JP2960942B2 - 4サイクルエンジンの動弁装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの動弁装置

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JP2960942B2 JP1183890A JP1183890A JP2960942B2 JP 2960942 B2 JP2960942 B2 JP 2960942B2 JP 1183890 A JP1183890 A JP 1183890A JP 1183890 A JP1183890 A JP 1183890A JP 2960942 B2 JP2960942 B2 JP 2960942B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば一気筒当り三本の吸気バルブと二本
の排気バルブを備えた4サイクルエンジンに係り、特に
その三本の吸気バルブを開閉駆動する動弁装置に関す
る。
[従来の技術] 従来、一気筒当り吸気バルブを三本設け、これら吸気
バルブの有効面積を大きくして吸入効率を飛躍的に高め
た4サイクルエンジンが知られている。
このエンジンでは、各吸気バルブのバルブステムの先
端部に、吸気用カム軸上の吸気カムに摺接する円筒状の
バルブリフタを設け、上記バルブステムを吸気カムで直
接押圧駆動することが行われている。
そして、これら三個のバルブリフタはシリンダヘッド
上のガイド孔に摺動可能に嵌合されているとともに、各
吸気バルブはそのバルブステムの中心線が吸気用カム軸
の軸線と交差する位置に配置されており、これらバルブ
リフタとバルブステムとは略同軸状に設けられている。
したがって、三個のバルブリフタは吸気用カム軸の軸方
向に沿って一列に並んで設けられている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来のエンジンの吸気バルブは、その
バルブステムの軸方向に沿う中心線が吸気用カム軸の軸
線と交差する位置に配置されており、三本のバルブステ
ムの先端部が吸気用カム軸と平行な同一直線上に位置さ
れている。
この場合、燃焼室に臨む吸気バルブ3の傘部は、燃焼
室の周縁に沿って配置されているため、中央の傘部が両
側の傘部に対し燃焼室の径方向外側にオフセットされて
いる。このため、中央の吸気バルブはボア中心線に対す
る傾きが小さくなるとともに、両側の吸気バルブはボア
中心線に対する傾きが大きくなる。
すると、中央の吸気バルブと両側の吸気バルブとで
は、燃焼室に臨む傘部の向きが異なってくるため、この
隣り合う傘部の間において、燃焼室の内面に段差が生じ
易くなるといった問題がある。
本発明はこのような事情にもとづいてなされたもの
で、吸気バルブのリフト量を確保しつつ、その傘部が臨
む燃焼室の内面形状を滑らかに形成することができ、し
かも、隣り合う吸気バルブのバルブリフタのずれが少な
くなり、このバルブリフタの大径化を極力抑えることが
できるとともに、吸気通路を立てて極力ストレートな形
状に形成することができ、吸気効率を高めることができ
る4サイクルエンジンの動弁装置の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明
は、 吸気用カム軸および排気用カム軸を備えたシリンダヘ
ッドに、一気筒当り三本の吸気バルブと複数本の排気バ
ルブとを設け、 これら三本の吸気バルブを吸気用カム軸の軸方向に並
べて配置して、各吸気バルブの傘部を燃焼室に臨ませる
とともに、この傘部に連なるバルブステムの先端部に、
上記吸気用カム軸上の吸気カムに摺接するバルブリフタ
を設けた4サイクルエンジンを前提としている。
そして、上記シリンダヘッドは、上記吸気バルブおよ
び排気バルブを支持するとともに、これら吸・排気バル
ブによって開閉される吸気通路および排気通路が形成さ
れたヘッド本体と、このヘッド本体に重ね合わされ、上
記吸気用カム軸および排気用カム軸を支持するカムケー
スとの二分割構造をなしており、 このヘッド本体は、シリンダブロックに重ね合わされ
