JP2959080B2 - 芯鞘複合繊維 - Google Patents

芯鞘複合繊維

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は芯鞘複合繊維に関するものである。さらに詳
細には、良好な吸放湿性を有し、たとえばインナー、中
衣、スポーツ衣料などの用途に好適な芯鞘複合繊維に関
するものである。
[従来の技術] 従来、快適性に優れた衣料素材として、たとえば特公
昭60−457号公報に記載されているように、平衡水分率
が小さい紡績糸と、逆に平衡水分率が大きいフィラメン
ト捲縮糸を引揃えたもしくは撚合せた複合糸により快適
感を出そうという試みや、あるいは実公昭60−40612号
公報に記載されているように、単繊維繊度が1.0デニー
ル以下の疎水性繊維と、木綿またはポリノジック繊維の
如き親水性繊維を特定の比率で混合した糸で編地を作り
快適感を出そうという試みがなされている。
また、特開昭60−215835号公報には、水分率の大きい
材料を芯糸に配し、鞘糸には水分透過率が大きくかつ水
分率の小さい材料を配したコアヤーンを用いて快適感を
得ようとする布帛が提案されている。
また、本発明者らは特開昭60−134036号公報において
快適性をもつ衣料用素材として、糸の内部層に高い吸湿
性能を有する合成繊維を配し、一方、糸の外部層には通
常の合成繊維もしくは吸透水性能を有する合成繊維を主
体として配して、かつ糸または布帛の吸湿率が20℃,65
%RH下において5%以上である糸もしくは布帛を提案し
た。
しかしながら、これらの従来技術による繊維素材は、
ほとんどのものが20℃,65%RH下での、即ち、標準状態
下での平衡水分率(吸湿率)を特定するなど、絶乾状態
から20℃,65%RH状態への素材の吸湿飽和値を制御する
にとどまり、実着用における温湿度条件において快適な
素材を提供しうるものではなかった。
ところが、実際に衣料が着用される場合、絶乾状態で
着用されることはなく、通常は20〜25℃,50〜65%RH程
度に保たれた整理ダンス内等から該衣料が取り出されて
着用に供され、軽・中作業あるいは軽・中運動をすると
衣服内温湿度は、30〜36.5℃,70〜95%RH程度になるも
のである。
すなわち、衣料についての快適性を論じる場合には、
このような日常の着用のされ方における着用環境条件や
衣服内の温湿度変化を考慮されるべきであり、かかる観
点から着用環境条件や衣服内の温湿度変化に対して十分
に考慮してムレ感などの現実的諸問題を解決した、清涼
感に富み快適性に優れた衣料素材は未だ提供されていな
いのが現状であった。
[発明が解決しようとする課題] 上記の説明においても述べたように、衣料は、着用環
境や着用衣服内の温湿度条件によって吸湿や放湿をする
ものである。
上記のような、快適さをねらいとして従来提案されて
きた衣料素材は、前述のように20℃,65%RHなどの標準
状態近辺の条件下での平衡水分率(吸湿率)等を主体に
考慮されてきたものであり、衣料着用時の快適性を判断
するファクターとしては不十分である。
衣服着用時の快適性を左右するのは、いかに早く衣服
内の湿気を外気に放出するかである。この湿気を衣服を
通して外に放出する駆動力となるのは、衣服内の湿気を
吸収した繊維界面の湿度と外気湿度の差である。したが
って衣服を構成する繊維は、衣服内湿度に相当する高湿
領域で高い吸湿性を有し、かつ、高湿時と低湿時との吸
湿差が大きいことも重要である。高湿時と低湿時の吸湿
差が大きい程、上述のごとく湿気を放出する駆動力も大
きくなるためである。
本発明者らは、上記したような点に鑑み、実際の着用
状態を基本に置いた条件下での真の快適感を得ることに
最重点を置いて、快適性に優れた衣料素材を得るべく鋭
