JP2957065B2 - 可動式防波堤の据え付け方法 - Google Patents

可動式防波堤の据え付け方法

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JP2957065B2 JP5205480A JP20548093A JP2957065B2 JP 2957065 B2 JP2957065 B2 JP 2957065B2 JP 5205480 A JP5205480 A JP 5205480A JP 20548093 A JP20548093 A JP 20548093A JP 2957065 B2 JP2957065 B2 JP 2957065B2
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興也 佐藤
亨 山本
健一 平山
東三郎 佐藤
秀正 高浜
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Toa Corp
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Hitachi Zosen Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶が通過するための
流通路と、その流通路を開閉する扉体とが具備された可
動式防波堤を、港湾や漁港の出入口に短期間に据え付け
る可動式防波堤の据え付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】港湾内の静穏度を保つ外郭施設として、
防波堤や離岸堤を設置して高波に対応しているが、低気
圧や台風等により発生する回折波を消すことはできず、
この回折波により、湾内の船舶や港湾施設に被害が生じ
るおそれがある。その対策として、船舶の流通路を開閉
できる扉体を設けた可動式防波堤が設置されている。
【0003】たとえば昇降式の扉体を備えた可動式防波
堤は、従来、海底に設置する堰体が、鉄骨材や鉄筋から
なる構造体にコンクリートを打設して形成されるため、
基礎の周囲に鋼矢板などを使用して仮締切りを行ない、
ドライ状態で堰体の施工を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来の施
工方法では、現場作業の工事期間が長く、現場仮設費用
が高くつくとともに、工事現場付近の船舶の航行が長期
にわたって制限されるという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決して、短期間
に効率よく据え付けが行なえる可動式防波堤の据え付け
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の可動式防波堤の据え付け方法は、船舶の流
通路の間隔をあけて海底に設置された基礎上に、それぞ
れ堰体を固定するとともに、これら堰体に門柱を立設
し、両堰体と門柱間にわたって昇降駆動装置により昇降
される扉体を配置した可動式防波堤を据え付けるに際
し、陸上において、鋼殻により組み立てられた鋼殻堰体
に、門柱を立設固定し、これら鋼殻堰体および門柱を、
台船に仮設構造物を介して基礎の設置間隔に相当する間
隔をあけてそれぞれ保持させ、台船により据え付け現場
まで運搬した後、この鋼殻堰体および門柱を仮設構造物
と共に予め設置した基礎上に降下させてそれぞれ固定
し、鋼殻堰体にコンクリートを打設して基礎と一体化さ
せ、さらに両堰体および門柱間に扉体を取り付けるもの
である。
【0007】
【作用】上記方法によれば、陸上の製造工場で門柱を取
り付けた鋼殻構造の堰体を製造して、据え付け現場に運
搬するので、コンクリート打設済の堰体および門柱を陸
上から運搬するのに比べて、その重量を大幅に減少で
き、容易に運搬して据え付けることができる。また据え
付け後の堰体にコンクリートを打設するので、従来の据
え付け現場における仮締切りによるドライ作業なしに据
え付けることができ、工事期間の短縮、建設コストの低
減を図ることができる。また仮設構造物により予め間隔
設定された状態で一対の堰体および門柱を運搬して、台
船から仮設構造物とともに降下させて同時に基礎上に設
置することができ、据え付け作業を能率良く行なうこと
ができて作業時間をさらに短縮することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る可動式防波堤の据え付け
方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】この可動式防波堤は、図5〜図8に示すよ
うに、既設防波堤1,1間に設置されて既設防波堤1,
1間の船舶が通過する流通路2を扉体3により開閉する
もので、所定間隔をあけて設置される基礎4上には堰体
5が流通路2の幅Lをあけて設けられ、この堰体5には
門柱6がそれぞれ立設されている。そして、この堰体5
と門柱6間には扉体3が昇降自在に配置されて、昇降駆
動装置7により扉体3を昇降させて堰体5間の流通路2
を開閉するように構成されている。
【0010】前記堰体5は、鋼殻構造で鉄筋や補強材な
どが内蔵された内部にはコンクリートが打設されて基礎
4と一体化されている。また互いに対向する側面には、
扉体3を案内する上下方向のガイド溝11がそれぞれ形
成されている。また門柱6は、正面内側が切り欠かれた
L形状断面に形成され、正面側には上下方向の戸当たり
レール12が着脱自在に取り付けられてガイド溝11に
連続するガイド凹部13が形成されている。また両門柱
6の上部間には管理橋14が連結され、さらに門柱6の
上端部には、昇降駆動装置7の一部を構成する滑車室1
5が設けられている。
【0011】前記扉体3は、鋼殻構造体で両側端部に
は、ガイド溝11およびガイド凹部13に案内されるガ
イドローラー16が取り付けられるとともに、門柱6の
側面または戸当たりレール12に当接するサイドローラ
ー17がそれぞれ配設されている。また、扉体3の両側
端上部には、ガイド溝11およびガイド凹部13に移動
自在に嵌合する吊り桁18がそれぞれ取り付けられ、こ
れら吊り桁18には吊り滑車19が設けられている。
【0012】前記昇降駆動装置7は、吊り桁18に設け
られた吊り滑車19と、滑車室15に設けられた転向滑
車20と、堰体5の後方上面に設けられた開閉装置室2
1と、開閉装置室21から転向滑車20を介して吊り滑
車19に掛け渡された昇降索22とで構成され、この開
閉装置室21には、昇降索22を巻き取るウインチドラ
ム23と、このウインチドラム23を減速機24を介し
