JP3943910B2 - 四輪駆動車両のトランスファー構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前部に搭載したエンジンによって前輪および後輪を駆動する四輪駆動車両に関し、特にそのフロントディファレンシャルギヤとリヤディファレンシャルギヤとの間に設けられるトランスファーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
四輪駆動車両のトランスファー装置は、左右方向に配置されたトランスファー入力軸にフロントディファレンシャルギヤから一対のヘリカルギヤを介して入力された駆動力を、前後方向に配置されたトランスファー出力軸に一対のベベルギヤを介して伝達するもので、それらトランスファー入力軸、トランスファー出力軸および一対のベベルギヤはトランスファーケース本体およびトランスファーカバーを複数本の第1ボルトで結合したトランスファーケースの内部に収納される。そしてサブアセンブリ化されたトランスファーは、トランスミッッションケースに複数本の第2ボルトを介して取り付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでトランスファー入力軸は、トランスファーケース本体およびトランスファーカバーにそれぞれテーパーローラベアリングを介して支持されており、それら一対のテーパーローラベアリングのプリセット荷重は前記第1ボルトによるトランスファーケース本体およびトランスファーカバーの締結力により調整される。しかしながら、サブアセンブリ化されたトランスファーをトランスミッッションケースに複数本の第2ボルトを介して取り付ける際に、その第2ボルトの締結力でトランスファーケース本体およびトランスファーカバーが更に強く締結されてしまい、テーパーローラベアリングのプリセット荷重が過剰に増加して耐久性に悪影響を及ぼす問題がある。
【0004】
またフロントディファレンシャルギヤからトランスファー入力軸への駆動力の伝達は一対のヘリカルギヤを介して行われ、またトランスファー入力軸からトランスファー出力軸への駆動力の伝達は一対のベベルギヤを介して行われるため、それらの噛合反力が前記一対のベベルギヤの噛み合いを浅くする方向に作用する。従って、一対のベベルギヤを設けたトランスファー入力軸およびトランスファー出力軸を支持するトランスファーケースをの剛性を充分に確保しないと、一対のベベルギヤが噛合不良を起こして異常磨耗や騒音の原因となる問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、四輪駆動車両のトランスファー装置において、外力によりトランスファーケースが変形して発生する不具合を解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、トランスファーケース本体の側面開口にトランスファーカバーを複数本の第1ボルトで締結して構成したトランスファーケースの内部に、トランスファーケース本体に支持した第1のテーパーローラベアリングおよびトランスファーカバーに支持した第2のテーパーローラベアリングによってトランスファー入力軸を左右方向に支持するとともに、トランスファーケース本体にトランスファー出力軸を前後方向に支持し、トランスファー入力軸の、トランスファーケース外に突出する一端部に設けたヘリカルギヤにトランスミッションからの駆動力を入力し、トランスファー入力軸に設けた第1ベベルギヤにトランスファー出力軸に設けた第2ベベルギヤを噛合させ、前記トランスファーケースをトランスファーケース本体およびトランスファーカバーを貫通する複数本の第2ボルトでトランスミッションケースの側面に締結し、トランスファーケース本体が、一対のテーパーローラベアリングを介してトランスファー出力軸を支持する部分と、トランスファー入力軸の他端部を覆う部分とを一体に有している四輪駆動車両のトランスファー構造であって、第1ボルト及び第2ボルトは、第1ボルトの締結力の調整により両テーパーローラベアリングのプリセット荷重を設定可能であり且つその設定されたプリセット荷重が第2ボルトの締結力で変化するのを防止し得るように、第2のテーパーローラベアリングの周囲で且つ第1ボルトが第2ボルトよりも該テーパーローラベアリングの半径方向内側に位置するように配置されたことを特徴とする四輪駆動車両のトランスファー構造が提案される。
【0007】
上記構成によれば、トランスファーケースのトランスファーケース本体およびトランスファーカバーを締結する第1ボルトを、第2のテーパーローラベアリングの周囲で、且つトランスファーケースをトランスミッションケースに締結する第2ボルトよりも該テーパーローラベアリングの半径方向内側に位置させたので、第1ボルトの締結力の調整により両テーパーローラベアリングのプリセット荷重を設定可能であり、且つその第1ボルトの締結力により設定されたテーパーローラベアリングのプリセット荷重が、第2ボルトの締結力で変化してしまうのを防止することができる。またトランスファー入力軸に設けたヘリカルギヤの噛合反力や第1、第2ベベルギヤの噛合反力でトランスファーケースのトランスファーケース本体およびトランスファーカバーの割り面がトランスファー入力軸の周囲で相互に離反する方向に変形しようとするのを、第2ボルトの半径方向内側に配置した第1ボルトの締結力で抑制し、第1、第2ベベルギヤの噛合部に異常磨耗や騒音が発生するのを防止することができる。
