JP2964100B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は誘導加熱される負荷の適
性を判断してインバータ回路の発振制御を行う誘導加熱
調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】加熱コイルに高周波電流を印加し高周波
の磁束を発生させて加熱コイルと磁気結合した負荷に渦
電流を誘起させてそのジュール熱により負荷を加熱させ
る誘導加熱調理器においては、使用者が誤ってナイフ・
フォーク等の小物負荷を誘導加熱調理器上に置いてもそ
れら小物負荷を加熱しないように負荷が適切か不適かを
判定する負荷検知回路が備わっているものがあり、その
負荷検知方式としては、誘導加熱調理器への入力電流
と、誘導加熱調理器内で発生する電圧・電流等のバラン
スにより負荷を判断するものが一般的である。◇ (例えば特開平１−３１３８８０号公報) 従来の不適負荷時の加熱コイルの出力を図３を用いて説
明する。図３（ａ）は、誘導加熱調理器上の負荷の状態
を示し、図３（ｂ）は、従来の加熱コイルへの出力を示
している。

【０００３】負荷が不適であると判定された際には、あ
る一定の期間ｔ２だけ加熱コイルへの通電を停止し、そ
の後再び期間ｔ１起動させ負荷判定を行っていた。すな
わち、負荷が不適である場合には、加熱動作→負荷の不
適検知→停止を繰り返していた。以後はこの一連の動作
を間欠発振と記す。

【０００４】小物を誘導加熱調理器上に放置した状態で
使用者が長時間誘導加熱調理器を停止し忘れるなどした
場合には、上記の間欠発振が長時間繰り返される事にな
る。このような長時間の間欠発振は、間欠とはいえ長時
間の加熱コイルの通電により、大きな電力を消費し、ま
たは、負荷が十分加熱され、使用者が誤ってその負荷に
接触した場合、火傷等の事故に至るなど安全性の面から
も問題があった。

【０００５】この問題を解決するために間欠発振中の発
振停止時間ｔ２を長くするという方法を用いていた。◇ （例えば特開平２−１１４４８６号公報）

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように単純に間欠発振中の発振停止時間ｔ２を長くする
という方法では、図３中のｈの時点で正常負荷状態に戻
ったとしても通常加熱動作に切り変わるまでの時間ｔ６
も長くなり、使い勝手の上で新たな問題を生じていた。

【０００７】本発明の目的は、使い勝手を悪くする事な
く、負荷不適時の消費電力の低減、不適負荷の加熱防
止、更には、使用者の誘導加熱調理器の停止忘れ時の自
動停止を実現するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、負荷検知回路が負荷を
不適と判定した時動作するタイマと、負荷検知回路が負
荷を不適と判定した時所定時間を間欠的に計時するイン
ターバルタイマと、インターバルタイマが所定時間計時
している間インバータ回路の発振を停止させる発振制御
部とを設け、前記タイマが計測した負荷不適状態時間に
応じて発振停止時間を変化させる事により、数種類の間
欠発振を行い、更に、負荷不適状態がある一定期間経過
すると、発振制御部は間欠発振を中止しそれ以後加熱コ
イルへの通電を停止することにある。

【０００９】

【作用】本発明によれば、一般に時間が経過するほど使
用者が負荷の不適を認識する度合は低くなる事を利用
し、間欠発振時の発振停止時間を、負荷不適状態時間が
短い時には短く、負荷不適状態時間が長い時には長くす
るというように、負荷不適状態時間に応じて変化させ、
更に、間欠発振がある一定期間を経過すると以後加熱コ
イルへの通電を停止する。これにより、使い勝手を悪く
する事なく間欠発振による消費電力を低減、不適負荷の
加熱防止、更には、使用者の誘導加熱調理器の停止忘れ
時における誘導加熱調理器の自動停止を実現出来る。、

【００１０】

【実施例】以下本発明の一実施例について図１、図２を
用いて説明する。◇図１は本実施例における誘導加熱調
理器の回路図である。図２は、本実施例による負荷が不
適な場合の加熱コイルへの出力を示したタイムチャート
である。