て回転駆動する開閉用モーター25と、操作盤26とが
設置されている。
【0013】つぎに、上記可動式防波堤の据え付け方法
を図1〜図4を参照して説明する。 (1)据え付け現場にて、基礎4を構築する。 (2)陸上の製造工場で、鉄筋や補強材を装備した鋼殻
構造の堰体5′をコンクリートの打設のみを残した状態
で組み立て、さらにこの鋼殻堰体5′に門柱6を立設固
定するとともに、開閉装置室21や滑車室15を設けて
おく。
【0014】(3)堰体5の設置間隔に相当する長さL
に形成された仮設トラス(仮設構造物)31の両端部
に、それぞれ鋼殻堰体5′および門柱6を取り付け、港
に停泊させた台船32に搬入し、台船32に仮設トラス
31を介して鋼殻堰体5′および門柱6を保持させる
(図1,図2)。また台船32に搭載した仮設トラス3
1の両端部に鋼殻堰体5′および門柱6を搬入して取り
付けてもよい。そして、この状態で台船32により堰体
5′および門柱6を据え付け現場まで運搬する。
【0015】(4)据え付け現場では、台船32を流通
路2位置に停止させて鋼殻堰体5′および門柱6を位置
決めし、台船32上で仮設トラス31を支持する昇降式
支持台33を下降して鋼殻堰体5′を下降させ、基礎4
上に着底させて固定する(図3)。または支持台33が
昇降式でない場合には、台船32のバラスト水タンクに
注水して台船32の吃水線を上げることにより、鋼殻堰
体5′を下降して基礎4上に着底させてもよい。
【0016】(5)鋼殻堰体5′にコンクリートを打設
して堰体5を形成するとともに、基礎4と堰体5とを一
体化する。さらに扉体3を装着して昇降索22を連結
し、戸当たりレール12を取り付けるとともに昇降駆動
装置7のなどの他の装置類を取り付けて調整する。また
必要に応じて、流通路2の海底面に水中コンクリート等
を打設して行路床2aを形成する。(図4) 上記実施例によれば、陸上の製造工場内で、コンクリー
ト打設抜きで軽量の鋼殻堰体5′を製造して門柱6を立
設し、これを台船32により運搬して据え付け、鋼殻堰
体5′にコンクリートを打設して完成させるので、従来
のように仮締切りによるドライ作業が不要となるととも
に、軽量状態で運搬できるので、運搬コストを低減でき
る。また、台船32による運搬時に、堰体5の設置間隔
に相当する長さLに形成された仮設トラス31を使用し
て鋼殻堰体5′および門柱6を保持させるので、据え付
け時の位置決めを容易に行なうことができるとともに、
一対の鋼殻堰体5′および門柱6を同時に基礎4上に設
置することができ、据え付け作業時間を大幅に短縮する
ことができる。したがって、仮締切りによるドライ作業
を必要とする従来工法に比べて、可動式防波堤の据え付
けを短期間で能率良く行なえ、しかも航行する船舶への
制限を空間的および時間的に最小限に止めることができ
る。
【0017】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、陸
上の製造工場で門柱を取り付けた鋼殻構造の堰体を製造
して、据え付け現場に運搬するので、コンクリート打設
済の堰体および門柱を陸上から運搬するのに比べて、そ
の重量を大幅に減少でき、容易に運搬して据え付けるこ
とができる。また据え付け後の堰体にコンクリートを打
設するので、従来の据え付け現場における仮締切りによ
るドライ作業なしに据え付けることができ、工事期間の
短縮、建設コストの低減を図ることができる。また仮設
構造物により予め間隔設定された状態で一対の堰体およ
び門柱を運搬して、台船から仮設構造物とともに降下さ
せて同時に基礎上に設置することができ、据え付け作業
を能率良く行なうことができて作業時間をさらに短縮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同可動式防波堤の据え付け手順を示し、鋼殻堰
体および門柱の運搬状態を示す正面図である。
【図2】同可動式防波堤の据え付け手順を示し、鋼殻堰
体および門柱の運搬状態を示す側面図である。
【図3】同可動式防波堤の据え付け手順を示し、鋼殻堰
体および門柱の設置作業を示す正面図である。
【図4】同可動式防波堤の完成状態を示す正面図であ
る。
【図5】本発明に係る可動式防波堤の一実施例を示す正
面図である。
【図6】同可動式防波堤を示す平面断面図である。
【図7】同可動式防波堤を示す側面断面図である。
【図8】同可動式防波堤の使用状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 既設防波堤 2 流通路 3 扉体 4 基礎 5 堰体 5′ 鋼殻堰体 6 門柱 7 昇降駆動装置 14 管理橋 15 滑車室 16 ガイドローラー 21 開閉装置室 22 昇降索 23 ウインチドラム 25 開閉用モーター 31 仮設トラス 32 台船 33 昇降式支持台 L 流通路間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 健一 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 佐藤 東三郎 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 高浜 秀正 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02B 7/20 109 E02B 3/06 301 E02B 7/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船舶の流通路の間隔をあけて海底に設置
    された基礎上に、それぞれ堰体を固定するとともに、こ
    れら堰体に門柱を立設し、両堰体と門柱間にわたって昇
    降駆動装置により昇降される扉体を配置した可動式防波
    堤を据え付けるに際し、陸上において、鋼殻により組み
    立てられた鋼殻堰体に、門柱を立設固定し、これら鋼殻
    堰体および門柱を、台船に仮設構造物を介して基礎の設
    置間隔に相当する間隔をあけてそれぞれ保持させ、台船
    により据え付け現場まで運搬した後、この鋼殻堰体およ
    び門柱を仮設構造物と共に予め設置した基礎上に降下さ
    せてそれぞれ固定し、鋼殻堰体にコンクリートを打設し
    て基礎と一体化させ、さらに両堰体および門柱間に扉体
    を取り付けることを特徴とする可動式防波堤の据え付け
    方法。
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