JP2954735B2 - 打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、打抜加工性に優れ、
また磁気特性にも優れた無方向性電磁鋼板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板において、Si含有量が
少ないものは、鉄損値は劣っているものの高い透磁率を
示し、しかも安価なことから、家庭用電機製品の小型モ
ーターやEIコアなどの小型トランスに多用されている。
【0003】ところでこの種の電磁鋼板は、需要家にお
いて所定の形状に打ち抜いたのち、そのまま使用するフ
ルプロセス材と、打ち抜き後に歪取焼鈍を施して必要レ
ベルの磁性を得るセミプロセス材とに大別される。いず
れの場合においても優れた磁性が要求されることは当然
であるが、その殆んどすべてが打ち抜き機によって連続
的に打ち抜かれることから、連続打抜性に優れているこ
とも極めて重要な要件とされている。さらにまた、需要
家での鉄心製作工程の合理化、省力化から連続打ち抜き
中の順送りプレス内で一定枚数を積層し、鉄心の状態で
取り出される自動かしめ方式による複合順送り金型が使
用されるようになってきたことから、強いかしめ強度が
得られることやローターのスキューが滑らかにできるこ
とも重要な要件となっている。
【0004】電磁鋼板に良好な打抜性を付与するために
は、その硬度を適正範囲に調整することが有効であると
されている。この硬度調整については、セミプロセス材
では種々検討されているがフルプロセス材についてはほ
とんどない。この理由は、電磁鋼板中に加工歪が残った
り、鋼中介在物が増大して、所望の磁性が得られないこ
とによる。
【0005】しかしながら今日のように、合理化、省力
化が進んでくると、磁気特性をある程度犠牲にしても、
打抜加工性に優れていることが求められることがある。
一方犠牲となった磁気特性に関しては、打ち抜き加工後
に歪取り焼鈍を図ったり、または小型モーターや小型ト
ランスの設計を若干の変更で補うなどの方策が講じられ
ている。フルプロセス材について、打抜加工性のため硬
度を重視するものとして、特公昭49−6456号公報や特開
昭60−190521号公報に開示の技術がある。
【0006】上記の提案のうち、特公昭49−6456号公報
には、HV5で 100〜120 の硬度範囲を得る方法が示され
ている。また特開昭60−190521号には、鋼中の固溶Cの
減少を意図した過時効処理を施こし、磁性の時効劣化を
最小限に抑制する方法が開示され、その実施例に示され
た地鉄硬度は Hv で95〜129 である。しかしながら、打
抜性及び自動かしめ性が良好で、かつローターのスキュ
ー性が良好な電磁鋼板を得るためには、 HV (1kg) で13
5 〜160 の地鉄硬度が必要であり、上記の従来技術では
この特性を満足させることはできない。
【0007】すなわち地鉄硬度が低い場合、連続打ち抜
き時、打ち抜き切断面にはダレが発生し易いため、打ち
抜き後の製品寸法に誤差が生じる。この問題の解決策と
しては、打ち抜き金型のクリアランスを小さくすること
が考えられるが、この方法では金型寿命が減少する。こ
こに、適当な金型クリアランスで製品寸法にダレによる
誤差を生成しない地鉄硬度としては HV1≧135 が望まし
い。なお、ダレの発生が少ないことは自動かしめ金型に
も適合し、かしめ強度の強い鉄心が得られる。しかしな
がら地鉄硬度が HV1で160 を超えると金型へのダメージ
が大きくなることから、地鉄硬度は HV1≦160 とするの
が好ましい。
【0008】一方、ローターコアはモーターのスムーズ
な回転を得るため、スキューがなされる。自動かしめコ
アのスキューについては、V型突起形状のものを、半が
しめの状態として金型外に取り出し、加工プレスにより
本がしめを行なうときにスキューを付ける。この時、地
鉄硬度が HV1:135 より小さいとV型突起に変形をきた
し、充分なスキュー角が得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、打抜加工
