JP2958284B2 - 転写マスク及びその製造方法並びにパターン転写方法 - Google Patents

転写マスク及びその製造方法並びにパターン転写方法

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線、イオンビ
ーム、X線などの荷電粒子線露光に用いられる転写マス
ク等に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、次世代の超微細化素子等の製造技
術として、電子線リソグラフィー、イオンビームリソグ
ラフィー、X線リソグラフィー等が注目されているが、
いずれが量産技術として主流となるかは未だ不透明な状
況にある。
【0003】この中で、近年、露光パターン中に繰り返
して現れる種々の要素的パターンを、マスクを用いた転
写方式で部分的に一括露光できるようにし、これら種々
の要素的パターン転写を組み合わせることによって所望
のパターンの露光を迅速に行えるようにした、部分一括
露光(ブロック露光、セルプロジェクション露光あるい
はキャラクタプロジェクションという場合もある)と呼
ばれる描画方式が提案され、描画時間が短く量産性があ
り超微細パターンの描画が可能であることから、次世代
LSI技術、特に0.2μm以降のリソグラフィー法と
して脚光を浴び期待されている。
【0004】この方法に用いられるマスクは、通常、多
数の互いに異なる要素的パターンを1枚のマスク上に形
成したものであり、このマスクを用いた露光は、要素的
パターン(開口)で電子ビームを成形して所定の区画
(ブロックまたはセル)を部分的に一括して露光し、一
つの要素的パターンの転写が終了すると、電子ビームを
偏向させるかもしくはマスクを移動させるかあるいはそ
の双方を行うなどして次の要素的パターンの転写を行
い、この操作を繰り返して描画を行うようにしている。
【0005】ところで、上述の電子ビームによる部分一
括露光等の荷電粒子線露光に用いられる荷電粒子線露光
用マスクは、一般に、支持枠部に支持された薄膜部に荷
電粒子線を通過させる開口(貫通孔)パターンを形成し
た、いわゆる穴あきマスク(ステンシルマスク;Stenci
l mask)である。すなわち、荷電粒子線を良好に透過す
る物質は存在せず、荷電粒子線を通過させる部分にはい
かなる物質も介在させることができないので、この部分
は貫通されていなければならない。また、この開口パタ
ーンを厚い基板等に形成すると、通過する荷電粒子線が
開口パターンの側壁の影響を受けて正確な転写ができな
くなるので、開口パターンを形成する部分(荷電粒子線
を遮蔽する部分)は薄膜としなければならない。また、
薄膜を平面精度を保って支持するためには所定の強度を
有する支持枠部が必要となる。
【0006】上述した転写マスクは、開口パターン(要
素的パターン)で電子ビームを成形して転写を行うの
で、転写マスクには、形状、サイズの全く異なる多種の
開口パターンが寸法精度良く形成されていなければなら
ない。その精度は主用途である0.20μm以下の配線
加工等に対応するため、設計寸法に対して、±10%以
下の寸法精度が要求される。この寸法精度とは、電子線
がマスクの開口パターンを通過した寸法となるため、マ
スク中の開口パターン全体にわたる寸法精度となる。
【0007】このような部分一括露光等に用いられる転
写マスクは、従来より種々の方法で作製されているが、
加工性や強度の点からシリコン基板(市販のシリコンウ
エハ等)を加工して作製するのが一般的である。具体的
には、例えば、シリコン基板裏面をエッチング加工して
支持枠部とこの支持枠部に支持された薄膜部を形成し、
この薄膜部に開口を形成して転写マスクを作製する。
【0008】この場合、電子線がシリコン基板中に侵入
する飛程距離は出力(加速電圧)にもよるが、通常は1
0〜20μmの深さに到達する。このため、電子線を遮
蔽するにはシリコン薄膜部の厚さは20〜30μmとす
る必要がある。したがって、シリコン薄膜部に開口を高
精度に形成するためには、多種サイズ、形状の開口パタ
ーンをすべて垂直に十ミクロン以上の深さにエッチング
する必要がある。この深堀りエッチングをトレンチエッ
チングという。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、数ミク
ロンから百ミクロンを超える多種サイズの開口パターン
を同一条件による一括エッチングにてすべて90°の角
度で垂直にトレンチエッチングすることは非常に困難で
ある。
【0010】通常、このように極端にサイズの異なるパ
ターンをトレンチエッチングする場合、サイズの小さい
開口パターン程わずかなテーパーであっても寸法精度に
大きく影響するので、必然的に、最小サイズの開口パタ
ーンが垂直エッチングされるようにエッチング条件を合
わせるている(特願平7−158386号公報等)。こ
の場合、最小サイズの開口パターンよりもサイズが大き
い開口パターンは、開口サイズが大きくなるにしたがい
開口底部が狭くなる順テーパーエッチングや、逆に開口
底部が広くなる逆テーパーエッチングとなってしまう。
例えば、図6に示すように、2μm幅(ライン状または
矩形状)の開口が垂直エッチングされるようにエッチン
グ条件を設定すると(図6(a))、それよりもサイズの
大きい開口は垂直エッチングされず、順テーパ状あるい
は逆テーパー状となる(図6(b))。この程度は、サイ
ズが大きくなるほど顕著である。
【0011】ここで、開口パターンを形成するシリコン
薄膜部が十分に薄ければ(1μm以下)、寸法はばらつ
きの範囲に収まるが、上述したように電子線を遮蔽する
ためにはシリコン薄膜部を1μm以下に薄くすることは
できない。シリコン薄膜部の厚さ(開口の深さ)は十ミ
クロン以上と深いのでわずかなテーパーであっても大き
な寸法精度の狂いが生じる。また、順テーパー部分には
直接電子線が照射されるため、マスクの耐久性が低下す
るとともに、順テーパー部分で反射された電子が散乱し