意検討を重ねた結果、本発明に到達したものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために本発明の芯鞘複合繊維
は、次の構成を有する。すなわち、 芯鞘複合比率が30/70〜70/30(重量比)である芯鞘複
合繊維であって、鞘成分がポリエステル系ポリマ、芯成
分が20℃,65%RHにおける吸湿率4%以上10%未満のポ
リマからなり、20℃,65%RHにおける吸湿率が2%以上
7%未満、30℃,90%RHでの平衡吸湿率と20℃,65%RHで
の平衡吸湿率の差が2.5%以上、芯部の断面形状の異形
度が1.15以上であることを特徴とする芯鞘複合繊維であ
る。
本発明でいう芯鞘複合繊維とは、鞘部にポリエステル
系ポリマを配し、芯部に20℃,65%RHにおける吸湿率4
%以上10%未満のポリマを配するものである。
上記の構造とは逆に、芯部にポリエステル系ポリマを
配し、鞘部に吸湿性ポリマを配した場合には、染色性お
よび染色堅牢度の面において極めて不利となる。すなわ
ち、一般的に吸湿性ポリマは、染色堅牢度、特に洗濯堅
牢度など湿潤堅牢度が悪いため、芯部ポリエステル系繊
維ポリマまで均一に分散染料で染色した場合、鞘部ポリ
マから染料がブリードアウトし、堅牢度不良となる。ま
た、カチオン染料等イオン性染料で鞘部分のみを染色す
ると、芯部が染色されにくいため、発色性不良となる。
本発明の芯鞘複合系は、染色堅牢度に劣る吸湿性の芯
部ポリマを高堅牢性のポリエステル系ポリマで覆うこと
により、芯部ポリマからの染料のブリードアウトを抑
え、高い染色堅牢度と発色性を保持させるものである。
鞘部ポリエステルポリマに紫外線吸収剤等をあらかじめ
ブレンドしておくと、耐光性の悪い芯部ポリマに到達す
る紫外線量が減じるため耐光堅牢度の向上に有効であ
る。
ポリエステル系ポリマとは、たとえば、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポ
リアルキレンテレフタレート、これらにポリエチレング
リコールやスルホン酸基保有化合物を共重合したポリエ
ステルコポリマなどをいう。
これらのポリエステル系ポリマは疎水性であるため、
吸湿性は極めて小さい。したがって、高湿下においても
繊維表面は常にサラットしており、ベトツキなどの不快
感が少ないものとなり、着用快適性を達成するのに適し
たポリマである。
鞘部に吸湿性の低いポリマを配するため、繊維全体と
しての吸湿性能は、芯部分に依存する。
本発明の芯鞘複合繊維の芯部ポリマとしては、20℃,6
5%RHにおける吸湿率が4%以上10%未満のものを選択
する。20℃,65%RHにおける吸湿率が4%未満では必要
とする吸放湿特性を満足することが困難であり、一方、
20℃,65%RHにおける吸湿率が10%以上の場合にはポリ
マが吸湿することによって体積膨脹が起こり、芯部と鞘
部の剥離や鞘破れを引き起こしやすくなるためである。
芯部に吸湿性を付与するには、溶融紡糸可能な吸湿性
ポリマ、たとえば、ナイロン4など、くり返し単位の炭
素数の小さいポリアミド、ポリエーテルアミドブロック
共重合体などを芯部に配することができる口金を用い鞘
部ポリマと共に複合紡糸することで達成できる。また、
芯部ポリマ自体が吸湿性でなくとも、高吸湿性化合物、
たとえば、ポリN−ビニルピロリドン、サイクロデキス
トリン、ポリアリルスルホン酸またはその塩、ポリメタ
リルスルホン酸またはその塩などをブレンドしたポリマ
を用いても良い。さらに、吸湿性ポリマに高吸湿性化合
物を添加することもできる。
芯部ポリマが吸湿し、膨らむことによって、鞘部ポリ
マの破損を防ぐ観点から、芯サヤ複合比率を30/70〜70/
30の範囲とすることが好ましい。
本発明においては、30℃,90%RHでの平衡吸湿率と20
℃,65%RHでの平衡吸湿率の差(以下、ΔMR)を2.5%以
