JP2954590B2 - 高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高内圧重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤ、典型的には航空機の使途に供するタイヤに関し、こ
の種のタイヤのビード部耐久性能は、か酷にわたる使用
条件の下に損耗し著しいトレッドゴムのリキャップによ
る寿命更新の成否を左右することから、その向上が強く
要請されている。
ヤ、典型的には航空機の使途に供するタイヤに関し、こ
の種のタイヤのビード部耐久性能は、か酷にわたる使用
条件の下に損耗し著しいトレッドゴムのリキャップによ
る寿命更新の成否を左右することから、その向上が強く
要請されている。
(従来の技術) 一般にラジアルタイヤの場合、カーカスを単にビード
コアのまわりで内から外へ巻き返したターンアップ構造
が広く用いられている。これに対してとくに航空機タイ
ヤのように高内圧での使用に適合させるためには、複数
プライのカーカスを用い少なくとも1プライはビードコ
アのまわりで内から外へ巻返した内側カーカスと、この
内側カーカスに沿えてこんどはビードコアの外から内に
向って巻きつけた少なくとも1プライの外側カーカスと
を有するいわゆるアップ−ダウン構造が多く使われ、そ
れというのは長期間高内圧でしかもとくに再三にわたる
リキャップを経て使用される間にカーカスに働く内圧に
よって折返し部を引抜く向きに働く作用力に基いてカー
カスとビードコアとの間に生じる過度のせん断力が著し
く軽減されて、その部分でのセパレーションの発生を有
利に抑制し得るからである。
コアのまわりで内から外へ巻き返したターンアップ構造
が広く用いられている。これに対してとくに航空機タイ
ヤのように高内圧での使用に適合させるためには、複数
プライのカーカスを用い少なくとも1プライはビードコ
アのまわりで内から外へ巻返した内側カーカスと、この
内側カーカスに沿えてこんどはビードコアの外から内に
向って巻きつけた少なくとも1プライの外側カーカスと
を有するいわゆるアップ−ダウン構造が多く使われ、そ
れというのは長期間高内圧でしかもとくに再三にわたる
リキャップを経て使用される間にカーカスに働く内圧に
よって折返し部を引抜く向きに働く作用力に基いてカー
カスとビードコアとの間に生じる過度のせん断力が著し
く軽減されて、その部分でのセパレーションの発生を有
利に抑制し得るからである。
さて上記のような場合も含め一般にビード部耐久性を
向上させる手段としては、ビードコア上からサイドウォ
ールにかけて三角形断面形状のゴムストックを配置する
ことや主として有機繊維コードよりなるビード部補強層
をビード部内に配置することなどの補強手法が講じられ
るが、こうした補強手法をビード部変形状態とともに種
々検討した結果、とくに上記のアップ−ダウン構造のカ
ーカスを主補強とする場合には、補強部材の配置の方法
によっては、補強部材自身に起因する故障が先行して必
ずしもビード部耐久性の向上はつながらないことが突き
止められた。
向上させる手段としては、ビードコア上からサイドウォ
ールにかけて三角形断面形状のゴムストックを配置する
ことや主として有機繊維コードよりなるビード部補強層
をビード部内に配置することなどの補強手法が講じられ
るが、こうした補強手法をビード部変形状態とともに種
々検討した結果、とくに上記のアップ−ダウン構造のカ
ーカスを主補強とする場合には、補強部材の配置の方法
によっては、補強部材自身に起因する故障が先行して必
ずしもビード部耐久性の向上はつながらないことが突き
止められた。
(発明が解決しようとする課題) 高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤ、例えば航空
機用のラジアルタイヤの場合、負荷荷重が高く撓みが大
きいので、リムフランジとの接触部での面圧が高くしか
もこの部分での変形がとくに大きいことは、ビード部耐
久性の問題を生じる根本である。
機用のラジアルタイヤの場合、負荷荷重が高く撓みが大
きいので、リムフランジとの接触部での面圧が高くしか