て転写パターン精度の低下を招く。逆に、開口の断面形
状が逆テーパ形状であると、ビーム入射側の開口寸法が
設計値どうりであっても、パターンエッジにおける透過
電子線量の変化によりビーム精度が落ちると考えられて
いた。
【0012】上述したように、従来は、開口の大小にか
かわらず開口の断面形状の垂直性を追求する方向にあっ
た。
【0013】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、高い転写精度を実現しうる転写マスク及び転写
方法等の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、転写マスクにお
けるディバイスパターン転写用の開口のうちで寸法精度
がより必要な0.2μm以下のデバイスパターンを形成
するための開口において、これらの開口の断面形状を所
定範囲の逆テーパ形状に制御することで、高い転写精度
を実現しうることを見い出した。そして、開口の大小に
かかわらずすべての開口の断面形状の垂直性を追求する
場合に比べ、製造時間が短く、製造が容易で、コストも
安価で済むことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明の転写マスクは、 (構成1)支持枠部に支持された薄膜部に開口を形成し
てなる転写マスクであって、ディバイスパターン転写用
の開口のうちで寸法精度がより必要な0.2μm以下の
デバイスパターンを形成するための開口において、この
うち最も順テーパになりやすい開口のテーパ角を90°
あるいはそれ以上とし、この最も順テーパ形状になる開
口以外の開口を逆テーパ状としたことを特徴とする構成
としてある。
【0016】また、本発明の他の転写マスクは、 (構成2)描画のための全ての開口のテーパ角を90〜
93°の範囲としたことを特徴とする構成とし、
【0017】また、前記構成1〜2の態様として、 (構成3)前記最も順テーパになりやすい開口のテーパ
角を90〜90.5°の範囲とした構成とし、
【0018】また、本発明の他の転写マスクは、 (構成4)描画のための全ての開口の荷電粒子線入射側
の寸法を、設計値に対して−0.8μm〜+0.3μm
の範囲内としたことを特徴とする構成とし、
【0019】また、本発明の他の転写マスクは、 (構成5)描画のための全ての開口の荷電粒子線入射側
の寸法を、設計値に対して0〜10%小さくしたことを
特徴とする構成としてある。
【0020】また、本発明のパターン転写方法は、 (構成6)構成5記載の転写マスクを用い、設計値寸法
に対応したドーズ量より実際のドーズ量を0〜10%増
やして転写を行うことを特徴とする構成としてある。
【0021】また、本発明の他の転写マスクは、 (構成7)支持枠部に支持された薄膜部に開口を形成し
てなる転写マスクであって、開口の断面形状を、荷電粒
子線入射側から0〜3μmの深さまではテーパ角を90
°〜88°の範囲とし、3μmより深い部分ではテーパ
角を90°超としたことを特徴とする構成とし、
【0022】(構成8)支持枠部に支持された薄膜部に
開口を形成してなる転写マスクであって、開口の断面形
状を、荷電粒子線入射側から0〜6μm深さまではテー
パ角を90°〜89°の範囲とし、6μmより深い部分
ではテーパ角を90°超としたことを特徴とする構成と
し、
【0023】また、前記構成の態様として、 (構成9)90°超のテーパ角が、90〜93°の範囲
内であることを特徴とする構成とし、あるいは、
【0024】また、前記構成の態様として、 (構成10)転写マスクの少なくとも表面に荷電粒子線
遮蔽性及び/又は導電性を有する物質の層を設けたこと
を特徴とする構成としてある。
【0025】また、本発明の転写マスクの製造方法は、 (構成11)上記本発明の転写マスクを製造する方法で
あって、シリコン薄膜部に開口を形成する際に、エッチ
ングマスク層の厚さを0.1〜2.0μmの範囲とした
ことを特徴とする構成とし、
【0026】(構成12)上記本発明の転写マスクを製
造する方法であって、シリコン薄膜部に開口を形成する
際に、エッチングマスク層をパターニングするためのレ
ジストとしてEBレジスト(通常ポジ型)を用い、これ
を電子線を用いた直接描画法で描画することを特徴とす
る構成とし、あるいは、
【0027】(構成13)一枚の基板から異なる開口パ
ターンを有する複数の転写マスクを製造するために、電
子線を用いた直接描画法によって転写マスク毎に異なる
開口パターンの描画を行うことを特徴とする構成として
ある。
【0028】
【作用】上述の構成1によれば、開口の断面形状が若干
逆テーパ形状であっても、ビーム入射側の開口寸法は設
計値どうりであるので、このビーム入射側の開口で成形
されたビームは設計値どうりの転写精度を満足する。
【0029】上述の構成2によれば、描画のための全て
の開口のテーパ角を93°以下とすることで、デバイス
設計上のパターン配置の観点から隣接する開口パターン
どうしの干渉が避けられる。また、このテーパ角を90
°以上とすることで、開口の断面形状が順テーパ形状と
なって開口の寸法精度が落ちることがない。
【0030】上述の構成3によれば、最も順テーパにな
りやすい開口のテーパ角を90.5°以下とすること
で、最も逆テーパになりやすい開口のテーパ角を確実に
93°以下とすることができる。逆に言えば、最も順テ
ーパになりやすい開口のテーパ角を90.5°以上とす
ると、最も逆テーパになりやすい開口のテーパ角が93
°以上になる可能性がある。一方、最も順テーパになり
やすい開口のテーパ角を90°以上とすることで、この
開口の断面形状が順テーパ形状となって開口の寸法精度
が落ちることもない。
【0031】上述の構成4によれば、ディバイスパター
ン転写用の開口のうちで描画のための全ての開口のビー
ム入射側の寸法を、設計値に対して−0.8μm〜+
0.3μm(好ましくは−0.5μm〜+0.2μm)
の範囲内とすることで、マスクとしての転写精度や性能
を確保できる。これらの開口寸法が設計値に対して0.