上、好ましくは3.0%以上とするものである。
ΔMRが大きい程、衣服内から外気へ湿気が移動しやす
くなり衣服内のムレ感を抑制できるからである。ただ
し、多量の汗をかいた後、低温低湿の環境下に入った場
合、身体の冷えすぎを防止するために一般にΔMRを9%
以上とするのは好ましくない。
また、平衡吸湿率とは、所定の温湿度に24時間放置後
の試料の重量増加率をいい、具体的には次の方法により
測定する。
<平衡吸湿率の測定法> ガラス秤量びんに約1gの布帛試料を入れ、開放状態で
110℃に設定した乾燥機(ベーキングマシン)中で2時
間絶乾し、その後、密封状態でシリカゲルのデシケータ
中で30分間放冷した後、精秤する(絶乾時重量)。
次に、20℃,65%RHの温湿度条件にした恒温恒湿槽に
開放状態にした上記試料入り秤量びんを入れて24時間放
置し、その後、再び密封状態でシリカゲル入りデシケー
タ中で30分間放置した後、精秤する(20℃,65%RHの場
合)。
30℃,90%RHの平衡吸湿率の測定は、上記20℃,65%RH
を30℃,90%RHの温湿度条件に変更し、同操作を行な
う。
本発明の複合繊維の20℃,65%RH(以下、標準状態)
における吸湿率は、2%以下7%未満、好ましくは3〜
6.5%とするものである。標準状態における繊維の吸湿
率が2%未満では、繊維に触れた時の冷感が不足し、清
涼衣料としては不満足である。一方、7%以上では、繊
維の吸湿による重量増加から、重たい繊維となり清涼感
に乏しいものとなり、又、夏場に冷房された部屋から、
高温多湿の室外に出た場合、繊維が外気中の湿気を吸っ
て、吸湿発熱し、より暑く感じるものとなる。本発明の
芯鞘複合繊維の芯部の断面形状の異形度は1.15以上、好
ましくは1.30以上とするものである。
本発明において、異形度とは、芯部の周長を芯部断面
積と同一面積の円の円周で除した値をいう。具体的に
は、位相差顕微鏡を用いて800倍の繊維断面の拡大写真
を撮り、該写真をさらに8倍に拡大コピーを用いてプラ
ニメータで芯部の周長を測定する。
かかる異形度が1.15未満の場合には吸放湿速度が小さ
くなり、急激な環境や衣服内湿度変化に対応できない。
さらに、芯部と鞘部ポリマの接触面積が小さくなるた
め、芯部と鞘部の剥離を招き、フロスティング不良とな
る。
なお、芯部の断面形状の異形度を2以上とするのは鞘
厚みが極端に薄くなる部分を有し、鞘部の破損を招きや
すくなるため、一般に好ましくない。
本発明の芯鞘複合繊維において、芯部の有する吸放湿
特性が阻害されることのないように鞘成分の最大厚みを
5μ未満とすることが好ましく、鞘部断面形状を芯部断
面形状の相似形とすること、 すなわち、鞘部断面形状をも異形として鞘成分の厚み
を均一にするのがさらに好ましい。
かかる異形としては、鞘部が破損しにくい範囲で、多
角、H型、π型などの形状を任意に選択できる。
作業や、運動によって生じた気体汗(湿気)を繊維が
速かに吸湿し、さらに外気へ速かに放出(放湿)するこ
とによって衣服内の湿気の上昇を抑え、着用快適性を発
現させることができるならば本発明の目的を達成するう
えでさらに好ましい。
かかる観点から、30℃,90%RHの環境下から20℃,65%
RHの環境下に15分放置した時の放湿率を1.3%以上、さ
らには、1.8%以上とするのが好ましい。
また、20℃,65%RHの環境下から30℃,90%RHの環境下
に15分放置した時の吸湿率を1.3%以上、さらには、1.8
%以上とするのが好ましい。
ところで、衣服の湿気が外気へ放出される際には、熱
も同時に放出されることが、放湿放熱として知られてい
る。湿気を多く外気へ放出すると、かかる放熱効果か
ら、生地の熱量をうばい、皮膚温を下げ、発汗を抑える
効果が発現し、より清涼感が増すものである。
かかる観点から、一般的に快適と感じられる20℃,65
