JP2965181B2 - カテコールの製法 - Google Patents

カテコールの製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フェノールをケトン
類の存在下にリン酸成分を含有する過酸化水素で酸化し
てカテコールとハイドロキノンとを生成させたカテコー
ル生成反応液を、活性炭、活性アルミナなどの吸着剤と
接触させることによって前記反応と共に生成した燐酸塩
等の燐酸成分を除去し、さらに、その燐酸成分が除去さ
れた反応液の蒸留精製を行うことによって、製品のカテ
コールの品質を低下することがないと共に、燐酸成分が
蒸留精製装置のリボイラーの細管、整流板、多孔板等に
スケールとして付着することを効果的に防止し、その蒸
留精製工程を長期間、連続的に、何らの支障もなく操業
することができ、目的物であるカテコールを工業的に得
る方法に係わる。
【0002】
【従来技術の説明】一般に、カテコール(オルソヒドロ
キシベンゼン)の製造は、フェノールをケトン類の存在
下に過酸化水素で酸化して、主として次に示す反応式に
従って、カテコールとハイドロキノンとを併産し、次い
で、主としてその反応液を蒸留精製する方法でカテコー
ルを得ることによって、行われている。
【0003】
【化1】
【0004】(但し、式中において、RおよびR
は、それぞれ独立してもよい、メチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、n
−ペンチル、n−ヘキシル等の炭素数1〜6、特に1〜
4の低級アルキル基である。)
【0005】一方、過酸化水素は、アンスラキノン類の
酸化・還元法によって過酸化水素を生成させる方法(い
わゆるアンスラキノン法)によって調製された反応液を
水抽出して過酸化水素水溶液を得る方法で製造されてお
り、その場合に、前述の製法において、反応液の安定化
などの目的で過酸化水素水溶液に燐酸類を添加すること
がしばしば行われている。
【0006】前記のカテコールの製法において『燐酸成
分をかなり含有する過酸化水素水溶液』を使用した場合
に、前述のカテコール生成反応では、燐酸成分も反応し
て燐酸塩などとなるが、その後、カテコール生成反応液
を蒸留精製工程に供給して蒸留精製を行った際に、水分
が除去されると前記燐酸塩などがスケールとして蒸留装
置に付着してしまい、そのスケールの除去作業のために
前記蒸留精製を1〜7日間の短期間毎で中断させなけれ
ばならない主な原因となっており、カテコールの生産性
が低くなるという問題があったのである。
【0007】
【本発明が解決しようとする問題点】この発明は、燐酸
成分をかなり含有する過酸化水素水溶液を使用して、カ
テコールを製造する際に、その反応液の精製工程におい
て、水分が実質的に除去されても燐酸塩などの燐酸成分
によるスケールの発生を最小限に防止することができ、
しかも、製品のカテコールの品質を悪化させることな
く、その結果、カテコールの生産性を高くすることがで
きるカテコールの製法を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【問題点を解決する手段】この発明は、フェノールをケ
トン類の存在下、燐酸成分を含有する過酸化水素で酸化
してカテコールとハイドロキノンとを生成させたカテコ
ール生成反応液を吸着剤と接触させることによって燐酸
成分を除去し、さらに、燐酸成分が除去された反応液の
蒸留精製を行うことを特徴とするカテコールの製法に関
する。
【0009】特に、この発明のカテコールの製法におい
ては、カテコール生成反応液の供給を、燐酸成分が充分
に吸着して吸着活性が低下した吸着剤の充填層から、吸
着活性の高い吸着剤の充填層へと切り換えて、吸着活性
の低下した吸着剤を無機塩基水溶液及び/又は無機酸水
溶液で吸着活性を再生し吸着活性の高い吸着剤となし、
前記の各吸着剤の充填層への切り換えを順次繰り返しな
がら行うことが、工業的に特に好ましい。
【0010】この発明において使用するカテコール生成
