JP2955490B2 - 熱ドナー媒体の改善された使用方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカラー画像印刷の分野に
関し、より詳細には印刷処理での熱ドナー媒体の使用の
効率を改善する制御手段及び媒体位置決め手段の使用に
関する。

【０００２】

【従来の技術】熱色素昇華印刷はドナーリボン上の有色
の色素を受容媒体により吸収される気体に変換するため
に熱を用いる。この画像化処理は熱ドナー媒体の点がい
ったん用いられると二回目の使用に対して残りの色素の
量が不充分である故にそれは再利用できないという特徴
を有する。熱ドナー媒体は一連のインターリーブされた
シアン、マゼンタ、黄色（ＣＭＹ）パネルからなるロー
ルのような標準的な構成で使われる。全ての所定のパネ
ルは所定の印刷期間で消費されるわけではない。あるア
プリケーションでは同じ大きさの画像を同じ位置で繰り
返し印刷する。その大きさはＣＭＹパネルの大きさより
著しく小さい。印刷機はＣＭＹパネルのどの部分を用い
ても印刷できるよう作られている。故に熱ドナー媒体の
パネルは一回使用されるだけである。繰り返し印刷アプ
リケーションが印刷可能な区域の良く定義された領域を
用い、画像区域がパネルより著しく小さい場合には用い
られずに廃棄される大量のドナー媒体が生じる。使用さ
れないそれぞれの熱ドナー媒体シートがより少なくする
ような手段が必要とされている。

【０００３】従来技術はリボンが多数回打ち熱ドナーリ
ボンを巻き戻す；即ちリボンの同じ位置は最小限の品質
低下で色素を繰り返し転写できる方法を開示している。
ある多数回打ちリボンは複数の色素層の使用を介してこ
れを達成する。Ａｌｃａｔｅｌ Ｂｕｓｉｎｅｓｓ Ｓ
ｙｓｔｅｍ 社に譲渡されたＨｅｒｂｅｒｔ等によるア
メリカ特許第４、９２４、２５０号では単一の色素を含
む多数回打ち熱ドナーリボンを巻き戻す方法が開示され
ている。ソニー社に譲渡されたＭａｅｙａｍａ等による
アメリカ特許第４、４９６、９５５号ではカラー印刷用
の一連のＣＭＹパネルの繰り返しからなる多数回打ち熱
ドナー媒体のための処理について記載されている。しか
しながら所定のＣＭＹパネルシーケンスに対する巻き戻
しの回数はあらかじめ決められている。

【０００４】ある熱ドナーリボンは最初の色素の転写が
熱ドナー転写特性を変えるために多数回使用できない。
そのような熱ドナーリボンが用いられる場合には印刷は
欠陥を有し、信頼できないものである。そのような熱ド
ナーリボンの場合にはドナーリボンを位置決めする制御
手段及び所望の熱受容体位置に転写するための熱印刷ヘ
ッドに対して巻き戻された熱ドナーの未使用の領域の出
現を確かにするような受容媒体が必要とされる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は画像の大きさ
を特定し、用いられる媒体のパターンを形成し、印刷中
の媒体の位置を制御する方法及び装置について記載す
る。これにより少なくとも１つの画像寸法が対応する熱
ドナー媒体の寸法の半分より小さい場合に熱ドナー媒体
のパネル当たり１以上の画像印刷が可能となる。これに
より熱印刷ヘッドが所定の色素パネルの同じ領域に１回
以上アドレスすることなく熱ドナー媒体の所定のロール
からより多くの画像を作成するという利点を有する。加
えて本発明はどのように媒体が多数の画像を印刷するの
に用いられるかのシーケンス及びレイアウトパターンを
自動的に決め、媒体がこの使用パターンが達成されるよ
う熱書き込みヘッドに関して適切に位置されるよう導
く。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の方法の実施例は
単一の転写パネルが多数の受容媒体のそれぞれに対して
排他的にドナーの区域を提供しうるようにそれぞれが多
数の受容媒体の全体の区域より大きな転写区域を有する
複数の転写パネルを有する熱ドナー媒体を位置決めする
方法であって、熱ドナー媒体の転写パネルの転写区域を
決め；多数の受容媒体のそれぞれの区域を決め；熱ドナ
ー媒体の転写区域の個々の部分を受容媒体のそれぞれで
識別し；それぞれの転写区域をそれの識別された受容媒
体に位置決めし、ドナー転写を行なう各段階からなる方
法である。

【０００７】本発明の好ましい装置の実施例は画像のデ
ジタル表示を受容し、該デジタル表示を受容体上に画像
を形成するよう熱ドナー媒体のロールから熱色素受容体
へ色素を転写させ、ここで熱ドナー媒体のロールはそれ
ぞれの新たな転写に対する位置に進まされる対応する熱
パターンに変換する熱印刷配置（ｓｔａｔｉｏｎ）を含
む型の熱印刷装置の改善であって：熱ドナー媒体のロー
ルを熱印刷配置上で前進又は後退のいずれかに制御して
動かす手段と；熱ドナー媒体の使用されていない部分を
決める手段と；熱ドナー媒体ロールを前進又は後退のい
ずれかに駆動することによって、熱ドナー媒体の使用さ
れていない部分を色素が熱色素受容体へ転写する熱印刷
配置に位置決めする手段とからなる熱印刷装置。

