JP3331402B2 - 全周磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
全周磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
に関するものであり、詳しくは電気産業分野でのモータ
に利用される、全周磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板
に係るものである。
に磁化される。このため磁気特性としては360°のい
ろいろな方向に均一な特性が要求され、鉄損および磁束
密度の測定はリング状試料で実施した方が精度的には優
れている。本リング試料での測定値を全周磁気特性と称
する。
鋼板を製造する工程としては、熱延板を単純な1回の冷
延と1回の連続焼鈍で最終製品にする1回冷延法が多
い。しかし、より低鉄損高磁束密度が必要な場合に、こ
の1回冷延法に対して更に最終工程でスキンパス圧延を
施す、所謂スキンパス法を採用する。本発明はスキンパ
ス法に関するもので、顧客での焼鈍を前提とすることか
らセミプロセス無方向性電磁鋼板とも称される技術分野
である。
幾つかの技術が開示されている。例えば、Si脱酸によ
る圧延方向に優れた磁気特性を有する特開昭53−10
9815号公報がある。確かにこの方法では圧延方向に
非常によい磁束密度が得られたが、その他の方向、特に
圧延方向から70°程度の向きの磁束密度の劣化が大き
いため、全周磁束密度としては大きな問題があった。ま
た、特開昭59−70722号公報では中間焼鈍の結晶
粒径を5〜20μmとし、スキンパス圧延の圧下率を6
〜15%とすることによって全周磁気特性を向上させて
いる。しかしながら、この方法は1次圧延率が72.8
〜77.6%と強いため、製品でのゴス方位が生じ易
く、圧延方向とその他の方向との磁束密度差が大きく、
全周磁気特性としては不満があった。
み、スキンパス圧延法で優れた全周磁気特性を有する無
方向性電磁鋼板の製造技術を提供することを目的とする
ものである。
に本発明は、溶鋼を真空脱ガス処理する際に、Alで先
に脱酸した後に他の元素を添加して成分調整を実施し
て、重量%でC≦0.010%、Si≦2.0%、Al
≦1.0%、Mn:0.05〜1.5%、P≦0.15
%、S≦0.02%、N≦0.003%とし、残部Fe
および不可避的成分を含有する溶鋼を連続鋳造してスラ
ブとなし、このスラブを温度1000〜1300℃で加
熱後、厚みを0.8〜2.0mmに熱延した後、700℃
以下で巻取、酸洗、冷延、連続焼鈍、圧下率2〜15%
のスキンパス圧延の工程を行うことを特徴とする全周磁
気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方
法である。
鋼での脱酸方法を改善して鉄損特性を向上すること。2
点目は、熱延板厚みを薄くすることによって冷延後の再
結晶集合組織を改善して{111}と{110}方位粒
を少なくし、{100}方位粒を富化することによって
磁束密度を向上させること。そして3点目はこの方法は
工業的には十分可能なことである。
製鋼工程で、転炉などでの吹錬の後、脱炭の目的で真空
脱ガスを実施するが、脱炭完了してからの脱酸をまずA
l添加で行い、次いで、その他のSi,Mnなど合金鉄
を添加して成分調整する。この理由は酸化物の形態をS
iO2,MnO系からAl2 O3 系に変えることを目的
とするものであり、Al2 O3系の方が最終磁性焼鈍で
の粒成長性が優れているからである。このことから、鉄
損が良好となるので本方法を採用する。
する。C量を0.010%以下に限定したのは、これを
超えるC量では、磁気時効の問題があるからである。S
i量は2.0%以下とする。Siは鉄損を減ずるため必
要であるが、多すぎると添加コストの問題があるため、
2.0%以下とする。Al量は1.0%以下とする。A
lは鉄損を減少させるのに有効であるが、添加コストの
問題があるため1.0%以下とする。
熱延での耳あれ対策として析出物FeSを抑制してMn
SとするためにMn量は0.05%以上必要であるが、
あまり多いと添加コストの問題があるので1.5%以下
とする。P量は0.15%以下に制限する。Pは客先で
のモータコアへの打ち抜き時のカエリやダレを少なくす
るために有用であるが、多すぎると鋼板中心層に偏析し
て割れなどのトラブルになるため0.15%以下とす
る。
いとブリスターと呼ばれる鋼板表面のふくれ欠陥が生じ
るため、0.003%以下に制限する。S量は0.02
%以下とする。Sは硫化物を形成して鉄損を劣化するた
め、少ない方が好ましく、0.02%以下に制限する。
その他の成分として、更に製品の集合組織を改善するた
めにCu,Cr,Sn,Niを添加してもよい。添加量
としてはCu:0.02〜0.2%、Sn:0.01〜
0.35%、Cr:0.04〜0.2%、Ni:0.0
1〜0.3%が適当である。これらは2種以上の複合添
加の方が効果が大きいため好ましい。
連続鋳造によりスラブとする。スラブ加熱の温度は10
00〜1300℃に制限する。低温でのスラブ加熱では
熱延での圧下変形のパワーが大きくなるので難しく、熱
延の操業としては1000℃以上とする。また、130
0℃を超えると窒化物と硫化物の固溶量が大きくなるの
で、熱延での冷却過程で微細析出し、最終磁性焼鈍での
粒成長性が劣化し、鉄損が劣化するので避けなければな
らない。
0.8mm未満では熱延板の板厚精度やクラウンなどが問
題となり、2.0mm超では冷延率が不適切で、製品での
{111}方位粒が増え磁束密度が不満足となり避けな
ければならない。熱延仕上温度は特に制限する必要はな
いが、通常の700〜1000℃が適当である。熱延巻
取温度は700℃以下に制限する。700℃超では鋼板
のスケールが厚く生成するため、次工程の酸洗で生産性
が著しく低下するため、避けなければならない。
いで、焼鈍を通常の600〜1100℃で行う。この時
の雰囲気として脱炭雰囲気でも非脱炭雰囲気でもよい。
次いで、スキンパス圧延を行う。この時の圧下率は2〜
15%に制限する。2%未満では製品の磁束密度が不満
で、15%超では鉄損が不十分である。スキンパス圧延
の後の磁性焼鈍は通常の700〜800℃で2hr均熱す
る程度でよい。
た結果を示す。製鋼での真空脱ガス工程RHで脱炭後、
先ずAl添加で脱酸し5分撹拌してからSi,Mn,P
を添加して10分撹拌してから処理を完了して、重量比
でC:0.0011%、Si:0.55%、Mn:0.