【００１１】図１において、１は商用電源、２は商用電
源１を整流する整流回路、３は整流回路２の出力を直流
に平滑する平滑回路、４は加熱コイル、５は共振コンデ
ンサ、６はバイポーラトランジスタと逆並列ダイオード
を有するスイッチング素子、７はスイッチング素子６の
オンオフを制御する発振制御部、８は加熱コイル４と磁
気結合させた負荷が適切か不適か判定する負荷検知回
路、９は負荷検知回路８が負荷を不適と判定している間
動作するタイマ、１０は負荷検知回路８が負荷を不適と
判定すると動作するインターバルタイマである。

【００１２】以下、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。◇負荷検知回路８の負荷判定が、負荷を適切
という判定から不適という判定に変化するとタイマ９が
動作を始める。次に発振制御部７は加熱を停止し、イン
ターバルタイマ１０によりある所定時間ｔ２を計測した
後、再び加熱動作を行う。以上の動作が間欠発振（Ａ）
である。以後、タイマ９の示す負荷不適状態時間が、あ
る一定期間ｔ３になるまで上記間欠発振（Ａ）を繰り返
す。間欠発振（Ａ）がある一定期間ｔ３続くと、インタ
ーバルタイマ１０は、前記所定時間ｔ２よりも長いある
所定時間ｔ４を計測し始める。以上のインターバルタイ
マ１０の計測時間の変化により発振制御部７は前よりも
長い発振停止期間ｔ４を持つ間欠発振（Ｂ）を行う。本
実施例では、２種類の間欠発振を行っているが、必ずし
も２種類である必要はなく、発振停止時間を順次長くす
れば数種類の間欠発振を行ってもよい。

【００１３】次に、タイマ９の示す負荷不適状態時間
が、ある一定期間ｔ５続けると、発振制御部７は間欠発
振を停止し、それ以後加熱コイル４への通電を停止す
る。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、負荷検知装置が不適と
判定した時計時開始するタイマの示す負荷不適状態時間
により、インターバルタイマが計測する所定時間を変
え、発振制御部によるインバータ回路の発振停止時間を
変えた間欠発振を行うものとしたから、使い勝手を悪く
する事なく、不適負荷時の消費電力を低減し、不適負荷
の加熱防止による安全性を確保し、更には負荷不適状態
時間がある一定時間以上となると間欠発振を停止するも
のとしたから、使用者の誘導加熱調理器の停止忘れを防
止することが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を施した誘導加熱調理器の回
路図である

【図２】本実施例の回路の動作を示したタイムチャート
である。

【図３】従来の誘導加熱調理器の回路の動作を示したタ
イムチャートである。

【符号の説明】

３ 平滑回路 ４ 加熱コイル ５ 共振コンデンサ ６ スイッチング素子 ７ 発振制御部 ８ 負荷検知回路 ９ タイマ １０ インターバルタイマ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H05B 6/12 334

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商用電源を整流する整流回路２と、整流
   後の出力を平滑し直流電圧を得るチョークコイル及び平
   滑コンデンサからなる平滑回路３と、この直流電圧を交
   流に変換する加熱コイル４、共振コンデンサ５及びスイ
   ッチング素子６からなるインバータ回路と、前記加熱コ
   イル４により誘導加熱される負荷が適切か不適か判定す
   る負荷検知回路８と、この負荷検知回路８が負荷を不適
   と判定するとある所定時間を間欠的に計測するインター
   バルタイマ１０と、前記負荷検知回路８の判定が適切と
   いう判定から不適という判定に変化した時、計測を始め
   るタイマ９と、前記インターバルタイマ１０がある所定
   時間を計測する期間、前記スイッチング素子６をオフし
   インバータ回路の発振を停止させる発振制御部７を有
   し、前記タイマ９の示す負荷不適状態時間により、前記
   インターバルタイマ１０は計測する所定時間を変化させ
   るものとした事を特徴とする誘導加熱調理器。
2. 【請求項２】 前記発振制御部７は前記タイマ９の示す
   負荷不適状態時間がある期間を越えると、以後加熱コイ
   ル４への通電を停止するものとした請求項１記載の誘導
   加熱調理器。