【０００８】上記より本発明の第一の目的は熱ドナー媒
体の大きな区域をパネル内に使用せずに残した画像を印
刷する時に過去に用いられてきた熱ドナー媒体をより多
数回使用することである。本発明の他の目的は寸法を更
に印刷されるべき画像に適合する目的であらかじめ用い
られた熱ドナー媒体の用いられていない部分の寸法を決
める技術を提供することにある。

【０００９】本発明の更に他の方法は印刷されるべき受
容媒体に熱ドナー媒体の未使用の区域を正確に合わせる
装置を提供することにある。

【００１０】

【発明の効果】本発明は印刷区域が熱ドナー媒体区域の
大きさより顕著に小さい場合に印刷された材料の作成に
用いられた未使用の熱ドナー媒体の量を減少する。これ
は熱印刷処理により発生する廃棄物の量を減少するのと
同様に印刷のコストを減少する。本発明の方法は従来技
術のように熱ドナー媒体全体の完全な巻き戻しを必要と
しない。本発明の方法は熱ドナー媒体の消費を最適化す
るよう画像のダイナミックなレイアウトを可容にする。

【００１１】

【実施例】本発明の上記及び他の目的は以下に図を参照
して本発明の説明より明らかとなろう。図１を参照する
に、熱ドナー媒体１４は熱転写可能な色素の区域又はパ
ネルの繰り返すシーケンスを有するウェブ（ｗｅｂ）の
形で示される。シーケンス内の各パネルは異なるカラー
熱転写可能な色素を有する。例えばパネルの各シーケン
スは黄色の熱転写可能な色素２２のパネルと、それに続
くマゼンタの熱転写可能な色素２４のパネルと、それに
続くシアンの熱転写可能な色素２６のパネルとを含む。
黄色、マゼンタ、シアンの色素パネルのこのシーケンス
はウェブに沿って繰り返される。参照マーク２９は印刷
又は転写位置内のパネルを適切に配置する図２に示され
る巻取り及び巻き戻し装置１２及び１３の動作を制御す
るために良く知られた方法で用いられる。

【００１２】図２を参照するに熱転写印刷は最初は熱ヘ
ッド装置１６と受容媒体１８との間の熱ドナー媒体１４
の位置決めによりなされる。次に画像情報は熱ドナー媒
体１４から受容媒体１８に色素を転写するよう熱ヘッド
装置１６により発生された熱を調節する制御装置１５に
送られる。多くのアプリケーションで受容媒体１８はシ
アン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、黄色（Ｙ）ドナー媒体が
導入される時に３回熱ドナー媒体１４の下で通過され
る。その様な配列は例えばアメリカ特許第４、７４５、
４１３号に記載されている。熱ドナー媒体１４は一般的
にＣＭＹカラーパネル（図１に示す）を交替するように
スプール１０上で作られる。熱ドナー媒体１４が用いら
れる時にはそれはスプール１１により巻き取られる。巻
き取りスプール１１は制御装置１５により制御される巻
き上げ装置１３により駆動される。用いられない熱ドナ
ー媒体を含むスプール１０は熱ドナー媒体１４をスプー
ル１０上に制御して巻き戻すように制御装置１５により
また制御される巻き戻し装置１２により駆動される。双
方向データバスであり得る入力ポート８５は遠隔地から
の画像データのような入力データを受容するよう設けら
れる。２つの紙トレー及びトレーを作動させる関連する
回路のような受容媒体１７の源は必要な時に受容媒体１
８を供するように制御装置１５により制御される。ビン
（ｂｉｎ）２０は受容媒体１８上で印刷されたものを受
け、紙詰まりの除去のために制御装置１５により制御さ
れる。

【００１３】画像が受容媒体１８上で同じ位置に印刷さ
れるべきであり、画像により巻き取られる区域が熱ドナ
ー媒体１４の大きさよりも小さいアプリケーションに対
しては熱ドナー媒体１４のあらかじめ使用されていない
区域を用いて付加的な１以上の画像を印刷することが可
能である。その様なアプリケーションの１つは取引（ｔ
ｒａｎｓａｃｔｉｏｎ）カード上の印刷にあり、ここで
は印刷された区域はカード内で小さな領域である。それ
ぞれのカードは正確に同じ位置に画像を有し、画像の大
きさは熱ドナー媒体１４の区域よりずっと小さい。結果
として熱ドナー媒体１４の多くは使用されないままであ
る。これがデータカード９０００取引カード製造装置に
より用いられた方法である。

