JP2956572B2 - 鋼材パネルの建込位置の修正方法および修正装置 - Google Patents

鋼材パネルの建込位置の修正方法および修正装置

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JP2956572B2
JP2956572B2 JP5031696A JP5031696A JP2956572B2 JP 2956572 B2 JP2956572 B2 JP 2956572B2 JP 5031696 A JP5031696 A JP 5031696A JP 5031696 A JP5031696 A JP 5031696A JP 2956572 B2 JP2956572 B2 JP 2956572B2
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steel panel
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伸彦 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼材パネルの建
込位置の修正方法および修正装置に関し、特に、地中連
続壁工法で用いられる鋼材パネルの建込位置の修正方法
および修正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下構造物を構築する際の土留め壁や基
礎躯体などに地中連続壁体が用いられている。このよう
な壁体の構築は、通常、地中連続壁工法により行なわれ
ていて、コンクリート製の壁体中に鉄筋籠や鋼製ボック
スを埋設する方法など各種の工法が提供されている。こ
の種の工法で地中連続壁体を構築する場合、構築深度が
深く、壁体の厚みが大きくとれない場合などの施工条件
下では、通常、鋼製ボックスを使用する鋼製地中連続壁
工法が採用されている。
【0003】鋼製地中連続壁工法では、例えば、特開平
5−272131号公報に開示されているように、両端
側に継手部を設けたH字形の鋼材パネルが使用され、複
数の鋼材パネルを掘削孔内で組み合わせて鋼製ボックス
を形成していた。ところが、このような鋼材パネルを建
込む場合に、以下に説明する技術的な課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、地中連続壁
体の構築深度が、例えば、数十m程度で、壁体の厚みが
大きくとれない場合には、鋼材パネルと掘削孔の壁面と
の間のクリアランスも狭くなり、このような条件下で施
工する際には、鋼材パネルの加工精度や掘削孔の掘削精
度を十分に確保しないと、鋼材パネルを鉛直に建込むこ
とが非常に難しくなる。
【0005】また、このような精度が確保されたとして
も、鋼材パネルを建込む際に、これが掘削孔の壁面に接
触すると、構築深度に対応した長さを有する鋼材パネル
を移動させて、鉛直にすることが非常に難しいので、そ
の分だけ鋼材パネルの建込作業が慎重に行なわれること
になり、位置決めに非常に時間がかかり、施工能率を低
下させる一因となっていた。
【0006】さらに、鋼材パネルの鉛直度が、例えば、
鋼材パネルの下端に配置された傾斜計で確認されたとし
ても、数十mの長さになる鋼材パネルの下端側を移動さ
せて、鉛直度が所定の範囲内になるように修正すること
は、非常に困難な状況になっていた。本発明は、このよ
うな従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その
目的とするところは、比較的簡単な構成により鉛直精度
を確保することができる鋼材パネルの建込位置の修正方
法および修正装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、地盤中に掘削された地中連続壁形成用の
掘削孔内に建込まれる鋼材パネルの建込位置の修正方法
において、前記鋼材パネルの下端側に傾斜計を設置する
とともに、前記鋼材パネルの建込状態で、前記傾斜計に
よる鉛直度が所定値以上ズレている場合に、前記鋼材パ
ネルの連結方向の一端側にあって、かつ、前記鋼材パネ
ルの下端部側に距離センサーを設置するとともに、この
距離センサーと前記鋼材パネルを挟んで対向する位置
に、前記鋼材パネルを前記距離センサー側に移動させる
修正装置を設置し、前記鋼材パネルの移動距離を前記距
離センサーで測定しながら前記修正装置を作動させ、当
該鋼材パネルの鉛直度を所定値以内に修正するようにし
た。この構成によれば、距離センサーで移動量を確認し
ながら修正装置で鋼材パネルを移動させるので、鋼材パ
