JP2954728B2 - 窒化装置 - Google Patents

窒化装置

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JP2954728B2
JP2954728B2 JP6038591A JP6038591A JP2954728B2 JP 2954728 B2 JP2954728 B2 JP 2954728B2 JP 6038591 A JP6038591 A JP 6038591A JP 6038591 A JP6038591 A JP 6038591A JP 2954728 B2 JP2954728 B2 JP 2954728B2
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吉嗣 紙谷
英雄 庄賀
孝 山岡
克和 永井
博 長浜
昌之 須沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化装置に関し、詳しく
は被処理物を浸炭窒化ガス雰囲気中で保持して浸炭窒化
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような窒化装置としては従来から
バッチ炉が知られており、被処理物は該バッチ炉によっ
て次のようにして浸炭窒化されていた。すなわち、被処
理物をバッチ炉に投入すると共に、炉内に浸炭性ガスを
導入しておき、次に、炉内を被処理物の浸炭窒化に適し
た温度になるまで昇温した後、炉内を降温し、しかる
後、炉内に浸炭性ガスにNH3 ガスを添加してなる浸炭
窒化ガスを導入し、該浸炭窒化ガスによって作られるガ
ス雰囲気中で被処理物を保持して浸炭窒化するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、被処理物を
バッチ炉で浸炭窒化処理することは作業効率が悪く、特
に被処理物を多量に浸炭窒化処理する場合には作業効率
が極めて悪いという問題があった。
【0004】そこで、本発明者等は、浸炭窒化処理を連
続式に行なうため、被処理物を浸炭性ガス雰囲気中で加
熱する昇温ゾーンと、該昇温ゾーンで加熱された被処理
物を窒化性ガス雰囲気中で保持して窒化する窒化ゾーン
と、上記昇温ゾーンと窒化ゾーンとを被処理物が移送可
能に連通させる連通部と、該連通部を開閉する開閉扉と
を備えた窒化装置を考慮した。
【0005】この窒化装置は次のようにして窒化処理す
るものである。すなわち、被処理物を昇温ゾーンに投入
すると共に該昇温ゾーンに浸炭性ガスを導入した後、該
昇温ゾーンを昇温し、次に開閉扉を開操作して連通部を
開放し、被処理物を昇温ゾーンから連通部を通って窒化
ゾーンに移送し、被処理物の移送が完了すると、開閉扉
を閉操作して連通部を閉鎖し、しかる後、窒化ゾーンに
浸炭窒化ガスを導入して被処理物を浸炭窒化ガス雰囲気
中で保持して浸炭窒化し、被処理物の窒化が完了すると
該被処理物を窒化ゾーンから外部例えば焼入れゾーンへ
搬出するものである。尚、この場合、窒化ゾーンの温度
は、浸炭窒化ガス中のNH3 が適度に分解する温度つま
り昇温ゾーンの温度よりも低い温度に設定されていると
共に、浸炭窒化時に窒化ゾーンに導入する浸炭窒化ガス
は略一定量に設定されている。
【0006】しかるに、昇温ゾーンで加熱した被処理物
を窒化ゾーンに移送するため開閉扉を開操作すると、連
通部を通って雰囲気ガスの流動が生じるため、窒化ゾー
ンに導入されていた浸炭窒化ガスひいてはNH3 ガスが
昇温ゾーンに流入してしまう。そしてNH3 ガスが昇温
ゾーンに流入すると、上記のように昇温ゾーンは窒化ゾ
ーンよりも高い温度に設定されておりNH3 の分解率が
高いので、該昇温ゾーンにおいて[N]が発生する。こ
の[N]によって昇温ゾーンの被処理物が部分的に窒化
されてしまい、次工程での浸炭窒化が完了した際に、被
処理物の表面層に拡散浸透した[N]の量にバラツキが
生じ、被処理物の品質が低下するという問題が発生し