【００１４】説明のために１つのカラーパネル（色素シ
ート）の大きさが４インチｘ３インチであり、印刷区域
が１平方インチ以下であるとすると、同じ材料がどの区
域も２度使用しない限りは１２倍使用されうる。これは
受容媒体１８の位置は熱ドナー媒体１４に関して並進さ
れることを必要とする。これは多色タイプライターリボ
ンのリボンの位置を変更するのと同様に熱ドナー媒体１
４の位置を並進するか又は受容媒体１８の位置を並進す
るかのどちらかにより達成される。好ましい方法は受容
媒体１８の位置を変え、熱ドナー媒体１４を固定したま
まにできる方である。

【００１５】図２を再び参照するに印刷位置の制御は制
御装置１５と、巻き戻し装置１２と、熱受容媒体移動器
１９とにより達成される。図３の（Ａ）、（Ｂ）にアプ
リケーション内で熱ドナー媒体１４を巻き戻すように操
作する操作計画を示し、ここで熱ドナー媒体１４シート
は所望の印刷された画像の大きさより顕著に大きく、概
略３４で示された同じ大きさの多数の画像が受容媒体３
２上で印刷されるべきものである。熱ドナー媒体のそれ
ぞれの路に対するオフセット端位置の組はＸ及びＹ値３
０のリストとして決められる。リストは以下に説明する
ＴＤＭＵマップ６４としてまた配置されうる。

【００１６】図４に図３の（Ｂ）の開始位置３０に対す
る熱印刷ヘッドによりアドレスされた順に番号を付けら
れ、Ｃ、Ｍ、Ｙでラベルされた３つのパネル上のオフセ
ット画像位置を示す。１乃至３６の範囲で３色処理に対
して番号付けられた画像は３つ組で各パネルから１つず
つ配置される。例えばＣ、Ｍ、Ｙ層からそれぞれ３つの
組１、２、３は一緒に熱印刷ヘッドにより印刷された最
初の画像を形成する。第二の画像のＣ、Ｍ、Ｙ層は３つ
の組４、５、６により示されるオフセット画像位置から
印刷される。印刷シーケンスはこの様にしてそれのＣ、
Ｍ、Ｙ層はオフセット画像位置３４、３５、３６に対応
する１２番目の画像の印刷まで続く。この時点で熱ドナ
ー媒体ロールはＣＭＹパネルの次の組の初めに進む。

【００１７】図５を参照するにこれは制御装置メモリー
５２をブロックにより示したものである。制御装置メモ
リー５２は多数の領域、熱ドナー媒体使用メモリー５
３、印刷機サブシステム５４の最小注意状態（ｌｅａｓ
ｔ ｎｏｔｅｄ ｓｔａｔｕｓ）を維持する領域、画像
データメモリー５６に対する領域、他のプロセッサタス
クデータ５５、熱ドナー媒体状態メモリー１００、熱ド
ナーパネル使用メモリー１１０にセグメント化される。

【００１８】図６に熱ドナー媒体１４のウェブ内の３つ
のカラーパネルの使用パターンを示す。明るい部分はパ
ネルからの色素の消費を示す。暗い部分は色素の存在を
示す。図７の（Ａ）は明るい区域と暗い区域がそれぞれ
６０及び６２の符号で示されたパネルの１つを示す。図
７の（Ｂ）は熱ドナー媒体使用メモリー５３内に記憶さ
れたＴＤＭＵマップ６４に対応する。示されたように図
７の明るい区域と暗い区域６０はマップセル６６内で１
にマップされ、マップセル６８内で０にマップされる。
制御装置１５は熱ドナー媒体１４の既に用いられた領域
の熱ドナー媒体使用マップ又はＴＤＭＵマップ６４を維
持する。制御装置１５は要求された印刷タスクの印刷に
対して現在の熱ドナー媒体１４が使用されていない区域
を充分に有するかどうか、及び要求された印刷処理が未
使用の熱ドナー媒体１４を用いるために熱受容媒体移動
器１９を動かすかどうかを決めるためにＴＤＭＵマップ
６４を用いる。いったん要求された画像の大きさが知ら
れると制御装置１５はこの情報を要求されるセルの数に
変換し、熱ドナー媒体１４のまだ用いられていない部分
を見つけるマップを介して捜索する。いったん画像が印
刷されると制御装置１５は用いられた熱ドナー媒体１４
に対応するセルを「使用された」状態に変化することに
よりマップを更新する。その様な区域が見いだされない
場合は制御装置１５は熱ドナー媒体１４の未使用のパネ
ルを導入するよう巻き上げ装置１３に信号を送り、上記
マップの全てのセルを「使用されていない」状態にリセ
ットする。

【００１９】印刷処理における幾つかの点で制御装置は
制御装置メモリー５２に含まれるＴＤＭＵマップ６４を
更新する。ＴＤＭＵマップの更新は印刷処理中に不調が
生じた様な場合には実際の印刷の直前になされることが
好ましい。印刷に用いられる熱ドナー媒体１４の区域に
関するＴＤＭＵマップ６４のセルは使用されていない状
態から使用された状態へ変化される。これらのセルの関
係は本発明の特定のアプリケーション及び実施例により
決定される。例えば取引カードのような同じ大きさの画
像が常に印刷されるべきであるような場合のある時点で
セルの大きさは画像の大きさと同じであり印刷された各
画像に対してＴＤＭＵの単一のセルが交替する。他の実
施例ではセルの大きさは単一の印刷された画素の大きさ
及びこの場合には複数のセル状態が印刷された画像に対
して交替される区域に関連する。

