JP2957580B1 - 印字ヘッド、プリンタ、印字制御方法 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 本発明は、アッセンブリ工程や調整工程が簡
便で、印字品質の経時劣化が少なく、満足出来る多枚数
の感圧複写能力を持った印字ヘッドを提供印字ヘッド、
プリンタ、印字制御方法を提供するようにする。 【解決手段】 アーマチュア１の先端に固定されている
ワイヤ２と、前記アーマチュア１に固定された回転軸３
と、当該回転軸３を中心に回動可能であって、前記ワイ
ヤ２が多枚数の印字用紙を印打した後、慣性力に応じて
当該印打後のワイヤ２の方向へ回動すると共に、当該ワ
イヤ２に衝突して印字用紙への再度の印打を付勢するハ
ンマ４とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッド、プリ
ンタ、印字制御方法に属する。

【０００２】

【従来の技術】現在、オフィスユースやパーソナルユー
ス向けのレーザープリンタやインクジェットプリンタが
一般的に普及し、プリンタ市場の主流となっているもの
の、所定のフォームを用いたような伝票用紙（特に、感
圧式やカーボン式の複写式伝票用紙）を用いるような仕
事（市場）では、依然としてドットインパクトプリンタ
が主流を維持している。このようなドットインパクトプ
リンタ市場では、多枚数の感圧複写能力が未だ不十分で
あるケースが多く見られ、多枚数の感圧複写能力に不満
があるため、多枚数の感圧複写能力への市場要求が依然
として現存している。

【０００３】しかしながら、このような多枚数の感圧複
写能力への市場要求に対し、従来の印字ヘッドでは、板
バネのたわみエネルギーのみを利用して印打しているた
め、ワイヤが印字用紙を印打している時間が短く、多枚
数の感圧複写能力を実現することが難しいという問題点
があった。

【０００４】このような市場要求を課題とする従来技術
としては、例えば、特開昭６３−６４７６６号公報に開
示されたものが挙げられる。

【０００５】従来技術の印字ヘッドは、多数の電磁石が
配置されたヨークと、各電磁石と対抗するように配置さ
れたアーマチュアと、各アーマチュアの一端を、ヨーク
の端面との間にて回動可能に支持するフレームと、アー
マチュアの他端に頭部を打撃され印字動作を行う印字ワ
イヤとから構成されている。このような構成の印字ヘッ
ドは、印字用紙を支持するプラテンと所定の間隔をおい
て支持された印字ヘッドにおいて、複数の印字用紙を重
ね合わせて印字用紙に印字する場合、印字ワイヤがアー
マチュアの他端から分離してワイヤ自身の慣性力によっ
て移動する状態で印字動作を行うように、アーマチュア
の回動量を設定している。一方、複数枚の用紙を重ねて
成る印字用紙に印字する場合、印字ワイヤがアーマチュ
アと共に移動する状態で印字動作を行うので、印字ワイ
ヤのインパクト力が最大となる前に印字する。これによ
り、印字騒音を小さくでき、また印字ワイヤ及び印字リ
ボンの損傷を小さくすることができ、一枚及び複数枚重
ね合わせた印字用紙に対して良好な印字ができることが
開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術の印字ヘッドは、複数の印字用紙を重ね合
わせて印字用紙に印字する場合でも印字騒音を小さくし
また印字ワイヤ及び印字リボンの損傷を小さくするため
に、印字ワイヤのインパクト力が最大となる前に印字し
ているが、このためには、アーマチュアの回動量の微妙
な設定が必要であり、製造過程や調整過程が複雑化する
という技術的課題があった。またアーマチュアの回動量
の微妙な設定が経時変化してしまう可能性があり、長期
に渡る印字品質の維持が難しいという技術的課題もあっ
た。また、従来技術の印字ヘッドは、板バネのたわみエ
ネルギーのみを利用して印打しているため、ワイヤが印
字用紙を印打している時間が短く、多枚数の感圧複写能
力を実現することが難しいという問題点もあった。

