JP2967404B2 - コインの研磨計数装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、遊技用コイン・メ
ダル・硬貨（本明細書中単にコインと総称する）の表面
を研磨して油・脂・ゴミ・汚れを除去するとともに、コ
インの枚数を計数する装置であって、パチンコ遊技場，
ゲーム場で主に使用される。

【０００２】

【従来の技術】従来、コインを近接する方向に付勢され
た一対の研磨布の間を通過させることで、コインを研磨
する装置が知られている。しかしながら、この研磨方式
ではコインを一列にして研磨するので、コインの研磨時
間がその枚数を乗じる時間となり、長い研磨時間がかか
っていた。又コインを一列に送る装置が必要としてい
た。一方コイン計数装置として、回転円盤上にコインを
投入し、コインを遠心力で環状外周フレーム内面に移動
させ、コインを外周フレーム内面に沿って回転させなが
らその開口部分から一個毎吐出し、その吐出した個所に
コイン検出器とコインカウンターを設けた構造のものが
知られている。このコイン計数装置では、投入したコイ
ンは遠心力で速い速度で外周フレーム内面に投擲され、
外周フレームの内面周辺部分にコインが多数重なるよう
に集積して、吐出されるまでこの位置で周回し、コイン
同士の接触及びコインと外周フレーム内面との接触が多
くなって、コイン及び外周フレーム内面の損傷が大きい
という問題点がある。更に、コインを計数してコインを
研磨するには、コイン研磨装置とコイン計数装置との二
台の装置を必要とする。しかも各装置ともコインを一列
に送るコイン一列送り装置を備えるものであり、そのた
めコストが嵩むとともに装置が大型化し、又処理速度も
低いものとなっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のかか
る問題点を解消し、小型で且つ安価で研磨及びコイン計
数の処理速度処理量能力が高いコイン研磨計数装置を提
供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、 １） コイン投入口の下方に回転円盤を設け、同回転円
盤の中央部の外側上面にコイン下面研磨用ブラシ毛を植
設し、同回転円盤の外周縁に環状外周フレームを設け、
又回転円盤に植設したブラシ毛の上方にコイン上面研磨
用ブラシ毛を設け、又環状外周フレームの周面の一部を
開口し、同開口にコインの一列排出路を設け、同一列排
出路の途中にコインの通過を検出するコイン検出器を設
け、同コイン検出器が出力するコイン信号を加算してコ
インの通過枚数を計算するコインカウンターを設け、コ
イン投入口と回転円盤との間にコイン投入ガイド筒を設
けるとともに、同コイン投入ガイド筒の下部を半径方向
にスカート状に拡げ、しかも同スカート部の下縁と回転
円盤の上面との間の間隔とにコイン２枚を通過させずコ
イン１枚のみを通過させるだけの間隔とし、回転円盤の
ブラシ毛とその上方のブラシ毛との相対運動によってコ
インの上下面を研磨するとともにコインの枚数をカウン
トすることを特徴とするコインの研磨計数装置 ２） コイン上面研磨用ブラシ毛を固定した前記１）記
載のコインの研磨計数装置 ３） 回転円盤上方に投入口方向に向けて下り勾配の投
入シュートを設け、同投入シュートの中央部を開口して
投入口とし、又同投入口の下方の回転円盤の中央部分を
非植毛部分とした前記１），２）何れか記載のコインの
研磨計数装置 ４） ブラシ毛を植毛する回転円盤の外側上面を回転円
盤の植毛しない中央部上面より低くし、且つ外側上面に
植毛されたブラシ毛の上端を回転円盤の植毛しない中央
部上面と略同一レベルとした前記１），２），３）何れ
か記載のコインの研磨計数装置にある。