3μmを超えて大きい場合には、レジストの解像性が低
下してしまう。また、これらの開口寸法が設計値に対し
て0.8μmを超えて小さい場合、電子のドーズ量を多
くすることによって個々のパターンを解像することは可
能であるが、各種(サイズ、形状)パターン毎にドーズ
量の必要以上(通常以上)の調整が加わり、描画時間の
延長につながり実用的でない。
【0032】上述の構成5及び6によれば、ディバイス
パターン転写用の開口のうちで描画のための全ての開口
のビーム入射側の寸法を、設計値に対して0〜10%小
さくした転写マスクを用い、かつ、設計値寸法に対応し
たドーズ量より実際のドーズ量を0〜10%増やして転
写を行うことで、設計どうりの転写精度を確保でき、実
用上極めて有用である。すなわち、開口寸法が設計値よ
り若干プラスであって開口の断面形状が逆テーパ形状で
あると若干解像度が低下するが、開口の断面形状が逆テ
ーパ形状であっても、開口寸法を設計値どうりか又は若
干アンダーとし、必要に応じドーズ量を若干増やすこと
で、設計値どうりの転写精度を確保できることを見い出
した。
【0033】上述の構成7によれば、開口の断面形状
を、ビーム入射側から0〜3μmの深さまではテーパ角
を90°〜88°の範囲とすることで、この部分でビー
ムを成形する。ビーム入射側から3μmの深さまでは開
口のサイズ、形状にかかわらずドライエッチングにより
テーパ角がほぼ垂直(90°〜88°)な開口が得ら
れ、開口寸法を設計値どうりに制御することが容易であ
る。そして、この部分でビームを成形することでほぼ設
計値どうりの転写精度を確保できることを見い出した。
一方、3μmより深い部分ではテーパ角を90°超の逆
テーパとすることで、順テーパによる開口の寸法精度の
低下を避けることができる。
【0034】上述の構成8によれば、開口の断面形状
を、ビーム入射側から0〜6μm深さまではテーパ角を
90°〜89°の範囲とし、6μmより深い部分ではテ
ーパ角を90°超とすることで、この部分でビームを成
形する。構成8では、構成7に比べビーム入射側からの
距離が長いので、その分だけテーパ角を垂直に近くする
必要がある。
【0035】上述の構成10によれば、転写マスクの表
面(好ましくは表面及び裏面)に荷電粒子線遮蔽性及び
/又は導電性を有する物質の層を設けることで、開口の
断面形状が逆テーパ形状であっても、荷電粒子線遮蔽性
及び/又は導電性を有する物質の層を設けない場合に比
べ、ビームのコントラストを得やすく、また、放熱性を
向上でき、さらに、マスク材がビームによりエッチング
されるのを防止できる。なお、荷電粒子線遮蔽性及び/
又は導電性を有する物質の層は、転写マスクの表面の
他、裏面、側面、開口の側面に形成することもできる。
また、荷電粒子線遮蔽性及び/又は導電性を有する物質
の層は、1〜3層あるいはそれ以上とすることができ、
この場合各層は異なる材料であっても良く、サンドイッ
チ構造などとしても良い。
【0036】上述の構成11によれば、シリコン薄膜部
に開口を形成する際に、エッチングマスク層の厚さを
0.1〜2.0μmの範囲とすることで、本発明の開口
断面形状及び寸法精度を実現できる。すなわち、エッチ
ングマスク層の厚さが0.1μmより薄いと、エッチン
グマスク層とシリコンとのエッチング選択比が十分に大
きく深さ10μm以上のエッチング加工が可能であって
も、エッチング時の斜め入射イオン等の影響を受けて開
口の入り口部分が広がってしまい、所定の開口断面形状
及び寸法精度を実現できない。一方、エッチングマスク
層の厚さが2.0μmより厚いと、エッチングマスク層
のドライエッチング加工特性の観点から寸法精度を満足
することが困難である。
【0037】上述の構成12によれば、シリコン薄膜部
に開口を形成する際に、エッチングマスク層をパターニ
ングするためのレジストとしてEBレジストを用い、こ
れを電子線を用いた直接描画法で描画することで、高い
開口精度、TAT(ターン・アラウンド・タイム)化を
実現できる。すなわち、開口の寸法精度のみならず、開
口パターンにおけるコーナー部分の直角度等を実現する
には、レジスト解像性に優れたプロセスが必要であり、
EBレジストが適している。また、短TAT化の観点か
らは、フォトリソグラフィー法ではレチクル作製期間等
が必要となるためトータル時間の延長につながり適さ
ず、電子線を用いた直接描画法で描画することで短TA
T化を実現できる。
【0038】また、上述の構成13によれば、電子線を
用いた直接描画法によって転写マスク毎に異なる開口パ
ターンの描画を行うことによって、一枚の基板から異な
る開口パターンを有する複数の転写マスクを同時に製造
でき、より短TAT化を実現できる。
【0039】以下、本発明を詳細に説明する。
【0040】本発明の転写マスクは、図1に示すよう