反応液は、フェノールを、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、
エチルプロピルケトン、エチルイソブチルケトンなどの
炭素数2〜8(特に2〜6)の低級ケトン類の存在下、
必要であれば、硫酸、燐酸、硫酸塩、燐酸塩、燐酸エス
テル、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、スル
ホン酸類、過塩素酸などの触媒の存在下、燐酸成分を含
有する過酸化水素で酸化して、カテコールとハイドロキ
ノンとを生成させた反応液であればよい。
【0011】前記のカテコール生成反応に使用する『燐
酸成分を含有する過酸化水素』としては、過酸化水素の
濃度が約20〜80重量%、特に30〜70重量%程度
である過酸化水素水溶液を使用することが好ましく、
又、燐酸成分を約20〜5000ppm、特に50〜4
000ppm程度含有している過酸化水素水溶液であっ
てもよい。前記のカテコール生成反応は、その反応温度
が、60〜150℃、特に65〜125℃程度の反応温
度であることが好ましい。
【0012】前記のカテコール生成反応液は、一般に、
未反応フェノールを80〜98重量%、特に85〜95
重量%の割合で含有しており、カテコールを0.5〜5
重量%、特に1〜4重量%程度の割合で含有していると
共に、ハイドロキノンの濃度がカテコールの含有率の1
/5〜1/1、特に1/4〜2/3程度であり、さら
に、重量比が1/2〜2/1であるケトン類と水とを合
計で0.5〜6重量%、特に1〜5重量%程度の濃度で
含有している共に、燐酸成分を、燐酸に換算して5〜1
000ppm、特に10〜500ppm含有しているこ
とが好ましい。
【0013】この発明においては、前述のカテコール生
成反応液を、充填塔に充填された吸着剤の粒子(吸着剤
層)と接触させることによって、カテコール生成反応液
から燐酸成分を吸着剤粒子へ吸着させて実質的に除去
し、さらに、『燐酸成分が除去されたカテコールを含有
する反応液』の蒸留・精製を行って、目的物であるカテ
コールなどを得るのである。
【0014】前記の吸着剤としては、活性炭、活性アル
ミナ粒子、ゼオライトなどの無機系吸着剤を好適に挙げ
ることができ、特にアルミナ成分をAlとして9
0%以上(特に95重量%以上)含有している高純度の
ものであり、しかも、比表面積が100〜600m
g(特に120〜500m/g)である活性アルミナ
粒子(特に活性γ−アルミナ粒子)、または、比表面積
が約900〜1500m/g、特に1000〜120
0m/gである活性炭が好適である。
【0015】前記の活性アルミナ粒子などの粒子状の吸
着剤としては、粒子径が3〜50メッシュ、特に4〜3
0メッシュ、さらに好ましくは5〜20メッシュ程度で
あることが好ましい。また、吸着剤は、苛性ソーダ水溶
液などの水酸化アルカリ水溶液に浸漬して、苛性ソーダ
などの水酸化アルカリを担持させたものであってもよ
い。
【0016】前記カテコール生成反応液から燐酸成分を
吸着剤で吸着して除去する際には、その吸着温度がカテ
コール生成反応の反応温度と同じ程度の温度であるか又
は、その反応液を該反応温度より5〜100℃程度低い
温度まで冷却した温度であればよく、この発明では、例
えば10〜150℃、特に20〜125℃、更に30〜
100℃程度の温度で、3〜50時間、特に4〜30時
間、燐酸成分の吸着を連続的に行うことができる。
【0017】この発明では、カテコール生成反応液は、
前述の吸着剤と接触させる前又は後で、適宜、苛性ソー
ダなどの水酸化アルカリの水溶液でPH3〜5程度にま
で部分的に中和してもよい。(図1における供給ライン
41から供給される苛性ソーダ水溶液(1)、又は、供
給ライン42から供給される苛性ソーダ水溶液(2)を
参照)
【0018】カテコール生成反応液を水酸化アルカリ水
溶液で部分的にPH3〜5程度に中和した後に吸着剤と
接触させる場合には、吸着剤として活性炭を使用するこ
とが適当であり、また、カテコール生成反応液をまった
