JP2964532B2 - 4輪駆動車の動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車の動力伝達装置

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JP2964532B2
JP2964532B2 JP2085276A JP8527690A JP2964532B2 JP 2964532 B2 JP2964532 B2 JP 2964532B2 JP 2085276 A JP2085276 A JP 2085276A JP 8527690 A JP8527690 A JP 8527690A JP 2964532 B2 JP2964532 B2 JP 2964532B2
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聖一 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は4輪駆動車の動力伝達装置に係り、特に変
速機、差動機、動力分配機等を有するパワートレーンの
重量の均一化を図り得る4輪駆動車の動力伝達装置に関
する。
〔従来の技術〕
4輪駆動車にあっては、内燃機関の発生した動力を車
輪まで伝達させるために、変速機、差動機、動力分配機
(以下単に「トランスファ」という)推進軸、2WD−4WD
切換機構、車輪駆動軸等からなる動力伝達装置を装備し
ている。
上述の変速機、差動機、トランスファ等は、パワート
レーンとして一体化されて車両に搭載されている。
このようなパワートレーンとしては、例えば、第4図
に示すものがある。第4図に示す如く、内燃機関102
は、車両の前部に搭載されるものである。この内燃機関
102には、パワートレーン104が連設される。このパワー
トレーン104は、トルクコンバータ106及び補助変速部10
8を備えた自動の変速機110と、この前輪変速機110に連
設する前輪差動機112と、この前輪差動機112に連設する
トランスファ114とを有している。
変速機ケース116は、トルクコンバータ106を被包する
コンバータ側ケース116−1と補助変速部108を被包する
補助変速部側ケース116−2とこの補助変速部側ケース1
16−2の端部を覆うサイドケース116−3とからなる。
内燃機関102のクランク軸118と同一の軸心線C上に位
置して、このクランク軸118に一端側が連結されるオイ
ルポンプ駆動軸120が設けられている。このオイルポン
プ駆動軸120の他端側には、オイルポンプ122が設けられ
ている。
前記オイルポンプ駆動軸120には、トルクコンバータ1
06の作動によって内燃機関102の動力が断続される入力
軸124が嵌装して設けられている。
この入力軸124には、前記補助変速部108が設けられて
いる。
また、前記入力軸124の外側に出力歯車126が設けら
れ、この出力歯車126にはアイドラ歯車128が噛合されて
いる。このアイドラ歯車128は、前記入力軸124と略平行
に配置したアイドラ軸130に設けられている。
このアイドラ軸130には、終減速歯車機構132の終減速
ドライブ歯車134が設けられている。この終減速ドライ
ブ歯車134には、終減速ドリブン歯車136が噛合されてい
る。この終減速ドリブリン歯車136は、前輪差動機112の
デフハウジング138に固設されている。
この前輪差動機112には、左右の前輪駆動軸140−1、
140−2が連結される。
更に、前記終減速ドリブン歯車136には、トランスフ
ァ114のトランスファ軸142の一端側に設けた後側出力ピ
ニオン歯車144が噛合されている。このトランスファ軸1
42は、前記入力軸124と略平行に位置してトランスファ
ケース146内に配設されている。
このトランスファ軸142の他端側には、入力側ベベル
歯車148が固設されている。この入力側ベベル歯車148に
は、出力側ベベル歯車150が噛合されている。
この出力側ベベル歯車150は、コンパニオンフランジ
軸152の一端側に固設されている。このコンパニオンフ