る第1の合面と、上記カムケースに重ね合わされる第2
の合面とを有し、このヘッド本体の第2の合面を、上記
排気用カム軸から吸気用カム軸の方向に進むに従い上記
ヘッド本体の第1の合面から遠ざかる方向に傾斜させる
とともに、上記吸気用カム軸を排気用カム軸に比べて上
記第1の合面から遠ざけた位置に配置し、 また、上記三本の吸気バルブのうち、この両側に位置
された吸気バルブのバルブリフタを、中央の吸気バルブ
のバルブリフタよりも大径に形成し、この大径なバルブ
リフタに連なるバルブステムの中心線を、上記吸気用カ
ム軸の軸線に対し上記気筒のボア中心線に偏った位置に
挿通配置するとともに、中央の吸気バルブのバルブステ
ムの中心線側を、上記吸気用カム軸の軸線と交差する位
置に挿通配置し、 これら挿通位置が異なるバルブステムの中心線は、上
記吸気用カム軸の軸方向から見た時に、上記シリンダブ
ロックとは吸気用カム軸を挟んだ反対側において互いに
交差されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載された発明は、 三本の吸気バルブのうち、その中央に位置された吸気
バルブのバルブリフタを、両側に位置された他の吸気バ
ルブのバルブリフタよりも大径に形成し、この大径なバ
ルブリフタに連なるバルブステムの中心線を、上記吸気
用カム軸の軸線に対し上記気筒のボア中心とは反対側に
偏った位置に挿通配置するとともに、両側の吸気バルブ
のバルブステムの中心線を、上記吸気用カム軸の軸線と
交差する位置に挿通配置し、 これら挿通位置が異なるバルブステムの中心線は、上
記吸気用カム軸の軸方向から見た時に、上記シリンダブ
ロックとは吸気用カム軸を挟んだ反対側において互いに
交差されていることを特徴としている。
[作用] 請求項1の構成によれば、三本の吸気バルブのうち、
両側の吸気バルブのボア中心線に対する傾斜角度が小さ
くなって、中央の吸気バルブの傾斜角度に近づくので、
三本の吸気バルブを吸気用カム軸の軸方向から見た場合
に、そのバルブステムを極力平行に近い状態で配置する
ことできる。
このため、燃焼室に臨む傘部の向きも略等しくなるの
で、隣り合う傘部の間において、燃焼室の内面に大きな
段差が生じることもなく、燃焼室の内面を凹凸の少ない
滑らかな形状に形成することができる。
また、両側のバルブステムの中心線が吸気用カム軸の
軸線よりもボア中心側に偏った位置を通るにも拘わら
ず、これらバルブステムに対応するバルブリフタは大径
に形成されているので、吸気カムとの接触面積が不足す
ることはなく、吸気バルブのリフト量を充分に確保する
ことができる。
請求項2の構成によれば、中央の吸気バルブの傾斜角
度が両側の吸気バルブの傾斜角度に近づくので、三本の
吸気バルブを吸気用カム軸の軸方向から見た場合に、そ
のバルブステムを極力平行に近い姿勢で配置することが
できる。そのため、上記請求項1の場合と同様に、燃焼
室に臨む傘部の向きが略等しくなって、燃焼室の内面を
凹凸の少ない滑らかな形状に形成することができる。
また、中央のバルブステムの中心線が吸気用カム軸の
軸線よりもボア中心とは反対側に偏った位置を通るにも
拘わらず、このバルブステムに対応するバルブリフタは
大径に形成されているので、吸気カムとの接触面積が不
足することはなく、吸気バルブのリフト量を充分に確保
することができる。
加えて、請求項1および2の構成によると、吸気用カ
ム軸が排気用カム軸に比べて第1の合面から遠ざけられ
ている分だけ、この吸気用カム軸上のカムとバルブリフ
タとの接触部分がバルブステムの中心線の交点に近づく
ことになり、隣り合うバルブリフタの径方向へのずれ量
が少なくなる。このため、両側の吸気バルブに対応する
バルブリフタを大径化するにしても、この大径化の度合
を極力少なくすることができ、シリンダヘッド回りのコ
ンパクト化が可能となる。
しかも、ヘッド本体の第2の合面を傾斜させたことに
より、吸気バルブに対応する側においては、この第2の
合面からヘッド本体の第1の合面までの間隔が増大し、
このケース本体に形成される吸気通路をカムケースの方
向に向けて導くことができる。このため、吸気通路自体
が曲がりの少ないストレートな形状となるとともに、燃