た。
【0007】また、上記の窒化装置を用いて浸炭窒化を
繰り返すと、以下に説明するように、窒化ゾーンに残留
するNH3 ガス量が次第に増加してしまう。すなわち、
例えば1番目の被処理物を窒化する際に窒化ゾーンに導
入される窒化性ガスのうちの一定量は、[N]とH2
に分解しないで残留NH3 ガスとして滞留する。ところ
が、次に移送されてくる2番目の被処理物を浸炭窒化す
る際にも、1番目の被処理物と同量の窒化性ガスが導入
されるので、そのうちの一定量は残留NH3 ガスとして
滞留する。従って、2番目の被処理物の浸炭窒化が完了
した時点では1番目の被処理物の窒化が完了した時点よ
りも残留NH3 ガス量が多くなっている。従って、上記
のようなサイクルを繰り返すと、窒化ゾーンに残留する
NH3 量は次第に増加するため、被処理物の表面に拡散
浸透する[N]の量が多くなり過ぎて被処理物の品質に
悪影響が生じるという問題が発生した。これに対して、
残留NH3 ガスの量を検出する適当な手段は存在しない
のが実状であるため、窒化ゾーンに残留するNH3 ガス
量を検出し、その検出量に応じて窒化性ガスの量を調整
することができない。
【0008】上記に鑑みて、本発明は、被処理物の表面
槽に拡散浸透する[N]の量のバラツキに伴う被処理物
の品質の低下を招かないようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、昇温ゾーンの浸炭性ガスを窒化
ゾーン側へ流出させておくことによって、昇温ゾーンか
ら窒化ゾーンにかけての気流を作り、窒化ゾーンに存在
する窒化性ガスが昇温ゾーンへ流入するのを阻止するも
のである。
【0010】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、被処理物を浸炭性ガス雰囲気中で加熱する昇温ゾー
ンと、該昇温ゾーンで加熱された被処理物を窒化性ガス
雰囲気中で保持して窒化する窒化ゾーンと、上記昇温ゾ
ーンと窒化ゾーンとを被処理物が移送可能に連通させる
連通部と、該連通部を開閉する開閉扉と、上記昇温ゾー
ンと窒化ゾーンとを浸炭性ガスが流通可能に連通させる
バイパス路と、上記昇温ゾーンの浸炭性ガスを上記連通
部及びバイパス路のうちの少なくとも一方を通じて上記
窒化ゾーンに流出させる流れを作る気流生成手段とを備
えている構成とするものである。
【0011】また、上記の目的を達成するため、請求項
2の発明は、適時に、浸炭性ガスを窒化ゾーンに導入
し、該浸炭性ガスによって窒化ゾーンに残留するNH3
ガスをパージするものである。
【0012】具体的に請求項2の発明が講じた解決手段
は、被処理物を浸炭性ガス雰囲気中で加熱する昇温ゾー
ンと、該昇温ゾーンで加熱された被処理物を窒化性ガス
雰囲気中で保持して窒化する窒化ゾーンと、上記昇温ゾ
ーンと窒化ゾーンとを被処理物が移送可能に連通させる
連通部と、該連通部を開閉する開閉扉とを備え、上記窒
化ゾーンには、窒化性ガスを該窒化ゾーンに導入する窒
化性ガス導入手段と、浸炭性ガスを該窒化ゾーンに導入
する浸炭性ガス導入手段と、該窒化ゾーンに残留する残
留アンモニアガスを外部へ排出する排出手段とが設けら
れている構成とするものである。
【0013】
【作用】請求項1の構成により、開閉扉が開操作されて
連通部が開放状態のときには、気流生成手段を作動させ
て、昇温ゾーンの浸炭性ガスを連通部を通じて窒化ゾー
ンに流出させる気流を作る。このため、連通部が開放さ
れても窒化ゾーンのNH3 ガスは気流に阻止されて昇温
ゾーンに流入しない。
【0014】また、開閉扉が閉操作されて連通部が閉塞
状態のときには、気流生成手段を作動させて、昇温ゾー
ンの浸炭性ガスをバイパス路を通じて窒化ゾーン側へ流
出させる気流を作る。このため、常に昇温ゾーンから窒
化ゾーンにかけての気流が生じているので、連通部の開
放直後においても窒化ゾーンのNH3ガスは昇温ゾーン
に流入しない。
【0015】請求項2の構成により、窒化ゾーンに、浸