に、支持枠部1に支持された薄膜部2に開口3を形成し
てなる。
【0041】ここで、支持枠部及び薄膜部の材料、マス
ク自体の形状、サイズ、開口の深さ等は特に制限されな
い。支持枠部及び薄膜部は同一材料で一体的に形成して
も良く、別材料で形成しても良い。薄膜部がシリコンで
ある場合には、電子遮蔽性及び開口精度等の観点から、
開口の深さは、5〜30μm程度が好ましく、10〜2
0μm程度がより好ましい。支持枠部及び薄膜部の材料
としては、Si、Mo、Al、Au、Cu、C、Ga、
Inなどが挙げられる。支持枠部及び薄膜部を得るため
の基板としては、シリコン基板(リンやボロンをドープ
したものを含む)、二枚のシリコン板をSiO2層を介
して貼り合わせた構造のSOI(Silicon on Insulato
r)基板(SiO2層はエッチング停止層)、酸素イオン
をシリコン基板等に高濃度で打ち込み熱処理で酸化膜を
形成したSIMOX(separation by implanted oxyge
n)基板などが挙げられる。薄膜部は、炭素系材料の膜
(例えば、カーボン、DLC、グラファイト、ダイヤモ
ンド、炭素からなるアモルファス構造の膜など)で形成
することもできる。
【0042】本第一発明では、転写マスクにおけるディ
バイスパターン転写用の開口のうちで寸法精度がより必
要な0.2μm以下のデバイスパターンを形成するため
の開口を対象とする。ここで、ディバイスパターン転写
用の開口には、アライメントマークなどの非ディバイス
パターン転写用の開口等は含まれない。また、ディバイ
スパターン転写用の開口のうちで寸法精度がより必要な
0.2μm以下のデバイスパターンを形成するための開
口とは、例えば、縮小率が1/30では6μm以下、縮
小率が1/50では10μm以下、縮小率が1/100
では20μm以下の開口を指す。
【0043】本第一発明では、上記開口のうちで、最も
順テーパになりやすい開口のテーパ角を90°以上とす
る(図2(b))。これにより、この開口以外の開口の断
面形状を、より逆テーパ状とすることができる(図2
(a))。この構成によれば、開口の断面形状が若干逆テ
ーパ形状であっても、ビーム入射側の開口寸法は設計値
どうりであるので、このビーム入射側の開口で成形され
たビームは設計値どうりの転写精度を満足する。
【0044】この場合、エッチング温度(基板温度を含
む)、エッチングガス、ガス圧力、高周波電源の出力
(パワー)などのドライエッチング条件を調節すること
で、開口の断面形状及びビーム入射側の開口寸法等を制
御できる。
【0045】なお、ディバイスパターン転写用の開口以
外の開口や、ディバイスパターン転写用の開口のうちで
0.2μm以下のデバイスパターンを形成するための開
口のドライエッチング加工は、0.2μm以下のデバイ
スパターンを形成するための開口のエッチング条件と同
一とすることもでき、選択的にマスキングすることによ
り別条件、別プロセスとすることもできる。
【0046】本第一発明では、0.2μm以下のデバイ
スパターンを形成するための開口、又は描画に必要な全
ての開口のテーパ角を90〜93°(より好ましくは9
0〜92°)の範囲とすることが好ましい。これらの開
口のテーパ角を93°以下とすることで、デバイス設計
上のパターン配置の観点から隣接する開口パターンどう
しの干渉が避けられる。また、このテーパ角を90°以
上とすることで、開口の断面形状が順テーパ形状となっ
て開口の寸法精度が落ちることもない。なお、描画に必
要な全ての開口のテーパを逆テーパとするときは、部分
一括露光装置における縮小率によらず開口のテーパ角を
90〜93°の範囲とすればよい。これは、仮にエッチ
ングマスク寸法が同じでも、逆テーパトレンチ加工にな
る程エッチングマスク直下のアンダーカットにより開口
パターン寸法が拡大してしまうためである。
【0047】本第一発明では、上記最も順テーパになり
やすい開口のテーパ角を90〜90.5°の範囲とする
ことが好ましい。最も順テーパになりやすい開口のテー
パ角を90.5°以下とすることで、最も逆テーパにな
りやすい開口のテーパ角を確実に93°以下とすること
ができる。逆に言えば、最も順テーパになりやすい開口
のテーパ角を90.5°以上とすると、最も逆テーパに
なりやすい開口のテーパ角が93°以上になる可能性が
ある。一方、最も順テーパになりやすい開口のテーパ角
を90°以上とすることで、この開口の断面形状が順テ
ーパ形状となって開口の寸法精度が落ちることはない。
【0048】本第一発明では、前記ディバイスパターン
転写用の開口のうちで0.2μm以下のデバイスパター
ンを形成するための開口、又は描画に必要な全ての開口
の荷電粒子線入射側の寸法を、設計値に対して−0.8
μm〜+0.3μm(好ましくは−0.5μm〜+0.
