JP2955365B2 - 溶解試験装置 - Google Patents

溶解試験装置

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JP2955365B2
JP2955365B2 JP7522341A JP52234195A JP2955365B2 JP 2955365 B2 JP2955365 B2 JP 2955365B2 JP 7522341 A JP7522341 A JP 7522341A JP 52234195 A JP52234195 A JP 52234195A JP 2955365 B2 JP2955365 B2 JP 2955365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は溶解試験の分野に関するものであり、さらに
詳しく云えば固形、半固形あるいは経皮吸収(transder
mal)剤形の薬剤の溶解試験を行う装置に関する。
関連技術の説明 溶解試験およびこのような試験を行う装置は従来から
知られている。米国特許第4,279,860号(スモーレン(S
molen)氏)、および米国特許第4,335,438号(スモーレ
ン(Smolen)氏)の各明細書には溶解試験の技術につい
て記載されている。一般に溶解試験は溶液中の物質の溶
解速度を決定するために使用される。例えば、この溶解
試験は人体内での消化をシミュレートするために特定の
試験溶液中で剤形の薬剤の溶解速度を決定するために使
用される。このような溶解試験装置についての必要な要
件はアメリカ薬局方(USP)、XXII版、711節、溶解(di
ssolution)、(1990)で規定されている。
従来の溶解試験装置は試験溶液が収容される1あるい
はそれ以上の容器を具備している。溶解試験装置の従来
の構成は、各試験容器毎に一端に円筒状のかご(baske
t)を具えた金属製シャフトからなるかご形攪拌素子を
有している。溶解すべき投薬量の薬剤(dosage)を上記
かごに入れたのち、攪拌素子を容器の中心近くの試験溶
液中に降下させ、指定された期間中所定の速度で回転さ
せる(通常、毎分当たりの回転数(RPM)で測定され
る)。試験溶液のサンプルを周期的に容器から取出し、
投薬量の薬剤の溶解度を時間の関数として測定する。
他の構成をもった従来の溶解試験装置では、端部に金
属製の羽根(blade)をもった金属製シャフトからなる
パドル(paddle)形の攪拌素子を有している。この形式
の装置を使って溶解試験を行う場合は、攪拌素子を容器
の底部に投薬量の薬剤を含む試験溶液中で回転させる。
従来のいずれの構成においても、試験容器を水槽中に
配置して試験溶液の温度を必要なレベル(例えば37℃)
に維持する。通常、水槽の温度は、この水槽と外部のポ
ンプ/ヒーターとの間で水を連続的に循環させる上記外
部ポンプ/ヒーターによって制御される。1つの試験容
器内の試験溶液の温度は、この試験溶液に温度計を挿入
して直接測定してもよいし、水槽自体内あるいは水のポ
ンプ/ヒーター内のいずれかで水槽の温度を測定するこ
とによって間接的に測定してもよい。実際の溶解試験処
理中は試験溶液の温度を直接測定することはできない。
従って、試験処理中は間接温度測定のみが可能である。
従来の溶解試験装置には幾つかの問題がある。上記の
ように、従来の装置は試験処理中は試験溶液の温度の直
接測定を行うことができない。また、溶解試験装置のす
べての試験容器は同じ水槽内に配置されるから、特定の
試験処理用のすべての溶液の温度は同じである。さら
に、水槽には漏水、蒸発、藻の成長等に関する問題もあ
る。そのため、水槽を定期的に空にして清掃し、再び水
で満たさなければならない。その上、従来の水槽溶解試
験装置を使用して試験溶液を加熱するのに要する時間は
一般に30分乃至45分と長い。
文献EP−A−0,278,374には経口投与用の薬剤製品の
溶解度を調査するための装置が開示されている。この装
置は各々がプローブを受入れる複数の試験容器と攪拌素
子とを含んでおり、すべての試験容器は同じ温度を有し
ている。温度は共通の水槽によって必要なレベルに制御
される。
米国特許第4,754,675号記載の発明は、特に単一の加
熱されたプローブチャンバからなる薬剤サンプル用の分
解試験装置に関するものである。チャンバは、その壁に
配列された加熱手段によって加熱される。
加熱素子と温度調節素子の双方を受入れる中空のシャ
フトを具えたミキサは米国特許第3,109,913号から公知
である。
本発明の目的は、従来の装置に付帯する問題を解消ま
たは低減した改良された溶解試験装置を提供することに
ある。
この目的は請求の範囲1の特徴からなる同時溶解試験
用装置によって解決される。本発明の有利な実施例は請
