JP2969650B2 - ビーム中心位置検出装置 - Google Patents

ビーム中心位置検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、表示画面に照射されるR,G,B各ビームの中
心位置検出装置に関するものである。
[発明の概要] 本発明は、表示画面に円図形を入力し、円図形が再生
された画面の輝度情報から水平方向及び垂直方向の位置
分布データを生成する。そして、水平方向及び垂直方向
の各位置分布データに所定の演算処理を施すことによっ
て水平方向及び垂直方向の各位置分布データの重心位置
を求め、この水平及び垂直方向の各重心位置によって決
定される位置を表示画面に照射されているビームの中心
位置として検出するように構成したものであり、特にプ
ロジェクター(投影型画像出力装置)等、大画面表示の
場合におけるR,G,B各ビームの中心位置を検出する際に
好適である。
[従来の技術] モニタやプロジェクター等においては、R,G,B各ビー
ムの照射位置がスクリーン上(或はCRT蛍光面上)で一
致していない場合は、当然ながら良好な再生画像は得ら
れないため、コンバーゼンス調整(レジストレーション
調整)が必要であり、よく知られているように各種調整
手段が存在するが、受像面に照射されるビーム位置を精
度よく調整する場合は、ビーム中心位置を検出すること
が必要になる。
ラスタ歪を調整する方法としては、非常に小さなドッ
トパターンを表示し、表示画面をテレビカメラで撮影す
ることによって検出する方法がある。すなわち、第5図
に示すようなドットDtを表示するドットパターンで表示
画面を形成し、各ドットDt1,Dt2‥‥の位置を精度よく
検出することによってラスタ歪を検出することができ
る。
この場合、各ドットの真の中心位置を検出する方法の
1つとして、菱形図形を表示し、表示画面らテレビカメ
ラを介して得た輝度情報を演算する方法がある。例えば
前記第5図に点線で示すように分割したa1〜a12の領域
のうち、例えばa1領域内に、第6図に示すように菱形図
形Sを表示し、テレビカメラで撮影する。そしてa1領域
の輝度情報を例えばフレームメモリ手段に記憶し、記憶
された輝度データからX方向、及びY方向の輝度の総和
を演算して、その水平方向及び垂直方向の輝度分布デー
タhD,vDを得る。すると、得られたデータhD,vDは、図示
するように、水平及び垂直方向の或る地点HT及びVTにお
いて最大となる。つまり、菱形図形Sの中心位置は輝度
和データから求めることができ、この位置(HT,VT)を
ビーム中心位置として検出する。
このような方法で、R,G,B各ビームにおいてそれぞれ
ビーム位置を検出することによって、その位置を基準に
して、例えばコンバーゼンス調整(レジストレーション
調整)を行なうようにすることができる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来のビーム位置検出方法では次のよ
うな問題点がある。
上記のようにドットパターン表示した場合、小さいド
ットを表示するほどビーム位置が精度よく検出できるこ
とは明らかであるが、小さいドットになるほどテレビカ
メラで検出することが困難になる。特にプロジェクター
等の大画面においては、小さいドット画像は、カメラに
検出できないほど暗くなるという場合があり(特にコー
ナー部分の青色)、このため、ドットサイズはある程度
以上は小さくできないという制限が生じる。
また、たとえ小さいドットを高輝度で表示できたとし
ても、結局検出精度は、そのドット画面を撮影するテレ
ビカメラの分解能に依存するため、ドットサイズをより
小さくしても検出精度を向上させることはできない。
このようにドットパターンを表示するのみではビーム
位置検出精度を向上させることが難しい。
さらに、真の中心位置を菱形図形を表示して輝度レベ
ルの和を演算することによって求めようとする場合は、
スキュー歪などによって菱形図形が傾いて表示されてし
まうと、正しい中心位置が求められなくなるという問題
がある。
例えば第7図に示すようにX軸及びY軸に対して菱形
Sが傾いている場合、縦方向及び横方向に輝度の和を求
め、水平、垂直方向の輝度分布を示したデータhD,v
Dは、図示するように、最大点を検出することが困難
な、曲線がなまった状態となり、前記第6図の場合のよ
うにHT及びVTを確定することができない。
このため、この方法によるビーム位置検出方法は、最
終的な微調整のときなど、或る程度の調整が既になされ
て、菱形が傾くことなく表示できる状態のときには採用
できるが、それ以外の場合は有効な検出方法とはいえな
い。
[問題点を解決するための手段] 本発明はこのような問題点にかんがみてなされたもの
で、円図形を画面上に表示し、表示された円の位置分布
データから円図形の重心位置(中心位置)を求めること
で、ビームの中心位置を確定するように構成したもので
ある。
[作用] 円図形の場合、スキュー歪、テレビカメラの設置ずれ
等によって、例えば楕円状、たまご状に歪んで表示され
たり、あるいは傾いたり回転ずれを起こして表示されて