ランジ軸152は、前輪変速機114に対して変速機110から
離間するとともに入力軸124と略直交すべく、トランス
ファケースアダプタ154とエクステンションハウジング1
56とに回転可能に指示されている。
前記コンパニオンフランジ軸152の他端側には、後輪
側への推進軸(図示せず)に接続するコンパニオンフラ
ンジ158が固設されている。
この第4図に示す如く、パワトレーン104は、変速機1
10及びトランスファ114を変速機110の入力軸124の軸方
向と直交する径方向の一側に設けることにより、L2の全
幅になる。
また、パワートレーンとしては、第5図に示すものが
ある。第5図に示す如く、内燃機関202は、車両の前部
に搭載されるものである。この内燃機関202には、パワ
ートレーン204が連設される。このパワートレーン204
は、クラッチ206及び入力軸たるメイン軸208とこのメイ
ン軸208と略平行に配置したカウンタ軸210とに設けた複
数段の歯車列からなる変速機を構成する歯車変速部212
と、この歯車変速部212に連設する前輪差動部214と、こ
の前輪差動機214に連設するトランスファ216とを有して
いる。
変速機ケース218は、クラッチ206を被包するクラッチ
側ケース128−1と歯車変速部212を被包する変速部側ケ
ース218−2とこの変速部側ケース218−2の端部を覆う
サイドケース218−3とからなる。
前記メイン軸218は、前記内燃機関202のクランク軸22
0と同一の軸心線C上に位置している。
前記カウンタ軸210の内燃機関202側の端部には、終減
速歯車機構222の終減速ドライブ歯車224が設けられてい
る。この終減速ドライブ歯車224には、終減速ドリブン
歯車226が噛合されている。この終減速ドリブン歯車226
は、前輪差動機214のデフハウジング228に固設されてい
る。
この前輪差動機214には、左右の前輪駆動軸230−1、
230−2が連結される。
更に、前記終減速ドリブン歯車226には、トランスフ
ァ216のトランスファ軸232の一端側に設けた後側出力ピ
ニオン歯車234が噛合されている。このトランスファ軸2
32は、前記メイン軸208と略平行に位置してトランスフ
ァケース236内に配設されている。
このトランスファ軸232の他端側には、入力側ベベル
歯車238が固設されている。この入力側ベベル歯車238に
は、出力側ベベル歯車240が噛合されている。
この出力側ベベル歯車240は、コンパニオンフランジ
軸242の一端側に固設されている。このコンパニオンフ
ランジ軸242は、前輪差動機214に対して歯車変速部212
から離間するとともにメイン軸208と略直交すべく、ト
ランスファケースアダプタ244に回転可能に支持されて
いる。
前記コンパニオンフランジ軸242の他端側には、後輪
側への推進軸(図示せず)に接続するコンパニオンフラ
ンジ246が固設されている。
更に、パワートレーンとしては、第6、7図に示すも
のがある。第6、7図に示す如く、内燃機関302は、車
両の後部に搭載されるものである。この内燃機関302に
は、パワートレーン304が連設される。このパワートレ
ーン304は、クラッチ306及び入力軸たるメイン軸308と
このメイン軸308と略平行に配置したカウンタ軸310とに
設けた複数段の歯車列からなる変速機を構成する歯車変
速部312と、この歯車変速部312に連設する後輪差動機31
4と、この後輪差動機314に連設するトランスファ316
と、2WD−4WD切換切換機構318とを有している。
変速機ケース318は、クラッチ306を被包するクラッチ
側ケース318−1と歯車変速部312を被包する変速部側ケ
ース318−2とこの変速部側ケース318−2の端部を覆う
サイドケース318−3とからなる。
前記メイン軸308は、前記内燃機関302のクランク軸32
0と同一の軸心線C上に位置している。
前記カウンタ軸310の内燃機関302側の端部には、終減
速歯車機構322の終減速ドライブ歯車324が設けられてい
る。この終減速ドライブ歯車324には、終減速ドリブン
歯車326が噛合されている。この終減速ドリブン歯車326
