JP2958200B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Description
記憶装置として用いられる磁気記録装置に搭載され、相
対移動する磁気ヘッドにより情報の記録・再生・消去等
が行われる高密度記録を可能とする薄膜磁気記録媒体の
製造方法に関する。
として、フレキシブルディスク装置(FDD)あるいは
ハードディスク装置(HDD)の磁気記憶装置が多用さ
れている。そしてこれらのFDD、HDD等には、情報
の記録、再生、消去等を行うための磁気ヘッドと、この
磁気ヘッドと相対移動して、所望の位置に所定の情報が
記憶される磁気記録媒体が搭載されている。
非動作時には、磁気記録媒体は停止状態とされ、磁気記
録媒体と磁気ヘッドとは接触状態とされており、HDD
に情報の記録・再生・消去等の情報処理を行う稼働時に
は、磁気記録媒体を回転させ、接触状態にある磁気記録
媒体と磁気ヘッドとを、この磁気記録媒体の回転によ
り、磁気記録媒体の表面から磁気ヘッドを所望量浮上さ
せ、磁気ヘッドを磁気記録媒体の所定の位置に移動さ
せ、磁気ヘッドから所定の信号を磁気記録媒体に送出し
て、所望の情報処理を行う、いわゆるCSS(コンタク
ト・スタート・ストップ)を行っている。
と、磁気記録媒体はアルミニウム等の適宜な非磁性素材
により製せられた環状の基板上に、適宜な下地層と、磁
性層と、保護層と、潤滑層とが順に形成されている。
ヘッドによる情報の記録、再生、消去等を確実に行い、
磁気ヘッドを所望量の浮上を安定して行い、またCSS
の動作を確実に行うための機能が要求される。しかし、
磁気ヘッドの磁気記録媒体と当接する対向面は鏡面仕上
げが施され、磁気ヘッドの表面も鏡面仕上げが施され、
鏡面どうしの部分の接触により吸着を生じ、磁気ヘッド
が磁気記録媒体に吸着して動かなくなり、HDDの故障
につながるという問題点もあった。
従来から磁気記録媒体の基板の表面にテクスチャーと称
する不均一な微細な凹凸を機械加工により設けている。
この不均一な微細な凹凸は、基板に対し同心円上に全面
につけるものであり、この上層に下地層、磁性層、保護
層及び潤滑層を形成する。形成された層は前記4層を合
わせても200nm位であり、基板につけた表面の微細
な凹凸の形状は、潤滑層の表面でも維持される。このよ
うにすることにより、磁気記録媒体の円周方向に磁気異
方性を出し、磁気記録媒体表面と磁気ヘッドとの接触面
積の減少により吸着を防止している。
ォトエッチングを用いて磁気記録媒体の基板の表面に所
定形状の凹凸を設けたものもある。これは凹凸の形状が
比較的揃ったものを同心円上全面につけるものであり、
この上層に下地層、磁性層、保護層及び潤滑層を形成す
る。形成された層は前記4層を合わせても200nm位
であり、フォトリソエッチングを用いて形成された基板
表面の形状は、潤滑層表面でも維持される。
用いた磁気記録媒体を示す断面図である。この磁気記録
媒体は、例えばアルミニウムなどの表面にNi−Pの無
電解メッキを行った非磁性の基板1であり、Cr等から
成る下地層2、CoCrTa等からなる磁性膜3、C等
からなる保護膜4、液体潤滑剤等からなる潤滑層5の順
に積層されている。この磁気記録媒体の表面形状は鏡面
仕上げされた基板1に、アルミナ等の硬質粉末を接着し
たテープをロールによって押し付け、基板を回転させる
ことにより不均一な微細な凹凸を形成している。
を用いた磁気記録媒体を示す断面図である。この磁気記
録媒体は、例えばガラス基板にフォトエッチングを行っ
た非磁性の基板1であり、Cr等から成る下地層2、C
oCrTa等からなる磁性膜3、C等からなる保護膜
4、液体潤滑剤等からなる潤滑層5の順に積層されてい
る。この磁気記録媒体の表面形状は以下のように形成さ