炭性ガスを導入する浸炭性ガス導入手段と、残留アンモ
ニアガスを外部へ排出する排出手段とが設けられている
ため、浸炭性ガスを浸炭性ガス導入部から窒化ゾーンに
導入し、該浸炭性ガスによって窒化ゾーンに残留するN
3 ガスをパージすることにより、窒化ゾーンに残留す
るアンモニアガスを排出手段から外部に排出することが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1は本発明の一実施例に係る窒化装置の
左側部分の概略平面構造を、図2は上記窒化装置の右側
部分の概略平面構造を各々示し、該窒化装置は、左右方
向に延びる一連の通路を有するトンネル型の連続炉10
の内部で、被処理物を積載したパレット12が、移送手
段としての駆動ローラによって左方から右方に順次移送
されるものである。
【0018】連続炉10は開閉可能な複数の開閉扉1
4,14…によって順次仕切られており、該連続炉10
には、左方から、順次、脱脂室16、昇温室18、浸炭
室20、冷却室22、昇温ゾーンとしての再昇温室2
4、窒化ゾーンとしての降温室26、窒化室28及び抽
出ベスチブル30が配置されている。この場合、冷却室
22と再昇温室24との間には、両室間のシール性を強
化するため開閉扉14が二重に設けられている。また、
連続炉10の右方にソルト槽32が該連続炉10に隣接
して配設されている。
【0019】脱脂室16は、脱脂処理つまり被処理物の
表面に付着している油を除去するゾーンであって、該脱
脂処理は、被処理物に付着している油が熱処理中に蒸発
して雰囲気ガスを汚染し、所望の熱処理例えば浸炭処理
が適切にできなくなるのを防止するために行なうもので
ある。そして、被処理物を加熱して脱脂処理を行なうた
め、脱脂室16には、室温を約700〜800℃に上昇
させるヒータとしてのエレクトロチューブ34、加熱さ
れた空気を撹拌する撹拌ファン36、及び該脱脂室16
の室温を検出する温度センサーとしての熱電対38が各
々配設されている。
【0020】昇温室18は、脱脂処理された被処理物を
予め加熱するゾーンであって、被処理物を加熱するた
め、該昇温室18には、室温を約900〜950℃に上
昇させるエレクトロチューブ34、被処理物の酸化及び
脱炭を防止するために、炉内変成法により得られる変成
ガス(空気とC4 10との混合ガス)である酸浸炭ガス
(以下、酸浸炭ガスと称する。)を導入する酸浸炭ガス
導入部40A、該昇温室18の酸素濃度を検出するO2
センサーを内蔵し雰囲気ガスをサンプル抽出するための
サンプルチューブ42、及び上記同様の撹拌ファン36
及び熱電対38が各々配設されている。
【0021】浸炭室20は、浸炭つまり被処理物の表面
にCを拡散浸透させるゾーンであって、浸炭を行なうた
め、該浸炭室20には、室温を約900℃〜950℃に
上昇させるエレクトロチューブ34、被処理物の表面に
Cを拡散浸透させるための浸炭性ガスとしての酸浸炭ガ
スを導入する酸浸炭ガス導入部40B、上記同様の撹拌
ファン36、熱電対38及びサンプルチューブ42が各
々配設されている。
【0022】冷却室22は浸炭された被処理物を強制冷
却するゾーンであって、該冷却室22には、被処理物の
酸化及び脱炭を防止する浸炭性ガスとしての酸浸炭ガス
を該冷却室22に導入する酸浸炭ガス供給手段44、冷
却用ガスを被処理物に吹き付けて冷却するガス冷却手段
46、及び冷却室22内の圧力を調整する圧力調整手段
48が各々接続されている。
【0023】再昇温室24は、金属組織をオーステナイ
ト組織に固溶させるため、被処理物を再度加熱するゾー
ンであって、該再昇温室24には、室温を約850〜8
70℃に昇温させるエレクトロチューブ34、被処理物
の酸化及び脱炭を防止する浸炭性ガスとしての酸浸炭ガ
スを導入する酸浸炭ガス導入部40C、同じく浸炭性ガ
スとしての吸熱形変成ガスを導入する吸熱形変成ガス導
入部54C、上記同様の撹拌ファン36、熱電対38及