性、自動かしめ性に優れ、またスキューを滑らかに行う
ためには、地鉄硬度を HV1で135 〜160 とすることが重
要である。この発明は、上記の要請に有利に応えるもの
で、再結晶焼鈍後の冷却処理に工夫を加えることによっ
て地鉄硬度の適正化を図り、もって打抜加工性、自動か
しめ性及びスキュー性を向上させ、さらにはその後の歪
取り焼鈍によって磁気特性の一層の向上が望み得る無方
向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、
C:0.015 〜0.050 wt%(以下、単に%で示す)、Si:
0.3 %以下、Mn:0.1 〜1.0 %及びAl:0.1 〜0.6 %を
含有する熱延鋼板に、冷間圧延を施した後、750 〜950
℃において5秒〜5分間の再結晶焼鈍を施すことによっ
て無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、上記再結晶焼
鈍の冷却過程につき、 700℃までを10℃/s以下の冷却
速度で冷却し、引き続き常温まで10〜50℃/sの冷却速
度で冷却した後、 200〜450 ℃で5〜30秒間の時効処理
を施し、さらに10〜55℃において時効処理を施すことか
らなる打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
である。
【0011】またこの発明において、 200〜450 ℃, 5
〜30秒間の時効処理は、冷却過程中で連続して行って
も、又絶縁被膜の焼付け処理を兼ねるものであっても良
い。
【0012】この発明に従う、一連の冷却処理及び時効
処理は、微細炭化物を析出させ、地鉄硬度の向上を図る
もので、かかる処理によって、地鉄硬さ HV1:135 〜16
0 が得られ、ひいては打抜加工性の優れた無方向性電磁
鋼板が得られるのである。なお微細炭化物析出により、
磁気特性への影響が懸念されるが、約1%程度の劣化で
あり、問題視する程度のものではなかった。
【0013】さらにこの発明に従い得られた材料に歪取
り焼鈍を施すことにより、磁気特性が大幅に向上するこ
とが判明した。すなわち歪取り焼鈍を施すことにより、
打抜加工性は勿論のこと、磁気特性のより一層の向上が
達成されるのである。
【0014】
【作用】次に、この発明において、素材の成分組成及び
製造条件を上記のように限定した理由について説明す
る。 C:0.015 〜0.050 % C量が 0.015%未満では、鋼中における固溶Cが少な
く、微細炭化物量も少なくなるため、地鉄硬度 HV1:13
5 を確保できない。一方、C量が0.050 %を超えると、
時効処理後の炭化物が粗大化し、地鉄硬度 HV1:135 以
下となることから、C含有量は0.015 〜0.050 %の範囲
に限定した。
【0015】Si:0.3 %以下 Siは、磁気特性の向上に有用な元素ではあるが、この発
明は低級無方向性電磁鋼板を対象としているので、積極
的なSi添加は行わない。しかしながら製造過程とくに脱
酸段階での不可避混入を妨げるものではなく、この点を
考慮して0.3 %以下の範囲に限定した。
【0016】Mn:0.1 〜1.0 % Mnは、 0.1%より少ないと熱間脆性が大きくなり、一方
1.0%を超えると鋼板の価格が高くなるので、Mn量は
0.1〜1.0 %の範囲に限定した。
【0017】Al:0.1 〜0.6 % Alは、 0.1%より少ないとAlNの微細析出が生じ、磁気
特性の劣化が著しい。この理由は、微細AlNにより粒成
長が抑止されるためと考えられる。一方 0.6%より多く
なると、Al添加による磁気特性の向上効果が少なくなる
だけでなく、価格の面でも不利となる。それ故、Al含有
量は 0.1〜0.6 %の範囲に限定した。なおAl添加による
磁気特性の向上は、介在物の低減、AlNの無害化(析出
物の粗大化)及び比抵抗の増大によるものと考えられ
る。またAlは、炭化物の析出挙動にも大きな影響を与え
ており、時効処理による硬度の向上にも寄与している。
【0018】以上、必須成分について説明したが、この
発明では、地鉄硬度を高める元素としてPを添加するこ