ネルの鉛直度を簡単に確保することができる。また、別
の発明として、本発明は、地盤中に掘削された地中連続
壁形成用の掘削孔内に建込まれる鋼材パネルの建込位置
の修正装置において、前記修正装置は、鋼材パネルの建
込鉛直度が所定値以上ズレている場合に、前記鋼材パネ
ルの下部側を挟んで距離センサーと対向するように前記
掘削孔内に設置され、前記鋼材パネル側に向けて伸縮自
在に設置された押圧シリンダーと、前記掘削孔の壁面側
に向けて伸縮自在に設置された反力シリンダーと、前記
押圧および反力シリンダーを保持するシリンダーボック
スと、前記シリンダーボックスが先端側固設された支持
部材とで構成した。この構成によれば、反力シリンダー
を伸長して掘削孔の壁面に反力を採り、押圧シリンダー
を伸長させることにより、鋼材パネルの下部側を距離セ
ンサー側に移動させることができる。このときの移動量
は、距離センサーにより確認される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1
は、本発明にかかる鋼材パネルの建込位置修正装置の一
実施例を示している。同図に示す修正装置10は、図3
にその使用状態を示すように、地盤12中に掘削された
地中連続壁形成用の掘削孔14内に建込れる鋼材パネル
16の建込位置を修正するものであって、押圧シリンダ
ー10aと、反力シリンダー10bと、シリンダーボッ
クス10cと、支持部材10dとを有している。
【0009】押圧および反力シリンダー10a,10b
は、この実施例では、油圧シリンダーから構成されてい
て、それぞれ円筒状のシリンダー本体100a,100
bと、伸縮プランジャー101a,101bと、伸縮プ
ランジャー101a,101bの先端に固設された当接
プレート102a,102bとを備えており、シリンダ
ー本体100a,100bには、油圧ホース103a,
103bがそれぞれ接続され、この油圧ホース103
a,103bの端部には、使用する際に油圧ポンプ18
が接続される。
【0010】押圧および反力シリンダー10a,10b
は、この実施例では、同じ鉛直軸上に配置され、シリン
ダーボックス10cに上下方向に間隔をおいて固設され
ていて、伸縮プランジャ101a,101bが、相互に
異なった方向に伸縮するようになっている。なお、押圧
および反力シリンダー10a,10bは、伸縮プランジ
ャ101a,101bが、相互に異なった方向に伸縮す
るようにすれば、同一水平軸上に配置してもよい。
【0011】各シリンダー本体100a,100bは、
ボルト結合される半割り状態の挟持金具10eによりシ
リンダーボックス10cに固設されていて、シリンダー
ボックス10cの上端側には、支持部材10dの下端が
固設されている。この支持部材10dは、H型鋼などを
使用することができる。次に、このように構成された修
正装置10を使用して、鋼材パネル16の鉛直度を修正
する方法について、図3〜図5に基づいて説明する。鋼
材パネル16は、この実施例の場合には、以下のように
構成されている。図3,4に示した鋼材パネル16は、
所定の間隔を隔てて対向配置された一対の側板パネル部
16aと、この側板パネル部16aと直交する方向に、
所定の間隔を隔てて対向配置された一対の仕切り板パネ
ル部16bとを有している。
【0012】この実施例では、一対の側板パネル部16
aと仕切り板パネル部16bは、連続した部材から構成
され、例えば、コ字型コラムと呼ばれる既成の鋼材を2
個使用して組み立てられている。コ字型コラムで側板パ
ネル部16aと仕切り板パネル部16bとを形成する際
には、コ字型コラムの開口部分を突き当てるようにして
溶接する。
【0013】このように構成された鋼材パネル16で
は、その中央部分に、一対の側板パネル部16aと仕切
り板パネル部16bで取り囲まれた矩形状の空間が画成
されていて、この矩形状の部分は、矩形状の掘削孔14
の長手軸方向の長さに対して、ほぼ1/3の長さを有し
ている。そして、この鋼材パネル16の一方の側板パネ
ル部16aの下端側には、図4に示すように、傾斜計2
0が設置されている。また、鋼材パネル16の両端に
は、それぞれエレメントの連結方向に突出する継手部1
6cが設けられている。
【0014】この継手部16cは、一端にスリット状の
開口が設けられた中空円筒状のものであって、鋼材パネ
ル16の長さ方向に沿って延長され、パネル部16a,
16bと同じ長さを有している。このような鋼材パネル
16を掘削孔14内に建込んでその鉛直度を修正する際
の手順を図5に示している。鉛直度の修正手順では、ま