求の範囲の各従属項で特定されている。
従って、本発明の特定の目的は従来技術の不都合な点
あるいは欠点を解消し、溶解試験用の改良された装置を
提供することにある。
本発明の他の特定の目的は1あるいはそれ以上の試験
容器中の試験溶液の温度を制御するために水槽に頼らな
い溶解試験装置を提供することにある。
本発明のさらに他の特定の目的は実際の溶解試験処理
中に試験溶液の温度を直接測定すると共にUSP溶解試験
規格にも適合する溶解試験装置を提供することにある。
本発明のさらに他の特定の目的は試験溶液を溶解試験
に必要なレベルにまで加熱するのに要する時間を短縮す
ることができる溶解試験装置を提供することにある。
本発明の他の目的、利点は以下の本発明の好ましい実
施例に関する詳細な説明によって明らかになる。
本発明の概要 本発明は、試験容器内の試験溶液中の物質の溶解試験
用装置に関するものである。好ましい実施例によれば、
本発明の装置は、(a)試験溶液を攪拌するための攪拌
素子と、(b)試験溶液を加熱するために試験容器の周
囲を取り囲んで配置された加熱素子と、(c)試験溶液
の温度を制御するために加熱素子を制御するための制御
装置と、を含んでいる。
本発明の他の好ましい実施例によれば、この装置は試
験溶液を攪拌する攪拌素子素子を含み、この攪拌素子は
(1)中空の攪拌構体と、(2)中空の攪拌構体内に配
置されていて試験溶液の温度を表わす信号を発生する温
度センサと、を具備している。
本発明のさらに他の好ましい実施例によれば、この装
置は(a)反射性の表面を有する試験容器内に試験溶液
と物質とを収容する上記試験容器と、(b)試験溶液を
攪拌するための攪拌素子と、を具備している。
本発明のさらに他の好ましい実施例によれば、この装
置は試験溶液を攪拌するための攪拌素子を含み、この攪
拌素子は(1)シャフトと、(2)このシャフトに取外
し可能に結合されるように適合された攪拌素子アタッチ
メントと、を具備している。
本発明のさらに他の好ましい実施例によれば、この装
置は(a)試験溶液を攪拌するための攪拌素子と、
(b)試験容器を受入れ、支持するための少なくとも1
個の開口を有する保持板と、を具備している。保持板は
試験容器を攪拌素子に関して整列させるための複数の整
列固定装置を含んでいる。
本発明は、また、複数の試験容器内にある複数の試験
溶液中の複数の物質の溶解試験用の装置でもある。各試
験容器に対して、この発明の装置は、好ましくは試験溶
液を攪拌するための攪拌素子と、試験溶液を加熱するた
めに試験容器の周囲に配置された加熱素子と、試験容器
の周囲の適所に加熱素子を保持するために該加熱素子を
囲むヒータージャケットと、制御装置と、を具備してい
る。各攪拌素子は(1)中空シャフトと、(2)該中空
シャフトに取外し可能に結合されるように適合された攪
拌アタッチメントであって、羽根形アタッチメントとか
ご形アタッチメントの一方である攪拌素子アタッチメン
トと、(3)上記中空シャフト内に配置されていて、該
中空シャフトが試験溶液内に挿入されたとき試験溶液の
温度を表わす信号を発生する温度センサーと、(4)攪
拌素子が試験溶液を攪拌している間、上記温度センサー
からの信号を伝送する信号伝送装置と、からなる。制御
装置は各加熱素子を制御して、各温度センサーからの信
号に従って各試験溶液の温度を制御する。ヒータージャ
ケットおよび加熱素子は、攪拌素子が試験容器中に挿入
されたとき試験容器の前面を通して攪拌素子を観察でき
るように構成されている。ヒータージャケットおよび加
熱素子は、また加熱素子の外面とヒータージャケットの
内面との間に間隙が形成されるように構成されている。
加熱素子は異なる定格電力をもった2つの加熱領域をも
っている。
本発明は、試験溶液内の物質の溶解試験を行うための
装置と共に使用するための好ましい試験容器を使用し、
この試験容器は反射性の表面を含んでいる。
図面の簡単な説明 本発明の他の目的、特徴、利点については次の好まし
い実施例の詳細な説明、請求の範囲、添付の図面によっ
てさらに明確にする。
図1は本発明の好ましい実施例による溶解試験装置の
斜視図である。
図2は図1の装置の試験容器の正面図である。
図3はヒーター構体が設けられた図1の装置の試験容
器の正面図である。
図4は試験容器上に加熱素子を保持するためのヒータ
ージャケットの他の好ましい構成を具えた試験容器の正
面図である。
図5は加熱素子が試験容器の周囲に巻き付けられる前
の図3および図4の試験容器の加熱素子の平面図であ
る。
図6は図1の装置のパドル形攪拌素子の一部を切り取
って示した分解組立て正面図である。
図7は図1の装置のかご形攪拌素子の一部を切り取っ
て示した分解組立て正面図である。
図8および図9は、それぞれ溶解試験用の試験容器内
に配置された図6および図7の組み込まれたパドル形攪