く中和せずに吸着剤と接触させる場合には、吸着剤とし
て活性アルミナを使用することが適当である。
【0019】前記の蒸留精製は、公知の蒸留操作を組み
合わせて行うことができ、例えば、最初に、『燐酸成分
が除去されたカテコールを含有する反応液』を軽質蒸留
塔へ供給してその蒸留塔でケトン類、水等の軽質分を留
出させて除去し、その軽質蒸留塔の缶液(フェノール、
カテコール、ハイドロキノンなど)を次のフェノール蒸
留塔へ供給してフェノールを留出させて除去することに
よって、先ず、反応生成物(カテコール、ハイドロキノ
ン等)を高濃度で含有する濃縮反応液をこのフェノール
蒸留塔の低部における缶液として得ればよい。
【0020】前記の蒸留精製では、前述のカテコール生
成反応液を濃縮した後に、続いて、前記フェノール蒸留
塔の缶液(カテコールとハイドロキノンなど)を次のカ
テコール蒸留塔へ供給してカテコール留分を留出させ目
的のカテコールを回収し、最後に、カテコール蒸留塔の
缶液(ハイドロキノンなど)を次のハイドロキノン蒸留
塔へ供給してハイドロキノン留分を留出させて、カテコ
ール生成反応の副生成物であるハイドロキノンを得る蒸
留操作であることが好ましい。
【0021】この発明のカテコールの製法における代表
的な実施態様としては、図1に示すように、まず、ライ
ン11経由の燐酸成分を含有する過酸化水素水溶液、ラ
イン12経由の触媒溶液、ライン14経由のケトン類
(蒸留精製工程より)、及び、ライン13経由の新規な
フェノール及び/又はライン15経由の循環フェノール
(蒸留精製工程より)を、第一反応塔1及び第二反応塔
へ順次供給して、前述の化学式に従って、フェノールと
ケトン類と過酸化水素とを約60〜150℃、特に65
〜125℃の反応温度で反応させて、カテコール及びハ
イドロキノンを生成させその反応液を一旦第一受液槽
(レシーバータンク)3へ送液する。
【0022】前述のようにして得られた反応液は、第一
受液槽3から、高い吸着活性の吸着剤が充填されている
第一充填塔4または第二充填塔5へ供給して、燐酸成分
を吸着して除去して、脱燐酸成分反応液を生成させ、そ
の反応液を切換えバルブ25又は35と送液ライン61
経由で第二受液槽(レシーバータンク)6へ送液して一
旦貯液する。
【0023】そして、最後に、その脱燐酸成分反応液を
第二受液槽6から供給ライン62経由で蒸留精製工程
(省略)7へ送液して、反応液を蒸留・精製して、順
次、ケトン類、未反応のフェノール、製品のカテコール
及び副生するハイドロキノンを回収すると共に、ケトン
類及びフェノールは、前記のカテコール生成反応に使用
するために、ライン14及びライン15経由で循環ケト
ン類及び循環フェノールとして第一反応塔1へ送液して
循環・使用するのである。
【0024】なお、前記の代表的な実施態様において、
図1に示すように、第二充填塔5において、カテコール
生成反応液との接触によって燐酸成分が多量に吸着され
て燐酸成分の除去性能が低下した活性アルミナ粒子等の
吸着剤(燐酸成分が飽和状態にまで吸着している吸着
剤)は、例えば、その第二充填塔5へカテコール生成反
応液の供給を停止した後、該第二充填塔5へ無機塩基水
溶液(供給ライン32のバルブ経由の苛性ソーダ水溶液
など)を供給して燐酸成分を溶出させて該吸着剤の粒子
から除去して、吸着剤を再生すればよいのである。
【0025】吸着剤の再生においては、前述の無機塩基
水溶液の処理に続いて、第二充填塔5へ無機酸水溶液
(供給ライン33のバルブ経由の低濃度の硫酸水溶液な
ど)を、該充填塔5から供給して、無機塩基成分を該充
填剤の粒子から除去し、最後に、無機酸水溶液の供給を
停止して、該充填塔5へ水(供給ライン34のバルブ経
由の水)を供給して水洗することによって、第二充填塔
5の充填剤を再生することが、最も好ましいのである。
【0026】又、前記の代表的な実施態様において、第
一充填塔4を再生する場合には、供給ライン22のバル
ブ経由の苛性ソーダ水溶液など無機塩基水溶液、供給ラ
イン23のバルブ経由の低濃度の硫酸水溶液などの無機