びサンプルチューブ42が各々配設されている。
【0024】降温室26は、再昇温室24で加熱された
被処理物を約820〜840℃に降温させつつ、浸炭窒
化つまり被処理物の表面に[C]及び[N]を拡散浸透
させるゾーンであって、該降温室26には、酸浸炭ガス
を導入する浸炭性ガス導入手段としての酸浸炭ガス導入
部40D、同じく吸熱形変成ガスを導入する浸炭性ガス
導入手段としての吸熱形変成ガス導入部54D、NH3
ガス(窒化性ガス)を導入する窒化性ガス導入手段とし
てのアンモニア供給手段56D、上記同様のエレクトロ
チューブ34、撹拌ファン36、熱電対38、サンプル
チューブ42が各々配設されている。そして、アンモニ
ア供給手段56Dは、NH3 ガスを供給するアンモニア
供給装置56aと、NH3ガスを降温室26へ導入する
アンモニア導入路56bと、アンモニア導入路56bを
流通するNH3 ガス量を調整する異径の複数の流路より
なるバイパス路56cとから構成されている。
【0025】このようにして降温室26の内部で、酸浸
炭ガス導入部40Dから導入される酸浸炭ガス及び/又
は吸熱形変成ガス導入部54Dから導入される吸熱形変
成ガスに、アンモニア供給手段56Dから導入されるN
3 ガスが添加されて浸炭窒化ガスが生成されるので、
該降温室26の内部は浸炭窒化ガス雰囲気になる。従っ
て、該降温室26で被処理物を約820〜840℃に降
温させる過程で該被処理物は浸炭窒化される。
【0026】窒化室28は、降温室26で降温された被
処理物を上記同様の浸炭窒化ガス雰囲気中における約8
20〜840℃の温度下で保持することにより、該被処
理物を本格的に浸炭窒化するゾーンであって、該窒化室
28には、室温を約820〜840℃に維持するエレク
トロチューブ34、上記同様の撹拌ファン36、熱電対
38、酸浸炭ガス導入部40E、吸熱形変成ガス導入部
54E、サンプルチューブ42、及びアンモニア供給手
段56が各々配設されており、降温室26と同様にして
浸炭窒化ガスが生成される。
【0027】抽出ベスチブル30は、浸炭窒化された被
処理物を連続炉10からソルト槽32に移送するため、
窒化室28における右側つまりソルト槽32側の開閉扉
14を開放した際に、窒化室28の圧力及び温度が低下
するのを防止するゾーンであって、上記同様のエレクト
ロチューブ34及び熱電対38が各々配設されている。
【0028】ソルト槽32は、浸炭窒化された被処理物
をソルト焼き入れするものであって、周知の構造を有し
ている。
【0029】本実施例の特徴として、再昇温室24と降
温室26との間には、両室を連通させるため流路開閉弁
58aを介設した第1バイパス路58が設けられ、降温
室26と窒化室28との間には、両室を連通させるため
流路開閉弁60aを介設した第2バイパス路60が設け
られ、窒化室28と抽出ベスチブル30との間には、両
室を連通させるため流路開閉弁62aを介設した第3バ
イパス路62が設けられている。
【0030】そして、本実施例の窒化装置においては、
再昇温室24に酸浸炭ガス導入部40C及び/又はRX
ガス導入部54Cから導入される浸炭性ガスのボリュー
ム(V1 )が、降温室26に酸浸炭ガス導入部40D及
び/又はRXガス導入部54Dから導入される浸炭性ガ
スのボリュームとアンモニア供給手段56Dから導入さ
れる窒化性ガスのボリュームとの合計ボリューム
(V2 )よりも多くなるように設定されている。このた
め、再昇温室24と降温室26との間の開閉扉14が開
操作されて再昇温室24と降温室26との連通部25が
開放されている場合には、再昇温室24の浸炭性ガスは
連通部25を通って降温室26に流入し、第1バイパス
路58の流路開閉弁58aが開操作されている場合に
は、再昇温室24の浸炭性ガスは第1バイパス路58を
通って降温室26に流入する。従って、再昇温室24に
おける浸炭性ガスのボリューム(V1 )を降温室26に
おける上記合計ボリューム(V2 )より大きくする手段