【0008】
尚、実施例のトランスファードリブンギヤ72は本発明のヘリカルギヤに対応する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、図1は4輪駆動車両の動力伝達系の概略図、図2は伝動装置のスケルトン図、図3はトランスファーの水平断面図、図4は図3の4−4線矢視図である。
【0011】
図1に示すように、エンジンEはクランクシャフト1が車体左右方向を向くように横置きに搭載される。エンジンEの駆動力を左右の前輪WFL,WFRおよび左右の後輪WRL,WRRに伝達する伝動装置は、クランクシャフト1に接続されたトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2に接続されたトランスミッション3と、トランスミッション3に接続されたフロントディファレンシャルギヤ4と、フロントディファレンシャルギヤ4に接続されたトランスファー5と、トランスファー5に接続されたリヤディファレンシャルギヤ6とから構成される。
【0012】
フロントディファレンシャルギヤ4は、前部左車軸7Lおよび前部右車軸7Rを介して左右の前輪WFL,WFRに接続される。トランスファー5にプロペラシャフト8を介して接続されたリヤディファレンシャルギヤ6は、後部左車軸9Lおよび後部右車軸9Rを介して左右の後輪WRL,WRRに接続される。
【0013】
次に、図2を参照してトランスミッション3の構造を説明する。
【0014】
トランスミッション3は、相互に平行に配置されて車体左右方向に延びるメインシャフトMS、セカンダリシャフトSSおよびカウンタシャフトCSを備える。
【0015】
メインシャフトMSには、メインドライブギヤ21が固設されるとともに、3速クラッチC3によりメインシャフトMSに結合可能なメイン3速ギヤ22と、一体に形成されて4速−リバースクラッチC4RによりメインシャフトMSに結合可能なメイン4速ギヤ23およびメインリバースギヤ24とが回転自在に支持される。
【0016】
セカンダリシャフトSSには、セカンダリドリブンギヤ25が固設されるとともに、1速クラッチC1によりセカンダリシャフトSSに結合可能なセカンダリ1速ギヤ26と、2速クラッチC2によりセカンダリシャフトSSに結合可能なセカンダリ2速ギヤ27とが回転自在に支持される。
【0017】
カウンタシャフトCSには、カウンタ2速ギヤ28とカウンタ3速ギヤ29とファイナルドライブギヤ30とが固設されるとともに、カウンタアイドルギヤ31とカウンタ4速ギヤ32とカウンタリバースギヤ33とが回転自在に支持され、更に1速ホールドクラッチCLHを介してカウンタシャフトCSに結合可能なカウンタ1速ギヤ34が回転自在に支持される。メインリバースギヤ24とカウンタリバースギヤ33とに、リバースアイドルギヤ35が噛合する。カウンタ1速ギヤ34は一方向クラッチCOWを介してカウンタ3速ギヤ29に結合可能であり、またカウンタ4速ギヤ32およびカウンタリバースギヤ33はセレクタ36を介してカウンタシャフトCSに選択的に結合可能である。
【0018】
メインドライブギヤ21はカウンタアイドルギヤ31に噛合し、カウンタアイドルギヤ31はセカンダリドリブンギヤ25に噛合しており、エンジンEのクランクシャフト1の回転はトルクコンバータ2、メインシャフトMS、メインドライブギヤ21、カウンタアイドルギヤ31およびセカンダリドリブンギヤ25を介してセカンダリシャフトSSに伝達される。
【0019】
従って、セカンダリシャフトSSに回転自在に支持したセカンダリ1速ギヤ26を1速クラッチC1でセカンダリシャフトSSに結合すると、セカンダリシャフトSSの回転が1速クラッチC1、セカンダリ1速ギヤ26、一方向クラッチCOWおよびカウンタ3速ギヤ29を介してカウンタシャフトCSに伝達され、1速変速段が確立する。尚、1速クラッチC1は2速〜4速変速段の確立時にも係合状態に保持されるが、2速〜4速変速段の確立時には一方向クラッチCOWがスリップする。
【0020】
セカンダリシャフトSSに回転自在に支持したセカンダリ2速ギヤ27を2速クラッチC2でセカンダリシャフトSSに結合すると、セカンダリシャフトSSの回転が2速クラッチC2、セカンダリ2速ギヤ27およびカウンタ2速ギヤ28にを介してカウンタシャフトCSに伝達され、2速変速段が確立する。
【0021】
メインシャフトMSに回転自在に支持したメイン3速ギヤ22を3速クラッチC3でメインシャフトMSに結合すると、メインシャフトMSの回転が3速クラッチC3、メイン3速ギヤ22およびカウンタ3速ギヤ29を介してカウンタシャフトCSに伝達され、3速変速段が確立する。
【0022】
カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持したカウンタ4速ギヤ32をセレクタ36でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに回転自在に支持したメイン4速ギヤ23を4速−リバースクラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、メインシャフトMSの回転が4速−リバースクラッチC4R、メイン4速ギヤ23、カウンタ4速ギヤ32およびセレクタ36を介してカウンタシャフトCSに伝達され、4速変速段が確立する。