拌素子およびかご形攪拌素子を示す図である。
図10はパドル形攪拌素子が設けられた図1の装置を使
用した代表的な溶解試験用の処理の流れを示す図であ
る。
図11はかご形攪拌素子が設けられた図1の装置を使用
した代表的な溶解試験用の処理の流れを示す図である。
図12は図1の装置の制御装置の回路ブロック図であ
る。
図13は図1の試験容器保持板の平面図である。
好ましい実施例の説明 本発明は複数の試験容器と複数の攪拌素子とを具えた
溶解試験装置に関するものである。溶解試験のために試
験容器内に収容された溶液の温度は温度制御システムに
より個々に制御される。温度制御システムは制御装置
と、試験溶液を加熱するための各試験容器用の加熱素子
と、試験溶液の温度を測定するための各試験容器用の温
度センサーとを含んでいる。好ましい実施例では、加熱
素子は試験容器の周囲を取り巻いて配置されており、温
度センサーは攪拌素子の中空のシャフト内に配置されて
いる。さらに、試験容器は好ましくは反射性の表面を有
しており、攪拌素子は羽根形アタッチメントとかご形ア
タッチメントのような交換可能なアタッチメントを有し
ている。
図1を参照すると、これには本発明の好ましい実施例
による溶解試験装置100が示されており、該溶解試験装
置100は6個の試験容器102と6個の対応する攪拌素子10
4とを有している。7番目の試験容器106を溶解試験中非
攪拌制御容器として使用することもできる。装置100
は、7番目の試験容器106に対応する7番目の攪拌素子
を具えた装置100を構成するために随意に使用できるポ
ート108を有している。容器102、106は試験容器保持板1
18内の適所に保持されている。図1に示すように、攪拌
素子104はパドル形攪拌素子として構成されている。
溶解試験装置100は、また、溶解試験の開始時に試験
容器102内に攪拌素子104を低下させ、溶解試験中上記攪
拌素子をそれらの各シャフトの軸を中心として回転さ
せ、また溶解試験の終了時に攪拌素子104を試験容器102
から引き上げる駆動装置110を有している。このような
駆動装置は溶解試験の分野では公知である。
装置100の動作は制御装置112によって制御される。LC
D表示装置114は好ましくは、それぞれが各試験容器102
に対応する7個の情報表示領域を有し、これらは試験容
器のそのときの温度、あるいは試験容器を加熱するため
に使用されるそのときの電力をワットで表示するために
使用される。LED表示装置116は、次に示す(1)試験容
器の平均温度、(2)そのときの攪拌速度(RPM)、
(3)溶解試験の経過時間、(4)次の溶解サンプリン
グ時間に関する情報を同時に表示させるために使用され
る4個の情報表示領域をもっていることが望ましい。
図2には本発明の好ましい実施例による試験容器102
の正面図が示されている。試験容器102は、50ミリリッ
トルから4リットルの範囲で容量を変えることができ
る。好ましい寸法は適当なUSP規格によって指示されて
いる。
試験容器102は円筒状部分202と、半球形部分204と、
フランジ206とを有している。フランジ206の外径(OD)
は円筒状部分202のODより大であることが望ましい。半
球形部分204は、試験容器102から熱が流れるのを防止す
る反射性表面をもった試験容器102を形成するために、
これに限定されるものではないが鏡面コーティングのよ
うな反射性コーティングを有していることが望ましい。
当業者には明らかなように、このような反射性表面を設
ける目的は、試験容器からの熱損失を低減して試験溶液
のウオームアップ特性ならびに温度特性を改善すること
により、試験溶液を所定の温度にするのに要する時間を
短縮することにある。
図3を参照すると、これにはヒーター構体が設けられ
た図1の装置100の試験容器102の正面図が示されてい
る。本願発明によれば、試験容器102にはスプリングで
装着されたステンレススチール製のヒータージャケット
304によって適所に保持された加熱素子302で覆われてい
る。加熱素子302とヒータージャケット304の構成は、試
験期間中試験用試料と攪拌素子104とを観察することが
できるようにポートすなわち開口306が設けられている
ことが望ましい。ヒータージャケット304は加熱素子302
を覆っているので、図3で見えている加熱素子302の部
分のみが試験容器102の背後を取り巻いており、開口306
を通して見ることができる部分である。別の好ましい実
施例では、ヒータージャケットは試験容器102の底を覆
っており、ヒータージャケットの底部の内面は反射性に
なっている。
ヒータージャケット304は加熱素子302の外面とヒータ
ージャケット304の内面との間に間隙が形成されるよう
に設計されている。この間隙を設けることによりより正