もこの部分での変形がとくに大きいことは、ビード部耐
久性の問題を生じる根本である。
とくにアップ−ダウン構造のカーカスプライを主補強
とするタイヤの場合と、ビード下部が内側カーカスと外
側カーカスとで囲み閉ざされているために、ビード剛性
が高まる一方、これに起因して外側カーカスとリムのフ
ランジとの間のゴム部分に変形が集中するため、このゴ
ム部分は外側カーカスとの間でのセパレーションを起
し、またリムフランジとの接触位置でのゴムのクラック
が生じたり、さらにはリムとのこすれ合いによるビード
部タイヤ外皮の摩滅が大きい等の問題が加わってビード
部耐久性向上を期し難くしている。
とするタイヤの場合と、ビード下部が内側カーカスと外
側カーカスとで囲み閉ざされているために、ビード剛性
が高まる一方、これに起因して外側カーカスとリムのフ
ランジとの間のゴム部分に変形が集中するため、このゴ
ム部分は外側カーカスとの間でのセパレーションを起
し、またリムフランジとの接触位置でのゴムのクラック
が生じたり、さらにはリムとのこすれ合いによるビード
部タイヤ外皮の摩滅が大きい等の問題が加わってビード
部耐久性向上を期し難くしている。
すなわち上述した従来のビード部補強の手法にあって
は、まず第1に内側カーカスとその折り返し部分との間
でビードコア上に、硬質ゴムストックを配置すること
は、負荷転動時におけるビードコア動きの抑制やビード
部のリムフランジとの接触圧の低減に役立つが、この硬
質ゴムストックが撓みの大きいビード上部まで延在する
ような補強を講じたとすると、内側カーカスと外側カー
カスが合わさる部分まで延伸した硬質ゴムストックの上
端付近に大きなせん断歪が生じて、その部分でセパレー
ションを起し易いことに加えて、変形の大きいビード上
部ではとくに重荷重下で使用されるタイヤの場合に硬質
ゴムストック自体が強制的な屈曲変形を受けて発熱を生
じるため、これに隣接する外側カーカスプライと、その
外側のゴム部材とのセパレーションを不所望に促進する
結果となる。
は、まず第1に内側カーカスとその折り返し部分との間
でビードコア上に、硬質ゴムストックを配置すること
は、負荷転動時におけるビードコア動きの抑制やビード
部のリムフランジとの接触圧の低減に役立つが、この硬
質ゴムストックが撓みの大きいビード上部まで延在する
ような補強を講じたとすると、内側カーカスと外側カー
カスが合わさる部分まで延伸した硬質ゴムストックの上
端付近に大きなせん断歪が生じて、その部分でセパレー
ションを起し易いことに加えて、変形の大きいビード上
部ではとくに重荷重下で使用されるタイヤの場合に硬質
ゴムストック自体が強制的な屈曲変形を受けて発熱を生
じるため、これに隣接する外側カーカスプライと、その
外側のゴム部材とのセパレーションを不所望に促進する
結果となる。
反面、ビード下部における硬質ゴムストックの低すぎ
る配置ではその硬質ゴムストックより上方の部分でのビ
ード部の動きが大きくなってリムフランジとの間の相対
動きにより、ビード部タイヤ外皮のリムフランジとのこ
すれ合い(以下リムこすれと呼ぶ)が大きくなってしま
う問題を残す。
る配置ではその硬質ゴムストックより上方の部分でのビ
ード部の動きが大きくなってリムフランジとの間の相対
動きにより、ビード部タイヤ外皮のリムフランジとのこ
すれ合い(以下リムこすれと呼ぶ)が大きくなってしま
う問題を残す。
第二には有機繊維コードよりなるビード部補強層を用
いる従来の補強手段についても、とくに負荷時の屈曲変
形を抑えるためには、荷重直下のビード部におけるカー
カスプライに作用する円周張力によってプライコードの
間隔が引はなされる、いわゆる周方向開きを抑える観点
からは、負荷時に最も周方向開きの大きい外側カーカス
の外側に配置することこそ効果的なのであるが、アップ
−ダウンカーカス構造でとくに重荷重下で使用されるタ
イヤの場合には、リムのフランジとの接触圧が高い上
に、ビード部の屈曲による曲げ変形でビード部補強層の
コードに生じる圧縮歪を伴なうので、その補強層のコー
ド自身の疲労による強度低下が著しく、例えば航空機の