【０００５】

【作用】本発明では、コインが投入口から落下すると、
コインは回転円盤の中央部にのり、回転円盤の回転によ
る遠心力で外側の方へ移動する。コインは回転円盤の外
側に設けたブラシ毛の上に移動し、上方の固定したブラ
シ毛又は下方のブラシ毛と相対速度でもって動く上方の
ブラシ毛との間に挟まれる。遠心力でコインが外側方向
に動く間、上下のブラシ毛によってコインの上下面は研
磨され、外周フレームの内面と接触し、外周フレームの
内面に沿って転がってその開口からコイン一個毎コイン
一列排出路へ排出される。コイン一列排出路ではコイン
検出器がコインの通過を検出し、コイン検出信号をコイ
ンカウンターへ送って通過コインの数を加算してカウン
トする。又コインは上下のブラシ毛との摩擦力で外周フ
レームへの移動速度が抑えられ、外周フレーム内面では
１列になる程度にゆっくりと送られる。即ち、開口から
吐出されるコインの排出処理速度と外周フレーム内面へ
の送り処理速度が略同じようにでき、よってコインが外
周フレーム内面で重なったり、複数列になることがない
ように円滑に移動できるようになる。これによってコイ
ン同士及び外周フレーム内面との接触が少なくなり、損
傷を小さくできる。本発明での他の重要な点は、コイン
が一列で吐出されると同時に研磨もなされ、且つ一回の
一列吐出工程で済むので大巾に処理速度を高めることが
できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の回転円盤上面に植設され
るブラシ毛の上端と、上方のブラシ毛の下端との間隔は
コイン１枚の厚みよりやや短かくし、ブラシ毛がある程
度確実にコイン表面に接触するようにすることが好まし
い。投入口の下方にコイン投入ガイド筒を設けること
が、コインのブラシ毛への移動を円滑にし、投入口下方
でコインが詰らないようにできる。上方のブラシ毛は下
方の回転円盤のブラシ毛に対し、固定又は相対運動があ
るように回転させることもできるが、固定する方法の方
が構造・機構が簡単で好ましい。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は実施例の縦断面図である。図２は実施例の
投入シュートを外した平面図である。図３は実施例の斜
視図である。図４は実施例の一部切欠斜視図である。図
５は実施例の一部切欠斜視図である。図６は実施例の分
解斜視図である。図７は実施例の上方ブラシを示す一部
切欠斜視図である。図８は実施例の回転円盤を示す一部
切欠斜視図である。図９は実施例の内部機構を示す説明
図である。図１０は実施例の研磨状態を示す説明図であ
る。図１〜１０に示す実施例は、回転円盤の投入口の下
方の中央部分を除いてその外側に下方のブラシ毛を植毛
し、しかも同ブラシ毛の上端と回転円盤中央部の上面と
を略同一レベルにし、上方のブラシ毛を固定し、投入口
にコイン投入ガイド筒を設けた例である。図１〜１０図
中、１はコインを投入する中央に向けて下り勾配の投入
シュート、１ａは同投入シュートの中央部に設けた投入
口、２は回転円盤、２ａは同回転円盤の中央部、２ｂは
回転円盤のブラシ毛２ｃを植毛する中央部２ａの上面よ
り低い位置のブラシ毛植毛面、２ｃは同ブラシ毛植毛面
に植毛した下方のブラシ毛、２ｄは回転円盤２の裏面に
設けた回転動力伝達ピン８ｂの挿入孔、３は回転円盤２
の上方に固設された上方ブラシ盤、３ａは上方ブラシ盤
の裏面に植毛された上方ブラシ毛、３ｂは中央に開口し
たコイン通過口、３ｃは同コイン通過口の口縁に取付け
たコイン投入ガイド筒であって、同コイン投入ガイド筒
の下部は外方向に拡がってスカート状となっている。又
同コイン投入ガイド筒の下縁と回転円盤２の中央部２ａ
の上面との間の間隔はコインｃの厚みの１枚分より大き
く２枚分より小さい長さである。４は回転円盤２の環状
外周フレーム、４ａは同外周フレームの周面に設けられ
たコイン一枚のみ通過させる開口、５はコイン一列排出
路、５ａは同コイン一列排出路のコイン送り出し用無端
ベルト、５ｂはプーリ、５ｃはタイミングベルト、５ｄ
は同タイミングベルト５ｃを送るモータ、５ｅはコイン
吐出口、６はコイン検出器、７は同コイン検出器の検出
信号を入力してコインの通過枚数をカウントするコイン
カウンター、７ａは同コインカウンターのコイン通過枚
数表示器、８は回転円盤２の駆動機構であって、８ａは
回転円盤２を回動させる回転軸、８ｂは同回転軸の軸端
に立設した回転動力伝達ピン、８ｃは軸受、８ｄは回転
軸８ａの下端に取付けたベルト車、８ｅはモータ、８ｆ
は同モータ８ｅの回転軸の軸に取付けたベルト車、８ｇ
はベルト車８ｅ，８ｆを連動するタイミングベルト、８
ｈは支持板、９は装置ケーシング、Ｃはコインである。
この実施例では、まず、モータ８ｅを作動させること
で、ベルト車８ｅ，８ｆ，タイミングベルト車８ｄを介
して回転軸８ａを回転させる。同回転軸８ａの回転によ
って回転動力伝達ピン８ｂを介して回転円盤２が回転す
る。この回転円盤２の回転状態にしてコインＣを投入す
る。コインＣが投入シュート１ヘ投入されると、コイン
Ｃは下り勾配に沿って中央の投入口１ａへ移動し、投入
口１ａ，コイン投入ガイド筒３ｃを落下して回転円盤２
の中央部２ａ上に落下する。回転円盤２の中央部２ａに
落下したコインＣは回転することで遠心力が発生して半
径方向（外側方向）へ移動しようとする。このときコイ
ン投入ガイド筒３ｃによって規制され、コイン１個の状
態で外方向へ移動する。外方向に移動したコインＣは略
同一レベルの下方のブラシ毛２ｃの上面に移動する。コ
インＣは下方の回転するブラシ毛２ｃと上方の固定され
たブラシ毛３ａとの間に挟まれて移動する。上方のブラ
シ毛３ａはコインＣを動かないようにし、下方のブラシ
毛２ｃは円周方向に動かそうとし、更に遠心力はコイン
Ｃを半径方向に移動させようとするがその拮抗で、コイ
ンＣはブラシ毛で上下面摩擦されて研磨されながらあま
り速くならない程度の速度で螺旋状に動いて外周フレー
ム４の内面に当り、この外周フレーム４の内面に沿って
転がりながら移動し、そのうち開口４ａに入り込んでコ
イン一列排出路５へ移動し、無端ベルト５ａで強制送り
されてコイン吐出口５ｅから排出される（図２参照）。
この吐出口５ｅ近くにあるコイン検出器６によってコイ
ンＣの通過を検出し、コインカウンター７で通過枚数を
加算していき、その通過枚数をコイン通過枚数表示器７
ａに出力して表示する。以上の実施例では、複数のコイ
ンＣが同時に投入され、回転円盤２の上面に分散してブ
ラシ毛で同時に研磨され，且つ計数のための一列に並べ
る工程ともなることで、研磨・計数処理速度がきわめて
速くできる。

