JP2955329B2 - アントラキノン系黄色色素及び該色素を用いた偏光フィルム - Google Patents

アントラキノン系黄色色素及び該色素を用いた偏光フィルム

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JP2955329B2 JP2149964A JP14996490A JP2955329B2 JP 2955329 B2 JP2955329 B2 JP 2955329B2 JP 2149964 A JP2149964 A JP 2149964A JP 14996490 A JP14996490 A JP 14996490A JP 2955329 B2 JP2955329 B2 JP 2955329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アントラキノン系黄色色素及び該色素を配
向して含有した偏光フィルムに関する。
〔従来の技術〕
今日、最も一般的に使用されている偏光フィルムは、
フィルム基材としてポリビニルアルコール系樹脂を用
い、これにヨード化合物および/または選択された構造
を有する酸性染料もしくは直接染料等の二色性物質で偏
光性を付与したものである。
この種の偏光フィルムは、優れた偏光性能を示すが、
耐久性が不十分であり、通常フィルムの両面を耐湿性が
あり、かつ少なくとも片面が透明なフィルム状物(保護
膜)で覆うことにより耐久性が保持されている。すなわ
ち、本質的に極めて耐久性に乏しい内部偏光フィルム
(層)の欠点を両面の保護膜(層)で保護することによ
り実用的な耐久性を得る手段がとられている。
近来、液晶表示素子の車載用、コンピュータ用、産業
機器用等への用途の拡大にともない、一要素として使用
される偏光フィルムの耐久性の向上、特に耐湿性、耐候
性、耐熱性の改良が強く要望されている。このための1
つの改良手段として、疎水性樹脂を基材として用いた偏
光フィルム提案されており、公知技術として特開昭57−
84409号及び特開平1−103667号等に例示されている。
しかし、かかる偏光フィルムは十分に耐久性は満たし
ているが、偏光性の点で必ずしも満足できるものではな
いのが実状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、疎水性樹脂をフィルム基材とした偏
光フィルムに好適なアントラキノン系黄色色素および該
色素を配向して含有した偏光フィルムを提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような状況を踏まえ鋭意検討した
結果、優れた偏光性能を有し、かつ耐久性に優れた黄色
の新規二色性色素を見出すに至った。
即ち、本発明に係るアントラキノン系黄色色素は、一
般式(I) (式中、Zは−CH=N−、−CH=CH−を示す) で表される黄色系の新規のアントラキノン骨格を有する
二色性色素である。
本発明の色素が偏光フィルム用色素として好適な理由
は、アントラキノン3分子を−CH=N−または−CH=CH
−の連結基で結合したところにあり、これにより特開平
1−103667に開示された公知のアントラキノン系色素に
比べ、分子の構造が長い直線的棒状構造となり、且つ同
一平面性を保ち易くなって、偏光性能および耐久性が著
しく向上するものである。
本発明の一般式(I)で表される色素は、下記式(I
I) で表されるアントラキノン系化合物と下記 一般式(III) (式(III)中R1はNH2、X R2P −CH2−、(R2O)
(PO)−CH2−であり、ここでR2はフェニル基、メチル
基、エチル基を示し、Xはハロゲン原子を示す) で表される化合物を溶媒存在下で反応させることにより
得られる。
式(II)で示されるアントラキノン誘導体と一般式
(III)で示されるアントラキノン誘導体のモル比は、
好ましくは式(II)の総モル数を1とした時、一般式
(III)のモル数は0.3〜0.5である。
また、一般式(III)中、R1がX R2P −CH2−、ま
たは(R2O)(PO)−CH2−であるアントラキノン誘導
体を反応する時、使用する塩基としては、NaOH、KOH、C
a(OH)2、MgO、NaH、NH4OHなどの無機物湿、CH3ONa、
CH3OLi、C2H5ONa、C4H9OKなどのアルコキシド、CH3COON
a、CH3COOK、CH3COONH4などのカルボン酸塩、ジアザビ
シクロウンデセン、ピペリジン、ピリジン等の含窒素化
合物、CH3Li、C4H9Li、C6H5MgBr、(C3H72NLiなどの
アルキル金属化合物などである。
溶媒としては、一般式(I)の化合物の1〜100重量
倍を用いる。好ましい溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルイ
ミダゾリジノンなどの非プロトン性極性溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼンなどの芳香
族溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールのよう
なアルコール類、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸
類である。
また、反応温度としては、室温から200℃までが好ま
しく、反応時間は、1〜20時間である。
本発明の偏光フィルムの製造において、使用される色
素は、粗製のまま使用することもできるが、再結晶その
他の精製手段を用いて精製されたものが好ましく、また
数ミクロン以下に粉砕して使用することが好ましい。
本発明の偏光フィルムは、前記色素を少なくとも1種
含むものであり、好みの色相を得るために、特にニュー
トラルグレイ色の偏光フィルムを得るために、数種類を
選択、混合して使用することができる。さらに本発明以
外の二色性を有する色素、場合によっては、二色性を有
しない色素もしくは紫外線吸収剤等の添加剤、その他の
物質を含んでもよい。
本発明の偏光フィルムにおいて用いられる疎水性樹脂
は、分子構造上、親水性基を含まない直鎖状構造を有す
る有機高分子化合物であれば、特に限定されないが、熱
可塑性を有することが好ましく、具体的にはハロゲン化