である酸浸炭ガス導入部40C及び/又はRXガス導入
部54Cによって、再昇温室24の浸炭ガスを降温室2
6に流出させる流れを作る気流生成手段63が構成され
ている。
【0031】また、本実施例の窒化装置においては、降
温室26の上記合計ボリューム(V2 )が、窒化室28
に酸浸炭ガス導入部40E及び/又はRXガス導入部5
4Eから導入される浸炭性ガスのボリュームとアンモニ
ア供給手段56Eから導入される窒化性ガスのボリュー
ムとの合計ボリューム(V3 )よりも多くなるように設
定されている。このため、第2バイパス路60の流路開
閉弁60aが開操作されている場合には、降温室26の
浸炭窒化性ガスは第2バイパス路60を通って窒化室2
8に流入し、さらに、第3バイパス路62の流路開閉弁
62aが開操作されている場合には、窒化室28の浸炭
窒化性ガスは第3バイパス路62を通って抽出ベスチブ
ル30に流出した後、該流出ベスチブル30から外部に
流出する。
【0032】尚、再昇温室24の上記ボリューム
(V1 )を降温室26の上記合計ボリューム(V2 )よ
りも大きくする方法としては、再昇温室24に流入する
ガスの圧力を降温室26に流入するガスの圧力よりも大
きくしてもよいし、両室に流入するガスの圧力を同圧に
設定する一方、再昇温室24の容積を降温室26の容積
より大きく設定してもよい。
【0033】また、降温室26の上記合計ボリューム
(V2 )を窒化室28の上記合計ボリューム(V3 )よ
りも大きくする方法としては、両室に流入するガスの圧
力に差を設けてもよいし、両室に流入するガスの圧力を
同圧に設定する一方、降温室26の容積を窒化室28の
容積より大きく設定してもよい。
【0034】本実施例の窒化装置は、被処理物を再昇温
室24から降温室26に移送する際に次のように操作さ
れる。
【0035】まず、降温室26に被処理物が存在しない
状態で再昇温室24と降温室26との間の開閉扉14を
開操作する。この場合には、第1バイパス路58の流路
開閉弁58aを閉操作しておく。このようにすると、再
昇温室24の浸炭ガスが連通部25を通って降温室26
に流出し、再昇温室24から降温室26にかけて流れる
気流が発生しているため、この気流に阻止されて降温室
26の浸炭窒化性ガスひいてはNH3 ガスが再昇温室2
4に流入することはない。
【0036】被処理物の降温室26への移送が完了する
と、再昇温室24と降温室26との間の開閉扉14を閉
操作する一方、第1バイパス路58の流路開閉弁58a
を開操作する。このようにすると、再昇温室24の浸炭
ガスが第1バイパス路58を通って降温室26に常時流
出しているため、再昇温室24から降温室26にかけて
流れる気流が常時生成されているので、、やはりこの気
流に阻止されて降温室26の窒化性ガスが再昇温室24
に流入することはない。
【0037】このようにして降温室26に流入した浸炭
ガスは、該降温室26に存在している浸炭窒化性ガスに
混入されて第2バイパス路60、窒化室28、第3バイ
パス路62及び抽出ベスチブル30を通って外部に流出
する。
【0038】さらに、本実施例の特徴として、昇温室2
4には、該再昇温室24内の浸炭性ガスを外部へ排出す
るため流路開閉弁64aを介設した再昇温室ガス排出路
64が設けられ、降温室26には、該降温室26内に残
留したNH3ガスを外部へ排出するため流路開閉弁66
aを介設した残留NH3 ガス排出手段としての降温室ガ
ス排出路66が設けられ、抽出ベスチブル30には、該
抽出ベスチブル30内の浸炭窒化性ガスを外部へ排出す
るため流路開閉弁68aを介設した抽出ベスチブルガス
排出路68が設けられている。
【0039】本実施例の窒化装置は、被処理物を再昇温
室24から降温室26に移送する際、次のように操作さ
れる。尚、以下では説明の便宜のために、再昇温室24
と降温室26との間の開閉扉14を搬入用扉14A、降
温室26と窒化室28との間の開閉扉14を搬出用扉1
4Bと称する。
【0040】まず、降温室26における被処理物の降温
