JP2969130B2 - 希ガス放電灯 - Google Patents
希ガス放電灯Info
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Description
ルブの中に、キセノンガスを主成分とする希ガスを封入
し、該ガラスバルブの外壁に、一対の帯状電極を配設し
た希ガス放電灯に関する。
電であるため、明るさや放電電圧が周囲温度に殆んど影
響されない、寿命が長い等の特徴があり、ファクシミ
リ、OCR等OA機器の原稿読取用光源や液晶表示装置のバ
ックライトとして注目されている。
62−281256に開示されているように、細長いガラスバル
ブの両端に一対の電極を封止すると共に、両電極間のガ
ラスバルブの外壁に帯状の補助電極を密着して添設し、
陽光柱を補助電極側に偏寄させる構造のものであるか
ら、補助電極近傍の螢光体膜は有効に励起されるもの
の、螢光体膜全体を効率よく励起することは困難であ
り、あかるいものが得にくい欠点があった。又、放電が
不安定となったり、ガラスバルブの軸方向の照度分布が
不均一になる等の問題があった。
を封入し、ガラスバルブの外壁に一対のリング状や種々
の形状の電極を設けて、バルブ内に放電を生ずるように
した螢光ランプが開示されている。この螢光ランプはガ
ラスバルブの外壁に電極を設けてバルブ内に電極材料の
蒸発によるスパッタを抑え、発光光度の低下をなくして
長寿命化をねらったものである。しかしながら、放電気
体として水銀蒸気を用いたものは、電子が水銀原子を励
起し水銀原子が基底状態に移行する際発生する紫外線
(253.7nm)により蛍光体を励起するしくみであるた
め、水銀原子を有効に励起させるだけの電子を発生させ
ることができず発光光度が低いばかりでなく、点灯中、
電極と対向した部分の螢光体膜が水銀イオンの衝撃を受
けて劣化し、光束低下をまねく問題があった。従って、
発光光度不足の上、経時変化が大きい等の理由から、OA
機器用光源として、利用し難い問題があった。
り、内部螢光体膜を効率よく励起して十分な光量を得る
と共に、軸方向の照度分布が均一で安定した放電が得ら
れる希ガス放電灯を得ることを目的としている。
は、円筒状ガラスバルブの内壁に蛍光体層を、光投射窓
を残して軸方向のほぼ全長に亘って被着し、内部に水銀
などの金属蒸気を含まないキセノンガスを主成分とする
希ガスを所定量封入して密閉し、該密閉ガラスバルブの
外壁に、ガラスバルブのほぼ全長に亘って不透光性で金
属よりなる一対の帯状電極を添設し、かつガラスバルブ
は150℃における体積抵抗率が1×109Ωcm以上の鉛ガラ
スで構成したことを特徴としている。
蒸気を含まないものであり、キセノンガスを主成分とす
る希ガスが30乃至100torrの圧力で封入される。又、ガ
ラスバルブの外壁にバルブのほぼ全長に亘って配設され
る一対の不透光性で金属よりなる帯状電極は少なくとも
2mm以上の幅に設定される。さらに、ガラスバルブの封
止端面にはガラスバルブ本体より少なくとも低融点の板
状の封着ガラスが用いられる。
を印加することにより、バルブ内の放電空間にはバルブ
軸と直交方向にキセノンガスによる放電を生じ、バルブ
内壁の螢光体膜が励起されて発光する。このとき、放電
気体は水銀などの金属蒸気を含まないキセノンガス放電
であり、キセノンガスの励起光(147nm)により螢光体
膜が効率よく励起される上、円筒状ガラスバルブの内壁
に被着された蛍光体膜相互間での光反射によって高輝度
化された光が蛍光体膜の形成されていない光投射窓から
放出され、高い発光光度が得られる。又、螢光体膜は金
属イオンの衝撃を受けないから、膜劣化が低減され、寿
命も著しく長くなる。
ーダンスが高くなり放電電流が少なくなって、十分な発
光光度が得られないばかりでなく、放電が不安定となっ
てチラツキを生ずる。しかし帯状電極の幅員を2mm以上
に設定すると、十分な発光光度と安定した放電が得られ
る。
バルブ壁面を介して高周波高電圧が印加され、ガラスバ
ルブ自体の抵抗損により自己発熱する。従って、該希ガ
ス放電灯をOA機器に搭載して点灯するとき、常温以上の
高温雰囲気(例えば50℃以上)に於いては、管壁温度が
異常に高くなり、ランプ効率の低下や電源の焼損を来た
す恐れがある。しかし150℃に於ける体積抵抗率が1×1
09Ωcm以上の鉛ガラスよりなるガラスバルブを用いるこ
とによりランプ管壁温度の異常上昇が防止でき安定な放
電が得られる。
ラスを用いたから、封着端面が弧状に肉だれを生ずるこ
となく封止でき、放電空間が管端まで利用出来る。
詳述する。
部破断正面図とそのII−II線から見た断面図である。同
図に於いて、2は直管状のガラスバルブであり、内周面
には光投射窓3を残して螢光体膜4がバルブ2の軸方向
のほゞ全長に亘って被着されている。5はガラスバルブ