確に温度を制御することができる。加熱素子302は図1
の制御装置112によって配線308を経て給電され且つ制御
される。
図4を参照すると、これには試験容器102上に加熱素
子302を保持するために使用されるヒータージャケット4
02の他の好ましい構成をもった試験容器102が示されて
いる。ヒータージャケット402は加熱素子302の外縁上に
境界部を形成するスプリングにより装着されたステンレ
ススチール製の開口フレームである。この実施例では、
加熱素子302の外側表面の殆どが覆われていなくて大気
に露出しており、正確な温度制御が可能である。
図5を参照すると、これには本発明の好ましい実施例
による加熱素子が試験容器を覆って装着される前の図3
および図4の加熱素子302の平面図が示されている。加
熱素子302はエッチングされた箔(foil)状のシリコー
ン(silicone)ゴムバンドヒーターのような可撓性の抵
抗加熱素子である。加熱素子302はシリコーンの面とガ
ラス繊維の支持面とを有している。加熱素子302を試験
容器102の周囲に容易に装着できるように、摩擦の大き
いシリコーン面ではなく摩擦の小さいガラス繊維面が試
験容器に対面している。
図5に示すように、加熱素子302は100ワット領域502
と200ワット領域504とからなる異なる定格電力の2つの
加熱領域をもっている。この加熱素子302を試験容器102
を取り巻くように装着すると、図5に示したように100
ワット領域502は試験容器102の頂部に近くなり、200ワ
ット領域504は試験容器102の底部に近くなる。加熱領域
502および504は図1の制御装置112によって配線308を介
して給電される。
加熱領域502および504を異なる電圧、例えば115ボル
トあるいは230ボルトで給電するように構成することも
できる。制御装置112は加熱素子302を0乃至300ワット
の種々の電力レベルで給電できるものであることが望ま
しい。さらに200ワット領域504は熱暴走シナリオを防止
するために例えば華氏約180°(摂氏約82°)の指定の
温度限界で遮断(トリップ)する温度ヒューズ506をも
っている。
加熱素子302の他の好ましい実施例では、制御装置は
領域502には0乃至約100ワット、領域504には0乃至200
ワットの可変電力レベルで上記の各領域を個々に給電で
きるものであることが望ましい。当業者には明らかなよ
うに、このような実施例では、例えば1リットルの試験
容器102に500ミリリットルの試験溶液が収容されている
場合は、試験溶液の温度を制御するために100ワットの
領域502に給電する必要はない。
加熱素子302の別の実施例も本発明の範囲内にあるこ
とは当業者には明らかである。例えば、加熱素子をシリ
コーンの代わりにデラウエア州 ウイルミントンにある
イー・アイ デュポン ド ヌムール(E.I. Dupont de
Nemours)製のカプトン(商品名:Kapton)のような別
の材料で構成してもよい。さらに、加熱領域502および5
04はそれぞれ100ワット、200ワット以外の定格電力をも
つものでもよい。一般に、加熱素子302は試験容器102中
の試験溶液を加熱する任意の装置でよく、例えば加熱素
子302は抵抗ヒーターのような埋込みヒーターを有する
例えばアルミニュームブロックのような金属ブロックか
らなるものでよい。特に加熱素子302は、液槽内に試験
容器を浸すことによって試験容器内の試験溶液を加熱す
る水槽(あるいは他の液槽)ではない。加熱素子302の
目的は溶解試験装置で水槽を不要にすることにある。
図6を参照すると、これには図1の装置100のパドル
形攪拌素子104の一部を切り取った分解組立て図が示さ
れている。パドル形攪拌素子104は中空のシャフト602、
羽根604、温度センサ606および信号伝送装置608からな
る。シャフト602と羽根604は、これらが漏れ防止シール
を形成してに取外し可能に結合されるように適当にネジ
が切られている。好ましい実施例ではOリングシール
(図示せず)が使用されるが、他の形式のシールも選択
的に使用することができる。温度センサ606は中空シャ
フト602の底部近くに配置されており、シャフト602の内
面と物理的、熱的に接触していることが望ましい。温度
センサ606への給電、温度センサ606からの信号はケーブ
ル610に沿って伝送される。ケーブル610は信号伝送装置
608に電気的に結合されており、該信号伝送装置608はケ
ーブル610とケーブル612との間で電力と信号の伝送を行
う。ケーブル612については、攪拌素子104がシャフトの
軸614を中心として回転するとき、信号転送装置608が電
力と信号を伝送することは当業者には明らかである。ケ
ーブル612は図3の試験容器102の加熱素子302へ供給さ
れる電力を制御する同じ制御装置112に接続されてい