酸水溶液、及び、供給ライン24のバルブ経由の水を、
前述の第二充填塔5の再生と同様に順次供給して行えば
よい。
【0027】前述の活性アルミナ粒子などの吸着剤の再
生に使用される無機塩基水溶液は、0.5〜5重量%の
濃度である苛性ソーダ水溶液(NaOHaq.)、苛性
カリ水溶液などの水酸化アルカリ水溶液、炭酸ソーダ水
溶液などを挙げることができ、特に濃度0.5〜4重量
%の苛性ソーダ水溶液が最も好ましい。
【0028】又、活性アルミナ粒子などの吸着剤の再生
に使用される無機酸水溶液は、5重量%以下の濃度であ
る、硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸水溶液を使用するこ
とができるが、特に濃度0.05〜2重量%の硫酸水溶
液が、好適である。
【0029】この発明において、前記の第一充填塔4と
第二充填塔5とは、前述の充填剤の再生と、カテコール
生成反応液中の燐酸成分などの吸着除去とを、図1に示
す切換バルブ21と31との切換、及び、切換バルブ2
5と35との切換によって、交互に繰り返し行うように
して、カテコール生成反応液を活性な充填剤の充填され
た充填塔へ常時供給して燐酸成分を連続的に除去するこ
とが好適である。
【0030】この発明において、吸着剤として活性アル
ミナ粒子を充填塔に充填して使用する場合には、前記の
充填塔への充填密度が、約500〜1000g(活性ア
ルミナ粒子)/リットル(アルミナ充填塔の充填部の容
量)、特に600〜900g/リットル程度となるよう
に、活性アルミナ粒子を各充填塔に充填して、活性アル
ミナ粒子の充填層がそれぞれ形成されていることが好ま
しい。
【0031】前記の第一充填塔4又は第二充填塔5を使
用する場合に、カテコール生成反応液の供給におけるS
V値(1/Hr:カテコール生成反応液の供給速度/吸
着剤の充填層の容積)が、0.5〜10、特に0.6〜
6程度とすることが好ましく、カテコール生成反応液が
吸着剤粒子の充填層と接触する時間(カテコール生成反
応液の充填層での滞留時間)が6〜120分間、特に1
0〜100分間程度であることが好ましい。
【0032】前記の蒸留精製工程においては、各蒸留装
置として、蒸留塔の下部に熱交換器型リボイラーを有し
ていて、蒸留塔の上部に塔頂留出分を抜き出し冷却し凝
縮して、凝縮された留分の一部を外部へ取出しながら、
残りの留分を蒸留塔へ還流させることができるようにな
っていて、さらに、蒸留塔の内部に多孔板、整流板、充
填物などが多数段内設されている多段蒸留塔を使用する
ことが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、この発明のカテコールの製法の実施例
を示す。この実施例において、過酸化水素水溶液の過酸
化水素濃度は、JIS K1463に準拠する過マンガ
ン酸カリウム溶液での滴定法で行い、燐酸成分の濃度
は、バナドモリブドリン酸による吸光光度法〔分析化学
便覧(改定二版)208頁、出版社:丸善,発行日:昭
和53年2月〕に準じて行った。カテコール生成反応液
中の燐酸成分の濃度は、白金ルツボ中で有機物を燃焼し
た後、原子吸光分析で定量して測定した。
【0034】実施例1 図1に示すような製造装置を使用して、カテコールを製
造した。即ち、フェノールを8000g/Hrの供給速
度、メチルイソブチルケトンを100g/Hrの供給速
度、過酸化水素水溶液(過酸化水素濃度:60重量%、
燐酸成分濃度:約3400ppm)を200g/Hrの
供給速度で、触媒溶液と共に第一反応槽1へ供給して、
第一反応槽1(ジャケット温水温度:70〜80℃)及
び第二反応槽2(ジャケット温水温度:80〜90℃)
で75〜85℃の反応温度で反応させて、カテコール生
成反応液を第一受液槽3へ送液して貯液した。
【0035】前記のカテコール生成反応液の組成は、概
略、フェノール92.0重量%、カテコール2.7重量
%、ハイドロキノン1.7重量%、メチルイソブチルケ
トン1.4重量%、水1.9重量%、高沸点有機物0.
3重量%、さらに、燐酸成分(HPO換算)79.