【0023】
カウンタシャフトCSに回転自在に支持したカウンタリバースギヤ33をセレクタ36でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持したメインリバースギヤ24を4速−リバースクラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、メインシャフトMSの回転が4速−リバースクラッチC4R、メインリバースギヤ24、リバースアイドルギヤ35、カウンタリバースギヤ33およびセレクタ36を介してカウンタシャフトCSに伝達され、後進変速段が確立する。
【0024】
1速クラッチC1を係合させた状態で1速ホールドクラッチCLHを係合させると、1速ホールド変速段が確立する。強力なエンジンブレーキが必要なときに1速ホールド変速段を確立すれば、一方向クラッチCOWがスリップしても、1速ホールドクラッチCLHを介して後輪WRL,WRRのトルクをエンジンEに逆伝達することができる。
【0025】
次に、図2を参照しながらフロントディファレンシャルギヤ4の構造を説明する。
【0026】
フロントディファレンシャルギヤ4は回転自在に支持されたディファレンシャルケース43を備えており、ディファレンシャルケース43の外周には、カウンタシャフトCSに設けたファイナルドライブギヤ30に噛合するファイナルドリブンギヤ44と、トランスファー5に動力を伝達するトランスファードライブギヤ45とが固定される。
【0027】
而して、トランスミッション3のカウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ30およびファイナルドリブンギヤ44を介してディファレンシャルケース43に伝達され、ディファレンシャルケース43の回転は左右の前輪WFL,WFRの負荷に応じて前部左車軸7Lおよび前部右車軸7Rに伝達される。
【0028】
前部左車軸7Lに連なる前部左出力軸47Lと、前部右車軸7Rに連なる前部右出力軸47Rとがディファレンシャルケース43に相対回転自在に嵌合し、両出力軸47L,47Rの対向端にそれぞれディファレンシャルサイドギヤ48,48がスプライン結合される。前記両出力軸47L,47Rと直交するようにディファレンシャルケース43の内部に固定されたピニオンシャフト50に、前記両ディファレンシャルサイドギヤ48,48にそれぞれ噛合する一対のディファレンシャルピニオンギヤ51,51が支持される。
【0029】
次に、図2〜図4を参照しながらトランスファー5の構造を説明する。
【0030】
トランスミッッションケース61(正確にはトランスミッッションケースの一部を構成するトルクコンバータケース)の右側面に固定されるトランスファーケース62は、トランスファーケース本体63とトランスファーカバー64とを、ノックピン65で位置決めした状態で複数本(実施例では5本)の第1ボルト66…で一体に締結して構成される。サブアセンブリ化されたトランスファー5は、トランスファーケース62を貫通する複数本(実施例では5本)の第2ボルト67…でトランスミッッションケース61締結される。図4から明らかなように、第2ボルト67…は第1ボルト66…よりも半径方向外側に位置するように配置される。
【0031】
車体左右方向に延びるトランスファー入力軸68は、トランスファーケース本体に設けたテーパーローラベアリング69と、トランスファーカバー64に設けたテーパーローラベアリング70と、トランスファーカバー64に設けたローラベアリング71とによって支持されており、その左端には前記トランスファードライブギヤ45(図2参照)に噛合するトランスファードリブンギヤ72が一体に形成される。トランスファードライブギヤ45およびトランスファードリブンギヤ72はヘリカルギヤから構成されているため、頻度の高い車両の前進走行時に、それらの噛合反力によってトランスファー入力軸68に図3において矢印A方向のスラスト力が作用する。
【0032】
トランスファー入力軸68にスプライン結合された第1ベベルギヤ73の右側にはカラー74、シム75およびテーパーローラベアリング69のインナーレース76が順次嵌合し、第1ベベルギヤ73がトランスファー入力軸68の段部68aに密着するようにナット77で締結される。テーパーローラベアリング69のアウターレース78はトランスファーケース本体63の段部63aに係止される。またテーパーローラベアリング70のインナーレース79は第1ベベルギヤ73の段部73aに係止され、アウターレース80はトランスファーカバー64の段部64aにシム81を介して係止される。
【0033】
トランスファーケース本体63には前後方向に延びるトランスファー出力軸82が一対のテーパーローラベアリング83,84を介して支持されており、その前端に設けた第2ベベルギヤ85が前記第1ベベルギヤ73に噛合する。トランスファー出力軸82の後端にはプロペラシャフト8の前端が結合される継ぎ手86がスプライン結合されてナット87で固定される。
【0034】