も、その重心位置(中心位置)は水平、及び垂直方向の
輝度分布を求めることにより常に確定することができ
る。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例であり、プロジェクターに
おけるビーム位置の検出装置を示したものである。
1はプロジェクターPによって再生する映像信号の処
理回路系、10,20,30はそれぞれ赤,青,緑の発光膜を表
示面Cとする高輝度の単色投影管(CRT)、11,21,31は
前記単色投影管をスクリーン40に結像するレンズ系を示
す。また、各単色投影管において、Eは電子銃、Dは偏
向装置を示す。
このようなプロジェクターPは、RGB各投影管にそれ
ぞれ映像信号再生回路系1からR,G,B映像信号が供給さ
れ、電子ビームを変調することによって各表示面Cに表
示された単色の再生画像が、レンズ系11,21,31を介して
スクリーン40上に合成され、カラー映像を形成するもの
である。
50は円図形パターンジェネレータ(以下、円図形発生
器という)であり、その出力は映像信号再生回路系1を
介してR,G,B各投影管10,20,30に供給され、それぞれ単
色の円図形を表示することができるようになされる。
51はテレビカメラであり、スクリーン40に表示された
映像は、テレビカメラ51及び信号処理回路52を介して映
像信号(輝度データ)に変換される。
53は信号処理回路52の出力を所定のタイミングでA/D
変換するA/D変換器であり、54はデジタルデータに変換
された輝度信号を記憶するフレームメモリである。
55は演算処理部(CPU)であり、フレームメモリ54に
記憶されたデータをもとに、後述するように、水平及び
垂直方向の輝度分布データを生成する演算を行ない、さ
らに生成された水平、垂直各方向の輝度分布データの重
心位置を求めるという、2段階の演算処理を行なうこと
によって、スクリーン40に表示された円図形の重心位置
を求めることができる。
なお、56はマイクロコンピュータによるシステムコン
トローラであり、上記したA/D変換器53、フレームメモ
リ54、CPU55、及び円図形発生器50の動作を制御してい
る。また、CPU55で得られた円図形の重心位置データを
R,G,B各ビームにおいて求めた後、図示しないレジスト
レーション調整手段を制御して、重心位置データに基ず
いたレジストレーション自動調整を達成し、各ビームの
照射位置を一致させるものである。
本実施例は以上のように構成されており、上記したよ
うにCPU55によってビーム中心位置が検出される。すな
わち、例えば前記第5図に示したように分割された領域
の内、a1領域においてレジストレーション調整を行なう
ためにビーム位置を検出する場合は、円図形発生器50に
よってa1領域に円図形を表示する映像信号が出力され、
例えばまずR投影管10に供給されてスクリーン上(a1
域)に赤色の円図形が表示される。ただし、スキュー歪
等の影響で、真円とならず、楕円、或は卵形となる場合
も生じる。
そして、スクリーン上の映像はテレビカメラ51によっ
て撮影され、その輝度信号はA/D変換器53においてデジ
タル化されてフレームメモリ54に記憶され、該記憶され
た輝度データはCPU55において演算処理が施される。
CPU55における演算処理動作の一例を、第2図のフロ
ーチャート、及びフレームメモリ内の記憶状態を模式的
に示した第3図を参照して説明する。
a1領域の円図形が、上記手順で第3図(a)に示すよ
うにフレームメモリ54に記憶されると、第2図のF101に
おいて、メモリ上のデータがシステムコントローラ56の
制御に基ずいてCPU55に読み込まれ、F102でY方向(縦
方向)にデータを集計し、水平方向の輝度分布データhD
が求められる。
ここで、水平方向の輝度分布データhDを求める具体的
な演算例について述べる。
フレームメモリ54上の各ピクセルのデータ値をDmn(D
11‥‥‥DMN)とすると、このDmnは輝度レベルを示すデ
ータであるため、所定のしきい値LSを設定して、Dmn>L
Sとなるデータを有するピクセル数を縦方向(Y方向)
に集計するようにする。例えば第3図(a)のH9の値
は、データD19〜DM9までの、9列目のピクセルのデータ
の中でのLS以上の値のデータを有するピクセル数とな
る。
このようにして求められた水平方向の輝度分布データ
hDは第3図(a)に示すように半円状になり、F103にお
いて、このデータhDにさらに以下のように演算処理を施
すことによって円図形の水平方向の重心位置を求める。
データhD(半円部分)を取り出して、第3図(b)の
ように位置情報を示すx座標と、ピクセル数を示すy座
標において、x座標の値x0,x1‥‥‥xpに対応するy座
標の値をy0,y1‥‥‥ypとする。そして円図形の水平方
向の重心位置HGの値をxGとすると、 (x1−xG)y1+(x2−xG)y2+‥‥‥+(xp−xG)yp
0 ・・・・(1) が成立する。したがって、重心の値xGは、 として求めることができる。
F103において円図形の水平方向の重心位置HG(xG)が