は、後輪差動機314のデフハウジング328に固設されてい
る。
この後輪差動機314には、左右の後輪駆動軸330−1、
330−2が連結される。
前記デフハウジング328には、第7図に示す如く、固
定ボルト332によって入力側ベベル歯車334に固設されて
いる。
この入力側ベベル歯車334には、出力側ベベル歯車336
が噛合されている。この出力側ベベル歯車336は、前記
メイン軸308と略直交すべく配置された出力側ピニオン
軸338の一端側に固設されている。
この出力側ピニオン軸338の他端側には、ドライブス
プロケット340が設けられ、このドライブスプロケツト3
40にはチェーン342が巻掛けられている。また、このチ
ェーン342は、中間軸344の一端側に設けたドリブンスプ
ロケット346に巻掛けられている。この中間軸344は、パ
ワートレーン304を貫通し、メイン軸308と略直交して配
設されている。
この中間軸344の他端側は、前記2WD−4WD切換機構318
に連結されている。
この2WD−4WD切換機構318は、切換ハウジング348内
に、切換スリーブ350と切換連結軸352とを有し、切換ス
リーブ350が中間軸344の軸方向に移動されることによ
り、中間軸344まで伝達された内燃機関302の動力を断続
して、車両を2WD(2輪駆動)あるいは4WD(4輪駆動)
に切換えるものである。
この2WD−4WD切換機構318の切換ハウジング348内の切
換連結軸352には、コンパニオンフランジ軸354が連結さ
れている。このコンパニオンフランジ軸354には、前輪
側の推進軸(図示せず)に接続されるコンパニオンフラ
ンジ356が連結されている。
また、車両の動力伝達装置としては、例えば、特公昭
62−43884号公報、特公昭63−5294号公報及び特公昭63
−35444号公報に記載されている。
特公昭62−43884号公報に記載のものは、前後車輪の
いずれか一方に駆動力を伝達する差動機を設け、この差
動機を介して前後車輪のいずれか他側に動力を分配して
伝達する動力分配機を設け、前記差動機と動力分配機と
の間に二輪駆動と四輪駆動とに切換えるクラッチ機構を
設けたものである。また、特公昭63−5294号公報に記載
のものは、変速機から取り出される動力を前後車輪間の
作動を許容する前後車輪間差動機を設け、この前後車輪
間差動機の一側に連絡した一側差動機により前後車輪の
いずれか一方を駆動するとともに前記前後車輪間差動機
の他側に連結した他側差動機により前後車輪のいずれか
他方を駆動するものである。特公昭63−35444号公報に
記載のものは、主変速歯車列と副変速歯車列とを有する
変速機の主変速歯車列及び副変速歯車列の共通の出力軸
を設けるとともに副変速歯車列のアイドル歯車を軸支す
るアイドル軸を平行に設け、これら出力軸及びアイドル
軸の内燃機関側端部を夫々内燃機関側のクラッチケース
壁外に軸支するとともにアイドル軸を軸支する部位のク
ラッチケース壁内の空間にクラッチレリーズアームを設
けたものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、従来のパワートレーンにおいては、内燃機
関のクランク軸と同一軸心線上に位置する変速機の入力
軸の軸方向と直交する径方向の一側に差動機及びトラン
スファ等が設けられているので、クランク軸回りの重量
が不均一となり、振動・騒音が発生し易くなるという不
都合がある。
また、第6、7図に示す如く、トランスファに導かれ
た動力を前輪側に伝達させために、チェーン、スプロケ
ット、中間軸等の部品が必要となり、レイアウト上不利
になるとともに、中間軸をパワートレーンの内部を貫通
させなければならず、このため、構造の複雑化を招く等
の不都合がある。
更に、変速機ケースとは別体にトランスファケースを
設ける必要があり、このため、部品点数が増加するいう
不都合がある。
〔発明の目的〕
そこでこの発明の目的は、上述の不都合を除去すべ
く、入力軸と平行で且つ互いに反対に設置される中間軸
とトランスファ入力側軸とを設け、入力軸に差動機側へ