【００２０】本発明の１実施例ではオフセット位置は巻
き上げ装置１３及び巻き戻し装置１２の組み合わせによ
り例えば図３の（Ｂ）のＸ₁ のようなオフセット位置の
最初の組により示されたオフセットに熱ドナー媒体を進
めるために制御装置１５により用いられる。第二のオフ
セット位置は熱受容媒体移動器１９を制御装置１５によ
り向けるように用いられる。これらの位置は熱ドナー媒
体から印刷されるべき画像３４が熱ドナー媒体のまだ用
いられていない部分を用いて形成されるようなものであ
る。

【００２１】各リストに関する印刷が完了したのちに制
御装置１５は処理を繰り返すために巻き上げ装置１３に
熱ドナー媒体を熱ドナー媒体パネルの新たな組に進める
よう指示する。開始位置３０のリストは同じ寸法の画像
を示すだけではないことを理解するべきである。それは
印刷されない熱ドナー媒体１４の寸法に対応する印刷さ
れるべき画像の寸法を有する事のみが必要とされる。加
えて本発明は画像寸法の将来のシーケンスが制御器に知
られることも、又は図３の（Ｂ）で示されたシーケンス
を辿ることも必要とされない。

【００２２】制御装置１５は以下で熱ドナー媒体使用マ
ップ又はＴＤＭＵマップ６４と称する熱ドナー媒体１４
の既に使用された領域のマップを維持する。上記のよう
にＴＤＭＵマップ６４は配列内の各要素が熱ドナー媒体
１４の部分に関連する２次元配列である。これは画像を
表現するのに画素を使用するのと類似である。しかしな
がらこの場合に要素はセルが用いられた、即ち各要素の
情報の１ビットが「使用された」又は「使用されていな
い」かどうかを維持する必要があるのみである。それぞ
れのセルは例えば（ｉ、ｊ）のような順序対の係数によ
り標準的な方法で表記されうる。図３の（Ａ）にアプリ
ケーションが印刷された画像が同じ大きさでありえ、印
刷された画像の大きさが複数の画像が熱ドナー媒体１４
の同じ部分から印刷されうるように充分小さいことを仮
定した時のＴＤＭＵマップ６４の１実施例を示す。他の
アプリケーションはセルの大きさがより小さい、例えば
完全な画像の大きさより小さいＴＤＭＵマップ６４を用
いる。制御装置１５は現在の熱ドナー媒体１４が要求さ
れる印刷タスクの印刷と要求される印刷処理が未使用の
熱ドナー媒体１４を用いるために熱受容媒体移動器１９
を動かすことに対して充分な使用されていない区域を有
する場合にＴＤＭＵマップ６４を用いる。いったん要求
された画像の大きさが知られると制御装置１５はこの情
報を要求されたセルの数の式に変換し、熱ドナー媒体１
４のまだ使用されていない部分を探すマップを介して探
す。いったん画像が印刷されると制御装置１５は使用さ
れた熱ドナー媒体１４に対応するセルを「使用された」
状態に変えることによりマップを更新する。そのような
区域が見つからない場合には制御装置１５は巻き上げ装
置１３に熱ドナー媒体１４の使用されていないパネルを
導入させ、上記マップ内の全てのセルを「使用されてい
ない」状態にリセットする。

【００２３】制御装置１５は受容媒体１８の大きさと、
意図された画像の大きさと、例えば左上隅のようなある
画像の位置のオフセットとを知っている必要がある。こ
の情報とＴＤＭＵマップ６４内に含まれる情報とにより
制御装置１５は熱受容媒体移動器１９に対する適切な移
動座標を効率的に決定しうる。例えばインチのような長
さの単位のある標準単位で寸法（ｃｈ，ｃｖ）の熱ドナ
ー媒体の部分に関するＴＤＭＵマップセルと、（Ｔｈ，
Ｔｖ）にある熱受容器上の画像の位置を有する大きさＩ
ｈ ｘ Ｉｖの意図された画像とを与えると（ここで、
符号ＰｈはＩｈ／ｃｈより大きな最小の整数であり、Ｐ
ｖはＩｖ／ｃｖより大きな最小の整数である。）、制御
装置１５はこの対がＴＤＭＵマップの全てのセルが使用
されない状態で（ｉＬ，ｊＬ）、（ｉＬ＋Ｐｈ，ｊ
Ｌ）、（ｉＬ，ｊＬ＋Ｐｖ）、（ｉＬ＋Ｐｈ，ｊＬ＋Ｐ
ｖ）により結合される特性を有するような順序対（ｉ
Ｌ，ｊＬ）を決定するためにＴＤＭＵマップ６４を用い
うる。そして制御装置１５から熱受容媒体移動器１９へ
送られる水平及び垂直移動距離は以下の式で与えられ
る：それぞれ ｉＬ＊ｃｈ＋Ｔｈ 及び ｊＬ＊ｃｖ＋Ｔｖ 制御装置１５をより詳細に参照するに、それは巻き上げ
装置１３への指示と、巻き戻し装置１２への指示と、熱
受容媒体移動器１９の制御と、印刷されるべき画像の関
数である熱パターンを発生する熱ヘッド装置１６の作動
とを含む幾つかの機能を有する。巻き上げ装置１３と、
巻き戻し装置１２と、熱受容媒体移動器１９とは受容媒
体１８が熱ドナー媒体１４の使用されていない区域を用
いて印刷されることを確かにするために協働しなくては
ならない。