る。
図7を参照すると、これには本発明の好ましい実施例
によるかご形攪拌素子700の一部を切り取った分解組立
て図が示されている。当業者には明らかなように、溶解
試験は図6のパドル形攪拌素子104の代わりにかご形攪
拌素子700を使用して行われる。かご形攪拌素子700は、
図6の羽根604がかご702に置換されていることを除けば
パドル形攪拌素子104と同一であることが望ましい。か
ご702は羽根604と同様に中空シャフト602に取外し可能
に結合されるようにネジで結合される。その結果、羽根
604とかご702は共通のシャフト602に交換可能なアタッ
チメントとなっている。
図1の装置100の各攪拌素子104は、羽根あるいはかご
の適当なアタッチメントを取付けることにより、パドル
形攪拌素子あるいはかご形攪拌素子のいずれかとして溶
解試験を行うように個々に構成することができる。図8
および図9は溶解試験を行うためにそれぞれの試験容器
内に配置された組み立てられたパドル形攪拌素子および
かご形攪拌素子を示す。
図2の試験容器102、図6のシャフト602および羽根60
4、図7のかご702の各寸法、形状、材質は適当なUSP規
格に適合するように選択されることが望ましい。同様
に、これらの各素子の他の好ましい実施例もUSP規格に
よって許容されるものである。
温度センサ606は温度を表わす信号を発生する適当な
いずれの装置でもよく、好ましくは抵抗性温度検出器
(RTD)である。他の好ましい実施例では温度センサ606
は熱電対あるいはサーミスタ装置のような他の装置でも
よいことは云うまでもない。
信号伝送装置608は、例えばカリフォルニア州 カー
ルスバードにあるマーコタック インコーポレーテッド
(Mercotac Inc.)から発売されている水銀回転電気接
続器、あるいはニュージャージー州 ベイオウンにある
エアーフライト エレクトロニックス カンパニー(Ai
rflyte Electronics Company)から発売されているスリ
ップリング構体のような回転装置へあるいは回転装置か
ら電気エネルギを転送する適当な任意の装置が使用され
る。
本発明の攪拌素子の他の好ましい実施例では、各攪拌
素子は内側に静止プローブを有する中空シャフトからな
っている。この他の実施例では、試験溶液を攪拌するた
めにシャフトが回転するときプローブは回転しない。こ
の他の実施例にはスリップリング構体のようなエネルギ
伝送装置を必要としないことは当業者には明らかであ
る。このため、この実施例によればコストやスリップリ
ング構体の潜在的寿命に関連するすべての可能性のある
欠点を除くことができる。
図13を参照すると、これには本発明の好ましい実施例
による図1の装置100の試験容器保持板118の平面図が示
されている。保持板118には各試験容器毎に1個づつ合
計7個の開口1302が形成されている。各開口1302には、
好ましくは約120°の間隔で開口の周辺に3個の整列用
固定装置1304が設けられている。各整列用固定装置1304
は開口あるいは開口のすぐ上の領域に向かって伸びる2
個の整列用アーム1306を具備している。整列用アーム13
06はPVCプラスチックのような半剛性の材料で作られて
いる。
保持板118は、(1)試験容器の重量支持、(2)攪
拌素子104の下に試験容器を整列させる、の少なくとも
2つの機能を有するものである。試験容器のフランジ20
6は整列用固定装置1304の頂部に載置され、それによっ
て試験容器の重量を支持している。開口1302の3個の整
列用固定装置1304の6個の中心合わせアームのすべてが
試験容器の筒状部分202の外径(OD)と接触しているこ
とが望ましい。中心合わせアーム1306は共同して試験容
器に対してこれを開口内の中心に向かわせる圧力を及ぼ
す。このようにして試験容器は対応する攪拌素子104に
関して整列される。当業者には明らかなように、3個の
整列用固定装置は試験容器に対称なスプリング力を与
え、溶解試験中この試験容器を整列させ、これを適所に
保持することができる。
図10を参照すると、これにはパドル形の攪拌素子104
が設けられた図1の装置100を使用した代表的な溶解試
験を行なう処理流れ図が示されている。パドル形攪拌素
子104を引き上げ(すなわち試験容器102内に挿入せ
ず)、試験容器102を適当な試験溶液で満たす(図10の
ブロック1002)。次いでパドル形の攪拌素子104を試験
容器102内に降下させ、回転させて試験溶液を攪拌する
(ブロック1004)。パドル形攪拌素子104を回転させつ
ゝ図3の加熱素子302を使用して試験溶液を指定された
温度に加熱する(ブロック1006)。装置100の制御装置1
12は、各試験容器102内の試験溶液の温度を他の試験溶
液の温度には無関係に制御できることが望ましい。