の中間ドライブ歯車と動力分配機側へのトランスファド
ライブ歯車とを設けて夫々歯車を振り分けて配置するこ
とにより、クランク軸回りの重量の均一化を図って振動
・騒音の発生を未然に防止するとともに、内燃機関が車
両の前部あるいは後部に設置されても動力の伝達を簡単
な構成で行わせ、また、ケースの一体化を図って部品点
数を低減し、しかも、パワートレインのコンパクト化を
図り得る4輪駆動車の動力伝達装置を実現するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するためにこの発明は、内燃機関のク
ランク軸と同一軸心線上に配置された入力軸を有する変
速機を設け、前記入力軸の回転によって作動される差動
機と動力分配機とを設ける4輪駆動車の動力伝達装置に
おいて、前記入力軸の軸方向と直交する前記入力軸の径
方向の一側に前記差動機を配設するように、前記入力軸
と平行で且つ該入力軸の一側に中間軸を設け、前記入力
軸に中間ドライブ歯車を設け、前記中間軸の一端側には
前記中間ドライブ歯車に噛合する中間ドリブン歯車を設
け、前記中間軸の他端側には終減速歯車機構を介して前
記差動機を連結して設け、前記入力軸の軸方向と直交す
る前記入力軸の径方向の他側に前記動力分配機を配設す
るように、前記入力軸と平行で且つ該入力軸の他側にト
ランスファ入力側軸を設け、前記入力軸には前記中間ド
ライブ歯車と並列にトランスファドライブ歯車を設け、
前記トランスファ入力側軸の一端側には前記トランスフ
ァドライブ歯車に噛合するトランスファドリブン歯車を
設け、前記トランスファ入力側軸の他端側に2WD−4WD切
換機構を連結して設けたことを特徴とする。
〔作用〕
この発明の構成によれば、変速機の入力軸の軸方向に
直交する入力軸の径方向の一側に差動機が設けられてい
るとともに径方向の他側に動力分配機が設けられている
ので、入力軸と同一軸心線上に位置するクランク軸周り
において重量の均一化を図ることができ、振動・騒音の
発生を未然に防止することができる。
また、内燃機関が車両の前部あるいは後部に設置され
ていても、一側の車輪に差動機を介して動力を伝達させ
るとともに他側の車輪には動力分配機を介して動力を伝
達させることができるので、共通する部品を利用して、
簡単な構成で動力の分配を行わせ得る。
更に、入力軸に差動機側への中間ドライブ歯車と動力
分配機側へのトランスファドライブ歯車とを設けて夫々
歯車を振り分けて配置することにより、パワートレイン
のコンパクト化を図ることができる。
〔実施例〕
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体
的に説明する。
第1〜3図は、この発明の実施例を示すものである。
第1図において、2は車両(図示せず)に例えば横置き
に搭載される内燃機関、4はこの内燃機関2のクランク
軸、6は内燃機関2で発生した動力を車輪(図示せず)
に伝達する動力伝達装置のパワートレーンである。
このパワートレーン6には、変速機8と差動機10と動
力分配機(以下単に「トランスファ」という)12とが設
けられている。
前記変速機8は、トルクコンバータ14と入力軸16とこ
の入力軸16に設けられた補助変速部18とを有する自動変
速機である。
前記トルクコンバータ14は、クランク軸4の回転力を
断続するクラッチ作用と内燃機関2の動力を大きくして
入力軸16側に伝達すべく、クランク軸4と入力軸16間に
配設されている。このトルクコンバータ14は、内燃機関
2に連設するメインケース20のコンバータ側ケース20−
1によって被包されている。
前記入力軸16は、一端側が補助変速部18を介してトル
クコンバータ14に連結されているとともに、他端側がメ
インケース20の補助変速部側ケース20−2に保持させた
第1入力軸受22及びこの補助変速部側ケース20−2の端
部に付設されるサイドケース24に保持させた第2入力軸
受26によって回転可能に支持されている。
この入力軸16は、第1図に示す如く、クランク軸4と
同一の軸心線C上に配置されている。
この実施例において、この入力軸16の軸心線Cが指向