【０００８】

【発明の効果】以上の様に、本発明によれば複数のコイ
ンは同時に、回転円盤上の上下の相対運動するブラシ毛
の間を通過する過程で研磨されるので、研磨と一列に送
る工程を同時にでき、且つ一回の一列送りで済むので、
研磨・計数処理時間を大巾に短縮できるものとした。
又、コインの重なり、コイン同士又は外周フレームとの
接触を少なくして整然と送るので、コイン及び外周フレ
ーム内面の損傷を少なくできる。又コイン投入ガイド筒
によって確実にコインを詰らないようにブラシ毛の方向
に送るものとしている。又、回転円盤の中央部と下方の
ブラシ毛とのレベルを略同じにすることでコインのブラ
シ毛への移動を容易にしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断面図である。

【図２】実施例の投入シュートを外した平面図である。

【図３】実施例の斜視図である。

【図４】実施例の一部切欠斜視図である。

【図５】実施例の一部切欠斜視図である。

【図６】実施例の分解斜視図である。

【図７】実施例の上方ブラシを示す一部切欠斜視図であ
る。

【図８】実施例の回転円盤を示す一部切欠斜視図であ
る。

【図９】実施例の内部機構を示す説明図である。

【図１０】実施例の研磨状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 投入シュート １ａ 投入口 ２ 回転円盤 ２ａ 中央部 ２ｂ ブラシ毛植毛面 ２ｃ ブラシ毛 ２ｄ 挿入孔 ３ 上方ブラシ盤 ３ａ ブラシ毛 ３ｂ コイン通過口 ３ｃ コイン投入ガイド筒 ４ 外周フレーム ４ａ 開口 ５ コイン一列排出路 ５ａ 無端ベルト ５ｂ プーリ ５ｃ タイミングベルト ５ｄ モータ ５ｅ コイン吐出口 ６ コイン検出器 ７ コインカウンター ７ａ コイン通過枚数表示器 ８ 駆動機構 ８ａ 回転軸 ８ｂ 回転動力伝達ピン ８ｃ 軸受 ８ｄ ベルト車 ８ｅ モータ ８ｆ ベルト車 ８ｇ タイミングベルト ８ｈ 支持板 ９ 装置ケーシング

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイン投入口の下方に回転円盤を設け、
   同回転円盤の中央部の外側上面にコイン下面研磨用ブラ
   シ毛を植設し、同回転円盤の外周縁に環状外周フレーム
   を設け、又回転円盤に植設したブラシ毛の上方にコイン
   上面研磨用ブラシ毛を設け、又環状外周フレームの周面
   の一部を開口し、同開口にコインの一列排出路を設け、
   同一列排出路の途中にコインの通過を検出するコイン検
   出器を設け、同コイン検出器が出力するコイン信号を加
   算してコインの通過枚数を計算するコインカウンターを
   設け、コイン投入口と回転円盤との間にコイン投入ガイ
   ド筒を設けるとともに、同コイン投入ガイド筒の下部を
   半径方向にスカート状に拡げ、しかも同スカート部の下
   縁と回転円盤の上面との間の間隔とにコイン２枚を通過
   させずコイン１枚のみを通過させるだけの間隔とし、回
   転円盤のブラシ毛とその上方のブラシ毛との相対運動に
   よってコインの上下面を研磨するとともにコインの枚数
   をカウントすることを特徴とするコインの研磨計数装
   置。
2. 【請求項２】 コイン上面研磨用ブラシ毛を固定した請
   求項１記載のコインの研磨計数装置。
3. 【請求項３】 回転円盤上方に投入口方向に向けて下り
   勾配の投入シュートを設け、同投入シュートの中央部を
   開口して投入口とし、又同投入口の下方の回転円盤の中
   央部分を非植毛部分とした請求項１，２何れか記載のコ
   インの研磨計数装置。
4. 【請求項４】 ブラシ毛を植毛する回転円盤の外側上面
   を回転円盤の植毛しない中央部上面より低くし、且つ外
   側上面に植毛されたブラシ毛の上端を回転円盤の植毛し
   ない中央部上面と略同一レベルとした請求項１，２，３
   何れか記載のコインの研磨計数装置。