ともできる。しかしながら含有量が 0.1%を超えると冷
間加工性が劣化するので、添加する場合には 0.1%以下
とする必要がある。
【0019】次に、この発明の製造条件について説明す
る。さて上記の好適成分組成になる熱延鋼板に、冷間圧
延を施した後、 750〜950℃において5秒〜5分間の再
結晶焼鈍を行ない、その冷却過程において冷却処理を制
御することにより、鋼中の固溶Cを増加させ、その後の
時効処理によって、鋼中に微細炭化物を析出させること
により、地鉄硬度 HV1:135 〜160 を確保するのであ
る。上記の処理において、再結晶焼鈍温度からの冷却速
度は 700℃までを10℃/s以下とする必要がある。とい
うのは冷却速度10℃/sを超えると鋼中固溶Cが少ない
状態で固定されるため、10℃/s以下として鋼中固溶C
の増大を図るためである。なお固溶Cが最大限となる温
度は723 ℃付近であるが、工業的に安定した生産量を確
保するため、この発明では上記の制御冷却を施すべき温
度の下限を700 ℃とした。
【0020】また、 700℃まで10℃/s以下の速度に冷
却し、鋼中固溶Cが増大した後は、冷却速度を早めて鋼
中固溶Cを固定する必要がある。従って、その後は比較
的早めの10〜50℃/sという速度で常温まで冷却する。
ここに冷却速度が10℃/sより遅いと鋼中固溶Cは結晶
粒界で析出しセメンタイトとなって鋼中固溶Cが減少
し、時効処理による地鉄硬度向上には寄与しなくなるの
で、少なくとも10℃/sの冷却速度が必要である。一
方、50℃/sを超える冷却速度を確保するためには多大
の設備投資が必要となり、コスト増となるため、 700℃
から常温までの冷却速度は10〜50℃/sの範囲に限定し
た。
【0021】ついで上記のようにして固定した固溶Cを
微細析出させることにより、地鉄硬度の向上を図る。か
かる微細析出のためには時効処理が極めて重要であり、
次に示す2段階処理が必要である。すなわち 200〜450
℃で5〜30秒の第1段階の処理により炭化物微細析出の
核を生成し、ついで10〜55℃の第2段階の処理によって
炭化物の微細析出を図り、地鉄硬度 HV1:135 〜160 を
確保する。
【0022】第1段階の時効処理において、処理温度が
200℃より低いと核生成ができず、一方 450℃より高い
と粗大化した炭化物が生成し、地鉄硬度の向上には寄与
しない。また処理時間が5秒より短いと核の生成がな
く、一方30秒を超えると粗大炭化物が生成する。そこで
この発明では、時効処理の第1段階は 200〜450 ℃の温
度範囲において5〜30秒間の処理としたのである。
【0023】次に、第2段階の時効処理温度が10℃より
低いと地鉄硬度HV1:135 〜160 を確保するのに長時間
を要し、実際的でなく、一方55℃を超えると粗大炭化物
が生成し、地鉄硬度 HV1:135 以上を確保できない。従
ってそこでこの発明では、第2段階の時効処理温度は10
〜55℃の範囲に限定した。
【0024】上記の2段階時効処理を施こすことによ
り、地鉄硬度 HV1:135 〜160 が確保できる。なお第1
段階の時効処理は、再結晶焼鈍後の冷却過程中で行って
も良く、さらに絶縁被膜の焼付け処理を兼ねさせても良
い。
【0025】絶縁被膜としては、従来から公知のりん酸
塩系、(重)クロム酸塩系及び(重)クロム酸塩と有機
樹脂系の混合系などいずれもが使用できる。これらを主
成分とした場合、たとえばりん酸塩系の場合における添
加物は、硝酸塩、亜硝酸塩、硼酸、界面活性剤、無水ク
ロム酸、(重)クロム酸塩などである。また(重)クロ
ム酸塩の場合は、有機還元剤、硼酸などである。さらに
(重)クロム酸−有機樹脂系の場合は、有機還元剤、硼
酸、有機樹脂としてアクリル系、スチレン系、酢酸ビニ
ル系、ベオバ系の1種又は2種以上の共重合物などであ
る。なお絶縁被膜の耐熱性向上のため、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、さらにはチタニア、シリカ、
アルミナ等の金属酸化物の微粉末を配合しても良い。
【0026】
【実施例】
実施例1 表1に示す成分組成になる熱延鋼板(A〜D)に、冷間