タイヤの様に摩耗したトレッドゴムを複数回貼り換え更
生して長期間使用する場合、補強層のコード破断からの
セパレーションを招く不利がある。
いる従来の補強手段についても、とくに負荷時の屈曲変
形を抑えるためには、荷重直下のビード部におけるカー
カスプライに作用する円周張力によってプライコードの
間隔が引はなされる、いわゆる周方向開きを抑える観点
からは、負荷時に最も周方向開きの大きい外側カーカス
の外側に配置することこそ効果的なのであるが、アップ
−ダウンカーカス構造でとくに重荷重下で使用されるタ
イヤの場合には、リムのフランジとの接触圧が高い上
に、ビード部の屈曲による曲げ変形でビード部補強層の
コードに生じる圧縮歪を伴なうので、その補強層のコー
ド自身の疲労による強度低下が著しく、例えば航空機の
タイヤの様に摩耗したトレッドゴムを複数回貼り換え更
生して長期間使用する場合、補強層のコード破断からの
セパレーションを招く不利がある。
そこで上記のような問題を有利に解決し、ビード部耐
久性に優れた高内圧重荷重用空気入りタイヤを提供する
ことがこの発明の目的である。
久性に優れた高内圧重荷重用空気入りタイヤを提供する
ことがこの発明の目的である。
(課題を解決するための手段) この発明は、互いに平行配列とした有機繊維コードよ
りなる複数プライを、タイヤ赤道面に対し70〜90゜の範
囲内のコード角度にてトロイド状に展張し、ビード部内
に埋設した一対のビードコアの周りにそれぞれ内から外
へ折返した少なくとも1プライの内側カーカスと、上記
ビードコアの外から内に巻付けた少なくとも1プライの
外側カーカスとを有し、内側カーカスとその折返し部と
の間でビードコアの外周面からタイヤ半径方向外方に向
かい先細り状に延びる略三角形断面形状の硬質ゴムのみ
のゴムストックを備える空気入りラジアルタイヤにおい
て、 上記硬質ゴムストックは、その先細り端が、標準内圧
の下で標準荷重を負荷したタイヤの荷重直下におけるビ
ード部タイヤ外皮とリムフランジとの離反点cに相当す
るビード部タイヤ外皮の外断面輪郭上の点c′から、上
記標準荷重を除いたタイヤの標準内圧充てん姿勢におけ
る内側カーカスのプライ本体最外側表面におろした法線
nと、ビードコアの断面図形の重心から前記法線nに至
る垂直距離の85%に相当する距離との間に位置し、硬質
ゴムストックはJIS硬度Aにて60゜以上の硬度を有する
ことを特徴とする高内圧重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤ(第1発明)並びに内側カーカスのプライ本体にのみ
隣接させて配置した複数層の有機繊維コード層よりなる
ビード部補強層を有し、該補強層のタイヤ半径方向上方
端末部終端は上記法線nよりも高く位置、かつタイヤ半
径方向下方端末部終端はビードコアの側方とビードコア
下方との間に位置し、上記複数層の補強層それぞれのコ
ードは、タイヤの半径方向に対し20゜〜70゜の平均的な
コード角度で隣接層間で互いに交差してなることを特徴
とする第1発明に記載した高内圧重荷重用空気入りラジ
アルタイヤ(第2発明)である。
りなる複数プライを、タイヤ赤道面に対し70〜90゜の範
囲内のコード角度にてトロイド状に展張し、ビード部内
に埋設した一対のビードコアの周りにそれぞれ内から外
へ折返した少なくとも1プライの内側カーカスと、上記
ビードコアの外から内に巻付けた少なくとも1プライの
外側カーカスとを有し、内側カーカスとその折返し部と
の間でビードコアの外周面からタイヤ半径方向外方に向
かい先細り状に延びる略三角形断面形状の硬質ゴムのみ
のゴムストックを備える空気入りラジアルタイヤにおい
て、 上記硬質ゴムストックは、その先細り端が、標準内圧
の下で標準荷重を負荷したタイヤの荷重直下におけるビ
ード部タイヤ外皮とリムフランジとの離反点cに相当す
るビード部タイヤ外皮の外断面輪郭上の点c′から、上
記標準荷重を除いたタイヤの標準内圧充てん姿勢におけ
る内側カーカスのプライ本体最外側表面におろした法線
nと、ビードコアの断面図形の重心から前記法線nに至
る垂直距離の85%に相当する距離との間に位置し、硬質