求められた後は、このHGの値を保持するとともに、F104
において、F101で読み込んだフレームメモリのデータを
今度は横方向に集計して、垂直方向の輝度分布データvD
を求める。そしてF105においてF103と同様の方法で、輝
度分布データvDから円図形の垂直方向の重心位置VGを演
算によって求める。
このように、それぞれ輝度分布を求める第1の演算
と、輝度分布データの各値から、重心位置の値を導く第
2の演算が行なわれることによって、F106において、円
図形の水平及び垂直方向の重心位置HG及びVGが確定し、
したがって、CPU55は(HG,VG)を、検出されたビーム中
心位置として出力することができる。
なお、上記F102〜F104までの処理順序は、これに限ら
れるものではない。また、フレームメモリ54は所定の領
域(例えば上記a1)のみ輝度情報を記憶できる容量のも
のでもよいことは言うまでもない。さらに、F101におけ
るデータ読み込みも、必要領域だけにしてもよい。
本実施例は、このように或る程度の大きさをもった円
図形から得られた輝度情報を演算することによってビー
ム中心位置を検出することができるので、プロジェクタ
ーPのスクリーン40のような輝度の低い大型の画面の場
合も、テレビカメラ51で検出できなくなるといった問題
は発生しない。
さらに、テレビカメラ51やプロジェクターPの設置ず
れやスキュー歪等によって、画像が回転ずれを起こして
いても、円と重心位置は変化せず、また、同様の原因か
ら、真円が映し出されずに、例えば第4図に示すように
卵形(或は楕円)になってしまっていても、その水平及
び垂直方向の輝度分布データhD,hDから重心位置(HG,
VG)は確定できるためビーム中心位置検出に支障はな
い。
さらに、データの演算によって位置を求めるため、検
出位置精度はテレビカメラ51の分解能に依存しないこと
は明らかであり、検出精度をさらに向上させることがで
きる(テレビカメラ51及びフレームメモリ54の1ピクセ
ルの1/16程度の精度で検出可能)。
本実施例によって、上記のとおりR投影管10のビーム
中心位置が検出された後は、B及びG投影管20,30から
のビームによってa1領域に照射された円図形の重心位置
を同様に検出し、それぞれ検出されたビーム中心位置
(HG,VG)に基ずいて、上述したように3つのビーム位
置がa1領域内において一致するようにa1領域のレジスト
レーション調整を行なうことができる。他の領域(a2,a
3‥‥‥)についても同様である。
なお、以上の実施例ではプロジェクターにおけるビー
ム中心位置の検出システムとして説明したが、通常のモ
ニタCRTにおけるビーム位置の検出に利用してもよく、
したがって、コンバーゼンス調整や歪補正等に有用であ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のビーム中心位置検出装
置は、円図形を画面上に表示させ、その映像の位置分布
データに対して演算処理を施すことによって円図形の重
心位置を求め、それをビーム中心位置として検出するよ
うにしたので、検出精度を向上させることができるとと
もに、スキュー歪等が発生する調整不十分な機器(モニ
タ、プロジェクター)においても正確にビーム中心位置
を求めることができるという効果があり、コンバーゼン
ス調整時やレジストレーション調整時等のビーム位置検
出手段として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図は
一実施例の演算動作の一例を示すフローチャート、第3
図(a)(b)は輝度データの具体的な演算処理の一例
の説明図、第4図は真円が表示されなかった場合の説明
図、第5図はドットパターンを表示した画面の説明図、
第6図は従来の中心位置検出手段の一例の説明図、第7
図は第6図の菱形図形が回転ずれを起こした場合の説明
図である。 50は円図形発生器、51はビデオカメラ、52は信号処理回
路、53はA/D変換器、54はフレームメモリ、55はCPUを示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示画面に円図形を表示する映像信号を供
    給する映像信号発生手段と、 該映像信号発生手段からの出力による表示画面上の所定
    の輝度レベル以上の円図形の位置情報を記憶するメモリ
    手段と、 該メモリ手段に保持された位置情報から水平方向H及び
    垂直方向Vの位置分布データを生成する第1の演算手段
    と、 該第1の演算手段によって生成された前記水平方向H及
    び垂直方向Vの各位置分布データに所定の演算処理を施
    すことによって前記分布位置データの重心位置HG及びVG
    を求める第2の演算手段とを備え、 前記第2の演算手段によって決定される位置(HG、VG
    を表示画面に照射されているビームの中心位置として検
    出するように構成したことを特徴とするビーム中心位置
    検出装置。
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