【００２４】それぞれの副装置（例えば熱受容媒体移動
器１９）は印刷配置全体の状態をいつでも決定できる制
御器に対する制御装置１５によりポーリングされうる該
装置に適切な状態フラグの組を維持する。その様な状態
インジケータの例は熱ドナー媒体１４の存在を示す巻き
上げ装置１３内のインジケータである。熱ドナー媒体１
４が存在しなければインジケータは負の状態に設定さ
れ、制御装置１５によりポーリングされた時に負の状態
が検知される。次に制御装置１５は熱ドナー媒体１４を
巻き上げ装置１３上に装填する動作によりインジケータ
が正の状態に設定されるまで印刷に進まない。

【００２５】熱ドナー媒体状態メモリー１００として符
号を付けられた区域は制御装置メモリーの部分として含
まれる。図９の（Ａ）乃至（Ｄ）に示されるようにこの
メモリーが熱ドナーパネルの使用をモニターするよう用
いられうる種々の方法がある。このモニター処理はＴＤ
ＭＵマップと連結されているがＴＤＭＵマップがＣＭＹ
パネルの１組の使用をモニターするのに対してこのモニ
ターは図８に示されるようにＴＤＭＵマップ７０のスタ
ックを介して複数のパネルのより高いマネージメントレ
ベルでトラックを保つ点でＴＤＭＵマップの概念とは異
なる。

【００２６】図９の（Ａ）が１つのそのような方法であ
り、これはリストの形を取る熱ドナーパネル使用メモリ
ー１１０からなり、ここでリスト１１２の最初のエント
リーは使用されていない熱ドナー媒体１４の最初のパネ
ルを示す数である。この最初の数に続いて部分的に使用
された熱ドナー媒体１１４がくる。リスト内のそれぞれ
のエントリー１１６はパネルが部分的に使用されている
ことを示す数である。これらのパネルは制御装置メモリ
ー５２を有するＴＤＭＵマップのシーケンスに連結され
る。連結はマップ上の最初のリストはメモリー内の最初
のＴＤＭＵであることを示す。

【００２７】図９の（Ｂ）に図９の（Ａ）に示されてい
る方法と類似の方法が示されている。エントリー１２２
は最初の使用されていないパネルに対するインデックス
であり、１１２と同じ役割を演じる。次のエントリー１
２４はパネルが使い尽くされたかどうかを示す単純な１
ビットフラグである。特にリスト１２６の要素は「使い
尽くされた」状態又は「利用できる」状態に設定され
る。制御装置１５メモリー内のＴＤＭＵマップに対する
順序は例えば「利用できる」状態を有する第三のパネル
が第三のＴＤＭＵマップであるように「利用できる」状
態の位置と同じに並べられている。

【００２８】図９の（Ｃ）は更に他の方法を示し、ここ
では２つのリストがある。第一のリスト１３２は使い尽
くされたパネルのマップである。エントリー１３４はパ
ネルが使い尽くされたかどうかを示す２進数のフラグで
ある。第二のリスト１３６は用いられたドナーを有する
パネルのマップである。エントリー１３８は関連するパ
ネルが使用されたかどうかを示す。これら２つのリスト
の組み合わせは図９の（Ａ）、（Ｂ）に示される方法と
同じ情報を検索する。

【００２９】図９の（Ｄ）はＴＤＭＵマップのスタック
にアクセスするより柔軟な手段に関する。上記方法は全
てＴＤＭＵマップスタックはリストと同じ順序であると
仮定している。しかしながら熱ドナー媒体１４は用いら
れるのでパネルが使い尽くされる順序は幾分ランダムで
ある。上記手段はＴＤＭＵマップのスタックはそれの統
一性を保つようコピーされるデータにより更新されるこ
とを必要とする。しかしながら同じ機能性は関心のある
動作パネルに対するＴＤＭＵマップに関する開始メモリ
ー位置１４２に対するポインタ１４０のリストにより達
成されうる。