%RHの環境下での放熱量は、180ワット/m2以上、さらに
は、200ワット/m2以上であるのが好ましい。
本発明における吸放湿および速度の測定と放熱量の測
定について説明するため、吸放湿の関係を第3図に示
す。
第3図は、絶乾状態から20℃,65%RHの条件下に24時
間放置の後、30℃,90%RHの条件に24時間放置した場合
の吸湿率の変化(a)と、30℃,90%RHの条件下に24時
間放置の後、20℃,65%RHの条件下に24時間放置した場
合の放湿率(吸湿率)の変化(b)を示したものであ
る。
本発明における吸放湿速度の測定方法は、ガラス秤量
びんに約1gの布帛試料を入れ、開放状態で110℃に設定
した乾燥機中で2時間絶乾し、その後、密封状態でシリ
カゲルのデシケータ中で30分間放冷した後、精秤する。
次に、20℃,65%RHの温湿度条件にした恒温恒湿槽に開
放状態にした上記試料入り秤量びんを入れて24時間放置
し、その後、再び密封状態でシリカゲル入りデシケータ
中で30分間放置した後、精秤し、初期重量とする。引き
続き、30℃,90%RHの温湿度条件に保った恒温恒湿槽に
開放状態にした秤量びんを入れ、15分度の吸湿量を精秤
する。
これらの測定値により、20℃,65%RHから30℃,90%RH
への15分後の吸湿率(以下、15分後吸湿率)を次式から
求める。
第3図(a)の線図を描くには、5分、10分、15分、
30分、60分、24時間後における吸湿量を重量測定から求
め、吸湿率変化を調べる。
上記の24時間後の重量を測定した後、恒温恒湿槽を再
び20℃,65%RHの温湿度条件にして、秤量びんを開放状
態で入れ、15分後の放湿量を重量測定から調べる。これ
により、30℃,90%RHから20℃,65%RHへの15分後放湿率
(以下、15分後放湿率)を次式から求める。
第3図(b)の線図を描くには、5分、10分、15分、
30分、60分、ならびに24時間後の重量を測定し、秤量び
ん自体の重量も測定し、重量変化から放湿量と放湿率を
求め放湿率変化を調べる。
また、本発明における放熱量の測定法は、まず予め20
℃,65%RHおよび20℃,95%RHの温湿度条件に調湿した恒
温恒湿槽もしくは、デシケータ中に縦10cm,横10cmの試
料を入れて、24時間以上放置し吸湿させる。この試料を
精密迅速熱物性測定装置KES−F7(カトーテック(株)
製)の保温測定で、温湿度20℃,65%RH、熱板温度40℃
として熱板上に試料をのせる。のせた直後から5秒おき
に測定装置のパネルメータから熱損失(ワット)を読み
とり、読みとり開始10秒から60秒の範囲で、読みとり値
の高い方から4点のデータを求め、測定試料5枚につい
ての平均値を100倍して放熱量(ワット/m2)を、それぞ
れの場合について算出するものである。
本発明の芯鞘複合糸の糸条形態は、フィラメント、ス
テープルのどちらでも良く、これらから得られる布帛形
態は、編織物、不織布などであり、目的に応じ適宜選択
可能である。
[実施例] 以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明
する。
なお、洗濯堅牢度はJIS L 0844により測定し、フロス
ティングの評価は次法により測定した。
<フロスティングの評価法> 直径10cmおよび17.5cmの試料片をそれぞれ上下ホルダ
にセットし、該試料片を蒸留水で湿潤したガーゼを用い
て完全に湿潤させた後、上下の両試験片を750gの押圧条
件で10分間摩擦する。
摩擦後の上部試験片を25℃,65%RHの標準条件で4時
間以上放置した後、変色の程度を変褪色用グレースケー
ルで等級判定する。
判定基準は、○:変色なし,△:若干変色あり,×:
変色ありとした。
(参考例1) 平均分子量が4000のポリエチレングリコールにアルカ