2μm)の範囲内とすることが好ましい。これらの開口
寸法が設計値に対して0.3μmを超えて大きい場合に
は、良好なデバイスパターンの形成が難しく、レジスト
の解像性が低下してしまう。また、これらの開口寸法が
設計値に対して0.8μmを超えて小さい場合、電子の
ドーズ量を多くすることによって個々のパターンを解像
することは可能であるが、各種(サイズ、形状)パター
ン毎にドーズ量の必要以上(通常以上)の調整が加わ
り、描画時間の延長につながり実用的でない。なお、こ
れらの開口寸法は設計値どうりであることが最も好まし
い。これらの開口寸法が設計値に対して−0.8μm〜
+0.3μmの範囲内であれば、良好なデバイスパター
ンの形成が可能である。したがって、この範囲は設計値
に対する開口寸法の余裕である。なお、この数値範囲は
縮小率が1/30以下である場合の範囲であり、縮小率
が大きくなれば、その倍率に比例してこの数値範囲は大
きくなる。
【0049】本発明のパターン転写方法では、上述した
第一発明の転写マスクにおいて、ディバイスパターン転
写用の開口のうちで0.2μm以下のデバイスパターン
を形成するための開口、又は描画に必要な全ての開口の
ビーム入射側の寸法を、設計値に対して数%(0〜10
%)小さくした転写マスクを用い、かつ、設計値寸法に
対応したドーズ量より実際のドーズ量を数%(0〜10
%)増やして転写を行う。これにより、デバイス特性を
満足できる転写精度を確保でき、実用上極めて有用であ
る。すなわち、開口寸法が設計値より少しでも大きく開
口の断面形状が逆テーパ形状であると解像度が低下する
が、開口の断面形状が逆テーパ形状であっても、開口寸
法が設計値に対して0〜10%の範囲であれば、適切な
ドーズ量あるいはドーズ量を若干増やすことで、デバイ
ス特性を満足できる転写精度を確保できることを見い出
した。
【0050】本第二発明の転写マスクは、図3に示すよ
うに、開口の断面形状を、ビームの入射側から0〜3μ
m(好ましくは0〜2μm、より好ましくは0〜1μ
m)の深さまではテーパ角を90°〜88°とすること
で、この部分でビームを成形する。ビームの入射側から
3μmの深さまでは開口のサイズ、形状にかかわらずド
ライエッチングによりテーパ角がほぼ垂直(90°〜8
8°)な開口が得られ、開口寸法を設計値どうりに制御
することが容易である。そして、この部分でビームを成
形することでほぼ設計値どうりの転写精度を確保できる
ことを見い出した。なお、ビーム入射側から1μmの深
さまでの開口の断面形状がほぼ垂直であればビームコン
トラストを確保することができ、耐久性も問題はない。
なお、上記数値範囲(90°〜88°)は、部分一括露
光装置における縮小率が1/30以下の場合であって、
縮小率が1/50以下の場合は90°〜86°、縮小率
が1/100以下の場合は90°〜84°となる。一
方、3μmより深い部分ではテーパ角を90°超の逆テ
ーパとすることで、順テーパによる開口の寸法精度の低
下を避けることができる。この場合、逆テーパ部分の深
さ(距離)が短くなる分だけ逆テーパ部分のテーパ角を
大きくとることができる。この逆テーパ部分のテーパ角
は90〜94°、より好ましくは90〜92°の範囲と
することが、上記第一発明の転写マスクと同様の理由か
ら好ましい。なお、第一発明の転写マスクでは高度な寸
法制御性が要求されるが、第二発明の転写マスクでは寸
法制御が容易であり、したがって製造が容易である。
【0051】第二発明の転写マスクは、エッチング温度
(基板温度を含む)、使用ガス、ガス圧力、高周波印加
出力(パワー)などのドライエッチング条件を調節する
ことで、製造できる。この場合、ビーム入射側の垂直部
分とそれより深い逆テーパ部分とでドライエッチング条
件を変化させる。例えば、所定深さまで順テーパ加工を
行った上で、基板温度を変更するか、あるいは、ガス組
成を変更する、He圧力を下げる、RF出力を1.5〜
2倍位に上げる等により変化できる。
【0052】第二発明では、開口の断面形状を、ビーム
入射側から0〜6μm深さまではテーパ角を90°〜8
9°の範囲とし、6μmより深い部分ではテーパ角を9
0°超とすることもできる。この場合、ビーム入射側か
らの距離が長いので、その分だけテーパ角を垂直に近く
する。なお、上記数値範囲(90°〜89°)は、部分
一括露光装置における縮小率が1/30以下の場合であ
って、縮小率が1/50以下の場合は90°〜87°、
縮小率が1/100以下の場合は90°〜86°とな
る。
【0053】上述した第一発明及び第二発明の転写マス
クにおいて、開口のテーパ角を制御する方法は特に制限
されないが、例えば、順テーパにするには垂直加工条件
よりもエッチング時の基板温度を下げるか、あるいは混
合ガス系における堆積性のガスを増やせばよく、逆テー