1ppmであった。
【0036】次いで、活性炭(二村化学(株)製、GL
−30、比表面積:1000m/g、平均粒子径:1
・25mm)を苛性ソーダ水溶液(濃度5重量%)に浸
漬して水洗して乾燥して調製した120ミリリットルの
活性炭を充填した第一充填塔4へ、前述のようにして調
製したカテコール生成反応液を600ミリリットル/H
rの供給速度(SV:5)で供給して、約80℃の温度
で約5時間該反応液と充填塔内の吸着剤とを接触させて
燐酸成分の吸着・除去を行い、燐酸成分の除去されたカ
テコール生成反応液を得て、希薄な苛性ソーダ水溶液
(2)(供給速度:1ミリリットル/Hr、濃度:2重
量%)を供給ライン42から添加して該反応液をPH4
程度まで部分中和して、第二受液槽6へ送液して貯液し
た。
【0037】なお、前記の吸着操作において、図1にお
けるバルブ31とバルブ35を閉として第二充填塔5を
前記反応液の燐酸成分の吸着・除去操作にまったく使用
しなかった。また、前記の吸着操作において、希薄な苛
性ソーダ水溶液(1)を供給ライン41からカテコール
生成反応液に添加することもまったく行わなかった。そ
して、前記の活性炭は、苛性ソーダ水溶液に浸漬して苛
性ソーダを担持させたもの使用した。
【0038】さらに、前述の反応液中の燐酸成分の吸着
・除去を行った後に、第二受液槽6の前述の脱燐酸成分
のカテコール生成反応液を、蒸留精製工程に連続的に供
給して、順次、軽質蒸留、フェノール蒸留、カテコール
蒸留、ハイドロキノン蒸留などの蒸留精製を行い、メチ
ルイソブチルケトン、未反応フェノールを回収し、そし
て、目的物のカテコール66g、および、副生成物のハ
イドロキノン44gをそれぞれ得た。
【0039】前述の蒸留精製の操業において、軽質蒸留
塔のリボイラー、整流板などへのスケールの付着が実質
的になく、蒸留精製を停止することはなかった。また、
前述の実施例において、種々の吸着条件、燐酸成分の除
去されたカテコール生成反応液中に残存する燐酸成分か
ら算出された燐酸成分の除去率などを、第1表に示す。
【0040】実施例2 吸着剤を活性アルミナ(水澤化学工業(株)製、商品
名:活性アルミナRN、比表面積:180m/g、平
均粒子径:1.7〜3.4mm)に代えたほかは、実施
例1と同様にして、カテコールの製造を行った。その結
果を第1表に示す。
【0041】実施例3 第一受液槽3から送液されているカテコール生成反応液
に、供給ライン41からの希薄な苛性ソーダ水溶液
(1)(供給速度:1ミリリットル/Hr、濃度:2重
量%)を添加して、カテコール生成反応液を部分的に中
和してPHを4として、供給ライン42からの希薄な苛
性ソーダ水溶液(2)の供給を停止し、その中和処理反
応液を燐酸成分の吸着・除去に使用し、そして、吸着材
には苛性ソーダを担持させなかったものを使用したほか
は、実施例1と同様に実施してカテコールを製造した。
その結果を第1表に示す。
【0042】実施例4 吸着剤を実施例2で使用されたと同様の活性アルミナ
(水澤化学工業(株)製、商品名:活性アルミナRN)
に代えたほかは、実施例3と同様にして、カテコールの
製造を行った。その結果を第1表に示す。
【0043】比較例1及び2 吸着剤を充填した第一充填塔4及び5をまったく使用せ
ず、カテコール生成反応液中の燐酸成分の吸着除去をま
ったく行なわず、バイパスライン(図1に示してない)
によって第二受液槽6へカテコール生成反応液を送液し
たほかは、実施例1又は3と同様にしてカテコールの製
造をそれぞれ行った。それらの結果を第1表に示す。
【0044】実施例5 図1に示すような、第一反応塔1及び第二反応塔2、第
一受液槽3、第一充填塔4及び第二充填塔5、第二受液
槽6、蒸留精製工程などを有するカテコール製造装置を
使用して、カテコール生成反応液(燐酸成分:約85p
pm)を供給する各充填塔の切り換え、及び、各充填塔
の吸着剤の再生を約35時間毎に交互に繰り返し行っ
て、カテコール生成反応液中の燐酸成分の吸着・除去、
更に、蒸留精製を約216時間連続的に行い、充填剤と
しては苛性ソーダ含浸処理なしのものを使用したほか
は、実施例2と同様にしてカテコールを連続的に製造し
た。
【0045】前記の各充填塔の吸着剤の再生において
は、燐酸成分が飽和状態で吸着されている充填剤が充填
されている充填塔に対して、切り換えバルブ21と2
5、又は31と35を閉として、苛性ソーダ水溶液(2
重量%)と、硫酸水溶液(0.5重量%)と、純水の各