する軸方向Xに対して直交する径方向Yの一側Aに差動
機10を配設するとともに、径方向Yの他側Bにはトラン
スファ12を配設する。
前記補助変速部側ケース20−2とサイドケース24間の
入力軸16には、中間ドライブ歯車28の歯車基部30が設け
られている。
この中間ドライブ歯車28には、中間ドリブン歯車32が
噛合されている。この中間ドリブン歯車32は、入力軸16
と略平行に配置した中間軸34の一端側に設けられてい
る。この中間軸34は、一端側がサイドケース24に保持さ
せた第1中間軸受36と他端側がメインケース20に保持さ
せた第2中間軸受38とによって回転可能に支持され、且
つ入力軸16の径方向Yの一側Aに配設されている。
前記中間軸34の他端側には、終減速歯車機構40の終減
速ドライブ歯車42が設けられている。この終減速ドライ
ブ歯車42には、大径の終減速ドリブン歯車44が噛合され
ている。
この終減速ドリブン歯車44は、差動機10のデフハウジ
ング46に歯車取付用ボルト48によって固設されている。
このデフハウジング46は、一端側が差動機側ケース20
−3の一側とボトムケース50の一側とに保持させた第1
デフハウジング軸受52に回転可能に支持されているとと
もに、他端側が差動機側ケース20−3の他側とボトムケ
ース50の他側とに保持させた第2デフハウジング軸受54
に回転可能に支持されている。
この差動機10には、左右の車輪駆動軸56−1、56−2
が連結される。
また、前記入力軸16に固設した歯車基部30には、中間
ドライブ歯車28と並列にトランスファドライブ歯車58が
固設される。
このトランスファドライブ歯車58には、トランスファ
ドリブン歯車60が噛合されている。このトランスファド
リブン歯車60は、トランスファ入力側軸62に設けられて
いる。
このトランスファ入力側軸62は、前記入力軸16と略平
行で且つ前記中間軸34とは反対側、つまり入力軸16の径
方向Yの他側Bに配設されている。
このトランスファ入力側軸62は、一端側がサイドケー
ス24に保持させた入力側軸受64に回転可能に支持されて
いるとともに、他端側が並設した第1ころ軸受66−1、
66−2によって回転可能に支持されている。
前記第1、第2ころ軸受66−1、66−2は、第1保持
体68と第1リテーナ70とを介して補助変速部ケース20−
2及びトランスファ側ケース20−4に保持されている。
前記第1リテーナ70は、リテーナ取付用ボルト72によ
って支持され、補助変速部ケース20−2とトランスファ
側ケース20−4とに設けられている。
前記トランスファ入力側軸62の他端側には、入力側ベ
ベル歯車74が固設されている。
この入力側ベベル歯車74には、出力側ベベル歯車76が
噛合されている。この出力側ベベル歯車76は、トランス
ファ出力側軸78の一端側に固設されている。
このトランスファ出力側軸78は、第2ころ軸受80−
1、80−2によって回転可能に支持されている。この第
2ころ軸受80−1、80−2は、第2保持体82と第2リテ
ーナ84とを介してトランスファ側ケース20−4に保持さ
れている。
前記トランスファ出力側軸78の他端側は、2WD−4WD切
換機構86に連結されている。
この2WD−4WD切換機構86は、切換ハウジング88内に、
切換スリーブ90と切換連結軸92とを有し、切換スリーブ
88がトランスファ出力側軸78の軸方向に移動されること
により、このトランスファ出力側軸78まで伝達された内
燃機関2の動力を断続して、車両を2WD(2輪駆動)あ
るいは4WD(4輪駆動)に切換えるものである。
この2WD−4WD切換機構86の切換ハウジング88内の切換
連結軸92には、コンパニオンフランジ軸94が連結されて
いる。このコンパニオンフランジ軸94には、推進軸(図
示せず)に接続されるコンパニオンフランジ96が連結さ
れている。
次に、この実施例の作用を説明する。
内燃機関2の稼動により、クランク軸4が回転し、そ
して、トルクコンバータ14を介して入力軸16が回転され
る。
この入力軸16の回転によって、中間ドライブ歯車28と