【００３０】制御装置１５はポーリングにより全ての副
装置の状態表示器を常にモニターし、ポーリングから受
けた応答により印刷装置の動作と発生することが予測で
きる印刷シーケンス内の点とを決める。図１０にこの処
理のために制御装置１５により用いられる制御回路を示
す。この制御装置１５は印刷装置の状態を維持し、シー
ケンスと全てのイベントのタイミングとを決める。新た
な画像が印刷されるべきときに、制御器は熱受容媒体プ
ラテン(platen)移動装置９０内に挿入される受容媒体１
８の部分に信号を送る。制御装置１５は８１又は８２の
どちらかの受容媒体トレーとして用いられる受容器格納
装置８０に信号を送る。単一のトレーを有するこれらの
実施例では上記段階は不要であり、無視しうる。受容器
格納装置はユニット内に適切な媒体が存在する場合には
「受容器存在信号」を正に設定する。それから制御装置
１５は格納ユニットから受容媒体の１つを取り、印刷プ
ラテン上に受容媒体を装填するよう受容器装填装置８３
に信号を送る。このタスクがうまく完了すると、受容器
装填装置８３は「受容器準備」状態を正に設定する。受
容媒体１８が挿入されるべき間に制御装置１５はＴＤＭ
Ｕマップ６４から必要とされる熱ドナー媒体移動ユニッ
ト及び入力ポート８５を介して画像と共に入来する画像
記述子（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ）情報を決める。それか
ら制御装置１５は熱受容媒体移動器１９に移動値を転送
する。いったん熱受容媒体移動器１９が要求された移動
を完了するとそれはそれの状態を「うまく移動した」に
設定する。制御装置は熱ドナー媒体の未使用のパネル又
は部分的に用いられたパネルのどちらかに熱ドナー媒体
を巻き上げるため熱巻き戻し装置１２と巻き上げ装置１
３の両方を熱ドナー媒体１４を位置決めするよう指示す
る。いったんこれが完了すると巻き上げ装置１３及び巻
き戻し装置１２は「ドナー位置」を成功として信号を送
る。巻き上げ装置及び巻き戻し装置は熱ドナー媒体が存
在するかどうかをまた検知し、ドナーの存在が検知され
るまでは「ドナー位置」を成功として信号を送らない。
制御装置は熱ヘッド制御器８７に対して印刷タスクを準
備し適切な運転温度に熱ヘッド８９を温めるようまた指
示する。いったんこの状態が達成されると熱ヘッド制御
器８７は「印刷準備」状態に戻る。

【００３１】図１０の他の副装置は熱印刷機に共通し、
本発明の一部ではなく、完結性のために含まれる。受容
器インクリメント装置９１、画像信号処理器８８、画像
データメモリー５６は全ての範疇に入る。しかしながら
これらの部品は熱印刷装置の適切な動作のために重要な
ものである。熱ヘッド装置１６が画像を印刷するのを完
了し、熱ドナー媒体が巻き上げられるか又は熱ドナー媒
体の未使用の部分に進められるかしたのちに熱ヘッド装
置は使用されていない熱ドナー媒体に近接した熱ヘッド
装置の影響を最小限にして制御するよう最初の開始位置
に再位置決めされなければならない。これは熱ヘッドの
残りのヘッドが熱ドナー媒体１４を劣化させないように
するために必要とされる。

【００３２】本発明の他の実施例は複数の熱ドナー媒体
１４の大きさを受容する印刷機を提供する。この場合に
は制御装置１５は印刷機内にそのときに装填された熱ド
ナー媒体１４の大きさを決めるために巻き上げ装置１３
及び／又は巻き戻し装置１２をポーリングする付加的な
タスクを有する。代替的に使用者は熱ドナー媒体１４の
大きさを選択してもよい。このどちらの場合でも、制御
装置１５は熱ドナー媒体１４の用いられていない部分を
あらかじめ配置する方法の部分として熱ドナー媒体１４
の大きさを含まねばならない。

【００３３】制御装置１５は印刷装置の状態を維持し、
全てのイベントのシーケンスとタイミングを決める。新
たな画像が印刷されるべき時に制御器は１つの受容媒体
１８が熱受容媒体移動器１９内に挿入されるべきという
信号を送る。制御装置１５は熱受容媒体移動器１９から
受容媒体１８が熱受容媒体移動器１９内にうまく挿入さ
れたことを示す信号が戻るのを待つ。受容媒体１８が挿
入される一方で制御装置１５は巻き上げ装置１２及び巻
き戻し装置１３の両方が熱ドナー媒体１４を位置決めす
るよう指示する。