試験溶液が所定の温度に達した後、パドル形攪拌素子
104の回転を一時的に停止させて(ブロック1008)、試
験容器102の底に所定量の薬剤(dosages)を置く(ブロ
ック1010)。次いでパドル形攪拌素子104を指定された
期間中指定された回転速度で回転を再開させ(ブロック
1012)、実際の溶解試験を開始する。
溶解試験処理を通じて試験溶液のサンプルを周期的に
取り出して投薬量の薬剤(dosages)の溶解度を決定す
るために分析する(ブロック1014)。このようなサンプ
リングはスポイトあるいはピペットによって手動で、あ
るいは当技術分野で周知の補助自動サンプリング装置に
よって行うことができることは当業者には明らかであ
る。
図11を参照すると、これにはかご形攪拌素子700が設
けられた図1の装置100を使用して代表的な溶解試験を
行なう処理流れ図が示されている。かご形溶解試験はパ
ドル形攪拌素子104で構成された攪拌素子と共に開始さ
れる。パドル形攪拌素子104を引き上げ(すなわち試験
容器102内に挿入せず)、試験容器102を適当な試験溶液
で満たす(図11のブロック1102)。次いでパドル形の攪
拌素子104を試験容器102内に降下させ、回転させて試験
溶液を攪拌する(ブロック1104)。パドル形攪拌素子10
4を回転させつゝ図3の加熱素子302を使用して試験溶液
を指定された温度に加熱する(ブロック1106)。
試験溶液が所定の温度に達した後、パドル形攪拌素子
104の回転を一時的に停止させて、これを試験溶液から
引き上げる(ブロック1108)。次にパドル形アタッチメ
ントを適当な投薬量の薬剤(dosages)を収容したかご
形アタッチメントと取り替える(1110)。次いでかご形
攪拌素子700を試験容器102内に降下させて、指定された
期間中、指定された回転速度で回転させ(ブロック111
2)、実際の溶解試験を開始する。
パドル形溶解試験の場合と同様に、かご形溶解試験処
理期間中に試験溶液のサンプルを周期的に取り出して投
薬量の薬剤(dosages)の溶解度を決定するために分析
する(ブロック1114)。
図10および図11の双方の溶解試験処理を通じて、制御
装置112は各試験溶液の温度を温度センサからの温度測
定値を使用し且つ加熱素子302に給電して個々に制御す
る。装置100による溶解試験は、パドル形攪拌素子とし
て構成された幾つかの攪拌素子とかご形攪拌素子として
構成された他の攪拌素子とを使用して行うことができ
る。装置100の好ましい他の実施例では、制御装置112は
各攪拌素子の回転速度、回転期間を個々に制御すること
ができる。
装置100の制御装置112は試験容器102内のすべての溶
液の温度を同時に制御する。制御装置は、各試験容器に
ついての試験溶液を所望の温度に上げ、この温度に維持
するために加熱素子302へ供給される電力を制御するた
めの帰還信号として、温度センサ606からの信号を使用
した閉ループ比例積分および微分(proportional integ
ral derivative(PID))制御アルゴリズムを具えたマ
イクロプロセッサによる制御装置であることが望まし
い。
次に図12を参照すると、これには本発明の好ましい実
施例による図1の装置100の制御装置112の回路ブロック
図が示されている。制御装置112はシステム制御装置120
2、モータ制御装置1204、センサ制御装置1206、および
ヒーター制御装置1208を有している。モータ制御制御装
置1204は、攪拌素子104を引き上げ、降下させ、回転さ
せるサーボモータ1210の動作を制御する。
センサ制御装置1206は、シャフトに取付けられたRTD
温度センサ606から信号伝送装置608およびRTD信号アナ
ログインタフェース1212を経て送られてきた信号を受信
して処理する。センサ制御装置1206は、また、液晶表示
(LCD)装置1214上の試験溶液の温度表示を制御する。L
CD装置1214は加熱素子302へ供給される電力レベルを表
示させるためにも使用される。表示装置はLCD表示装置
が好ましいが、これに代えて例えばLED表示装置のよう
な他の形式の表示装置を使用することもできる。
ヒータ制御装置1208は加熱素子302の加熱領域に分配
される電力を制御する。ヒータ制御装置1208はインタフ
ェース1216を経てシステム制御装置1202とインターフェ
ースしている。
システム制御装置1202はモータ制御装置1204、センサ
制御装置1206およびヒータ制御装置1208の動作をモニタ
して制御する。システム制御装置1202は、また、単一の
プリンタ上にすべての試験容器に対する溶解試験結果
(例えば温度プロフィール)をプリントする能力を備え
ている。
制御装置112には(図12のデータキー1218のような)