次に、本実施例のトランスファー5に対応する従来のトランスファー5の構造を、図5および図6を参照して説明する。実施例の部材に対応する従来例の部材には、実施例の符号と同じ符号を付すことで重複する説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0035】
実施例のトランスファー5と従来例のトランスファーとは基本的に同一の構造を有しているが、トランスファー入力軸68に関する第1ボルト66…および第2ボルト67…の位置関係が大きく異なっている。即ち、実施例ではトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を締結する第1ボルト66…の全てが、テーパーローラベアリング70の周囲に在って、且つトランスファーケース62をトランスミッッションケース61に締結する第2ボルト67…よりも該テーパーローラベアリング70の半径方向内側に配置されている。それに対して、従来例ではトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を締結する第1ボルト66…の一部が、トランスファーケース62をトランスミッッションケース61に締結する第2ボルト67…よりも半径方向外側に配置されている。
【0036】
上記相違点により実施例は従来例に対して以下の二つの利点を有している。
【0037】
先ず、第1の利点について説明する。トランスファー5は、内部にトランスファー入力軸68、トランスファー出力軸82、第1ベベルギヤ73および第2ベベルギヤ85を組み込んだ状態でトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を第1ボルト66…で締結してサブアセンブリを構成し、このサブアセンブリを第2ボルト67…でトランスミッッションケース61に締結するようになっている。
【0038】
トランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を結合するとき、第1ベベルギヤ73および第2ベベルギヤ85のバックラッシュを調整すべく、テーパーローラベアリング69のインナーレース76およびカラー74間のシム75の厚さと、テーパーローラベアリング70のアウターレース80およびトランスファーカバー64の段部64a間のシム81の厚さとが調節される。第1ボルト66…でトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を締結する際に、第1ボルト66…の締結力を調整することで、両テーパーローラベアリング69,70に所定のプリロードを与えるようになっている。そのため、第1ボルト66…による締結を終えた状態で、トランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pは完全に密着せず、そこに微小な隙間が形成される。
【0039】
続いて、サブアセンブリ化されたトランスファー5のトランスファーケース62を第2ボルト67…でトランスミッッションケース61に締結するとき、従来例は第2ボルト67…の一部が第1ボルト66…よりも半径方向内側に配置されているため(図5参照)、その第2ボルト67…の締結力でトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pを密着させる方向の荷重が加わってしまい、第1ボルト66…の締結力により調整済の両テーパーローラベアリング69,70のプリロードが変化することで、それらテーパーローラベアリング69,70の耐久性に悪影響を及ぼす問題がある。
【0040】
それに対して、実施例では全ての第2ボルト67…が第1ボルト66…よりも半径方向外側に配置されているため(図3参照)、その第2ボルト67…の締結力でトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pの隙間が変化することがなく、トランスファーケース62を第2ボルト67…でトランスミッッションケース61に締結した後も、両テーパーローラベアリング69,70に作用するプリロードの大きさを適切に保持して耐久性を確保することができる。
【0041】
次に、第2の利点について説明する。トランスファー5を介してエンジンEの駆動力が後輪WRL,WRRに伝達されるとき、共にヘリカルギヤで構成されたトランスファードライブギヤ45に噛合するトランスファードリブンギヤ72によりトランスファー入力軸68に図3および図5に矢印Aで示すスラスト力が作用し、かつ第2ベベルギヤ85から第1ベベルギヤ73が受ける噛合反力によりトランスファー入力軸68に同じく矢印Aで示すスラスト力が作用する。
【0042】
前記スラスト力でトランスファー入力軸68が矢印A方向に付勢されると、第1ベベルギヤ73からテーパーローラベアリング70を介してトランスファーカバー64の割り面P近傍に矢印aで示す荷重が加わり、また第1ベベルギヤ73に噛合する第2ベベルギヤ85が矢印B方向の噛合反力を受けるため、その矢印B方向の噛合反力がトランスファーケース本体63を介して伝達されることで割り面P近傍に矢印bで示す荷重が加わる。前記荷重a,bはトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pを離反させるように作用するため、第2ボルト67…の締結力に抗して第1ベベルギヤ73および第2ベベルギヤ85が相互に離反し、それらの噛み合いが浅くなって異常磨耗や騒音の原因となる問題がある。