この中間ドライブ歯車28に噛合している中間ドリブン歯
車32とが回転し、中間軸34が回転される。
この中間軸34に設けた終減速ドライブ歯車42が回転す
ることによって終減速ドリブン歯車44が回転され、この
終減速ドリブン歯車44が固設されたデフハウジング46が
回転される。これにより、デフハウジング46を介して差
動機10が作動し、左右の車輪駆動軸56−1、56−2に内
燃機関2の動力が伝達される。
一方、前記入力軸16の回転によって、トランスファド
ライブ歯車58が回転し、このトランスファドライブ歯車
58に噛合しているトランスファドリブン歯車60が回転
し、これにより、トランスファ入力側軸62が回転され
る。
このトランスファ入力側軸62の回転によって入力側ベ
ベル歯車74が回転し、そして、この入力側ベベル歯車74
の回転によって出力側ベベル歯車76が回転する。
この出力側ベベル歯車76の回転によって、トランスフ
ァ出力側軸78が回転される。
そして、2WD−4WD切換機構86において、4WDに切換え
ることによって、内燃機関2の動力がコンパニオンフラ
ンジ94及びコンパニオンフランジ96を介して推進軸(図
示せず)に伝達される。
この2WD−4WD切換機構86で2WDに切換えることによっ
て、コンパニオンフランジ94側への動力が遮断される。
ところで、第1図に示す如く、パワートレーン6にお
いては、入力軸16の径方向Yの一側Aに差動機10及び終
減速歯車機構40が設けられているとともに径方向Yの他
側Bにはトランスファ12と2WD−4WD切換機構86とが設け
られているので、つまり、径方向Yで入力軸16を中心に
差動機10とトランスファ12とを振り分けて配設している
ので、入力軸16周り、つまりクランク軸4周りにおいて
重量や動力の配分が均一となり、振動・騒音の発生を未
然に防止することができる。
また、補助変速部18やトランスファ12を一のメインケ
ース20で被包することができ、ケースの数を減少して部
品点数の低減を図り、廉価とすることができる。
更に、入力軸16に差動機10側への中間ドライブ歯車28
とトランスファ12側へのトランスファドライブ歯車58と
を設けて夫々歯車を振り分けて配置するので、第4図に
示すパワートレーン104の横幅L2に対して、第1図に示
す如く、パワートレーン6の横幅L1を小さくすることが
でき、パワートレーン6のコンパクト化を図り得る。
更にまた、従来において、後輪差動機側からトランス
ファに動力を伝達する場合には後輪差動機を避けるため
横幅がクラッチハウジングやコンバータハウジングより
も広くなっていたが、この実施例においては、トランス
ファ12がコンバータハウジングよりも広くなることがな
いので、車両への搭載に対して有利となる。
また、第2図に示すパワートレーン6の側面図から明
らかな如く、変速機8と差動機10とトランスファ12とを
略直線的に配置することが可能なので、パワートレーン
6の高さを低減し、且つパワートレーン6のフラット化
を図り、これにより、パワートレーン6の底部に凹凸が
形成されず、最低地上高さを有効に確保することが可能
となる。
一方、第3図に示す如く、トランスファ12を2WD(2
輪駆動)のみで使用したい場合には、トランスファ12の
各部品及び2WD−4WD切換機構86の各部品を取外し、第1
カバー98−1によってトランスファ入力側軸62が位置し
ていたメインケース20の第1開口S1を閉塞させる。この
第1カバー98−1は、リテーナ取付用ボルト72によって
メインケース20に固定される。また、第2カバー98−2
によってトランスファ出力側軸82が位置していたメイン
ケース20の第2開口S2を閉塞させる。この第2カバー98
−2は、固着手段(図示せず)によってメインケース20
に固定される。
この第3図においては、トランスファ12及び2WD−4WD
切換機構86を設けない場合にでも、第1図に示すメイン
ケース20等を使用することができ、メインケース20等の
部品の共用化を図り、構成を複雑化を招くことなく、実
用上有利である。
従って、この実施例において、内燃機関2を車両に横