焼室に対し起立した姿勢で配置することができ、吸気バ
ルブが三本となることと合わせて、吸気効率を飛躍的に
高めることができる。
[実施例] 以上本発明の第1実施例を、第1図ないし第4図にも
とづいて説明する。
図中符号1で示すシリンダヘッドは、ヘッド本体1a
と、このヘッド本体1aの上面に被せられたカムケース1b
とに二分割されている。ヘッド本体1aは、シリンダブロ
ック3に重ね合わされる第1の合面1cを有している。こ
の第1の合面1cは、第1図に示すように、シリンダブロ
ック3内の気筒4と直交する方向に延びており、この第
1の合面1cには、気筒4と向かい合う略半球形の凹部2
が形成されている。凹部2は、図示しないピストンと協
働して気筒4の上端に燃焼室5を構成している。
この凹部2には第4図に概略的に示すように、三個の
吸気口6a,6b,6cと、二個の排気口7a,7bが開口されてい
る。これら吸気口6a,6b,6cと排気口7a,7bとは、気筒4
のボア中心X1を通り、かつ図示しないクランク軸の軸方
向に沿う基準線A1挾んだ両側に振り分けて配置されてお
り、上記三個の吸気口6a,6b,6cは凹部2の周方向に沿っ
て並置されている。
なお、ヘッド本体1aには、吸気口6a,6b,6cに連なる吸
気通路8と、排気口7a,7bに連なる排気通路9が形成さ
れているとともに、上記凹部2のボア中心X1上にはプラ
グ装着孔10が形成されている。
このような吸気口6a,6b,6cは、三本の吸気バルブ11a,
11b,11cによって個別に開閉されるとともに、排気口7a,
7bも二本の排気バルブ12a,12bによって個別に開閉され
る。吸気バルブ11a,11b,11cおよび排気バルブ12a,12b
は、吸気口6a,6b,6cおよび排気口7a,7bに臨む傘部13,14
と、この傘部13,14に連なるバルブステム15,16を備えて
おり、このバルブステム15,16がヘッド本体1aに支持さ
れている。このバルブステム15,16の上端部は、ヘッド
本体1aを貫通して、カムケース1b内に導出されている。
吸気バルブ11a,11b,11cおよび排気バルブ12a,12bのバ
ルブステム15,16は、ボア中心X1を通り、かつ気筒4の
軸方向に延びるボア中心線X2に対し略放射状に配置され
ており、このボア中心線X2を挾んで対向し合うバルブス
テム15,16は、カムケース1b側に進むに従い互いに離間
する方向に傾斜されている。三本の吸気バルブ11a,11b,
11cは、凹部2の周方向に沿って配置されており、その
中央の吸気バルブ11bが気筒4の径方向外側にオフセッ
トされている。
そして、両側の吸気バルブ11a,11cのバルブステム15
は、シリンダヘッド1を上記基準線A1の軸方向から見た
場合に互いに重なり合っており、ボア中心線X2に対する
傾斜角度θが等しくなっている。
また、シリンダヘッド1のカムケース1bには、吸気バ
ルブ11a,11b,11cを開閉駆動する吸気用カム軸18と、排
気バルブ12a,12bを開閉する排気用カム軸19が設けられ
ている。これらカム軸18,19は上記基準線A1の軸方向に
沿って互いに平行に設けられており、上記カムケース1b
の上面に図示しないカムキャップを介して回転自在に支
持されている。そして、これらカム軸18,19の端部には
夫々タイミングスプロケット20が取付けられており、こ
のタイミングスプロケット20は図示しないタイミングチ
ェーンを介してクランク軸に連動されている。
第1図に示すように、シリンダヘッド1のヘッド本体
1aは、カムケース1bに重ね合わされる第2の合面1dを有
している。この第2の合面1dは、排気用カム軸19から吸
気用カム軸18側に進むに従い、上記第1の合面1cから遠
ざかる方向に傾斜されており、この傾斜により、ヘッド
本体1aにおける第1の合面1cから第2の合面1dまでの間
隔、つまりヘッド本体1aの厚み寸法が吸気用カム軸18に
対応する側において大きく定められている。
また、この第2の合面1dの傾斜に伴い、吸気用カム軸
18は排気用カム軸19に比べて第1の合面1cから遠ざかっ
た高い位置に配置されており、それ故、吸気バルブ11a,