が完了すると、搬出用扉14Bを開放し、被処理物を窒
化室28へ移送し、移送完了後に搬出用扉14Bを閉塞
する。このようにすると、窒化室28からの浸炭窒化性
ガスの流入により、降温室26における浸炭窒化ガスの
ボリュームが増加するので、図3におけるピーク1で示
されるように残留NH3 ガス量は急に増加する。その
後、NH3 ガスは時間の経過と共に[N]とH2 とに分
解するので、残留NH3 量は減少する。
【0041】次に、搬入用扉14Aを開放して被処理物
を再昇温室24から降温室26に移送し、移送が完了す
ると、搬入用扉14Aを閉塞して、一定量の窒化性ガス
をNH3 ガス供給手段56から降温室26に導入し、被
処理物を浸炭窒化ガス雰囲気中で降温しつつ浸炭窒化す
る。このようにすると、窒化性ガスの導入により、図3
におけるピーク2で示されるように残留NH3 ガス量は
急に増加する。その後、NH3 ガスは時間の経過と共に
[N]とH2 とに分解するので、残留NH3 量は減少す
る。
【0042】次に、被処理物の降温が完了すると、再
度、搬出用扉14Bを開放し、被処理物を窒化室28へ
移送し、移送完了後に搬出用扉14Bを閉塞する。この
ようにすると、上記と同様の理由により図3におけるピ
ーク3で示されるように残留NH3 ガス量は急増する。
その後、NH3 ガスは時間の経過と共に[N]とH2
に分解するので、残留NH3 量は減少する。
【0043】次に、再度、搬入用扉14Aを開放して被
処理物を降温室26に移送し、移送完了後に搬入用扉1
4Aを閉塞し、一定量の窒化性ガスを導入して被処理物
を浸炭窒化雰囲気中で降温しつつ窒化する。このように
すると、上記と同様の理由により図3におけるピーク4
で示されるように残留NH3 ガス量は急増する。
【0044】その後、上記同様、残留NH3 量は減少す
るが、残留NH3 量を減少させる措置を講じなければ、
図3の破線で示されるようにピーク3後の残留NH3
はピーク1後の残留NH3 量よりも多くなり、ピーク4
後の残留NH3 量はピーク2後の残留NH3 量よりも多
くなる。
【0045】そこで、本実施例に係る窒化装置を用いて
被処理物を窒化する場合には、ピーク3の直後、つまり
被処理物の窒化室28への移送が完了し、搬出用扉14
Bを閉塞した直後に、降温室ガス排出路66の流路開閉
弁66aを開操作すると共に、吸熱形変成ガス導入部5
4Dから浸炭性ガスとしての吸熱形変成ガスを多量に導
入する。
【0046】このようにすると、残留NH3 ガスは吸熱
形変成ガスによってパージされて降温室ガス排出路66
から外部に排出される。このため、図3の実線に示すよ
うに、ピーク3後の残留NH3 量はピーク1後の残留N
3 量と略同量になり、これに伴って、ピーク4後の残
留NH3 量はピーク2後の残留NH3 量と略同量にな
る。
【0047】尚、本実施例に係る窒化装置は、再昇温室
24と窒化室28との間に降温室26が設けられていた
が、これに代えて降温室26を省略してもよい。この場
合には、窒化室28が窒化ゾーンを構成するため、該窒
化室28に、窒化室26内に残留したNH3 ガスを外部
へ排出するための窒化室ガス排出路を設ける必要があ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る窒化装置によると、昇温ゾーンと窒化ゾーンとを被
処理物が移送可能に連通させる連通部と、昇温ゾーンと
窒化ゾーンとを浸炭性ガスが流通可能に連通させるバイ
パス路と、昇温ゾーンの浸炭性ガスを連通部及びバイパ
ス路のうちの少なくとも一方を通じて窒化ゾーンに流出
させる流れを生成する気流生成手段とを設けたため、開
閉扉を開操作して連通部を開放しても、昇温ゾーンから
窒化ゾーンへかけて流れる気流に阻止されて窒化ゾーン
の窒化性ガスは昇温ゾーンに流入しないので、昇温ゾー
ンでの[N]に起因する被処理物の品質の低下を防止す
ることができ、安定した品質の被処理物を得ることがで