【０００７】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、アッセンブリ工程
や調整工程が簡便で、印字品質の経時劣化が少なく、満
足出来る多枚数の感圧複写能力を持った印字ヘッドを提
供印字ヘッド、プリンタ、印字制御方法を提供する点に
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の要旨は、アーマチュアの先端に固定されているワイヤ
と、前記アーマチュアに固定された回転軸と、当該回転
軸を中心に回動可能であって、前記ワイヤが多枚数の印
字用紙を印打した後、慣性力に応じて当該印打後のワイ
ヤの方向へ回動すると共に、当該ワイヤに衝突して印字
用紙への再度の印打を付勢するハンマとを有することを
特徴とする印字ヘッドに存する。また、本発明の請求項
２に記載の要旨は、前記アーマチュアとヨークと永久磁
石とコイルとにより形成された磁気回路を有し、前記ア
ーマチュアは、前記ヨークの一端に対抗するように設け
られ、前記ワイヤは前記アーマチュアの先端に接合さ
れ、前記ハンマは、前記アーマチュアに固定された前記
回転軸を中心として回動可能なように設けられているこ
とを特徴とする請求項１に記載の印字ヘッドに存する。
また、本発明の請求項３に記載の要旨は、請求項１又は
２に記載の印字ヘッドを備えたことを特徴とするプリン
タに存する。また、本発明の請求項４に記載の要旨は、
アーマチュアに固定されているワイヤが多枚数の印字用
紙を印打した後、アーマチュアに固定された回転軸を中
心に回動可能なハンマに慣性力を与えて当該ハンマを当
該ワイヤの方向へ回動し、当該ハンマをワイヤに衝突さ
せることを特徴とする印字制御方法に存する。また、本
発明の請求項５に記載の要旨は、前記アーマチュアとヨ
ークと永久磁石とコイルとにより形成された磁気回路を
備え、可撓性を有する板バネの一端に固定されている前
記アーマチュアが、前記永久磁石により発せられる磁力
によって前記ヨークに吸引され、前記板バネがたわむこ
とにより前記アーマチュアが前記ヨークに保持され、前
記コイルから発生する磁束によって前記永久磁石から発
生されている磁束を打ち消し、前記アーマチュアは前記
板バネのたわみエネルギーに応じて前記ヨークより離
れ、前記アーマチュアに接合されたワイヤが突出して印
字動作を行うことを特徴とする請求項４に記載の印字制
御方法に存する。また、本発明の請求項６に記載の要旨
は、前記印字動作が行われ前記ワイヤが突出して印字用
紙を印打し、前記アーマチュアに固定された回転軸を中
心として回動可能な前記ハンマが慣性力に応じて前記ワ
イヤの方向に回動し、当該回動したハンマは前記ワイヤ
に衝突して当該ワイヤは再度印字用紙を印打することを
特徴とする請求項４に記載の印字制御方法に存する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
に基づいて詳細に説明する。図１は、本発明の印字ヘッ
ドの一実施形態を説明するための構造断面図である。本
実施形態のプリンタは、単票用紙及び多枚数の感圧複写
用紙に印字するシリアルドットインパクトプリンタであ
って、本発明の印字ヘッドが実装されている。本実施形
態の印字ヘッドは、図１に示すように、アーマチュア１
の先端に固定されているワイヤ２と、アーマチュア１に
固定された回転軸３と、回転軸３を中心に回動可能であ
ってワイヤ２が多枚数の印字用紙を印打した後に慣性力
に応じて印打後のワイヤ２の方向へ回動すると共に、ワ
イヤ２に衝突して印字用紙への再度の印打を付勢するハ
ンマ４とを有する。

【００１０】また、印字ヘッドは、アーマチュア１とヨ
ーク７と永久磁石６とコイル５とにより形成された磁気
回路を有している。アーマチュア１は、ヨーク７の一端
に対抗するように設けられている。ワイヤ２は、アーマ
チュア１の先端に接合されている。ハンマ４は、アーマ
チュア１に固定された回転軸３を中心として回動可能な
ように設けられている。

【００１１】本実施形態の印字ヘッドには、ヨーク７の
一端に対抗するようにアーマチュア１が設けられ、アー
マチュア１に固定された回転軸３を中心として回動可能
なハンマ４が設けられている。アーマチュア１の先端に
はワイヤ２が接合されている。

【００１２】アーマチュア１の一端は板バネ８の一端に
接合されており、板バネ８の他端はヘッドフレーム９と
トッププレート１０に挟持されて固定されている。

【００１３】板バネ８の一端に固定されているアーマチ
ュア１は、永久磁石６により発せられる磁力によってヨ
ーク７に吸引される。この板バネ８がたわむことによ
り、アーマチュア１はヨーク７に当接された状態に保持
される。コイル５に通電すると、コイル５が発生する磁
束によって永久磁石６から発生されている磁束が打ち消
され、このとき、ヨーク７に当接されていたアーマチュ
ア１は板バネ８のたわみエネルギーに応じてヨーク７か
ら離れ、アーマチュア１に接合されたワイヤ２が突出し
て印字動作を行う。

【００１４】前記印字動作が行われる際にワイヤ２が突
出して印字用紙を印打すると、アーマチュア１に固定さ
れた回転軸３を中心として回動可能なハンマ４は、慣性
力によりワイヤ２の方向に回動し、ワイヤ２に衝突する
結果、再度印字用紙を印打する。

【００１５】印字動作後にコイル５への通電を切断する
ことによりコイル５が発生していた磁束が消滅し、コイ
ル５が発生していた磁束によって今まで打ち消されてい
た永久磁石６の磁束が復帰し、その結果、再びアーマチ
ュア１はヨーク７へ再び吸着され保持される。その際、
アーマチュア１に固定された回転軸３を中心として回動
可能なハンマ４は、慣性力に応じて反ワイヤ方向に回動
し保持される。