ず、矩形状の掘削孔14が、例えば、安定液を満たしな
がらハイドロフレーズ式掘削機で所定深度まで形成され
ると(ステップs1)、鋼材パネル16がその内部に建
込まれる。
【0015】このときの鋼材パネル16の建込位置は、
図3に示すように、掘削孔14の中心に対して、鋼材パ
ネル16の中心がほぼ一致するようにして行なわれ、こ
れが確認されると(ステップs2)、続くステップs3
で、傾斜計20および距離センサー22によりその鉛直
度の測定が行なわれる。なお、建込れた鋼材パネル16
は、その上端側を適当な手段で吊り下げ支持される。ス
テップs4では、測定された鉛直度が所定値以内に収ま
っているか否かが判断され、これが、収まっていない場
合にはステップs5の手順が行なわれる。
【0016】ステップs5は、修正装置10および距離
センサー22の設置工程であり、図3にその設置状態の
上面図を示している。距離センサー22は、超音波セン
サー部22aと、地上側に設置される測定部22bと、
センサー部22aを吊り下げ支持するワイヤー22cと
を備えている。超音波センサー部22aは、鋼材パネル
16の連結方向の一端側にあって、鋼材パネル16の一
方の仕切り板パネル部16bに対向するようにワイヤー
22cにより設置される。
【0017】超音波センサー部22aは、仕切り板パネ
ル部16bに向けて超音波を発射し、パネル部16bか
らの反射波を受ける。測定部22bでは、超音波の発射
と、その反射波の受信時間の値から、発射位置から反射
位置までの距離を測定する。また、ワイヤー22cの繰
り出し量から超音波センサー部22aの設置個所の深度
が測定される。
【0018】修正装置10は、鋼材パネル16の連結方
向の他端側にあって、鋼材パネル16の他方の仕切り板
パネル部16bに、押圧シリンダー10aの当接プレー
ト102aが対向し、かつ、反力シリンダー10bの当
接プレート102bが掘削孔14の端部側の壁面に対向
するように設けられる。また、これらの修正装置10お
よび距離センサー22の深度方向の設置個所は、図4に
示すように、鋼材パネル16の下部側において、傾斜計
20の設置位置の上方にほぼ同じ深度で、鋼材パネル1
6を挟むようにして対向配置され、修正装置10の油圧
ホース103a,103bには、地上に設置された油圧
ポンプ18が接続される。
【0019】この場合、ステップs3により傾斜計20
で鉛直度を測定すると、鋼材パネル16がどの方向に傾
いているかが分かるので、修正装置10は、鋼材パネル
16が傾斜して、掘削孔14の壁面との間隔が狭くなっ
ている側に設置する。修正装置10および距離センサー
22の設置が完了すると、距離センサー22で鋼材パネ
ル16の仕切り板パネル部16bまでの距離を測りなが
ら、修正装置10の作動が行なわれる(ステップs
6)。
【0020】修正装置10の作動は、押圧シリンダー1
0aの伸縮プランジャー101aを伸長して当接プレー
ト102aを仕切り板パネル部10bの表面に当接させ
るとともに、反力シリンダー10bの伸縮プランジャー
101bを伸長して当接プレート102bを掘削孔14
の壁面に当接させて行なわれる。このとき、鋼材パネル
16の鉛直度のズレが既知で、修正装置10および距離
センサー22の設置深度が、例えば、支持部材10dの
浸漬長さや超音波センサー部22aの吊り下げ長さから
分かり、これらの設置位置における鉛直度のズレの大き
さを予め計算することができるので、このズレの大きさ
に対応させて鋼材パネル16を移動させればよい。
【0021】なお、鋼材パネル16を移動させる際に
は、ズレの大きさよりも大きく移動させると、その後の
操作が面倒になるので、例えば、移動をズレの大きさの
手前で一旦停止し、その後、距離センサー22の測定値
を逐次確認しながら微小移動させることが望ましい。以
上のような修正装置10の作動は、傾斜計20による鋼
材パネル16の鉛直度が所定値以内になったことが確認
されるまで続行され、ステップs7でこれが確認される
と、ステップs8に移行する。ステップs8では、鋼材
パネル16の根入れ作業が行なわれ、その後に、根固め
コンクリートを打設して、鋼材パネル16の建込が終了
する。
【0022】なお、図5に示した手順では、ステップs
4で鋼材パネル16の鉛直度が所定値以内にあると判断
された場合には、ステップs8から以降の手順が行なわ
れる。さて、以上のように構成された修正方法によれ
ば、距離センサー22で移動量を確認しながら修正装置
10で鋼材パネル16を移動させるので、鋼材パネル1
6の鉛直度を簡単に確保することができる。
【0023】また、本実施例の修正装置10によれば、