【００３４】システム始動において制御装置１５は受容
媒体１８が利用可能かどうか、熱ドナー媒体１４はある
かどうか、熱ヘッド装置１６は印刷をなすよう適切に位
置されるかどうかというような多数の項目をチェックす
る。制御装置１５は熱ドナー媒体１４が装填されている
という信号を送られた場合には制御装置１５は巻き上げ
装置に熱ドナー媒体の新たなＣＭＹパネルが使用可能な
ように準備されるまでスプールを巻き上げるよう信号を
送る。制御装置１５は熱ドナー媒体１４のその状態を印
刷されるべき第一の画像に対して設定し、画像データが
印刷システム内にロードされている状態が正になるよう
に設定されるまで巻き上げ装置１３及び巻き戻し装置１
２をポーリングする。いったん信号が受容されると制御
装置１５は新たな受容媒体１８を熱受容媒体移動器１９
内に挿入するように熱受容サプライに信号を送り、処理
が完了したという信号が戻る。それから制御装置１５は
好ましくは絶対座標であるが、相対又は絶対座標位置の
どちらかにより受容媒体１８を位置決めするよう熱受容
媒体移動器１９に信号を送る。制御装置１５は移動がう
まく完了したという信号を待つ。いったん移動成功信号
が受容されると次に制御装置１５は熱ヘッド装置１６が
受容媒体１８上で通常の方法で画像を印刷するよう動作
させる。制御装置１５は熱印刷装置の状態が画像がうま
く印刷されたことを示すまで待つ。この信号の受容によ
り制御装置１５は熱受容媒体移動器１９からの受容媒体
１８の排出のために信号を送る。これが生じている間に
制御装置１５は印刷された最後の画像はＣＭＹパネルか
ら印刷された画像のシーケンスを完了したかどうかを決
めるため状態装置をチェックする。ＣＭＹパネルが完全
に使用されてしまった場合には制御装置１５は巻き上げ
装置１３が新たなＣＭＹパネルが用いられるよう準備さ
れるまでスプールを巻き上げるよう信号を送る。ＣＭＹ
パネルが完全には使用されていない場合にはスプールが
画像印刷がちょうど完了する前に配置された位置に熱ド
ナー媒体１４を巻き戻すよう巻き戻し装置に信号を送ら
れる。それから制御装置１５は画像カウンタをインクリ
メントし、熱受容媒体移動器１９に送られるべき次の座
標の組にポインタを動かすことにより画像状態を更新す
る。

【００３５】熱ヘッド装置１６が画像の印刷を完了し、
熱ドナー媒体１４が巻き戻されたか又は熱ドナー媒体１
４の使用されていない部分に進められた後に熱ヘッド装
置１６は使用されていない熱ドナー媒体１４のいずれへ
の近接も最小にし、影響を制御するように最初の開始位
置に再位置決めされなければならない。これは熱ヘッド
装置１６内の残余の熱が熱ドナー媒体１４の劣化を引き
起こすために必要である。

【００３６】本発明の他の配置は複数の大きさの熱ドナ
ー媒体１４を受容する印刷機を配置する。この配置の場
合には制御装置１５は印刷機内にそのときに装填された
熱ドナー媒体１４の大きさを決めるために巻き上げ装置
１３及び／又は巻き戻し装置１２をポーリングする付加
的なタスクを有する。代替的に使用者は熱ドナー媒体１
４の大きさを選択してもよい。このどちらの場合でも、
制御装置１５は熱ドナー媒体１４の用いられていない部
分をあらかじめ配置する方法の部分として熱ドナー媒体
１４の大きさを含まねばならない。

【００３７】本発明の実施例は印刷されるべき画像の大
きさは印刷するよう要求される前には未知であるが、熱
ドナー媒体の効率的な使用を許容する。この場合にはＴ
ＤＭＵマップ６４内のセルに関連した熱ドナー媒体１４
の領域の大きさは制御装置１５がどのくらい詳細に熱受
容媒体移動器１９を使用されない熱ドナー媒体１４に割
り当てられるかに直接関係する。この場合にＴＤＭＵマ
ップセルにより表された区域は制御装置１５が熱ドナー
媒体１４を効率的に使用するために充分小さい。このよ
うな領域が見いだせなければ制御器信号は巻き上げ装置
１３が新たなパネルを導入するために信号を送り、上記
マップ内の全てのセルを「使用されていない」状態にリ
セットする。

【００３８】更に他の実施例は制御装置１５が幾つかの
画像ペンディング要求を認識しており、熱ドナー媒体１
４の効率的な使用を決める。これは制御装置１５がＴＤ
ＭＵマップ６４を上記のように維持することを要求する
が、付加的には制御装置１５は効率的に位置及び印刷順
序をきめる。これは針子が布地を効率的に使用する処理
と類似である。印刷の順序は熱ドナー媒体１４の大きな
部分を使用する印刷要求が未使用のＣＭＹパネルを要求
する場合で変化しうるが、より後の印刷要求は現在の部
分的に用いられた熱ドナー媒体１４に適合されうる。制
御装置１５は新たな順序を決め、印刷待ち行列（ｑｕｅ
ｕｅ）がより効率的な順序になるよう再配置する。

【００３９】本発明の更に他の実施例では複数の受容媒
体１８の大きさが処理されうる。この実施例では制御装
置１５は受容媒体１８の大きさを確認するために熱ドナ
ーサプライをポーリングする。いったん制御装置１５が
この情報を有するとそれは熱受容媒体移動器１９の行程
制限を媒体の検知された大きさを収容するように再調整
する必要がある。

【００４０】種々の大きさの画像の場合には制御器は画
像及び画像の印刷に対して用いられるべき熱ドナー媒体
１４の区域を決める付加的な目的を有する。その様な区
域が以前に用いたＣＭＹパネル上に存在しない場合には
制御装置１５は巻き上げ装置が熱ドナー媒体１４の未使
用の部分に動くように指示する。本発明の好ましい実施
例と考えられるものを説明した一方で本発明の本質的な
精神から離れずに多くの変更及び改良がなされうる。故
に請求項では本発明の真の視野内にあるようにそれらの
変更及び改良全てにわたることが意図されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】多数の転写色素のパネルを含む熱ドナー媒体の
リボンの１区域を示す図である。

