JP2968441B2 - ポリエーテルエステル系弾性糸の製造法 - Google Patents

ポリエーテルエステル系弾性糸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用及び産業資材用
として適した優れた弾性回復率を有し、かつ、耐薬品
性、耐候性、耐熱性の優れたポリエーテルエステル系弾
性糸を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用や産業資材用の弾性糸とし
ては、ポリウレタン系弾性糸が主に用いられているが、
ポリウレタン系弾性糸は耐熱性、耐薬品性、耐候(光)
性が劣るという欠点があり、近年、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレートのような高結晶
性のポリエステルをハードセグメント、ポリテトラメチ
レングリコールに代表されるポリアルキレングリコール
をソフトセグメントとしたポリエーテルエステル系弾性
糸が開発されている(特公昭47− 14054号、同58− 409
77号、特開昭58− 91820号、特公昭63− 36369号、同63
− 60127号等) 。
【0003】しかし、この弾性繊維は耐薬品性、耐候
性、耐熱性は優れているが、弾性回復性の面では、ポリ
ウレタン弾性糸よりも劣っており、また、ポリエチレン
テレフタレートのような通常のポリエステル繊維に比べ
て製造が困難で、生産性が悪いという欠点を有してい
る。
【0004】また、ポリエーテルエステル系弾性糸を高
速で溶融紡糸する場合、巻き取った後の糸条の収縮によ
りパッケージの巻姿が悪くなり、後加工時の解舒性が悪
くなって糸切れを起こすといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた弾性
回復性を有し、かつ、耐薬品性、耐候性、耐熱性の優
れ、パッケージの巻姿が良好で、後加工性の良いポリエ
ーテルエステル系弾性糸を工業的に容易に実施できる方
法で製造することを可能にするポリエーテルエステル系
弾性糸の製造法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、加熱した油剤液を
特定量付与すれば、熱処理効果により糸条の収縮が抑制
され、優れた特性を有するポリエーテルエステル系弾性
糸を容易に製造できることを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、ポリエチレン
テレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレート
を主とするポリエステルをハードセグメント、直鎖状ポ
リアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリ
エーテルエステル系弾性体を300m/分以上の紡糸速度
で溶融紡糸し、冷却固化後、50℃以上に加熱した油剤液
を糸条に対して5重量%以上付与して巻き取ることを特
徴とするポリエーテルエステル系弾性糸の製造法にあ
る。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の方法は、ポリエチレンテレフタレート及び/又は
ポリブチレンテレフタレートを主とするポリエステルを
ハードセグメント、直鎖状ポリアルキレングリコールを
ソフトセグメントとするポリエーテルエステル系弾性糸
に適用される。ハードセグメントとしてポリエチレンテ
レフタレートを選べば弾性回復性は若干劣るが、強伸度
特性が優れたものとなり、一方、ポリブチレンテレフタ
レートを選べば強伸度特性は若干劣るが、弾性回復性が
優れたものとなるので、目的に応じて何れか一方又は両
者を適宜の割合で併用すればよい。また、ソフトセグメ
ントのポリアルキレングリコールとしては、分子量 500
〜3000のポリテトラメチレングリコールが好適である。
【0009】ハードセグメントとソフトセグメントとの
割合は、優れた弾性回復性と強伸度特性とを保つために
は、ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比を20
/80〜80/20の範囲にすることが好ましい。ソフトセグ
メントの量が20重量%未満では弾性回復性が悪く、ソフ
トセグメントの量が80重量%を超えると高温時や熱処理
後の機械的特性が低下する。
【0010】また、弾性体には、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、酸化防止剤、耐光剤、顔料、難燃剤、制電
剤等の添加剤を含有させることができる。
【0011】次に、溶融紡糸は、常法によって行えばよ
いが、紡糸速度を 300m/分以上とすることが必要であ
る。紡糸速度が 300m/分未満であると、生産性が低い
とともに、糸の配向が低いものとなるので、弾性回復に
よる収縮が小さく、特別な処理を施さなくても巻き取り
が可能である。紡糸速度の上限は特に限定されないが、
1500m/分程度までは特に問題なく実施可能である。
【0012】溶融紡出された糸条は、冷却固化、油剤液
を付与して巻き取るが、50℃以上、好ましくは60℃以上
に加熱した油剤液を糸条に対して5重量%以上、好まし
くは7重量%以上付与することが必要である。油剤液の
温度が低かったり、付与量が少ない場合、熱処理効果が
不十分で、糸条の収縮を抑制する効果が乏しく、巻姿が
良好で、後加工性の良い糸条を得ることができない。油
剤液温度の上限は特に限定されないが、水エマルジョン
油剤液の場合は95℃、非水油剤液の場合は 130℃程度で
ある。また、油剤液の付与量の上限は、巻取り後の油剤