2の両端面を密閉する円板状の封着ガラスであり、ガラ
スバルブ2の融点より低い低融点ガラス(高鉛ガラス)
が用いられている。この密閉されたガラスバルブ2の内
部にはキセノン(Xe)ガスを主成分とする希ガスが30to
rr乃至100torrのガス圧で封入されている。一方ガラス
バルブ2の外壁には、前記光投射窓3に沿う両側に不透
光性のアルミ箔からなり、所定の幅員に形成された帯状
電極6a,6bがガラスバルブ2のほゞ全長に亘って密着
し、互に対向して配設されている。
に、高周波点灯回路8を介して交流電源7に帯状電極6
a,6bが接続され、両帯状電極6a,6b間に所定の高周波高
電圧、例えば30KHz,1600Vが印加される。これにより希
ガス放電灯1は両帯状電極6a,6b間に挾まれたガラスバ
ルブ2の内部空間に、キセノンガスの放電(励起線波長
147nm)を生ずる。このキセノンガスの放電によりガラ
スバルブ2内の螢光体膜4が励起され、その可視光が光
投射窓3より外部へ放射される。
ついて種々検討がなされた。
6mmまで6段階に変化したサンプル#1〜#7を作成
し、夫々の照度、点灯状況について観察し、第1表の通
りの結果を得た。
φ、肉厚0.5mm、長さ300mm(φ6×0.5t×300L)のソー
ダ製ガラスバルブ、帯状電極6a,6bとして幅員Wmm、長さ
300mmのアルミ箔、封入ガスとしてキセノンガス65torr,
または水銀およびアルゴンとし、印加電源28KHz×1600V
で点灯評価した。尚第1表で帯状電極の(θ゜)は各サ
ンプルの帯状電極に於けるバルブ中心軸となす角度の計
算値で参考値として示している。
暗らく、且つ放電が縞状となってチラツキを生ずる。#
2のサンプルは点灯後2〜3分は不安定であるが、その
後安定する。この#2のサンプルの照度は従来の内部電
極型の希ガス放電灯と略同等の照度レベルである。#3
から#6のサンプルへの電極巾Wを3mmから6mmに増加す
るに従って放電が安定し、照度も従来の放電灯4500Lxに
比べ5530Lx乃至9420Lxと一段と向上する。これは#1の
サンプルに於いては電極面積が小さく充分な放電電流が
得にくくなるため、放電がチラツキ且つ暗らいものと推
察される。又、#3乃至#6のサンプルは電極面積が大
きくなり、充分な放電電流が得られ、高い照度と放電の
安定性が得られるためと推察される。このような結果か
ら、帯状電極の幅Wは2mm以上に設定しなければならな
いが、特に、高照度化が望まれる場合には幅Wに相当す
る中心角θを115゜と大きくすることが推奨される。こ
れはバルブ径が6mmφ以外のサイズについても同様であ
る。
ンを用いているため、発光効率が悪く非常に低い照度と
なっている。また、ガラスバルブ全体から発光光をとり
だす試みとして、外面電極として光の透過性が大きい金
属酸化物を主成分とする導電性薄膜を使用してみたが、
薄膜の電気的抵抗値が大きいため、薄膜が異常加熱し焼
き切れてしまい点灯させることができなかった。
プルに於いて、その封入キセノンガスのガス圧を55乃至
80torrの範囲で変化させたサンプル#8(55torr),#
9(65torr),#10(70torr),#11(80torr)を作成
し、夫々28KHz,1600Vの高周波電源により点灯させ、そ
の照度を測定し、第4図の曲線A如き結果を得た。
照度は4500Lx程度であるが、これを本発明の希ガス放電
灯で得るためには、28KHz,1600V点灯の場合、40torrの
封入圧で4500Lxの照度が得られる。又、封入圧を上昇す
ることにより高い照度が得られるが、封入圧が100torr
を越えるとチラツキが発生する。このチラツキを防止す
るには点灯印加電圧が2000V以上となり好ましくない。
一方、封入圧が30torr未満になると、チラツキが発生し
たり、照度が不十分となり好ましくない。例えばファク
シミリの原稿読取りに使用する場合、照度は4000LX程度
あれば読取り可能であり、30torr以上の封入圧であれば
よい。尚、実用的には、照度は5000LX程度あるのが望ま
しく、これ以上の照度を確保する場合には封入圧は45to
rr乃至100torrとすることが望ましい。
(55torr),#9(65torr),#11(80torr)のサンプ
ルについて点灯周波数を20KHzから100KHzの範囲に亘っ
て変化させ、その照度及び点灯状態について測定し、第
5図の夫々曲線B,C,Dで示す通りの結果を得た。
度が増すが、15KHzの低周波では電流も少なくなり放電
にチラツキを生じる。又、100KHzを越えると照度はさほ
ど上昇せず効率が悪くなることがわかる。従って、点灯
周波数は20KHz乃至100KHzの範囲が適切である。
希ガス放電灯は通常の室温雰囲気(25℃)では特に問題
は生じないが、55℃以上の高温雰囲気で点灯するとき、