【００１６】以上本実施形態を要約すれば、アーマチュ
ア１に固定されているワイヤ２が多枚数の感圧複写用紙
を印打した後、アーマチュア１に固定された回転軸３を
中心に回動可能なハンマ４に慣性力が働きワイヤ２の方
向へ回動し、ワイヤ２にハンマ４が衝突することによ
り、印字力が増し、多枚数の感圧複写用紙の印字濃度を
向上させることができる。更に、印字動作が行われワイ
ヤ２が突出して印字用紙を印打し、アーマチュア１に固
定された回転軸３を中心として回動可能なハンマ４が慣
性力に応じてワイヤ２の方向に回動し、回動したハンマ
４はワイヤ２に衝突してワイヤ２は再度印字用紙を印打
することにより、ハンマ４を動作させる専用の機構が不
要となるため、部品点数を増やすことなく安価な方法で
印字力を増すことができ、アッセンブリ工程や調整工程
が簡便で、印字品質の経時劣化が少なく、多枚数の感圧
複写用紙の印字濃度を向上させることができる。

【００１７】なお、上記構成部材の数、位置、形状等は
上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好
適な数、位置、形状等にすることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、アーマチュアに固定されてい
るワイヤが多枚数の感圧複写用紙を印打した後、アーマ
チュアに固定された回転軸を中心に回動可能なハンマに
慣性力が働きワイヤの方向へ回動し、ワイヤ２にハンマ
４が衝突するような構成となっているので、印字力が増
し、多枚数の感圧複写用紙の印字濃度を向上させること
ができる。

【００１９】更に、ハンマを慣性力によって動作させる
ことにより、ハンマを動作させる専用の機構が不要とな
るため、部品点数を増やすことなく安価な方法で印字力
を増すことができ、アッセンブリ工程や調整工程が簡便
で、印字品質の経時劣化が少なく、多枚数の感圧複写用
紙の印字濃度を向上させることができるといった効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の印字ヘッドの一実施形態を説明するた
めの構造断面図である。

【符号の説明】

１…アーマチュア ２…ワイヤ ３…回転軸 ４…ハンマ ５…コイル ６…永久磁石 ７…ヨーク ８…板バネ ９…ヘッドフレーム １０…トッププレート

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アーマチュアの先端に固定されているワ
   イヤと、 前記アーマチュアに固定された回転軸と、 当該回転軸を中心に回動可能であって、前記ワイヤが多
   枚数の印字用紙を印打した後、慣性力に応じて当該印打
   後のワイヤの方向へ回動すると共に、当該ワイヤに衝突
   して印字用紙への再度の印打を付勢するハンマとを有す
   ることを特徴とする印字ヘッド。
2. 【請求項２】 前記アーマチュアとヨークと永久磁石と
   コイルとにより形成された磁気回路を有し、 前記アーマチュアは、前記ヨークの一端に対抗するよう
   に設けられ、 前記ワイヤは前記アーマチュアの先端に接合され、 前記ハンマは、前記アーマチュアに固定された前記回転
   軸を中心として回動可能なように設けられていることを
   特徴とする請求項１に記載の印字ヘッド。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の印字ヘッドを備
   えたことを特徴とするプリンタ。
4. 【請求項４】 アーマチュアに固定されているワイヤが
   多枚数の印字用紙を印打した後、アーマチュアに固定さ
   れた回転軸を中心に回動可能なハンマに慣性力を与えて
   当該ハンマを当該ワイヤの方向へ回動し、当該ハンマを
   ワイヤに衝突させることを特徴とする印字制御方法。
5. 【請求項５】 前記アーマチュアとヨークと永久磁石と
   コイルとにより形成された磁気回路を備え、 可撓性を有する板バネの一端に固定されている前記アー
   マチュアが、前記永久磁石により発せられる磁力によっ
   て前記ヨークに吸引され、 前記板バネがたわむことにより前記アーマチュアが前記
   ヨークに保持され、 前記コイルから発生する磁束によって前記永久磁石から
   発生されている磁束を打ち消し、 前記アーマチュアは前記板バネのたわみエネルギーに応
   じて前記ヨークより離れ、 前記アーマチュアに接合されたワイヤが突出して印字動
   作を行うことを特徴とする請求項４に記載の印字制御方
   法。
6. 【請求項６】 前記印字動作が行われ前記ワイヤが突出
   して印字用紙を印打し、 前記アーマチュアに固定された回転軸を中心として回動
   可能な前記ハンマが慣性力に応じて前記ワイヤの方向に
   回動し、 当該回動したハンマは前記ワイヤに衝突して当該ワイヤ
   は再度印字用紙を印打することを特徴とする請求項４に
   記載の印字制御方法。