15%、P:0.05%、Al:0.003%、S:
0.0007%、N:0.0006%の連鋳スラブを得
た。次いで、このスラブを1150℃に加熱して熱延板
の板厚を0.8mmから5mmに仕上げ、巻取温度を600
℃にした。これを酸洗してからタンデム圧延機で冷延し
て、0.543mmに仕上げ、次いで、30%H2 +70
%N2 雰囲気中、700℃で30秒の均熱を連続焼鈍で
行ってから、0.5mmまでスキンパス圧延した。この鋼
板を外径120mm×内径100mmに打抜いて積層し、7
50℃で2時間N2 中で磁性焼鈍を行い、捲線してから
磁気特性を測定した。結果を図1に示す。図1で明らか
な如く熱延板の板厚が薄くなると磁束密度が大きく向上
することが分かる。また、本発明範囲の熱延板厚みに於
いて、特に優れた磁束密度が得られた。鉄損については
顕著な差は見られなかった。また、製品厚0.35mmで
も実験したが同じ傾向であった。
験No.6のみSiで脱酸し、それ以外をAl脱酸した。
鋳造後のスラブを1150℃に加熱して、仕上温度を8
20℃に固定して熱延板厚みを表1の如く変更した。そ
の後、酸洗し冷延してから中間焼鈍を20%H2 +80
%N2 中、750℃で30秒均熱した後、0.5mmまで
スキンパス冷延した。この時のスキンパス圧延率を表1
に示す値にした。なお、酸洗後の冷延板厚みは、このス
キンパス圧下率になるべく調整した。この鋼板を外径1
20mm×内径100mmに打抜いて積層し、750℃で2
時間N2 中で磁性焼鈍を行い、捲線してから磁気特性を
測定した。得られた磁気特性を表1に示す。
損、磁束密度共に良好である。実験No.4,5は熱延板
厚みが本発明範囲の0.8〜2.0mmを外れているの
で、特に磁束密度の劣化が大きく不満である。実験No.
6はAl脱酸でないため、鉄損が悪く不満である。実験
No.7はS量が本発明範囲の0.02%以下を外れてお
り、特に鉄損が不満である。実験No.8は本発明範囲
に、Cu,Sn,Cr,Niが入っているもので、鉄
損、磁束密度共に優れている。実験No.9と12はスキ
ンパス圧下率が本発明範囲の2〜15%を外れているた
め、磁気特性が劣化している。一方、実験No.10と1
1は本発明範囲のため優れた磁気特性を示している。
ことにより、全周磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板が
得られた。
係を表す。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶鋼を真空脱ガス処理する際に、Alで
先に脱酸した後に他の元素を添加して成分調整を実施
し、重量%でC≦0.010%、Si≦2.0%、Al
≦1.0%、Mn:0.05〜1.5%、P≦0.15
%、S≦0.02%、N≦0.003%を含有し、残部
Feおよび不可避的成分からなる溶鋼を連続鋳造してス
ラブとなし、このスラブを温度1000〜1300℃で
加熱後、厚みを0.8〜2.0mmに熱延した後、700
℃以下で巻取、酸洗、冷延、連続焼鈍、圧下率2〜15
%のスキンパス圧延の工程を行うことを特徴とする全周
磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07477993A JP3331402B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 全周磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07477993A JP3331402B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 全周磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287640A JPH06287640A (ja) | 1994-10-11 |
JP3331402B2 true JP3331402B2 (ja) | 2002-10-07 |
Family
ID=13557123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07477993A Expired - Lifetime JP3331402B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 全周磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3331402B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4013505B2 (ja) * | 2000-11-27 | 2007-11-28 | 住友金属工業株式会社 | 極低炭素薄鋼板とその製造方法 |
WO2011081386A2 (ko) * | 2009-12-28 | 2011-07-07 | 주식회사 포스코 | 자성이 우수한 무방향성 전기강판 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP07477993A patent/JP3331402B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06287640A (ja) | 1994-10-11 |
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