11b,11cのバルブステム15の全長は、排気バルブ12a,12b
のバルブステム16の全長よりも大きくなっている。
吸気用カム軸18は上記吸気バルブ11a,11b,11cのバル
ブステム15の延長線上に位置しており、この吸気用カム
軸18の外周には、各気筒4毎に三個の吸気カム21が形成
されている。吸気カム21はバブルステム15に対応した位
置に設けられており、このバルブステム15の先端部には
夫々バルブリフタ22a,22b,22cが設けられている。バル
ブリフタ22a,22b,22cは吸気カム21側の端部が閉塞され
た中空円筒状をなしており、その閉塞された端面23が吸
気カム21のカム面21aに摺接している。そして、このバ
ルブリフタ22a,22b,22cはカムケース1bに設けたガイド
孔24内に軸方向に摺動可能に嵌合されている。
ところで、上記三本の吸気バルブ11a,11b,11cのう
ち、両側の吸気バルブ11a,11cのバルブステム15は、そ
の中心線Y1が吸気用カム軸18の軸線Z1に対し、上記気筒
4のボア中心線X2側に偏った位置を通るように配置され
ている。これに対し、中央の吸気バルブ11bのバルブス
テム15は、その中心線Y2が吸気用カム軸18の軸線Z1と交
差する位置を通るように配置されている。
このため、隣り合う三本のバルブステム15の先端部お
よびバルブリフタ22a,22b,22cは、第3図に示すように
吸気用カム軸18の軸方向に沿って一直線上に並ぶことな
く、互いにずれて配置されており、これらバルブリフタ
22a,22b,22cが一直線上に並ぶ場合に比べて、バルブリ
ヘタ22a,22b,22cの間隔Lが狭められている。
そして、上記両側に位置する吸気バルブ11a,11cのバ
ルブリフタ22a,22cは、第2図および第3図に示すよう
に、中央の吸気バルブ11bのバルブリフタ22bよりも大径
に形成されている。このため、吸気カム21とバルブリフ
タ22a,22cとの接触面積が増大し、上記バルブステム15
の中心線Y2がボア中心線X2側に偏ったことによる吸気カ
ム21とバルブリフタ22a,22cのずれ分を吸収している。
第1図に示すように、吸気バルブ11a,11cのバルブス
テム15の中心線Y1と、吸気バルブ11bのバルブステム15
の中心線Y2とは、互いに交差されている。これらの中心
線Y1とY2との交点Cは、上記シリンダヘッド1とは吸気
用カム軸18を挟んだ反対側、つまりシリンダヘッド1の
上方に位置されている。そして、この場合、吸気用カム
軸18は、上記のように排気用カム軸19よりも第1の合面
1cから遠ざかった高い位置に配置されているので、この
吸気用カム軸18の吸気カム21とのバルブリフタ22a,22b,
22cとの接触部分が上記中心線Y1とY2との交点Cに極力
近づけられている。
また、排気用カム軸19は排気バルブ12a,12bのハルブ
ステム16の延長線上に位置されており、その外周に設け
た二つの排気カム26が、他のバルブリフタ27を介して上
記バルブステム16の先端部に接している。
なお、図中符号28は、吸気バルブ11a,11b,11cおよび
排気バルブ12a,12bを閉じ方向に付勢するバルブスプリ
ングであり、このバルブスプリング28の付勢力によりバ
ルブリフタ22a,22b,22c,27が吸気カム21および排気カム
26に押し付けられている。
このような構成によれば、三本の吸気バルブ11a,11b,
11cのうち、両側に位置する吸気バルブ11a,11cの中心線
Y1を、吸気用カム軸18の軸線Z1に対し気筒4のボア中心
線X2側に偏った位置を通るように配置するとともに、中
央の吸気バルブ11bの中心線Y2を、吸気用カム軸18の軸
線Z1と交差する位置を通るように配置したので、上記ボ
ア中心線X2に対する両側の吸気バルブ11a,11cの傾斜角
度θを、中央の吸気バルブ11bの傾斜角度θに極力
近づけることができる。
このため、三本の吸気バルブ11a,11b,11cを吸気用カ
ム軸18の軸方向から見た場合に、夫々のバルブステム15
が略平行となり、燃焼室5に臨む傘部13の向きを揃える
ことができる。このことから、隣り合う傘部13の間にお