使用者がアクセスすることができ、非揮発性の取外し可
能なメモリ装置が設けられている。システムの構成、
(例えば、温度、攪拌素子の速度、サンプリングの間
隙、無数のRPM、薬剤の名称)等の試験計画(セットア
ップ)に関するパラメータは使用者により取外し可能な
メモリに入力してもよいし、あるいは予め構成された取
外し可能なメモリを使用者に提供してもよい。このメモ
リ装置は、試験計画が適切でないために生じる可能性が
ある試験結果の誤差を除き、一貫した試験を行なう一助
となる。
制御装置112は、装置中に熱暴走を生じさせるような
問題が発生した場合に、加熱素子302を自動的にターン
オフするヒータの安全処理を行うことができる。ヒータ
制御装置1208はシステム制御装置1202からの周期的信号
を受信するように構成されている。この信号は各加熱素
子302用のオン/オフ制御情報を含んでいる。この周期
的信号がヒータ制御装置1208に到達するのを阻止するハ
ードウエア上の問題が生じた場合、あるいはシステム制
御装置1202の正常な動作が停止した場合は、すべての加
熱素子302は自動的にーンオフする。
制御装置112はヒータの焼き切れ、センサの開路を検
出することができる。制御装置112は各加熱素子302およ
び温度センサ606の状態を連続的にモニタする。問題が
生じたときは熱暴走状態が発生するのを防止するための
適切な処置がとられる。各試験容器毎に温度の変化率が
検出され、加熱素子302が対応する容器102を所望の温度
に加熱することができないときは、適切な処置がとられ
る。制御装置112は温度センサ606の状態をモニタし、セ
ンサ606が短絡あるいは開路すると、適切な処置がとら
れる。
本発明の装置100が従来の溶解試験装置に比して優れ
ていることは当業者には明らかである。第1の利点は、
水槽ならびにそれに付帯する水ポンプ/ヒータ構成が不
要になることである。このことにより水漏れ、蒸発、藻
類の発生、水抜き、清掃、水槽へ再度水を満たすこと等
に関連する問題を解消することができる。さらに、水槽
を有する従来の溶解試験装置に比して本発明の装置100
により試験溶液を指定された温度に加熱するのに要する
時間は著しく短縮された。さらに、従来の中実のステン
レススチール製のシャフトの代わりに中空のステンレス
スチール製のシャフト602を使用したことにより、溶解
試験の開始時に冷たいシャフトを温かい試験溶液に挿入
したことによる熱損失が減少するという結果が得られ
た。
本発明の装置100の他の利点は、中空の攪拌素子内の
温度センサは試験処理を中断することなく試験処理中に
試験溶液の温度を直接測定する能力を有しているという
点である。
本発明の装置100のさらに他の利点は、先に述べたよ
うに、1回の試験処理期間中に各試験溶液の温度を個々
にモニタして制御することができる、という点である。
さらに、本発明の装置100は、幾つかの試験容器ではパ
ドル形攪拌素子を使用して溶解試験を行い、他の試験容
器ではかご形攪拌素子で溶解試験を行うように構成する
ことができる、という点である。
本発明の溶解試験装置は薬剤以外の物質の溶解試験を
行うためにも使用することができることは当業者には云
うまでもないことである。
さらに、当業者には明らかなように、本発明の特徴を
説明するために上に述べまた図示した構成の細部、材
料、各部品の配列については次の請求の範囲に記載され
た本発明の原理、本発明の概念の範囲内で種々変更でき
ることは云うまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガツトウイリング, アラン アメリカ合衆国 インデイアナ州 47006 ベーツビル コロンバス・アベ ニユ 940 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/15

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)各試験容器毎に各試験容器内に収容
    された試験溶液を攪拌するための攪拌素子と (b)各試験容器毎に該試験容器に収容された試験溶液
    を加熱するために上記各試験容器の外側を取り囲んで配
    置された加熱素子と、 (c)すべての試験溶液の温度を制御するためにすべて
    の加熱素子を制御するため制御装置と、を含み、 各攪拌素子は、(1)中空のシャフトと、(2)該中空
    シャフトが上記収容された試験溶液中に挿入されたと
    き、この収容された試験溶液の温度を表わす信号を発生
    するために上記中空のシャフト内に配置された対応する
    温度センサと、を含み、 上記制御装置は、各加熱素子を対応する温度センサから
    の信号に従って、他の試験容器内の他の攪拌素子の温度
