JPH062217A - ポリエーテルエステル系弾性糸の製造法 - Google Patents

ポリエーテルエステル系弾性糸の製造法

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JPH062217A
JPH062217A JP18317492A JP18317492A JPH062217A JP H062217 A JPH062217 A JP H062217A JP 18317492 A JP18317492 A JP 18317492A JP 18317492 A JP18317492 A JP 18317492A JP H062217 A JPH062217 A JP H062217A
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JP
Japan
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yarn
polyetherester
heat treatment
elastic
spinning
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Application number
JP18317492A
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English (en)
Inventor
Makoto Ito
伊藤  誠
Masatoshi Morita
正敏 森田
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた弾性回復性を有し、かつ、耐薬品性、耐
候性、耐熱性の優れたポリエーテルエステル系弾性糸を
容易に生産性良く製造可能な方法を提供する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリ
ブチレンテレフタレートを主とするポリエステルをハー
ドセグメント、直鎖状ポリアルキレングリコールをソフ
トセグメントとするポリエーテルエステル系弾性体を 8
00m/分以上の紡糸速度で溶融紡糸し、連続して(Tm−
80)〜(Tm−10) ℃の温度〔Tmは弾性体の融点(℃)を
示す。〕で、弛緩率3%以上の弛緩熱処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用及び産業資材用
として適した優れた弾性回復率を有し、かつ、耐薬品
性、耐候性、耐熱性の優れたポリエーテルエステル系弾
性糸を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用や産業資材用の弾性糸とし
ては、ポリウレタン系弾性糸が主に用いられているが、
ポリウレタン系弾性糸は耐熱性、耐薬品性、耐候(光)
性が劣るという欠点があり、近年、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレートのような高結晶
性のポリエステルをハードセグメントとし、ポリテトラ
メチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコ
ールをソフトセグメントとしたポリエーテルエステル系
弾性糸が開発されている(特公昭47− 14054号、同58−
40997号、特開昭58−91820号、特公昭63−36369号、同6
3−60127等) 。
【0003】しかし、この弾性繊維は耐薬品性、耐候
性、耐熱性は優れているが、弾性回復性の面では、ポリ
ウレタン弾性糸よりも劣っており、また、ポリエチレン
テレフタレートのような通常のポリエステル繊維に比べ
て製造が困難で、生産性が悪いという欠点を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた弾性
回復性を有し、かつ、耐薬品性、耐候性、耐熱性の優れ
たポリエーテルエステル系弾性糸を通常のポリエステル
繊維製造装置で容易に生産性良く製造することを可能に
するポリエーテルエステル系弾性糸の製造法を提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、次のような知見を
得た。 ポリエーテルエステル系弾性体も高速紡糸すれば、
通常のポリエステル繊維と同様に高配向糸となり、低伸
度糸が得られる。 紡糸後、未延伸糸又は延伸糸を熱処理すると弾性回
復性が向上する。(これは、熱処理によりハードセクメ
ントの結晶が成長し、回復機能が向上するためと認めら
れる。) 高配向の糸ほど弾性回復による収縮が大きく、収縮
後の糸の方が弾性回復性が良好である。 本発明者らは、これらの知見に基づいて、溶融紡糸の速
度を高くして高配向糸とするとともに、紡糸後、収縮と
熱処理とを同時に行うことにより前記の目的が達成され
ることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、ポリエチレン
テレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレート
を主とするポリエステルをハードセグメント、直鎖状ポ
リアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリ
エーテルエステル系弾性体を800m/分以上の紡糸速度
で溶融紡糸し、連続して (Tm−80)〜(Tm−10)℃の温
度〔Tm は弾性体の融点(℃)を示す。〕で、弛緩率3
%以上の弛緩熱処理を施すことを特徴とするポリエーテ
ルエステル系弾性糸の製造法にある。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の方法は、ポリエチレンテレフタレート及び/又は
ポリブチレンテレフタレートを主とするポリエステルを
ハードセグメント、直鎖状ポリアルキレングリコールを
ソフトセグメントとするポリエーテルエステル系弾性糸
に適用される。ハードセグメントとしてポリエチレンテ
レフタレートを選べば弾性回復性は若干劣るが、強伸度
特性が優れたものとなり、一方、ポリブチレンテレフタ
レートを選べば強伸度特性は若干劣るが、弾性回復性が
優れたものとなるので、目的に応じて何れか一方又は両
者を適宜の割合で併用すればよい。また、ソフトセグメ
ントのポリアルキレングリコールとしては、分子量 500
〜3000のポリテトラメチレングリコールが好適である。
【0008】ハードセグメントとソフトセグメントとの
割合は、優れた弾性回復性と強伸度特性とを保つために
は、ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比を20
/80〜80/20の範囲にすることが好ましい。ソフトセグ
メントの量が20重量%未満では弾性回復性が悪く、ソフ
トセグメントの量が80重量%を超えると高温時や熱処理
後の機械的特性が低下する。
【0009】また、弾性体には、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、酸化防止剤、耐光剤、顔料、難燃剤、制電
剤等の添加剤を含有させることができる。
【0010】次に、溶融紡糸は、常法によって行えばよ
いが、紡糸速度を 800m/分以上とすることが必要であ
る。紡糸速度が 800m/分未満であると、糸の配向が低
いものとなり、紡糸後の弛緩熱処理時に収縮しなくな
り、弾性回復性の良好な糸が得られない。紡糸速度の上
限は3000m/分程度であり、あまり高速になると弛緩熱
処理時の熱効率が悪くなり、十分な弛緩熱処理ができな
くなる。
【0011】溶融紡出された糸条は、冷却固化後、油剤
が付与され、連続して (巻き取ることなく) 弛緩熱処理
される。弛緩熱処理の温度は、(Tm−80)〜(Tm−10)℃
とすることが必要である。この範囲より低温では、熱処
理効果が不十分で、弾性回復性が劣り、一方、この範囲
より高温であると、糸切れが起こったり、糸が収縮しな
くなったりする。また、弛緩率は3%以上とすることが
必要であり、10%以上が好ましい。弛緩率が3%未満で
は弛緩熱処理の効果が発揮されず、糸の弾性回復性が向
上しない。弛緩率の上限は30%程度であり、あまり弛緩
率を大きくすると操業上問題があり、また、収縮しない
場合がある。
【0012】図1は、本発明の方法の一実施態様を示す
概略工程図である。紡糸口金1から紡出された糸条Y
は、冷却筒2及び油剤付与装置3を経てゴデットローラ
4に導かれる。糸条は、第1ゴデットローラ4と第2ゴ
デットローラ5との間で、熱処理用ヒータ6に接触して
通過して弛緩熱処理された後、バッケージ7として巻き
取られる。
【0013】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、例中の測定及び評価法は、次のとおりであ
る。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (2) 弾性回復率 オリエンティック社製テンシロン UTM-4-100型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で100%又は200%まで伸
長した後、同速度で元の長さまで戻し、再度伸長した
時、応力が現れた時の長さを求め、次式によって弾性回
復率を求めた。なお、測定回数は10回とし、その平均値
で表した。 弾性回復率(YE )(%)=〔 (E0ーE1)/E0〕×100 E0 :伸ばした長さ E1 :再度伸ばした時、応力が現れた時の長さ (3) 強伸度 オリエンティック社製テンシロン UTM-4-100型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。なお、測定
回数は10回とし、その平均値で表した。
【0014】参考例1 反応缶にテレフタル酸ジメチル19.4kg及び1,4−ブタン