いて、燃焼室5の内面に大きな段差が生じることもな
く、上記吸気バルブ11a,11b,11cと排気バルブ12a,12bを
放射状に配置したことと相まって、燃焼室5の形状を、
燃焼効率の点で理想的形状といわれる滑らかな半球形に
形成することができる。
その上、両側の吸気バルブ11a,11cの中心線Y1が、吸
気用カム軸18の軸線Z1に対しボア中心線X2側にずれてい
るにも拘らず、これら吸気バルブ11a,11cのバルブリフ
タ22a,22cは大径に形成されているので、バルブリフタ2
2a,22cと吸気カム21との接触面積が不足することもな
い。
このため、吸気バルブ11a,11cのリフト量を充分に確
保するとができ、吸入効率を高めることができる。
また、上記構成によると、吸気用カム軸18は、排気用
カム軸17よりも第1の合面1cから遠ざかった高い位置に
配置されているので、この吸気用カム軸18の吸気カム21
とバルブリフタ22a,22b,22cとの接触部分がバルブステ
ム15の中心線Y1とY2との交点Cに近づくことになり、そ
の分、隣り合うバルブリフタ22a,22b,22cの径方向への
ずれ量が少なくなる。
このため、両側の吸気バルブ11a,11cに対応するバル
ブリフタ22a,22cを大径化するにしても、この大径化の
度合を少なくすることができ、シリンダヘッド1のコン
パクト化に寄与することになる。
しかも、ヘッド本体1aの第2の合面1dを傾斜させたこ
とにより、ヘッド本体1aの第1の合面1cから第2の合面
1dまでの間隔が吸気バルブ11a,11b,11cに対応する側に
おいて増大する。このため、ケース本体1aに形成される
吸気通路8を吸気口6a,6b,6cからカムケース1bの方向に
導くことが可能となり、吸気通路8自体が曲がりの少な
いストレートな形状となるとともに、燃焼室5に対し起
立した姿勢で配置することができる。よって、吸気抵抗
を軽減することができ、吸気バルブ11a,11b,11cが三本
となることと合わせて、吸気効率を飛躍的に高めること
ができる。
なお、本発明は上記第1実施例に特定されるものでは
なく、第5図ないし、第7図に本発明の第2実施例を示
す。
この実施例において、三本の吸気バルブ11a,11b,11c
のうち、両側の吸気バルブ11a,11cのバルブステム15
は、その中心線Y1が吸気用カム軸18の軸線Z1と交差する
位置を通るように配置されている。これに対し、中央の
吸気バルブ11bのバルブステム15は、その中心線Y2が吸
気用カム軸18の軸線Z1に対し、上記気筒4のボア中心線
X2とは反対側に偏った位置を通るように配置されてい
る。
このため、隣り合う三本のバルブステム15の先端部お
よびバルブリフタ22a,22b,22cは、吸気用カム軸18の軸
方向に沿って一直線上に並ぶことなく、互いにずれて配
置されている。
そして、第5図に示すように、吸気バルブ11a,11cの
バルブステム15の中心線Y1と、吸気バルブ11bのバルブ
ステム15の中心線Y2とは、上記第1の実施例と同様に互
いに交差されている。これら中心線Y1とY2との交点C
は、上記シリンダヘッド1とは吸気用カム軸18を挟んだ
反対側、つまりシリンダヘッド1の上方に位置されてい
る。そして、この場合、吸気用カム軸18は、上記のよう
に排気用カム軸19よりも第1の合面1cから遠ざかった高
い位置に配置されているので、この吸気用カム軸18の吸
気カム21のバルブリフタ22a,22b,22cとの接触部分が上
記中心線Y1とY2との交点Cに極力近づけられている。
また、上記中央に位置する吸気バルブ11bのバルブリ
フタ22bは、第6図および第7図に示すように、両側の
吸気バルブ11a,11cのバルブリフタ22a,22cよりも大径に
形成されている。このため、吸気カム21とバルブリフタ
22bとの接触面積が増大し、上記バルブステム15の中心
線Y2がボア中心線X2とは反対側に偏ったことによる吸気
カム21とバルブリフタ22bとのずれ分を吸収している。
このような構成の第2実施例によると、三本の吸気バ
ルブ11a,11b,11cのうち、中央に位置する吸気バルブ11b
の中心線Y2を、吸気用カム軸18の軸線Z1に対し気筒4の