ゴムストックはJIS硬度Aにて60゜以上の硬度を有する
ことを特徴とする高内圧重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤ(第1発明)並びに内側カーカスのプライ本体にのみ
隣接させて配置した複数層の有機繊維コード層よりなる
ビード部補強層を有し、該補強層のタイヤ半径方向上方
端末部終端は上記法線nよりも高く位置、かつタイヤ半
径方向下方端末部終端はビードコアの側方とビードコア
下方との間に位置し、上記複数層の補強層それぞれのコ
ードは、タイヤの半径方向に対し20゜〜70゜の平均的な
コード角度で隣接層間で互いに交差してなることを特徴
とする第1発明に記載した高内圧重荷重用空気入りラジ
アルタイヤ(第2発明)である。
この発明において「標準内圧」「標準荷重」というの
はザ・タイヤ・アンド・リム・アソシエーション・スタ
ンダード(The Tire and Rim Association Standard)
の規格の無荷重内圧及び最大荷重を意味するものとす
る。
はザ・タイヤ・アンド・リム・アソシエーション・スタ
ンダード(The Tire and Rim Association Standard)
の規格の無荷重内圧及び最大荷重を意味するものとす
る。
さて上記のように硬質ゴムストックの先細り端は、上
記法線nと、ビードコアの断面図形の重心からこの法線
nに至る垂直距離の85%に相当する距離との間に位置す
ることを要し、とくに第1発明にあっては硬質ゴムスト
ックの先細り端をできるだけ法線nに近く位置させるこ
とがリムこすれの防止上のぞましく、第2発明にあって
はビード部補強層によってリムこすれの有効な防止を遂
げ得るので硬質ゴムストックの先細り端位置をより低
く、例えばビードコアの断面図形の重心から法線nに至
る垂直距離の85%にとどめることができる。
記法線nと、ビードコアの断面図形の重心からこの法線
nに至る垂直距離の85%に相当する距離との間に位置す
ることを要し、とくに第1発明にあっては硬質ゴムスト
ックの先細り端をできるだけ法線nに近く位置させるこ
とがリムこすれの防止上のぞましく、第2発明にあって
はビード部補強層によってリムこすれの有効な防止を遂
げ得るので硬質ゴムストックの先細り端位置をより低
く、例えばビードコアの断面図形の重心から法線nに至
る垂直距離の85%にとどめることができる。
なお硬質ゴムストックがタイヤ加硫中のゴム流動のた
めに法線nを越えることがあり得るけれども、越境部分
の厚みが通常のゴム被覆プライゲージと同等以下ならば
過当の補強効果を及ぼすことがないので、このような場
合は法線nを超えないものとして扱う。硬質ゴムストッ
クのショアA硬度はJIS K6301 1975に準拠する。
めに法線nを越えることがあり得るけれども、越境部分
の厚みが通常のゴム被覆プライゲージと同等以下ならば
過当の補強効果を及ぼすことがないので、このような場
合は法線nを超えないものとして扱う。硬質ゴムストッ
クのショアA硬度はJIS K6301 1975に準拠する。
この発明はすでに詳しく述べた検討の結果に従ってJI
S硬度Aで60゜以上の硬度を有する硬質ゴムストック
を、さらにこれに加えて有機繊維コードよりなる補強層
を、アップ−ダウンカーカス構造のビード変形の特徴に
合わせて効果的に配置することによりビード部耐久性を
大巾に向上させるものである。
S硬度Aで60゜以上の硬度を有する硬質ゴムストック
を、さらにこれに加えて有機繊維コードよりなる補強層
を、アップ−ダウンカーカス構造のビード変形の特徴に
合わせて効果的に配置することによりビード部耐久性を
大巾に向上させるものである。
(作 用) 上記した第1発明の構成により、高内圧重荷重用空気
入りラジアルタイヤの負荷転動時におけるビード部タイ
ヤ外皮とリムのフランジとの間の高い接触圧は、硬質ゴ
ムストックからタイヤ半径方向外方のタイヤ領域部分に
変形が転移する上、変形抑制効果に優れた硬質ゴムスト
ックが存在するビード部下方領域では大幅に軽減され、
硬質ゴムストック自身の発熱も抑制することができ、そ
の結果、ビード部タイヤ外皮と外側カーカスとの間のセ