ジオール11.7kgを仕込み、触媒としてテトラブチルチタ
ネート10gを加え、常圧下、 210℃で 2.5時間エステル
交換反応を行った。得られた反応物を重合缶に移送し、
平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール33kgを
添加し、次いで 250℃で4時間、1トル以下の減圧下で
重縮合反応を行い、融点(Tm) 185℃、極限粘度〔η〕
2.35のポリマーAを得た。(ポリマーAのハードセグメ
ント/ソフトセグメントの重量比H/Sは、約5/5で
ある。)
【0015】参考例2 テレフタル酸23.5kgとエチレングリコール15.2kgを反応
缶に仕込み、 250℃で6時間エステル化反応を行った。
得られた反応物を重合缶に移送し、平均分子量1500のポ
リテトラメチレングリコール33kg及び触媒としてテトラ
ブチルチタネート10gを添加し、次いで 250℃で4時
間、1トル以下の減圧下で重縮合反応を行い、融点(T
m) 223℃、極限粘度〔η〕2.50のポリマーBを得た。
(ポリマーBのH/Sは、約5/5である。)
【0016】参考例3 反応缶にテレフタル酸ジメチル27.2kg及び1,4−ブタン
ジオール12.6kgを仕込み、テトラブチルチタネート10g
を触媒として加え、常圧下、 210℃で2時間エステル交
換反応を行った。得られた反応物を重合缶に移送し、平
均分子量2000のポリテトラメチレングリコール19.8kgを
添加し、次いで 250℃で4時間、1トル以下の減圧下で
重縮合反応を行い、融点(Tm) 225℃、極限粘度〔η〕
2.65のポリマーCを得た。(ポリマーCのH/Sは、約
7/3である。)
【0017】実施例1〜8、比較例1〜3 ポリマーA、B及びCを減圧乾燥した後、図1の工程に
従って、通常の溶融紡糸機を用いて紡糸した。この際、
紡糸温度を 270℃とし、直径 0.5mmの紡糸孔を6個有す
る紡糸口金から紡出し、シリコーン系油剤を付与し、第
1ゴデットローラ4の速度V1 、第2ゴデットローラ5
の速度V2 及びヒータ6の温度Tを表1のように変更
し、吐出量と巻取速度を調整し、最終的に 50d/6fの
弾性糸が得られるようにした。得られた弾性糸の強伸度
及び弾性回復率を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例9〜13、比較例4〜7 ポリマーAを減圧乾燥した後、図1の工程に従って、通
常の溶融紡糸機を用いて紡糸した。この際、紡糸温度を
260℃とし、V1 、V2 及びTを表2のように変更した
以外は上記の実施例と同様にした。得られた弾性糸の強
伸度及び弾性回復率を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、優れた弾性回復性を有
し、かつ、耐薬品性、耐候性、耐熱性の優れたポリエー
テルエステル系弾性糸を通常のポリエステル繊維製造装
置で容易に生産性良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施態様を示す概略工程図で
ある。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却筒 3 油剤付与装置 4 第1ゴデットローラ 5 第2ゴデットローラ 6 熱処理ヒータ 7 パッケージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート及び/又は
    ポリブチレンテレフタレートを主とするポリエステルを
    ハードセグメント、直鎖状ポリアルキレングリコールを
    ソフトセグメントとするポリエーテルエステル系弾性体
    を 800m/分以上の紡糸速度で溶融紡糸し、連続して
    (Tm−80)〜(Tm−10)℃の温度〔Tmは弾性体の融点
    (℃)を示す。〕で、弛緩率3%以上の弛緩熱処理を施
    すことを特徴とするポリエーテルエステル系弾性糸の製
    造法。
JP18317492A 1992-06-17 1992-06-17 ポリエーテルエステル系弾性糸の製造法 Pending JPH062217A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001010929A1 (en) * 1999-08-06 2001-02-15 Eastman Chemical Company Polyesters having a controlled melting point and fibers formed therefrom
US6495656B1 (en) 1990-11-30 2002-12-17 Eastman Chemical Company Copolyesters and fibrous materials formed therefrom

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