れる。例えばガラス基板にフォトレジストを塗布し、同
心円状の明暗部を持ったフォトマスクを介して紫外線光
を照射し、紫外線光の照射されたレジスト部を取り除
く。そして、ウエットエッチングを行い、残りのレジス
トを除去することにより形成される。
た従来の磁気記録媒体において、テクスチャーを行った
場合、テープに接着した硬質粉末の粒径が必ずしも一定
していないので、大粒径の粉末が混在すると、図6に示
す符号6で示すように大きな傷6が発生する。そのた
め、情報を記録・再生するときに傷6の部分でエラーを
引き起こす恐れがある。また、傷6の近傍には図6に符
号7に示すように塑性流動による盛り上がり7がみら
れ、磁気ヘッドを浮上させた時、盛り上がり7に衝突す
る恐れがある。
媒体においては、基板の凹凸形状が安定しており、テク
スチャーを行った磁気記録媒体のように大きな傷が発生
することはなく、情報を記録・再生するときにエラーを
引き起こす恐れは無い。また、磁気ヘッドの浮上させた
時も、磁気ヘッドが磁気記録媒体に衝突する恐れもな
い。
ッドと磁気記録媒体は接触状態となっているとき、その
接触面積が大きく磁気ヘッドと磁気記録媒体が吸着し、
HDDが稼働しない恐れがあった。
であり、前述した従来の問題点を克服し、簡単な構造で
情報の記録・再生を安定して行える磁気記録媒体を提供
することを目的とする。
ため本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板上
に少なくとも一層以上の耐熱性高分子層を形成し、ガラ
ス基板上に形成された凹凸形状を有するスタンパーを前
記高分子層に押し付けることにより、前記高分子層上に
凹凸形状を形成し、その上層に金属磁性膜を形成する磁
気記録媒体の製造方法において、前記ガラス基板にフォ
トレジスト層を成膜し、前記ガラス基板に対し斜めの第
1の方向から第1の波長でホログラフィック露光を行う第
1露光工程と、前記第1の方向に交差し、ガラス基板に対
し斜めの第2の方向から前記第1の波長と異なる第2の波
長でホログラフィック露光を行う第2露光工程と、現像
工程とを行うことにより形成された凹凸形状を有するス
タンパーを作成し、前記スタンパーを前記非磁性基板上
の高分子層に押し付けることにより、表面形状が非磁性
基板上の第1の方向に沿って繰り返す第1の凹凸形状と、
前記非磁性基板上の第1の方向に交差する非磁性基板上
の第2の方向に沿って、前記第1の凹凸形状のピッチとは
異なるピッチで繰り返す第2の凹凸形状とを形成するこ
とを特徴としている。
製造方法によれば、表面形状が非磁性基板上の第1の方
向に沿って繰り返す第1の凹凸形状と、前記非磁性基板
上の第1の方向に交差する非磁性基板上の第2の方向に沿
って、前記第1の凹凸形状のピッチとは異なるピッチで
繰り返す第2の凹凸形状とを形成することにより、磁気
ヘッドと磁気記録媒体との接触面積を減少させ、磁気ヘ
ッドと磁気記録媒体との吸着を防止することができ、情
報を記録・再生するときにエラーを引き起こすことはな
く、安定した情報の記録・再生をすることができる。し
かも、この表面形状は上記したホログラフィック露光を
用いることにより形成されたスタンパーを用いること
で、テクスチャーとは異なり、表面形状の異常な盛り上
がりもなく、安定した表面形状を得ることができる。
て説明する。
す断面図である。
すように、金属、ガラス等の非磁性な素材により環状に
製せられ、その表面が鏡面仕上げされた基板10上に、
スタンピングにより、表面形状が形成されたポリエーテ
ルスルフォン膜等からなる耐熱性高分子層8、さらに適
宜な厚みでNi−P等を成膜により、下保護層9を形成
した後、Cr等を成膜した下地層2、CoCrTa等を
成膜した磁性層3、C等を成膜した保護層4、さらにパ
ーフルオロポリエーテル等を塗布した潤滑層5により構