圧延を施した後、 800℃, 1分間の再結晶焼鈍を行な
い、その冷却過程において 700℃までを5℃/s、引き
続き常温までを25℃/sの冷却速度で冷却し、ついで 3
50℃で10秒間の第1段階時効処理を施したのち、25℃に
おいて第2段階の時効処理を施した。かくして得られた
製品の打抜加工性について調べた結果を表1に併記す
る。また、地鉄硬度の経時変化について調べた結果を図
1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】図1から明らかなように、この発明に従い
得られた鋼板は、比較材に比べ地鉄硬度の向上が認めら
れ、適正な地鉄硬度が得られた。また自動かしめによる
打抜加工性の調査によれば、まずかえり高さ50μm まで
の打ち抜き数は、比較材が約8万回であったのに対し、
この発明に従い得られたものは約14万回であり、打抜性
は格段に向上した。またかしめ強度も良好であった。さ
らにまたスキュー性については、この発明に従い得られ
たものは充分なスキュー角が得られたけれども、比較材
にはスキューずれが生じた。
【0029】磁気特性については、たとえば実施例1の
供試材A,Bは、時効後のW17/50が8.2〜8.3 (W/kg)、
また歪取り焼鈍後のW17/50が 6.1(W/kg)であり、比較例
1の供試材Cよりも良好である一方、供試材Dよりは劣
る。この理由は、C添加による磁性の劣化とAl添加によ
る磁性の向上の両者の影響を起因するものである。すな
わちこの発明は、C添加によって地鉄硬度を確保すると
共に、Cによる磁性劣化をAl添加によって補償している
のである。
【0030】実施例2 表1に示す成分組成になる熱延鋼板(E)に、冷間圧延
を施した後、 800℃,1分間の再結晶焼鈍を行ない、そ
の冷却過程において 700℃までを7℃/s、引き続き20
℃/sの冷却速度で冷却し、その冷却途中、 400℃にて
7秒間の第1段階時効処理を施したのち、25℃で第2段
階の時効を施した。また鋼板(F)については第1段階
の時効処理を460℃にて40秒とし、(G)については再
結晶焼鈍後の冷却を全て7℃/sの冷却速度で時効処理
までを除冷し、(H)については再結晶焼鈍後の冷却を
全て25℃/sec の冷却速度で時効処理までを急冷した。
かくして得られた製品の打抜加工性について調べた結果
を表1に併記する。また、地鉄硬度の経時変化について
調べた結果を図2に示す。
【0031】図2から明らかなように、この発明では2
日後に HV1:135 を確保でき、10日後には HV1:150 と
なった。また打ち抜き数は15万回で、さらにかしめ性及
びスキュー性とも良好であった。これに対し、比較例の
(F),(G),(H)はいずれも地鉄硬度の向上は認
められず、打ち抜き数は約8万回であり、またかしめ
性、スキュー性とも良い結果は得られなかった。
【0032】実施例3 表1に示す成分組成になる熱延鋼板(I)に、冷間圧延
を施した後、 800℃,1分間の再結晶焼鈍を行ない、そ
の冷却過程において 700℃までを5℃/s、引き続き常
温までを25℃/sの冷却速度で冷却し、ついで(重)ク
ロム酸塩−有機樹脂系処理液を塗布してから、 280℃で
15秒間の焼付けを兼ねる第1段階の時効処理を施し、そ
の後35℃にて第2段階の時効処理を施した。なお比較の
ため、(J)鋼については第2段階の時効温度を8℃
で、また(K)鋼については第2段階の時効温度を70℃
とした。かくして得られた製品の打抜加工性について調
べた結果を表1に併記する。また、地鉄硬度の経時変化
について調べた結果を図3に示す。
【0033】図3から明らかなように、この発明では2
日後に HV1:140 を確保でき、5日後以降 HV1:155 と
なった。これに対し、比較例の(J)の場合、 100日後
でもHV1:130 であり、また比較例(K)の場合には、
100日後ではHV1:110 であった。また打抜性について
は、(重)クロム酸塩−有機樹脂系被膜を施こしたこと
により、いずれも打ち抜き数 150万回と良好であった。
かしめ性に関しては、発明例(I)は良好であったが、