リ触媒の存在下でアクリロニトリルを反応させ、さらに
水素添加反応を行なうことにより両末端の95%以上がア
ミノ基であるポリエチレンエーテルジアミンを合成し
た。これに等モルのアジピン酸を作用させて、ポリエチ
レンエーテルジアミン・アジピン酸塩を形成させ、さら
にε−カプロラクタムと混合し240℃で12時間重合反応
を行なうことにより、ポリエチレンエーテル鎖部分の割
合が40重量%であるポリエーテルアミドブロック共重合
体を得た。
この共重合体のm−クレゾール溶液(濃度:1g/100m
l)の25℃での相対粘度ηは2.86であった。また、こ
の重合体の吸湿率は、20℃,65%RHで7.2%、30℃,90%R
Hで18.3%であった。
(参考例2) ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを、エ
ステル交換反応触媒として酢酸マンガンを、重合触媒と
して三酸化アンチモンを、着色防止剤としてリン酸トリ
メチルを用いて、常法によりエステル交換反応、つづい
て重合反応を行なうことにより、ポリエチレンテレフタ
レートを得た。
このポリマの−クロロフェノール溶液の25℃での極
限粘度[η]は0.62であった。また、このポリマの吸湿
率は、20℃,65%RHで0.4%、30℃,90%RHで0.5%であっ
た。
(実施例1、2、比較例1) 鞘部に配するポリマを参考実施例2で得たポリエチレ
ンテレフタレートとし、芯部に配するポリマにナイロン
4(実施例1)、参考実施例1で得たポリエーテルアミ
ドブロック共重合体(実施例2)、ナイロン6(比較例
1)を選定し、芯鞘複合比率50/50(重量比)で複合紡
糸、延伸し、第2図(a)に示す75デニール,24フィラ
メントの同芯八葉断面形状の芯鞘複合繊維を得た。
結果を表1に示す。
実施例1、2は、ΔMRの値と15分後の吸・放湿率が本
発明の条件を満足しているため、適正な放熱量を示し快
適衣料となりうることを示している。
一方、比較例1は、風合い、洗濯堅牢度共に十分なも
のであるが、ΔMRが低いため放熱量が十分でなく、快適
衣料素材となり得ないことを示している。
(比較例2) 実施例1と同一ポリマを用い、芯・鞘の配置を逆転
(芯部:ポリエチレンテレフタレート)した75デニー
ル,24フィラメントの芯鞘複合繊維を得た。次いで、こ
の繊維を4本給糸し24Gで丸編地(両面スムース)を製
編し、ノニオン系界面活性剤とソーダ灰各0.5g/の水
溶液中で60℃,15分間精練し乾燥の後、170℃で乾熱処理
し、分散染料(CI No.分散Blue B−56)1%owfで130
℃,30分染色し、乾燥した。
次に、吸放湿特性および、放熱量を測定し、風合いと
洗濯堅牢度を評価した。
結果を第1表に併せて示す。
ΔMRなど吸放湿特性は満足する値を示しているが、ベ
トツキ感の強い風合いであり洗濯堅牢度が極めて悪く、
商品としての展開が極めて困難なものであった。
(比較例3) 実施例1と同一ポリマを用い、紡糸、延伸して第2図
(b)に示す75デニール,24フィラメントの芯鞘複合繊
維同心円丸断面形状複合繊維を得た。鞘の厚みは2.55μ
であった。
結果を第1表に併せて示す。
(実施例3,4、比較例4) 実施例1と同一ポリマを用い、紡糸、延伸して芯部形
状をY型[実施例3]、+型[実施例4]、正三角形
[比較例4]とし、鞘部表面形状を丸断面とした75デニ
ール,24フィラメントの芯鞘複合繊維を得た。それぞれ
の断面形状を第3図(a)[実施例3]、第3図(b)
[実施例4]、第3図(c)[比較例4]に示す。
結果を第1表に併せて示す。
実施例3,4は、ΔMRの値と15分後の吸・放湿率が本発
明の条件を満足しているため、適正な放熱量を示し快適
衣料となりうることを示している。
一方、比較例3,4は、芯部の異形度が小さいために吸