成されている。
たものである。第1の方向に沿って繰り返す凹凸形状
と、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って、前
記第1の方向に沿って繰り返す凹凸のピッチよりも長い
ピッチで繰り返す凹凸形状を安定して有している。
た形状となっているが、三角形状、鋸形状等各種の形状
をとることが可能である。
は第2の方向に沿って行い、HDDが非稼働時には磁気
ヘッドは磁気記録媒体の頂部12で接触状態となってい
る。
過程を図3に示す。表面形状は非磁性な基板10上に、
ポリエーテルスルフォン膜8をおよそ150nm位の厚
みで塗布する。その後、Niスタンプ15を加熱処理
(200℃前後)を行いながら、ポリエーテルスルフォ
ン膜8に押し付け、Niスタンプ15の形状を、ポリエ
ーテルスルフォン膜8に転写することで形成される。
成する膜の素材としてポリエーテルスルフォンを用いた
が、ポリプロメリトイミド等の適宜な耐熱性高分子材料
を素材として用いてもよく、特に、本実施例に限定され
るものではない。
を図4に示す。まず、表面を鏡面加工したガラス基板1
3にフォトレジストをおよそ200nm位の厚さで塗布
し、第1の方向の凹凸形状を得るため、適宜な波長でホ
ログラフィック露光を行う、更にガラス基板13を90
゜回転させて、第2の方向の凹凸形状を得るために、第
1の方向の凹凸形状を得た時とは異なる適宜な波長でホ
ログラフィック露光を行い、現像を行うと、フォトレジ
ストが所望の形状に形成される。その後、イオンビーム
エッチングを行うとフォトレジストの形状がガラス基板
に形成される。
板に金属を蒸着するなどの手法で電極14を形成し、そ
の後、Ni厚メッキを行い、Ni厚メッキ層15を形
成、Ni厚メッキ層15をガラス基板13より剥離し、
該Ni厚メッキ層15の裏面を研磨することによりスタ
ンパーが完成する。
最適であるが、これに限られるものではなく他の金属で
も構わないし、合金でも構わない。
す凹凸形状と、前記第1の方向に交差する第2の方向に
沿って、前記第1の方向に沿って繰り返す凹凸のピッチ
よりも長いピッチで繰り返す凹凸形状をポリエーテルス
ルフォン膜8に形成した上に、適宜な下保護9層(厚さ
100nm程度)、下地層2(厚さ90nm程度)、磁
性層3(厚さ60nm程度)、保護層4(厚さ30nm
程度)が成膜により積層され、さらに潤滑層5(厚さ
1.5nm程度)が積層されるが、形成された層は前記
5層を合わせても280nm程度であり、ポリエーテル
スルフォン膜の形状は維持される。
説明する。
1の方向に沿って繰り返す凹凸形状と、前記第1の方向
に交差する第2の方向に沿って、前記第1の方向に沿っ
て繰り返す凹凸のピッチよりも長いピッチで繰り返す形
状を有することにより、HDDの非稼働時の、磁気ヘッ
ドと磁気記録媒体12が接触しているとき、磁気記録媒
体の12の頂部のみで磁気ヘッドと接触するため、接触
面積を少なくすることができ、磁気ヘッドと磁気記録媒
体11との吸着を防ぐことができる。
1の方向に沿って繰り返す凹凸形状と、前記第1の方向
に交差する第2の方向に沿って、前記第1の方向に沿っ
て繰り返す凹凸のピッチよりも長いピッチで繰り返す形
状を有するスタンパー15を作製し、そのスタンパー1
5の表面形状を、耐熱性高分子材料に押し付けることに
より転写することでえられた、磁気記録媒体11の表面
形状はテクスチャーとは異なり、安定した表面形状がえ
られており、安定した情報の記録・再生を行うことがで
きる。
面形状の頂部12の高さは安定しており、磁気ヘッドを
所望量の浮上を安定して得ることができる。
て、第1の方向のピッチ(P1)は0.2μmから0.
6μm、第2の方向のピッチ(P2)は1μmから50
μm、凹凸形状の頂部12と底部16の差(d)は0.