パにするには垂直加工条件よりもエッチング時の基板温
度を上げるか、あるいは混合ガス系における堆積性のガ
スを減らす又は増やせばよい。例えば、SiCl4/S
6ガスの場合、SiCl4を増やすかSF6を減らせば
順テーパにできる。SiCl4/N2混合ガスの場合、N
2を増せば順テーパ、N2を減らせば逆テーパとなる。C
2/O2混合ガスの場合、O2を増せば順テーパ、O2
減らせば逆テーパとなる。基板温度の場合、装置の基板
温度調整機構の他に、基板温度に影響を与える要因(H
e圧力、RF出力、ガス圧力など)を厳密に制御するこ
とでテーパ角を制御できる。
【0054】上述した第一発明及び第二発明の転写マス
クでは、転写マスクの表面に荷電粒子線遮蔽性及び/又
は導電性を有する物質の層を設けることができる。これ
により、開口の断面形状が逆テーパ形状であっても、荷
電粒子線遮蔽性及び/又は導電性を有する物質の層を設
けない場合に比べ、放電性、帯電除去特性等を向上する
ことができる。
【0055】荷電粒子線遮蔽性及び/又は導電性を有す
る物質の層としては、イリジウム(Ir)、タンタル
(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、
金(Au)、白金(Pt),銀(Ag)、パラジウム
(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等の
金属層等が挙げられる。これらの金属は、荷電粒子線遮
蔽性を有し、また、荷電粒子線照射時のマスクの耐久性
を向上させる。さらに、これらの金属は、良導体であ
り、電子伝導性や熱伝導性に優れているため、帯電(チ
ャージアップ)によるビームずれの防止や、発熱による
マスクの熱歪み防止効果に寄与できる。荷電粒子線遮蔽
性及び/又は導電性を有する物質の層の形成方法として
は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンビーム蒸着法、C
VD法、イオンプレーティング法、電着法、メッキ法な
どの薄膜形成方法が挙げられる。
【0056】本発明の転写マスクの製造方法では、シリ
コン薄膜部に開口を形成する際に、エッチングマスク層
の厚さを0.1〜2.0μmの範囲とすることが好まし
い。このエッチングマスク層は、シリコン薄膜部上に形
成され、リソグラフィー法で開口形状と同じパターンに
パターニングされ、シリコン薄膜部に開口を形成する際
のマスクとなる。エッチングマスク層の厚さが0.1μ
mより薄いと、エッチングマスク層とシリコンとのエッ
チング選択比が十分に大きく深さ10μm以上のエッチ
ング加工が可能であっても、エッチング時の斜め入射イ
オン等の影響を受けて開口の入り口部分が粗れてしまい
(図4)、所定の開口断面形状及び寸法精度を実現でき
ない。一方、エッチングマスク層の厚さが2.0μmよ
り厚いと、エッチングマスク層のドライエッチング後の
パターン寸法特性を満足することが困難となるため、寸
法精度を満足することが困難である。また、エッチング
マスク層が厚くなるに従い、その上に形成するレジスト
の厚さも厚くする必要があり、レジストパターニング時
のパターン寸法精度やコーナーR特性(コーナー部分の
直角性)を満足することが難しい。
【0057】エッチングマスク層の材質、形成方法等は
特に制限されず、従来より公知の各種材質、形成方法が
用いられる。
【0058】具体的には、エッチングマスク層として
は、SiO2層の他、SiC層、Si3N4層、サイアロ
ン(SiとAlの複合混合物)層、SiON層などの無
機層や、レジスト、感光性フィルムなどの有機層、タン
グステン、ジルコニウム、チタン、クロム、ニッケルな
どの金属、これらの金属を含む合金、あるいはこれらの
金属または合金と酸素、窒素、炭素等との金属化合物な
どの金属層等が用いられる。
【0059】また、エッチングマスク層は各種薄膜形成
法によって形成できる。例えば、SiO2層の形成方法
としては、スパッタ法、蒸着法、熱酸化法、CVD法
や、SOG(スピン・オングラス)、感光性ガラス、感
光性SOGなどを用いる方法等の薄膜形成方法などが挙
げられる。
【0060】エッチングマスク層のパターニングは、リ
ソグラフィー技術を用いて行い、所望の形状にパターニ
ングする。具体的には、例えば、エッチングマスク層上
にレジストを塗布し、露光、現像によってレジストパタ
ーンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてエ
ッチングマスク層のドライエッチングを行い、レジスト
パターンをエッチングマスク層に転写する。なお、エッ
チングマスク層として感光性ガラスや感光性SOGなど
を用いる場合には、レジストプロセスを省略できる。レ