放湿速度が不十分であり、適正な放熱量を得られず、さ
らに芯部と鞘部の剥離現象を伴ない、フロスティング不
良となり、商品価値が損われていた。
(比較列5) 芯部、鞘部に実施例2と同様のポリマーを配し、芯鞘
複合比率20/80(重量比)で複合紡糸、延伸して75デニ
ール、24フィラメントの同芯八葉断面形状の芯鞘複合繊
維を得た。結果を表1に併せて示す。
同芯八葉断面形状で芯鞘の複合比率を20/80とした場
合、吸放湿特性が不足し、快適な衣料となり得ないこと
を示している。
[発明の効果] 本発明によって得られた芯鞘複合繊維は着用快適性を
得るのに必要な、標準状態と衣服内温湿度を想定した高
温多湿状態の吸湿率の差が大きく、しかも、吸・放湿速
度が大きいため着用快適性に富み、しかも、鞘部にポリ
エステルを配しているため、ドライタッチな風合いと高
い洗濯堅牢性を有するものである。
本発明の芯鞘複合繊維は、長襦袢などの下着、シャ
ツ、ブラウス類、中衣、スポーツウェア、スラックス
類、外衣、裏地、さらには、シーツ、フトンカバーなど
に適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の芯鞘複合繊維の一例の横断面図、第2
図は従来の芯鞘複合繊維の横断面図である。 第3図は、本発明での吸放湿特性の考え方を説明するた
めのモデル図である。 図中、 1:ポリエステル系ポリマ 2:20℃,65%RHにおける吸湿率4%以上10%未満の吸湿
性ポリマ A:30℃,90%RHでの平衡吸湿率(%) B:20℃,65%RHでの平衡吸湿率(%) C:20℃,65%RHと30℃,90%RH間における15分後の吸湿率
(%) D:30℃,90%RHと20℃,65%RH間における15分後の放湿率
(%) E:20℃,65%RHと30℃,90%RH間の平衡吸湿率差(ΔMR)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−67419(JP,A) 特開 平1−174612(JP,A) 特開 平2−99612(JP,A) 特公 昭47−23974(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/00 - 8/18 D01D 5/30,5/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯鞘複合比率が30/70〜70/30(重量比)で
    ある芯鞘複合繊維であって、鞘成分がポリエステル系ポ
    リマ、芯成分が20℃、65%RHにおける吸湿率4%以上10
    %未満のポリマからなり、20℃、65%RHにおける吸湿率
    が2%以上7%未満、30℃、90%RHでの平衡吸湿率と20
    ℃、65%RHでの平衡吸湿率の差が2.5%以上、芯部の断
    面形状の異形度が1.15以上であることを特徴とする芯鞘
    複合繊維。
  2. 【請求項2】30℃、90%RHの環境下から20℃、65%RHの
    環境下に15分放置した時の放湿率が1.3%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の芯鞘複合繊維。
  3. 【請求項3】20℃、65%RHの環境下から30℃、90%RHの
    環境下に15分放置した時の吸湿率が1.3%以上であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の芯鞘複合繊維。
  4. 【請求項4】20℃、65%RHの環境下での放熱量が180ワ
    ット/m2以上であることを特徴とする請求項2記載の芯
    鞘複合繊維。
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