】動弁装置の部分斜視図。
【図10】図9の平断面図。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図。
【図12】(a)は図10のXII −XII 線に沿う断面を
示し、(b)は図10のXII ′−XII ′線に沿う断面
図。
【符号の説明】
1 船外機 2 ケーシング 3 エンジンホルダ 4 クランクシャフト 4a 最下クランクホイール 5 エンジン 12 オイルパン 16 シリンダブロック 19d 最下クランク室 23d 最下シリンダ 27 クランク室主排油路 28,29 クランク室副排油路 45 動弁装置 46 給気側ロッカシャフト 47 排気側ロッカシャフト 48 吸気側ロッカアーム 49 排気側ロッカアーム 52 ウォータジャケット 53 オイルポンプ 57,58 マウントブラケット 62 マウントボルト 63 弾性ブッシュ 64 区画壁 65 集油室 66 クランク室側開口部 68 オイルパン側開口部 71,72,73 貫通ポート 75,76 カムホルダ 79 カムシャフト軸受 81,82 環状溝 83,84 ロッカシャフト内部送油路 85,86 導油孔 88 シリンダヘッド送油路 90,91,92 カムホルダ送油路 93,94,95 給油孔 98,99 摺動部 101,102 噴射孔 O 潤滑オイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−178819(JP,A) 実開 平4−54910(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01M 1/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトが直立する姿勢で4ス
    トロークエンジンを搭載する船外機のエンジン潤滑構造
    において、最下シリンダ周囲のウォータジャケットを一
    部区画して集油室を設け、この集油室を最下クランク室
    およびオイルパンに開口させてクランク室主排油路を構
    成し、上記集油室のクランク室側開口部を、最下クラン
    クホイールの遠心力により飛散する潤滑オイルが集まる
    場所に設けたことを特徴とする船外機のエンジン潤滑構
    造。
  2. 【請求項2】 エンジンとエンジンホルダとの間に配置
    されるオイルポンプおよびマウントブラケットを貫通
    し、最下クランク室とオイルパンとを連通させるクラン
    ク室副排油路を設けた、請求項1に記載の船外機のエン
    ジン潤滑構造。
  3. 【請求項3】 ロッカシャフトがカムホルダに挿通され
    る部分に環状溝を設け、この環状溝にロッカシャフト内
    部送油路へ継がる導油孔を穿設する一方、上記環状溝を
    シリンダヘッド送油路およびカムシャフト軸受に連通さ
    せるカムホルダ送油路をカムホルダ内部に形成した、請
    求項1に記載の船外機のエンジン潤滑構造。
  4. 【請求項4】 上記ロッカシャフトに設けられた給油孔
    に一致するようカムホルダに噴射孔を設け、これら給油
    孔および噴射孔の方向を、他方のロッカシャフトに軸支
    されたロッカアームの摺動部に指向させた、請求項1に
    記載の船外機のエンジン潤滑構造。
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