ボア中心X1とは反対側に偏った位置を通るように配置す
るとともに、両側の吸気バルブ11a,11cの中心線Y2を、
吸気用カム軸18の軸線Z1と交差する位置を通るように配
置したので、ボア中心線X2に対する中央の吸気バルブ11
bの傾斜角度θを、両側の吸気バルブ11a,11cの傾斜角
度θに極力近づけることができる。
このため、三本の吸気バルブ11a,11b,11cを吸気用カ
ム軸18の軸方向から見た場合に、夫々のバルブステム15
が略平行となり、燃焼室5に臨む傘部13の向きを揃える
ことができる。
また、中央の吸気バルブ11bの中心線Y2が、吸気用カ
ム軸18の軸線Z1に対しボア中心線X2とは反対側にずれて
いるにも拘わらず、この吸気バルブ11bのバルブリフタ2
2bは隣り合う吸気バルブ11a,11cのバルブリフタ22bより
も大径に形成されているので、バルブリフタ22bと吸気
カム21との接触面積が不足することはない。
よって、吸気バルブ11bのリフト量を充分に確保する
ことができ、吸入効率を高めることができる。
なお、本発明を実施するに当っては、バルブステムの
中心軸はカム軸の軸線と正確に交差していなくとも良
く、僅かにずれていたとしても何等差し支えない。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、三本の吸気バル
ブを吸気用カム軸の軸方向から見た場合に、夫々のバル
ブステムが略平行に配置されるので、燃焼室に臨む傘部
の向きを揃えることができる。このため、隣り合う傘部
の間において、燃焼室の内面に大きな段差が生じること
もなく、燃焼室の内面を凹凸の少ない滑らかな形状にす
ることができる。
その上、いずれかの吸気バルブの中心線が吸気用カム
軸の軸線に対してずれているにも拘わらず、この吸気バ
ルブのバルブリフタは、隣り合う他の吸気バルブのバル
ブリフタよりも大径に形成されているので、バルブリフ
タと吸気カムとの接触面積が不足することはなく、バル
ブリフト量を充分に確保することができる。
また、吸気用カム軸の吸気カムとバルブリフタとの接
触部分がバルブステムの中心線の交点に近づくので、そ
の分、隣り合うバルブリフタの径方向へのずれ量が少な
くなる。このため、いずれかの吸気バルブに対応するバ
ルブリフタを大径化するにしても、この大径化の度合を
少なくすることができ、シリンダヘッドのコンパクト化
に寄与することになる。
しかも、ヘッド本体の第1の合面から第2の合面まで
の間隔が吸気バルブに対応する側において増大するの
で、ケース本体の吸気通路を燃焼室からカムケースの方
向に導くことができ、吸気通路自体が曲がりの少ないス
トレートな形状となるとともに、燃焼室に対し起立した
姿勢で配置することができる。この結果、吸気抵抗を軽
減することができ、吸気バルブが三本となることと合わ
せて、吸気効率を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例を示し、第1
図はシリンダヘッドの断面図、第2図は吸気バルブの並
置状態を示す側面図、第3図は吸気カムとバルブリフタ
の位置関係を示す平面図、第4図は燃焼室の概略構成
図、第5図ないし第7図は本発明の第2実施例を示し、
第5図はシリンダヘッドの断面図、第6図は吸気バルブ
の並置状態を示す側面図、第7図は吸気カムとバルブリ
フタの位置関係を示す平面図である。 1……シリンダヘッド、 1a……ヘッド本体、 1b……カムケース、 1c……第1の面、 1d……第2の面、 3……シリンダブロック、 4……気筒、 5……燃焼室、 8……吸気通路、 9……排気通路、 11a,11b,11c……吸気バルブ、 12a,12b……排気バルブ、 13,14……傘部、 15,16……バルブステム、 18……吸気用カム軸、 19……排気用カム軸、 21……吸気カム、 22a,22b,22c……バルブリフタ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気用カム軸および排気用カム軸を備えた
    シリンダヘッドに、一気筒当り三本の吸気バルブと複数