置きに設けた場合に、内燃機関2を車両の前部あるいは
後部に設置しても、パワートレーン6の構成に変更を不
要とし、実用化が容易である。
〔発明の効果〕
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれ
ば、入力軸の軸方向と直交する入力軸の径方向の一側に
差動機を配設するように、入力軸と平行で且つ該入力軸
の一側に中間軸を設け、入力軸に中間ドライブ歯車を設
け、中間軸の一端側には中間ドライブ歯車に噛合する中
間ドリブン歯車を設け、中間軸の他端側には終減速歯車
機構を介して差動機を連結して設け、入力軸の軸方向と
直交する入力軸の径方向の他側に動力分配機を配設する
ように、入力軸と平行で且つ該入力軸の他側にトランス
ファ入力側軸を設け、入力軸には中間ドライブ歯車と並
列にトランスファドライブ歯車を設け、トランスファ入
力側軸の一端側には前記トランスファドライブ歯車に噛
合するトランスファドリブン歯車を設け、トランスファ
入力側軸の他端側に2WD−4WD切換機構を連結して設けた
ことにより、クランク軸回りの重量の均一化を図って振
動・騒音の発生を未然に防止するとともに、内燃機関が
車両の前部あるいは後部に配置されても動力の伝達を簡
単な構成で行わせ、また、ケースの一体化を図って部品
点数を低減し、しかも、パワートレインのコンパクト化
を図り得る。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図はこの発明の実施例を示し、第1図はパワー
トレーンの平断面図、第2図はパワートレーンの拡大側
面図、第3図はトランスファ及び2WD−4WD切換機構を取
外したパワートレーンの平断面図である。 第4〜7図は従来のパワートレーンを示し、第4図は自
動変速機を有するパワートレーンの断面図、第5図は手
動変速機を有するパワートレーンの断面図、第6図は他
の手動変速機を有するパワートレーンの断面図、第7図
は第6図におけるトランスファと2WD−4WD切換機構とを
設けたパワートレーンの断面図である。 図において、2は内燃機関、4はクランク軸、6はパワ
ートレーン、8は変速機、10は差動機、12はトランスフ
ァ、16は入力軸、20はメインケース、34は中間軸、62は
トランスファ入力側軸、78はトランスファ出力側軸、86
は2WD−4WD切換機構、98−1は第1カバー、そして98−
2は第2カバーである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/34 - 17/346

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランク軸と同一軸心線上に配
    置された入力軸を有する変速機を設け、前記入力側の回
    転によって作動される差動機と動力分配機とを設ける4
    輪駆動車の動力伝達装置において、前記入力軸の軸方向
    と直交する前記入力軸の径方向の一側に前記差動機を配
    設するように、前記入力軸と平行で且つ該入力軸の一側
    に中間軸を設け、前記入力軸に中間ドライブ歯車を設
    け、前記中間軸の一端側には前記中間ドライブ歯車に噛
    合する中間ドリブン歯車を設け、前記中間軸の他端側に
    は終減速歯車機構を介して前記差動機を連結して設け、
    前記入力軸の軸方向と直交する前記入力軸の径方向の他
    側に前記動力分配機を配設するように、前記入力軸と平
    行で且つ該入力軸の他側にトランスファ入力側軸を設
    け、前記入力軸には前記中間ドライブ歯車と並列にトラ
    ンスファドライブ歯車を設け、前記トランスファ入力側
    軸の一端側には前記トランスファドライブ歯車に噛合す
    るトランスファドリブン歯車を設け、前記トランスファ
    入力側軸の他端側に2WD−4WD切換機構を連結して設けた
    ことを特徴とする4輪駆動車の動力伝達装置。
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