供給ライン22、23、24、又は32、33、34を
それぞれ下記のように適宜連結して吸着剤の再生を繰り
返し行った。
【0046】前記の各充填塔の吸着剤の各再生において
は、カテコール生成反応液の供給を停止した後、充填塔
内の温度を25℃程度に保持したまま、 1)メチルイソブチルケトン溶媒を500ミリリットル
/時(SV値:5)で、25℃、1時間供給して洗浄
し、フェノール等を除去し、 2)80℃の純水を600ミリリットル/時(SV値:
5)で1時間供給して水洗して、メチルイソブチルケト
ン溶媒を除去し、 3)5重量%の苛性ソーダ水溶液を600ミリリットル
/時(SV値:5)で2時間供給して、活性アルミナ粒
子からリン酸成分を除去し、 4)純水を600ミリリットル/時(SV値:5)で、
25℃、1時間供給して水洗し、 5)1重量%の硫酸水溶液を600ミリリットル/時
(SV値:5)で、25℃、1時間供給して、活性アル
ミナ粒子から苛性ソーダ成分を除去し、 6)純水を600ミリリットル/時(SV値:5)で1
時間供給して水洗して硫酸成分を除去して、充填塔内の
活性アルミナ粒子を再生した。
【0047】前述のカテコールの連続製造において、各
充填塔で吸着処理が行われた直後の『カテコール生成反
応液中の燐酸成分の含有率(ppm)』の変化などを第
2表に示す。前述のカテコールの連続製造を約216時
間行った後に蒸留精製工程の各蒸留塔を調べた結果、ス
ケールの付着は微少であり、蒸留精製工程をさらに長期
間操業することが可能であった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【本発明の作用効果】この発明によれば、燐酸成分をか
なり含有する過酸化水素水溶液と、フェノールと、ケト
ン類とを使用してカテコールを製造する際に、そのカテ
コール生成反応液中の燐酸成分を吸着剤で効果的に吸着
・除去されるので、カテコール生成反応の精製工程にお
ける軽質蒸留塔等で水分が実質的に除去されても各蒸留
塔での燐酸塩などの燐酸成分によるスケールの発生を最
小限に防止することができ、しかも、製品のカテコール
の品質を悪化させることなく、その結果、カテコールの
生産性を著しく高くすることができるカテコールの製法
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカテコールの製法における製造工程の
一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:第一反応塔 2:第一反応塔 3:第一受液槽 4:第一充填塔 5:第二充填塔 6:第二受液槽 7:蒸留精製工程 11:供給ライン(H水溶液) 12:供給ライン(触媒) 13:供給ライン(新規のフェノール) 14:供給ライン(循環ケトン類) 15:供給ライン(循環フェノール) 22:供給ライン(希薄な苛性ソーダ水溶液) 23:供給ライン(希薄な硫酸水溶液) 24:供給ライン(水) 32:供給ライン(希薄な苛性ソーダ水溶液) 33:供給ライン(希薄な硫酸水溶液) 34:供給ライン(水) 41:供給ライン(苛性ソーダ水溶液(1)) 42:供給ライン(苛性ソーダ水溶液(2))
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 39/08 C07C 37/60 C07C 37/68 - 37/88

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノールをケトン類の存在下、燐酸成分
    を含有する過酸化水素で酸化してカテコールとハイドロ
    キノンとを生成させたカテコール生成反応液を吸着剤と
    接触させることによって燐酸成分を除去し、さらに、燐
    酸成分が除去された反応液の蒸留精製を行うことを特徴
    とするカテコールの製法。
  2. 【請求項2】カテコール生成反応液の供給を、燐酸成分
    が充分に吸着して吸着活性が低下した吸着剤の充填層か
    ら、吸着活性の高い吸着剤の充填層へと切り換えて、吸
    着活性の低下した吸着剤を無機塩基水溶液及び/又は無
    機酸水溶液で吸着活性を再生し吸着活性の高い吸着剤と
    なし、前記の各吸着剤の充填層への切り換えを順次繰り
    返す請求項1のカテコールの製法。
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