比較例(J),(K)は若干劣った。さらにスキュー性
については、発明例〔I〕は良好であったが、比較例
(J),(K)は極めて劣っていた。これは地鉄硬度に
起因するものであり、V突起の変形による。
【0034】さらに磁気特性については、実施例3の供
試材Iと比較例3の供試材Jは良好であったが、比較例
3の供試材Kは劣っていた。これはAl添加効果の有無に
よるものである。
【0035】実施例4 表1に示す成分組成になる熱延鋼板(L,M)に、冷間
圧延を施した後、 800℃, 1分間の再結晶焼鈍を行な
い、その冷却過程において 700℃までを10℃/s、引き
続き常温までを10℃/s(L)及び50℃/s(M)の冷
却速度で冷却した後、りん酸塩系処理液を塗布してか
ら、 350℃で15秒間の焼付けを兼ねる第1段階時効処理
を施したのち、25℃にて第2段階の時効処理を施した。
なお比較のため、上記処理中、 700℃までの冷却速度を
12℃/sとする以外は同様にして、比較例(N,O)と
した。かくして得られた製品の打抜加工性について調べ
た結果を表1に併記する。また、地鉄硬度の経時変化に
ついて調べた結果を図4に示す。
【0036】発明例(L)の場合、10日後で HV1:135
が確保できた。また発明例(M)では2日後に HV1:13
5 が確保できた。また打抜性は10〜15万回で、かしめ
性、スキュー性共良好であった。これに対し、比較例の
(N),(O)は HV1:135 を確保できず、しかもかし
め性及びスキュー性とも劣っていた。
【0037】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、地鉄硬度 H
V1:135 〜160 を安定して得ることができ、従って打抜
加工性の優れた無方向性電磁鋼板を安定して得ることが
できる。しかもその後に歪取り焼鈍を施すことにより、
磁気特性のより一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地鉄硬度の経時変化を示したグラフである。
【図2】地鉄硬度の経時変化を示したグラフである。
【図3】地鉄硬度の経時変化を示したグラフである。
【図4】地鉄硬度の経時変化を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−323320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 501 C21D 8/12 C22C 38/00 303 C22C 38/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.015 〜0.050 wt%、Si:0.3 wt%
    以下、Mn:0.1 〜1.0 wt%及びAl:0.1 〜0.6 wt%を含
    有する熱延鋼板に、冷間圧延を施した後、750 〜950 ℃
    において5秒〜5分間の再結晶焼鈍を施すことによって
    無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、上記再結晶焼鈍
    の冷却過程につき、 700℃までを10℃/s以下の冷却速
    度で冷却し、引き続き常温まで10〜50℃/sの冷却速度
    で冷却した後、 200〜450 ℃で5〜30秒間の時効処理を
    施し、さらに10〜55℃において時効処理を施すことを特
    徴とする打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、時効処理中、 200〜
    450 ℃で5〜30秒間の保持は、冷却過程中で連続して行
    なうことからなる打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 200〜450
    ℃, 5〜30秒間の時効処理が、絶縁被膜の焼付け処理を
    兼ねるものである打抜加工性の優れた無方向性電磁鋼板
    の製造方法。
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