ガラスバルブの管壁温度が異常に高くなり発光効率が低
下する他、場合によっては高周波電源装置を焼損すると
いった問題を見出した。
ガラスバルブ2がそれ自体に流れる電流により自己発熱
し、これが更に抵抗値を低めて電流値を増加し、更にガ
ラスバルブの管壁温度を上昇せしめること、又これによ
りランプ電流が異常に上昇して高周波電源装置の焼損に
致らせるものと結論し、抵抗率の高いガラスバルブ、特
に150℃の高温での体積抵抗率が1×109Ωcm以上のガラ
スバルブを選定することにより上記問題を解決した。
イレックスガラス等があるが、廉価で加工性のよい鉛ガ
ラスが好適である。
率曲線を示している。ここで曲線Eは鉛ガラス、曲線F
はソーダガラスのものを示している。同図から、常温で
は鉛ガラス、ソーダガラス共1×1012Ωcm以上の高抵抗
率を有しているが、150℃の温度では鉛ガラスは1×10
11Ωcm、ソーダガラスは2×108Ωcmと両者共小さくな
るが、その差は三桁以上の大きい差を有している。
材質を鉛ガラスとソーダガラスにして比較した点灯試験
結果であり、何れも鉛ガラス製のものは曲線G、ソーダ
ガラス製のものは曲線Hで示している。
又第9図及び第10図は周囲温度55℃における点灯試験で
あり、ランプ管壁表面温度、及び効率(入力電流当りの
照度比)の時間推移を示している。
2分で略安定するが、55℃の点灯では10分以上安定しな
い。特に管壁温度は55℃点灯に於いて100℃を越え120゜
に達している。
℃の何れの点灯に於いても1〜2分で略安定し、55℃点
灯に於いても管壁温度が90℃と100℃以下に保持されて
いる。
状ガラスバルブの内壁に蛍光体層を、光投射窓を残して
軸方向のほぼ全長に亘って被着し、内部に水銀などの金
属蒸気を含まないキセノンガスを主成分とする希ガスを
所定量封入して密閉し、該密閉ガラスバルブの外壁に所
定幅の一対の不透光性で金属よりなる帯状電極を対設し
て両電極間に高周波電圧を印加するようにしたから、点
灯時に、ほぼ円筒状に被着された蛍光体膜相互間での光
反射によって高光度化された光が蛍光体膜の形成されて
いない光投射窓から放出され、高輝度で軸方向にほぼ均
一な照度分布のものが得られ、優れたOA危機用光源が提
供できる。
×109Ωcm以上の鉛ガラスで構成したから、点灯時にお
けるガラスバルブの異常発熱による発光効率の低下を防
止でき、過大な電流の通電による電源装置の焼損などを
防止できる。
ないから、膜劣化が低減され寿命も著しく長くなる。
図は第1図のII−II線より見た断面図、第3図は第1図
の希ガス放電灯の点灯回路、第4図は第1図の実験例
で、封入ガス圧と照度特性、第5図は第1図の実験例で
点灯周波数と照度特性、第6図はガラスバルブの体積抵
抗率の温度特性、第7図乃至第10図は第1図の実験例で
点灯周囲温度とガラスバルブ材質変化によるランプ特性
の関係を示す図である。 1……希ガス放電灯、2……ガラスバルブ 4……螢光体膜、5……封着ガラス 6a,6b……帯状電極
Claims (5)
- 【請求項1】円筒状ガラスバルブの内壁に蛍光体層を、
光投射窓を残して軸方向のほぼ全長に亘って被着し、内
部に水銀などの金属蒸気を含まないキセノンガスを主成
分とする希ガスを所定量封入して密閉し、該密閉ガラス
バルブの外壁に、ガラスバルブのほぼ全長に亘って不透
光性で金属よりなる一対の帯状電極を添設し、かつガラ
スバルブは150℃における体積抵抗率が1×109Ωcm以上
の鉛ガラスで構成したことを特徴とする希ガス放電灯。 - 【請求項2】希ガスを30乃至100torr封入したことを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の希ガス放電灯。 - 【請求項3】帯状電極の幅員を2mm以上としたことを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の希ガス放電灯。 - 【請求項4】ガラスバルブの封止端面を該ガラスバルブ
より融点の低い板状の封着ガラスで封止したことを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の希ガス放電灯。 - 【請求項5】帯状電極に20〜100KHz高周波電圧を印加す
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の希ガス
放電灯。
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1990
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JPH03225745A (ja) | 1991-10-04 |
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