ジストは、エッチングマスク層のエッチング後除去され
る。エッチングマスク層(SiO2層など)のエッチン
グガスとしては、フロロカーボン系ガス(SF6/O2
CF4/O2、C26/O2等)などが用いられる。
【0061】本発明の転写マスクの製造方法では、シリ
コン薄膜部に開口を形成する際に、エッチングマスク層
をパターニングするためのレジストとしてEBレジスト
を用い、これを電子線を用いた直接描画法で描画してレ
ジストをパターニングすることが好ましい。これによ
り、高い開口パターン精度、TAT化(ターン・アラウ
ンド・タイム化)を実現できる。すなわち、開口の寸法
精度のみならず、開口パターンにおけるコーナー部分の
直角度等を実現するには、レジスト解像性に優れたプロ
セスが必要であり、EBレジストが適している。また、
短TAT化の観点からは、フォトリソグラフィー法では
レチクル作製期間等が必要となるためトータル時間延長
につながり適さず、電子線を用いた直接描画法で描画す
ることで短TAT化を実現できる。また、電子線を用い
た直接描画法によって転写マスク毎に異なる開口パター
ンの描画を行うことによって、一枚の基板から異なる開
口パターンを有する複数の転写マスクを同時に製造で
き、より短TAT化を実現できる。
【0062】本発明の転写マスクの製造方法では、パタ
ーニングされたエッチングマスク層をマスクとして、ド
ライエッチング技術により薄膜部を所定の深さにトレン
チエッチング加工して、薄膜部に開口を形成する。
【0063】ここで、ドライエッチング方法や条件等
は、特に制限されない。エッチング温度(基板温度を含
む)、使用ガス、ガス圧力、高周波印加出力(パワー)
などのドライエッチング条件を調節することで、開口の
断面形状及びビーム入射側の開口寸法等を制御できる。
【0064】シリコン基板のドライエッチングに用いる
エッチングガスとしては、例えば、SF6ガス、Cl2
2混合ガス、SiCl4/N2混合ガス等が挙げられ
る。
【0065】基板温度は使用するエッチングガスにより
最適温度が大幅に異なるので一概には言えないが、例え
ば、エッチングガスがSF6である場合にあっては−1
10〜−130℃程度、エッチングガスがSiCl4
2である場合にあっては20〜50℃程度が適当であ
る。
【0066】ガス圧力も使用するエッチングガスにより
最適圧力が大幅に異なるので一概には言えないが、例え
ば、エッチングガスがSF6である場合にあっては1〜
5mTorr程度、エッチングガスがSiCl4/N2
ある場合にあっては30〜40mTorr程度が適当で
ある。
【0067】ドライエッチング方法としては、例えば、
エッチング反応生成物(SiOx、SiNx等)で側壁の
エッチングを防ぎつつトレンチエッチングを行う側壁保
護エッチング(ガス圧50mTorr程度)、低温(−
130℃程度、ガス圧20mTorr以下)で側壁のエ
ッチングを防ぎつつトレンチエッチングを行う極低温エ
ッチング、などを使用できる。これらのエッチング技術
と本発明を組み合わせることで、テーパ角のより高度な
制御が可能となる。
【0068】本発明の転写マスクの製造方法では、基板
裏面をエッチングにより加工して支持枠部に支持された
薄膜部を形成できる。シリコン基板裏面の加工は、製造
コストおよび加工時間等の観点からはウエットエッチン
グにより行うことが好ましい。
【0069】シリコン基板裏面をエッチング加工するに
は、例えば、基板裏面にウエットエッチングマスク層を
形成し、このウエットエッチングマスク層をリソグラフ
ィー技術によってパターニングした後、基板裏面をエッ
チング液に浸し、基板裏面のエッチングを行なえばよ
い。
【0070】本発明の転写マスクの製造方法では、あら
かじめ基板上に金属層等を形成しておき、この金属層お
よびシリコン薄膜部を連続的にドライエッチングして開
口を形成することもできる。このように金属層およびシ
リコン薄膜部を連続的にドライエッチングして開口を形
成すると、荷電粒子線遮蔽性及び/又は導電性を有する
物質の層を含めた開口部の形成を連続ドライエッチング
により一工程でしかも短時間で行うことができるととも
に、高精度な開口部を容易に形成することができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。
【0072】実施例1 図5は本発明の転写マスクの製造工程の一例を示す工程
説明図である。
【0073】図5に示すように、シリコン基板10の全
表面に、CVD法により厚さ1.5μmのSiO2層1
1を形成した(図5(a))。
【0074】続いて、基板上面上のSiO2層11上に
EBレジストを塗布、熱処理し、2.0μm□、3.0
μm□、4.0μm□、5.0μm□の開口パターン
と、2.0μm幅、3.0μm幅、4.0μm幅、5.