きる。
【0049】また、請求項2の発明に係る窒化装置によ
ると、窒化ゾーンに、浸炭性ガスを導入する浸炭性ガス
導入手段と、残留する残留アンモニアガスを外部へ排出
する排出手段とを設けたため、浸炭性ガスを窒化ゾーン
に導入して該窒化ゾーンに残留するNH3 ガスをパージ
し、残留NH3 ガスを外部へ排出することができるの
で、窒化ゾーンで被処理物に対する窒化を繰り返して
も、該窒化ゾーンに残留するNH3 ガスの量が増加せ
ず、窒化ゾーンでの[N]に起因する被処理物の品質の
低下を防止することができ、安定した品質の被処理物を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である窒化装置の左側部分を
示す概略平面図である。
【図2】本発明の一実施例である窒化装置の右側部分を
示す概略平面図である。
【図3】上記窒化装置を用いて窒化処理する場合の時間
経過と残留NH3 ガス量との関係を示す図である。
【符号の説明】
10…連続炉 14…開閉扉 24…再昇温室(昇温ゾーン) 25…連通部 26…降温室(窒化ゾーン) 28…窒化室 40C…酸浸炭ガス導入部 40D…酸浸炭ガス導入部(浸炭性ガス導入手段) 54C…吸熱形ガス導入部 54D…吸熱形変成ガス導入部(浸炭性ガス導入手段) 56D…アンモニアガス供給手段(窒化性ガス導入手
段) 58…第1バイパス路(バイパス路) 63…気流生成手段 66…降温室ガス排出路(排出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庄賀 英雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 山岡 孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 永井 克和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 長浜 博 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 須沢 昌之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−213652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 8/32 - 8/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を浸炭性ガス雰囲気中で加熱す
    る昇温ゾーンと、該昇温ゾーンで加熱された被処理物を
    窒化性ガス雰囲気中で保持して窒化する窒化ゾーンと、
    上記昇温ゾーンと窒化ゾーンとを被処理物が移送可能に
    連通させる連通部と、該連通部を開閉する開閉扉と、上
    記昇温ゾーンと窒化ゾーンとを浸炭性ガスが流通可能に
    連通させるバイパス路と、上記昇温ゾーンの浸炭性ガス
    を上記連通部及びバイパス路のうちの少なくとも一方を
    通じて上記窒化ゾーンに流出させる流れを作る気流生成
    手段とを備えていることを特徴とする窒化装置。
  2. 【請求項2】 被処理物を浸炭性ガス雰囲気中で加熱す
    る昇温ゾーンと、該昇温ゾーンで加熱された被処理物を
    窒化性ガス雰囲気中で保持して窒化する窒化ゾーンと、
    上記昇温ゾーンと窒化ゾーンとを被処理物が移送可能に
    連通させる連通部と、該連通部を開閉する開閉扉とを備
    え、上記窒化ゾーンには、窒化性ガスを該窒化ゾーンに
    導入する窒化性ガス導入手段と、浸炭性ガスを該窒化ゾ
    ーンに導入する浸炭性ガス導入手段と、該窒化ゾーンに
    残留する残留アンモニアガスを外部へ排出する排出手段
    とが設けられていることを特徴とする窒化装置。
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