【図２】ロール化された熱媒体を処理するための本発明
の好ましい装置の実施例を示す図である。

【図３】（Ａ）は熱ドナー媒体の単一の転写パネルから
印刷されるべき複数の画像に対する開始位置を示す図で
あり、（Ｂ）はｘ，ｙ座標の形で（Ａ）の画像に対する
開始位置を含む表を示す。

【図４】それぞれの転写色素のパネルに対して配置され
た複数のカラー成分画像を有する図１の熱ドナー媒体の
細片を示す図である。

【図５】マイクロプロセッサ内の熱ドナー使用マップの
配列の例を示す図である。

【図６】部分的に用いられた区域は明るく、用いられな
かった区域は暗く表示された図１の熱ドナー媒体の細片
を示す図である。

【図７】（Ａ）は熱ドナー媒体のパネルの用いられた及
び用いられなかった区域を示す図であり、（Ｂ）は
（Ａ）の熱ドナー媒体の用いられた及び用いられなかっ
た区域に対応するメモリービットマップを示す。

【図８】熱ドナー材料の複数のパネルを表すメモリービ
ットマップ表示を示す斜視図である。

【図９】（Ａ）乃至（Ｄ）は熱ドナー材料の区域の利用
可能性を示すために多数のビットストリームの変形例を
示す図である。

【図１０】本発明の好ましい装置の実施例を形成する概
略ブロック図を示す。

【符号の説明】

１０、１１ スプール １２ 巻き戻し装置 １３ 巻き上げ装置 １４ 熱ドナー媒体 １５ 制御装置 １６ 熱ヘッド装置 １７ 受容媒体格納トレー １８ 受容媒体 １９ 熱受容媒体移動器 ２０ 受容媒体用のｂｉｎ ２２、２４、２６ 熱転写色素 ２９ 参照マーク ３０ 開始位置 ３２ 受容媒体 ３４ 画像 ５２ 制御装置メモリー ５３ 熱ドナー媒体使用メモリー ５４ 印刷機サブシステム ５５ 処理器タスクデータ ５６ 画像データメモリー ６０、６２ 明るい区域と暗い区域 ６４、７０ ＴＤＭＵマップ ６６、６８ マップセル ８０ 受容器格納装置 ８１ 受容媒体格納トレー１ ８２ 受容媒体格納トレー２ ８３ 受容器装填装置 ８５ 入力ポート ８７ 熱ヘッド制御器 ８８ 画像信号処理器 ８９ 熱ヘッド ９０ 熱受容媒体プラテン移動器装置 ９１ 受容器インクリメント装置 １００ 熱ドナー媒体状態メモリー １１０ 熱ドナーパネル使用メモリー １１２、１２６、１３２、１３６ リスト １１４ 熱ドナーパネル １１６ それぞれのエントリー １２２、１２４、１３４、１３８ エントリー １４０ ポインタ １４２ 開始メモリー位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−61061（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−126574（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−286195（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−155124（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−16256（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41M 5/38 - 5/40 B41J 2/325 B41J 17/12 B41J 35/10

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単一の転写パネルが多数の受容媒体のそ
   れぞれに対して排他的にドナーの区域を提供しうるよう
   にそれぞれが多数の受容媒体の全体の区域より大きな転
   写区域を有する複数の転写パネルを有する熱ドナー媒体
   を位置決めする方法であって、 熱ドナー媒体の転写パネルの転写区域を決め； 多数の受容媒体のそれぞれの区域を決め； 熱ドナー媒体の転写区域の個々の部分を受容媒体のそれ
   ぞれで識別し； それぞれの転写区域をそれの識別された受容媒体で位置
   決めし、ドナー転写を行なう各段階からなり、 該熱ドナー媒体に関して該受容媒体を該熱ドナー媒体の
   該位置決め方向に対して垂直方向に位置決めする段階を
   さらに含む 方法。
2. 【請求項２】 画像の表示を受容し、該表示を受容体上
   に画像を形成するよう熱ドナー媒体のロールから熱色素
   受容体へ色素を転写させ、ここで熱ドナー媒体のロール
   はそれぞれの新たな転写に対する位置に進まされる対応
   する熱パターンに変換する熱印刷配置を含む型の熱印刷
   装置であって： 熱ドナー媒体のロールを熱印刷配置上で前進又は後退の
   いずれかに制御して動かす手段と； 熱ドナー媒体の使用されていない部分を決める手段と； 熱ドナー媒体ロールを前進又は後退のいずれかに駆動す
   ることによって、熱ドナー媒体の使用されていない部分
   を色素が熱色素受容体へ転写する熱印刷配置に位置決め
   する手段とからなり、 熱受容媒体を熱ドナー媒体ロールの前後の動きに垂直な
   方向に位置決めする手段 を更に含む 熱印刷装置。