0μm幅の細線状の開口パターンとを、EB装置で描画
(露光)した。これを現像してレジストパターンを形成
した(図示せず)。
【0075】次いで、上記レジストパターンをマスクと
して、基板表面上のSiO2層11をドライエッチング
して、パターン転写を行い、パターニングされたSiO
2層11(エッチングマスク層)を形成した(図5
(b))。なお、ドライエッチングは、エッチングガスC
48/O2/Ar、ガス圧力30mTorr、RF出力
500Wの条件で行った。
【0076】レジストを除去した後、上記パターニング
されたSiO2層11をマスクとして、ドライエッチン
グにより、シリコン基板1のトレンチエッチングを行っ
て、開口パターンを形成した(図5(c))。なお、装置
にはRIEを用い、ガスはSiCl4/N2、圧力45m
Torr、出力450Wとした。
【0077】続いて、裏面SiO2層11をレジストを
用いたリソグラフィー法によってパターニングし、この
パターニングされた裏面SiO2層11をマスクとし
て、エチレンジアミン/ピロカテコール(カテコール)
/水からなるアルカリ系水溶液により、基板10の裏面
を所定の大きさ、形状にエッチング加工して支持枠部お
よび薄膜部を形成した(図5(d))。その際、基板上面
の開口部分は樹脂層(図示せず)により保護した。な
お、薄膜部の厚さは、20μmとした。
【0078】最後に、不必要となったSiO2層11を
緩衝フッ酸で除去して、支持枠部1に支持された薄膜部
2に開口3を形成してなる転写マスクを得た(図5
(e))。
【0079】得られた転写マスクの開口部のビーム入射
側の開口寸法、テーパ角を調べた。この結果、2〜5μ
mのサイズの小さい開口の断面形状が若干逆テーパ形状
であっても、ビーム入射側の開口寸法はほぼ設計値どう
りであった。また、このビーム入射側の開口で成形され
たビームはほぼ設計値どうりの転写精度を満足すること
が確認された。
【0080】実施例2 開口のビーム入射側の寸法を、設計値に対して 3%小
さくした転写マスクを作製し、この転写マスクを用いて
設計値寸法に対応したドーズ量より実際のドーズ量を3
〜5%増やして転写を行ったこと以外は実施例1と同様
にして転写精度を調べた。その結果、デバイス特性を満
足できる転写精度を満足することが確認された。
【0081】実施例3 2〜100μmまでの転写マスク上のすべての開口の断
面形状を、荷電粒子線入射側から0〜3μmの深さまで
はテーパ角を90°〜88°の範囲とし、3μmより深
い部分ではテーパ角を90°超としたこと以外は実施例
1と同様にして転写精度を調べた。その結果、すべての
サイズの開口について正確に設計値レベルの転写精度を
満足することが確認された。
【0082】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0083】例えば、本発明の転写マスクは、電子線露
光用のマスクの他、イオンビーム露光用マスクやX線露
光用マスク等としても利用できる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
い転写精度を実現しうる転写マスク及び転写方法等を提
供をできる。
【0085】また、開口の大小にかかわらずすべての開
口の断面形状の垂直性を追求する場合に比べ、製造時間
が短く、製造が容易で、コストも安価で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写マスクの模式的断面図である。
【図2】本発明における開口パターンの断面形状を説明
するための部分拡大断面図である。
【図3】本発明における開口パターンの断面形状の他の
態様を説明するための部分拡大断面図である。
【図4】エッチングマスク層が薄い場合の状況を説明す
るための部分拡大断面図である。
【図5】本発明による転写マスクの製造工程の一例を示
す工程説明図である。
【図6】従来の開口パターンの断面形状を説明するため
の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 支持枠部 2 薄膜部 3 開口 10 シリコン基板 11 SiO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持枠部に支持された薄膜部に開口を形
    成してなる転写マスクであって、 ディバイスパターン転写用の開口のうちで寸法精度がよ
    り必要な0.2μm以下のデバイスパターンを形成する
    ための開口において、このうち最も順テーパになりやす
    い開口のテーパ角を90°あるいはそれ以上とし、この
    最も順テーパ形状になる開口以外の開口を逆テーパ状と
    したことを特徴とする転写マスク。
  2. 【請求項2】 描画のための全ての開口のテーパ角を9
    0〜93°の範囲としたことを特徴とする転写マスク。
  3. 【請求項3】 前記最も順テーパになりやすい開口のテ
    ーパ角を90〜90.5°の範囲としたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の転写マスク。
  4. 【請求項4】 描画のための全ての開口の荷電粒子線入
    射側の寸法を、設計値に対して−0.8μm〜+0.3
    μmの範囲内としたことを特徴とする請求項1〜3記載
    の転写マスク。
  5. 【請求項5】 描画のための全ての開口の荷電粒子線入
    射側の寸法を、設計値に対して0〜10%小さくしたこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載の転写マスク。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の転写マスクを用い、設計
    値寸法に対応したドーズ量より実際のドーズ量を0〜1
    0%増やして転写を行うことを特徴とするパターン転写
    方法。
  7. 【請求項7】 支持枠部に支持された薄膜部に開口を形
    成してなる転写マスクであって、 開口の断面形状を、荷電粒子線入射側から0〜3μmの
    深さまではテーパ角を90°〜88°の範囲とし、3μ
    mより深い部分ではテーパ角を90°超としたことを特
    徴とする転写マスク。
  8. 【請求項8】 支持枠部に支持された薄膜部に開口を形
    成してなる転写マスクであって、 開口の断面形状を、荷電粒子線入射側から0〜6μm深
    さまではテーパ角を90°〜89°の範囲とし、6μm
    より深い部分ではテーパ角を90°超としたことを特徴
    とする転写マスク。
  9. 【請求項9】 90°超のテーパ角が、90〜93°の
    範囲内であることを特徴とする請求項7又は8記載の転
    写マスク。
  10. 【請求項10】 転写マスクの少なくとも表面に荷電粒
    子線遮蔽性及び/又は導電性を有する物質の層を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜5及び7〜9記載の転写マ
    スク。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5及び7〜9記載の転写マ
    スクを製造する方法であって、 シリコン薄膜部に開口を形成する際に、エッチングマス
    ク層の厚さを0.1〜2.0μmの範囲としたことを特
    徴とする転写マスクの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5及び7〜9記載の転写マ
    スクを製造する方法であって、 シリコン薄膜部に開口を形成する際に、エッチングマス
    ク層をパターニングするためのレジストとしてEBレジ
    ストを用い、これを電子線を用いた直接描画法で描画す
    ることを特徴とする転写マスクの製造方法。
  13. 【請求項13】 一枚の基板から異なる開口パターンを
    有する複数の転写マスクを製造するために、電子線を用
    いた直接描画法によって転写マスク毎に異なる開口パタ
    ーンの描画を行うことを特徴とする請求項12記載の転
    写マスクの製造方法。
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