    本の排気バルブとを設け、 これら三本の吸気バルブを吸気用カム軸の軸方向に並べ
    て配置して、各吸気バルブの傘部を燃焼室に臨ませると
    ともに、この傘部に連なるバルブステムの先端部に、上
    記吸気用カム軸上の吸気カムに摺接するバルブリフタを
    設けた4サイクルエンジンにおいて、 上記シリンダヘッドは、上記吸気バルブおよび排気バル
    ブを支持するとともに、これら吸・排気バルブによって
    開閉される吸気通路および排気通路が形成されたヘッド
    本体と、このヘッド本体に重ね合わされ、上記吸気用カ
    ム軸および排気用カム軸を支持するカムケースとの二分
    割構造をなしており、 このヘッド本体は、シリンダブロックに重ね合わされる
    第1の合面と、上記カムケースに重ね合わされる第2の
    合面とを有し、このヘッド本体の第2の合面を、上記排
    気用カム軸から吸気用カム軸の方向に進むに従い上記ヘ
    ッド本体の第1の合面から遠ざかる方向に傾斜させると
    ともに、上記吸気用カム軸を排気用カム軸に比べて上記
    第1の合面から遠ざけた位置に配置し、 また、上記三本の吸気バルブのうち、この両側に位置さ
    れた吸気バルブのバルブリフタを、中央の吸気バルブの
    バルブリフタよりも大径に形成し、この大径なバルブリ
    フタに連なるバルブステムの中心線を、上記吸気用カム
    軸の軸線に対し上記気筒のボア中心線側に偏った位置に
    挿通配置するとともに、中央の吸気バルブのバルブテム
    の中心線を、上記吸気用カム軸の軸線と交差する位置に
    挿通配置し、 これら挿通位置が異なるバルブステムの中心線は、上記
    吸気用カム軸の軸方向から見た時に、上記シリンダブロ
    ックとは吸気用カム軸を挟んだ反対側において互いに交
    差されていることを特徴とする4サイクルエンジンの動
    弁装置。
  2. 【請求項2】吸気用カム軸および排気用カム軸を備えた
    シリンダヘッドに、一気筒当り三本の吸気バルブと複数
    本の排気バルブとを設け、 これら三本の吸気バルブを吸気用カム軸の軸方向に並べ
    て配置して、各吸気バルブの傘部を燃焼室に臨ませると
    ともに、この傘部に連なるバルブステムの先端部に、上
    記吸気用カム軸上の吸気カムに摺接するバルブリフタを
    設けた4サイクルエンジンにおいて、 上記シリンダヘッドは、上記吸気バルブおよび排気バル
    ブを支持するとともに、これら吸・排気バルブによって
    開閉される吸気通路および排気通路が形成されたヘッド
    本体と、このヘッド本体に重ね合わされ、上記吸気用カ
    ム軸および排気用カム軸を支持するカムケースとの二分
    割構造をなしており、 このヘッド本体は、シリンダブロックに重ね合わされる
    第1の合面と、上記カムケースに重ね合わされる第2の
    合面とを有し、このヘッド本体の第2の合面を、上記排
    気用カム軸から吸気用カム軸の方向に進むに従い上記ヘ
    ッド本体の第1の合面から遠ざかる方向に傾斜させると
    ともに、上記吸気用カム軸を排気用カム軸に比べて上記
    第1の合面から遠ざけた位置に配置し、 また、上記三本の吸気バルブのうち、その中央に位置さ
    れた吸気バルブのバルブリフタを、両側に位置された他
    の吸気バルブのバルブリフタよりも大径に形成し、この
    大径なバルブリフタに連なるバルブステムの中心線を、
    上記吸気用カム軸の軸線に対し上記気筒のボア中心とは
    反対側に偏った位置に挿通配置するとともに、両側の吸
    気バルブのバルブステムの中心線を、上記吸気用カム軸
    の軸線と交差する位置に挿通配置し、 これら挿通位置が異なるバルブステムの中心線は、上記
    吸気用カム軸の軸方向から見た時に、上記シリンダブロ
    ックとは吸気用カム軸を挟んだ反対側において互いに交
    差されていることを特徴とする4サイクルエンジンの動
    弁装置。
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