や溶剤の飛散によるトラブル等を考慮すると50重量%程
度とするのがよい。
【0013】なお、油剤液の油剤濃度は、5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%とするのが適当である。
【0014】図1は、本発明の方法の一実施態様を示す
概略工程図である。紡糸口金1から紡出された糸条Y
は、冷却筒2で冷却されて固化し、油剤液付与装置3で
油剤液が付与された後、第1ゴデットローラ4及び第2
ゴデットローラ5で引き取られ、パッケージ6として巻
き取られる。油剤液は、加熱装置7で所定の温度に加熱
して油剤液付与装置3に供給される。
【0015】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、例中の測定及び評価法は、次のとおりであ
る。 (a) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b) 弾性回復率 オリエンティック社製テンシロン UTM-4-100型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で100 %又は200 %まで
伸長した後、同速度で元の長さまで戻し、再度伸長した
時、応力が現れた時の長さを求め、次式によって弾性回
復率を求めた。なお、測定回数は10回とし、その平均値
で表した。 弾性回復率(%)=〔 (E0 −E1)/E0 〕×100 E0 :伸ばした長さ E1 :再度伸ばした時、応力が現れた時の長さ (c) 強伸度 オリエンティック社製テンシロン UTM-4-100型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。なお、測定
回数は10回とし、その平均値で表した。 (d) 巻姿 300gの糸条を紙管に巻き取ったチーズ状パッケージに
ついて、耳高、バルジの状態を観察し、次の3段階で評
価した。 ◎:良好、 ○:ほぼ良好、 ×:不良 (e) 解舒性 図2示した装置を用い、パッケージ8から50m/分の速
度で解舒し、ニップローラ9と巻取装置10との間で 2.5
倍に伸長しながら引き取って巻き取り、6時間当たりの
糸切れ回数によって、次の3段階で評価した。 ○:0回、 △:3回未満、 ×:3回以上
【0016】実施例1〜5及び比較例1〜4 反応缶にテレフタル酸ジメチル19.4kg及び1,4−ブタン
ジオール11.7kgを仕込み、触媒としてテトラブチルチタ
ネート10gを加え、常圧下、 210℃で 2.5時間エステル
交換反応を行った。得られた反応物を重合缶に移送し、
平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール33kgを
添加し、次いで 250℃で4時間、1トル以下の減圧下で
重縮合反応を行い、融点(Tm) 185℃、極限粘度〔η〕
2.35のポリマーAを得た。(ポリマーAのハードセグメ
ント/ソフトセグメントの重量比H/Sは、約5/5で
ある。) 一方、テレフタル酸23.5kgとエチレングリコール15.2kg
を反応缶に仕込み、 250℃で6時間エステル化反応を行
った。得られた反応物を重合缶に移送し、平均分子量15
00のポリテトラメチレングリコール33kg及び触媒として
テトラブチルチタネート10gを添加し、次いで 250℃で
4時間、1トル以下の減圧下で重縮合反応を行い、融点
(Tm) 223℃、極限粘度〔η〕2.50のポリマーBを得
た。(ポリマーBのH/Sは、約5/5である。) ポリマーA及びBを減圧乾燥した後、図1の工程に従っ
て、通常の溶融紡糸機を用いて紡糸した。この際、紡糸
温度を 260℃とし、直径 0.5mmの紡糸孔を12個有する紡
糸口金から紡出し、表1に示したシリコーン系水エマル
ジョン油剤液又は鉱物油で希釈したシリコーン系非水油
剤液を付与し、第1ゴデットローラ4の速度V1 、第2
ゴデットローラ5の速度V2 及び巻取速度を表1のよう
に変更し、12本に分割して巻き取り、最終的に 50dの弾
性糸が得られるようにした。得られた弾性糸の評価結果
を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、優れた弾性回復性を有
し、かつ、耐薬品性、耐候性、耐熱性の優れたポリエー
テルエステル系弾性糸を工業的に容易に実施できる方法
で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施態様を示す概略工程図で
ある。
【図2】解舒性を評価するために用いた装置の概略説明
図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却筒 3 油剤液付与装置 4 第1ゴデットローラ 5 第2ゴデットローラ 6 パッケージ 7 油剤液加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/86

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート及び/又は
    ポリブチレンテレフタレートを主とするポリエステルを
    ハードセグメント、直鎖状ポリアルキレングリコールを
    ソフトセグメントとするポリエーテルエステル系弾性体
    を 300m/分以上の紡糸速度で溶融紡糸し、冷却固化
    後、50℃以上に加熱した油剤液を糸条に対して5重量%
    以上付与して巻き取ることを特徴とするポリエーテルエ
    ステル系弾性糸の製造法。
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