02μmから0.1μmのときに所望とする作用が得ら
れる。
記録媒体の、凹凸形状の頂部と底部の差と、磁気ヘッド
と磁気記録媒体接触させた状態から、磁気ヘッドを磁気
記録媒体の表面に対して、法線方向に引き上げたときに
働く力を吸着力と定義し、調査した実験結果を図5に示
す。
体は、第1の方向のピッチ(P1)0.27μm、第2
の方向ピッチ(P2)1μmで、凹凸の頂部と底部の差
(d)を適宜に変化させた形状を各々形成し、各々の形
状上に、Ni−P層(厚さ100nm)、Crの下地層
(厚さ90nm)、磁性層(厚さ60nm)、Cの保護
膜(厚さ30nm)を成膜し、その後パーフルオロポリ
エーテルの液体潤滑層(厚さ1.5nm)を積層したも
のである。
は、非磁性の基板の表面に、フォトリソエッチングを用
いて、同心円状に幅1μmの凹凸を形成し、そして凹凸
の頂部と底部の差を変化させた形状を各々形成し、各々
の形状上にCrの下地層(厚さ90nm)、磁性層(厚
さ60nm)、Cの保護層(厚さ30nm)を成膜し、
その後パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤(厚さ
1.5nm)を積層したものである。
て説明すると、磁気ヘッドの磁気記録媒体に対向する面
の面積は2.33mm2 であり、磁気ヘッドは6.5g
の荷重で、磁気記録媒体表面に接している。
させた状態から、磁気ヘッドを磁気記録媒体の表面に対
して、法線方向に引き上げたときに働く力を調査したも
のであるが、このとき磁気ヘッドにかけてある荷重を差
し引いて調査したものである。
記録媒体11の吸着力は、従来の磁気記録媒体の吸着力
に比較して明らかに低く、磁気ヘッドと磁気記録媒体の
吸着を防ぎ、HDDの信頼性を向上させることが明白で
ある。
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
体の製造方法によれば、表面形状が非磁性基板上の第1
の方向に沿って繰り返す第1の凹凸形状と、前記非磁性
基板上の第1の方向に交差する非磁性基板上の第2の方向
に沿って、前記第1の凹凸形状のピッチとは異なるピッ
チで繰り返す第2の凹凸形状とを形成することにより、
磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触面積を減少させ、磁
気ヘッドと磁気記録媒体との吸着を防止することがで
き、情報を記録・再生するときにエラーを引き起こすこ
とはなく、安定した情報の記録・再生をすることができ
る。しかも、この表面形状は上記したホログラフィック
露光を用いることにより形成されたスタンパーを用いる
ことで、テクスチャーとは異なり、表面形状の異常な盛
り上がりもなく、安定した表面形状を得ることができ
る。従って、HDDの動作時磁気ヘッドの安定した浮上
性能が得られる。
す図。
示す図。
す図。
気記録媒体を示す断面図。
来の磁気記録媒体を示す断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも一層以上の耐
熱性高分子層を形成し、ガラス基板上に形成された凹凸
形状を有するスタンパーを前記高分子層に押し付けるこ
とにより、前記高分子層上に凹凸形状を形成し、その上
層に金属磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法にお
いて、 前記ガラス基板にフォトレジスト層を成膜し、 前記ガラス基板に対し斜めの第1の方向から第1の波長で
ホログラフィック露光を行う第1露光工程と、 前記第1の方向に交差し、ガラス基板に対し斜めの第2の
方向から前記第1の波長と異なる第2の波長でホログラフ
ィック露光を行う第2露光工程と、 現像工程とを行うことにより形成された凹凸形状を有す
るスタンパーを作成し、前記スタンパーを前記非磁性基
板上の高分子層に押し付けることにより、表面形状が非
磁性基板上の第1の方向に沿って繰り返す第1の凹凸形状
と、前記非磁性基板上の第1の方向に交差する非磁性基
板上の第2の方向に沿って、前記第1の凹凸形状のピッチ
とは異なるピッチで繰り返す第2の凹凸形状とを形成す
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29935192A JP2958200B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29935192A JP2958200B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06124435A JPH06124435A (ja) | 1994-05-06 |
JP2958200B2 true JP2958200B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=17871435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29935192A Expired - Fee Related JP2958200B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958200B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-12 JP JP29935192A patent/JP2958200B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06124435A (ja) | 1994-05-06 |
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