ビニル重合体系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリ
アミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、ポリカーボ
ネート系およびポリエーテルスルホン系樹脂などの例が
挙げられる。なかでも、特に耐熱性、耐湿性および透明
性に優れたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンビス−α,β−(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボキシレートなどの芳香族ポリエステル
系樹脂成分を少なくとも80重量%以上含む樹脂組成物が
好ましい。
使用する色素の量は、上記のような疎水性樹脂である
基材樹脂に対する色素の着色能力および目的とする偏光
フィルムの厚さを考慮して決定されるが、好ましくは得
られる偏光フィルム1枚当たりの可視光透過率が30〜60
%となるように調整する。例えば、偏光フィルムの厚さ
が30〜200μmであれば、色素の基材樹脂に対する量は
0.01〜10重量%の範囲である。
本発明の偏光フィルムを製造するには、基材樹脂と前
記本発明の色素から選ばれた少なくとも1種、必要によ
り混合するその他の色素とともに溶融して着色した後、
フィルムもしくはシート状に成形し、延伸することによ
り製造することができる。
このようにして製造された偏光フィルムは、用途によ
ってさらに種々の形態のフィルムやシートに加工して実
用に供することができる。
すなわち、a)上記の方法で製造されたフィルムその
まま、b)片面もしくは両面に光学的透明性と機械的強
度に優れた保護膜、例えば着色もしくは無着色のガラス
類、または合成樹脂類よりなる保護膜(層)を設けた形
の偏光シートまたはフィルム、c)一般式に利用される
液晶ディスプレイ、窓ガラスまたはメガネ等への適用時
の簡便さのために、片面もしくは両面に粘着剤を塗布し
た形のもの、さらには、d)偏光フィルムの表面に蒸
着、スパッタリングまたは塗工法等の周知の方法でイン
ジウムースズ系酸化物等の透明導電性膜を付加した形の
ものなどが例示される。これらは液晶表示素子用のセル
形成材としても利用することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の色素および該色素を用いた偏光フィル
ムの代表例について、具体的に実施例を挙げて説明す
る。
実施例中の偏光度は次の方法によって測定した値であ
る。すなわち、2枚の偏光フィルムを延伸方向が平行と
なるべく重ねて分光光度計の光路におき測定した可視領
域最大吸収波長での光線透過率(T11)および2枚の偏
光フィルムを延伸方向が直交すべく重ねて測定した同波
長での光線透過率(T⊥)より次式を用いて偏光度
(V)を算出した。
実施例1 1−ヒドロキシ−アントラキノン−2−カルボキシア
ルデヒド3.5g及び2,6−ジアミノアントラキノン1.5gを
酢酸250ml中、8時間還流撹拌した。反応液を室温まで
冷却した後、析出物を濾取し、少量の酢酸で洗浄、次い
でN,N−ジメチルホルムアミド、メタノールで洗浄し、
乾燥して下記の色素4gを得た。
元素分析値 C H N 計算値(%) 74.79 3.14 3.96 実測値(%) 74.70 2.98 3.90 この色素をポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット
に偏光フィルムの単体透過率が40%となるように加え、
均一に混合した後、溶融押出し厚さ約200μmのシート
状に成形した。このシートをテンター延伸機を用いて80
度で横方向に5倍延伸し、150℃で1分間熱処理して、
厚さ100μmの黄色偏光フィルムが得られた。その極大
吸収波長440nmにおける偏光度は99.0%と優れていた。
この偏光フィルムを80℃相対温度90%の条件下で500時
間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に
認められなかった。またフィルムの収縮率は縦方向およ
び横方向とも1%以下であり、良好な寸法安定性を有し
てした。
実施例2 2,6−ビス(ジエトキシホスフォノメチル)−アント
ラキノン12.7gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液120ml
を金属ナトリウム1.4gをエタノール40mlに溶かした溶液
に加え、室温で30分間撹拌した後、1−ビトロキシアン
トラキノン−2−カルボキシアルデヒド10gを加え、室
温で4時間撹拌した後、析出物を濾取し、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、次いでメタノールで洗浄し、乾燥して
下記の色素13gを得た。
元素分析値 C H 計算値(%) 78.40 3.43 実測値(%) 78.35 3.41 この色素を用いて、実施例1と同様にフィルム加工し
て黄色の偏光フィルムを得た。極大吸収波長455nmにお
ける偏光度は99.9%であり、実施例1と同様な耐久性試
験の結果、偏光度の低下はなく、良好な寸法安定性を有
していた。
比較例1〜2 特開平1−103667号において公開されている黄色色素
は、以下に示した偏光性能であり本発明の色素より劣っ
ていた。
比較例1 比較例2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/08 G02B 1/08 5/30 5/30 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 6/00 C09B 1/00 C09B 23/00 C09B 55/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Zは−CH=N−、−CH=CH−を示す) で表されるアントラキノン系黄色色素。
  2. 【請求項2】疎水性樹脂中に一般式(I) (式中、Zは−CH=N−、−CH=CH−を示す) で表されるアントラキノン系黄色色素を少なくとも1種
    含有することを特徴とする偏光フィルム。
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