    センサからの信号とは無関係に制御するものである、 複数の試験容器内の複数の試験溶液中の複数の物質の同
    時溶解試験を行うための装置。
  2. 【請求項2】さらに、反射性表面を有する試験容器を含
    む請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】各攪拌素子は、さらに、(3)攪拌素子が
    試験容器に収容された試験溶液を攪拌している間、対応
    する温度センサからの信号を制御装置に伝送する信号伝
    送装置を有する請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】各攪拌素子は、(1)シャフトと、(2)
    該シャフトに取外し可能に結合されるように形成された
    攪拌素子アタッチメントと、 を含む請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】攪拌素子アタッチメントは羽根形アタッチ
    メントとかご形アタッチメントの一方である、請求項4
    記載の装置。
  6. 【請求項6】さらに、(d)各試験容器毎に試験容器の
    周囲の適所に加熱素子を保持するために該加熱素子を取
    り囲むヒータジャケットを有する請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】ヒータジャケットと加熱素子は、攪拌素子
    が試験容器中に挿入されたとき該試験容器の前面を通し
    て攪拌素子を観察することができるように構成されてい
    る、請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】ヒータジャケットと加熱素子は、この加熱
    素子の外面とヒータジャケットの内面との間に間隙が形
    成されるように構成されている、請求項6記載の装置。
  9. 【請求項9】各加熱素子は、(1)第1の定格電力を有
    する第1の加熱領域と、(2)第1の定格電力と異なる
    第2の定格電力を有する第2の加熱領域と、を含む請求
    項1記載の装置。
  10. 【請求項10】さらに、各試験容器を受入れて支持する
    ための少なくとも1個の開口を有する保持板を具備し、
    該保持板は攪拌素子に関して試験容器を整列させるため
    の複数の整列用固定装置を含む請求項1記載の装置。
  11. 【請求項11】各整列用固定装置は、試験容器に圧縮力
    を与えるように構成された2個の半剛性の整列用アーム
    を含む請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】保持板は各開口毎に3個の整列用固定装
    置を含む請求項10記載の装置。
  13. 【請求項13】各加熱素子は可撓性の加熱装置からな
    る、請求項1記載の装置。
  14. 【請求項14】各攪拌素子は、さらに、(3)中空のシ
    ャフトに取外し可能に結合されるように形成された攪拌
    アタッチメントと、(4)攪拌素子が試験溶液を攪拌し
    ている間、温度センサからの信号を伝送する信号伝送装
    置と、を含む請求項1記載の装置。
  15. 【請求項15】さらに、試験容器の周囲の適所に加熱素
    子を保持するために該加熱素子を取り囲むヒータジャケ
    ットを有する請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】攪拌素子アタッチメントは羽根形アタッ
    チメントとかご形アタッチメントの一方であり、 ヒータジャケットと加熱素子は、攪拌素子が試験容器に
    挿入されたとき該試験容器の前面を通して上記攪拌素子
    を観察することができるように構成されており、 ヒータジャケットと加熱素子は、この加熱素子の外面と
    ヒータジャケットの内面との間に間隙が形成されるよう
    に構成されており、 各加熱素子は、(1)第1の定格電力を有する第1の加
    熱領域と、(2)第1の定格電力と異なる第2の定格電
    力を有する第2の加熱領域と、 を含む請求項15記載の装置。
  17. 【請求項17】さらに、各試験容器を受入れて支持する
    ための少なくとも1個の開口を具えた保持板を有し、該
    保持板は攪拌素子に関して試験容器を整列させるための
    複数の整列用固定装置を含み、 各整列用固定装置は、上記試験容器に圧縮力を与えるよ
    うに構成された2個の半剛性の整列用アームを含み、 上記保持板は各開口毎に3個の整列用固定装置を有す
    る、 請求項16記載の装置。
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