【0043】
このとき、図5に示す従来例は、トランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を締結する第1ボルト66…が第2ボルト67…の半径方向外側に配置されているため、第1ボルト66…の締結力はトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pの離反を阻止するのに殆ど寄与しない。それに対して、図3に示す実施例は、トランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64を締結する第1ボルト66…が第2ボルト67…の半径方向内側に配置されているため、第1ボルト66…の締結力はトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64の割り面Pの接近させる方向に作用し、前記荷重a,bによりトランスファーケース本体63およびトランスファーカバー64が離反するように変形して第1ベベルギヤ73および第2ベベルギヤ85に異常な噛み合い状態が発生するのを効果的防止することができる。
【0044】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、トランスファーケースのトランスファーケース本体およびトランスファーカバーを締結する第1ボルトを、第2のテーパーローラベアリングの周囲で、且つトランスファーケースをトランスミッションケースに締結する第2ボルトよりも該テーパーローラベアリングの半径方向内側に位置させたので、第1ボルトの締結力の調整により両テーパーローラベアリングのプリセット荷重を設定可能であり、且つその第1ボルトの締結力により設定されたテーパーローラベアリングのプリセット荷重が第2ボルトの締結力で変化してしまうのを防止することができる。またトランスファー入力軸に設けたヘリカルギヤの噛合反力や第1、第2ベベルギヤの噛合反力でトランスファーケースのトランスファーケース本体およびトランスファーカバーの割り面がトランスファー入力軸の周囲で相互に離反する方向に変形しようとするのを、第2ボルトの半径方向内側に配置した第1ボルトの締結力で抑制し、第1、第2ベベルギヤの噛合部に異常磨耗や騒音が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 四輪駆動車両の動力伝達系の概略図
【図2】 伝動装置のスケルトン図
【図3】 トランスファーの水平断面図
【図4】 図3の4−4線矢視図
【図5】 従来のトランスファーの水平断面図
【図6】 図5の6−6線矢視図
【符号の説明】
3 トランスミッッション
61 トランスミッッションケース
62 トランスファーケース
63 トランスファーケース本体
64 トランスファーカバー
66 第1ボルト
67 第2ボルト
68 トランスファー入力軸
69 第1のテーパーローラベアリング
70 第2のテーパーローラベアリング
72 トランスファードリブンギヤ(ヘリカルギヤ)
73 第1ベベルギヤ
82 トランスファー出力軸
83,84 一対のテーパーローラベアリング
85 第2ベベルギヤ

Claims (1)

  1. トランスファーケース本体(63)の側面開口にトランスファーカバー(64)を複数本の第1ボルト(66)で締結して構成したトランスファーケース(62)の内部に、トランスファーケース本体(63)に支持した第1のテーパーローラベアリング(69)およびトランスファーカバー(64)に支持した第2のテーパーローラベアリング(70)によってトランスファー入力軸(68)を左右方向に支持するとともに、トランスファーケース本体(63)にトランスファー出力軸(82)を前後方向に支持し、トランスファー入力軸(68)の、トランスファーケース(62)外に突出する一端部に設けたヘリカルギヤ(72)にトランスミッション(3)からの駆動力を入力し、トランスファー入力軸(68)に設けた第1ベベルギヤ(73)にトランスファー出力軸(82)に設けた第2ベベルギヤ(85)を噛合させ、前記トランスファーケース(62)をトランスファーケース本体(63)およびトランスファーカバー(64)を貫通する複数本の第2ボルト(67)でトランスミッションケース(61)の側面に締結し、トランスファーケース本体(63)が、一対のテーパーローラベアリング(83,84)を介してトランスファー出力軸(82)を支持する部分と、トランスファー入力軸(68)の他端部を覆う部分とを一体に有している四輪駆動車両のトランスファー構造であって、
    第1ボルト(66)及び第2ボルト(67)は、第1ボルト(66)の締結力の調整により両テーパーローラベアリング(69,70)のプリセット荷重を設定可能であり且つその設定されたプリセット荷重が第2ボルト(67)の締結力で変化するのを防止し得るように、第2のテーパーローラベアリング(70)の周囲で且つ第1ボルト(66)が第2ボルト(67)よりも該テーパーローラベアリング(70)の半径方向内側に位置するように配置されたことを特徴とする、四輪駆動車両のトランスファー構造。
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