反力シリンダー10bを伸長して掘削孔14の壁面に反
力を採り、押圧シリンダー10aを伸長させることによ
り、鋼材パネル16の下部側を距離センサー22側に移
動させることができる。このときの移動量は、距離セン
サー22により確認されるので、鋼材パネル16の鉛直
度を確実に確保することができる。
【0024】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる鋼材パネルの建込位置の修正方法および
修正装置によれば、リアルタイムで鋼材パネルの移動量
を測定しながら修正するので、正確な修正が可能にな
り、簡単かつ確実に鋼材パネルの鉛直度が確保され、施
工能率が向上するとともに、後行エレメントとの接合が
円滑に行え、高品質の地中連続壁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる鋼材パネルの建込位置の修正装
置の位置実施例を示す側面断面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1に示した修正装置を使用して鋼材パネルの
建込位置を修正する際の上面説明図である。
【図4】図3の異なった方向の側面図である。
【図5】図1に示した修正装置を使用して鋼材パネルの
建込位置を修正する際の修正手順のフローチャート図で
ある。
【符号の説明】
10 修正装置 10a 押圧シリンダー 10b 反力シリンダー 10c シリンダーボックス 10d 支持部材 14 掘削孔 16 鋼材パネル 16a 側板パネル部 16b 仕切り板パネル部 16c 継手部 20 傾斜計 22 距離センサー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−75711(JP,A) 特開 昭63−247425(JP,A) 特開 昭55−145212(JP,A) 特開 昭52−22304(JP,A) 実開 平6−34039(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/02 - 5/20 E02D 13/00 - 13/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に掘削された地中連続壁形成用の
    掘削孔内に建込まれる鋼材パネルの建込位置の修正方法
    において、 前記鋼材パネルの下端側に傾斜計を設置するとともに、
    前記鋼材パネルの建込状態で、前記傾斜計による鉛直度
    が所定値以上ズレている場合に、 前記鋼材パネルの連結方向の一端側にあって、かつ、前
    記鋼材パネルの下端部側に距離センサーを設置するとと
    もに、この距離センサーと前記鋼材パネルを挟んで対向
    する位置に、前記鋼材パネルを前記距離センサー側に移
    動させる修正装置を設置し、 前記鋼材パネルの移動距離を前記距離センサーで測定し
    ながら前記修正装置を作動させ、当該鋼材パネルの鉛直
    度を所定値以内に修正することを特徴とする鋼材パネル
    の建込位置の修正方法。
  2. 【請求項2】 地盤中に掘削された地中連続壁形成用の
    掘削孔内に建込まれる鋼材パネルの建込位置の修正装置
    において、 前記修正装置は、鋼材パネルの建込鉛直度が所定値以上
    ズレている場合に、前記鋼材パネルの下部側を挟んで距
    離センサーと対向するように前記掘削孔内に設置され、 前記鋼材パネル側に向けて伸縮自在に設置された押圧シ
    リンダーと、 前記掘削孔の壁面側に向けて伸縮自在に設置された反力
    シリンダーと、 前記押圧および反力シリンダーを保持するシリンダーボ
    ックスと、 前記シリンダーボックスが先端側固設された支持部材と
    を有することを特徴とする鋼材パネルの建込位置の修正
    装置。
JP5031696A 1996-03-07 1996-03-07 鋼材パネルの建込位置の修正方法および修正装置 Expired - Lifetime JP2956572B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102995690A (zh) * 2012-08-21 2013-03-27 福州市第三建筑工程公司 桩孔垂直度与断面校正机构及其施工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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