パレーション、ビート部タイヤ外皮のゴムクラック及び
ビード部タイヤ外皮の著しい摩滅を同時に有利に解決す
る効果を発揮することができ、しかもタイヤの負荷転動
下にて硬質ゴムストックをリムのフランジによって変形
が拘束される領域内で適切に配置するので、硬質ゴムス
トック先端部と内側カーカスとの間及び硬質ゴムストッ
ク先端部と外側カーカスとの間のそれぞれのセパレーシ
ョン発生と、内側カーカスと外側カーカスとの間のプラ
イ間セパレーション発生とを阻止し、前者の効果と合わ
せビード耐久性を大幅に向上させることができる。
入りラジアルタイヤの負荷転動時におけるビード部タイ
ヤ外皮とリムのフランジとの間の高い接触圧は、硬質ゴ
ムストックからタイヤ半径方向外方のタイヤ領域部分に
変形が転移する上、変形抑制効果に優れた硬質ゴムスト
ックが存在するビード部下方領域では大幅に軽減され、
硬質ゴムストック自身の発熱も抑制することができ、そ
の結果、ビード部タイヤ外皮と外側カーカスとの間のセ
パレーション、ビート部タイヤ外皮のゴムクラック及び
ビード部タイヤ外皮の著しい摩滅を同時に有利に解決す
る効果を発揮することができ、しかもタイヤの負荷転動
下にて硬質ゴムストックをリムのフランジによって変形
が拘束される領域内で適切に配置するので、硬質ゴムス
トック先端部と内側カーカスとの間及び硬質ゴムストッ
ク先端部と外側カーカスとの間のそれぞれのセパレーシ
ョン発生と、内側カーカスと外側カーカスとの間のプラ
イ間セパレーション発生とを阻止し、前者の効果と合わ
せビード耐久性を大幅に向上させることができる。
他方硬質ゴムストック上方部でのカーカスの周方向動
きによるリムこすれについては、第2発明の構成によ
り、内側カーカスのプライ本体にのみ隣接してビード部
補強層を配置することにより抑制されて、外側カーカス
とリムフランジとの間のゴム部材の変形は効果的に軽減
され大巾にビード部耐久性の向上が達せられるのであ
る。
きによるリムこすれについては、第2発明の構成によ
り、内側カーカスのプライ本体にのみ隣接してビード部
補強層を配置することにより抑制されて、外側カーカス
とリムフランジとの間のゴム部材の変形は効果的に軽減
され大巾にビード部耐久性の向上が達せられるのであ
る。
ここに、内側カーカスに隣接する位置にのみビード部
補強層を配置するのはそれによるビード部の屈曲変形の
抑制に寄与させるためであるのは勿論であるが、それよ
りむしろ、円周方向の剪断変形に対して有効な補強効果
を、コードの疲労によるコード破断からのセパレーショ
ン故障を伴わずに実現するためである。
補強層を配置するのはそれによるビード部の屈曲変形の
抑制に寄与させるためであるのは勿論であるが、それよ
りむしろ、円周方向の剪断変形に対して有効な補強効果
を、コードの疲労によるコード破断からのセパレーショ
ン故障を伴わずに実現するためである。
(実施例) 第1図にこの発明に従う高内圧重荷重用空気入りラジ
アルタイヤを要部の断面で示した。図中1はリム、2は
ビードコア、3aはビードコアの周りをタイヤの内から外
へ巻返した内側カーカス、3bは内側カーカスの外側でタ
イヤの外から内に向けて巻きつけた外側カーカス、4は
硬質ゴムストックであり、まだ5はビード部補強層であ
る。
アルタイヤを要部の断面で示した。図中1はリム、2は
ビードコア、3aはビードコアの周りをタイヤの内から外
へ巻返した内側カーカス、3bは内側カーカスの外側でタ
イヤの外から内に向けて巻きつけた外側カーカス、4は
硬質ゴムストックであり、まだ5はビード部補強層であ
る。
図中点cは標準内圧のもとで標準荷重を負荷され仮想
線のように変形したタイヤの荷重直下でのビード部タイ
ヤ外皮6とリム1のフランジ7との離反点であり、符号
nは上記の負荷を除いたタイヤの標準内圧充てん姿勢に
おいて上記離反点cに相当する、ビード部タイヤ外皮6
の外断面輪郭上の点c′を通り、内側カーカス3aのプラ
イ本体最外側表面におろした法線である。ここにプライ
本体とは一対のビードコア2相互間にわたって延びる、
折返し部を除いたプライ部分である。
線のように変形したタイヤの荷重直下でのビード部タイ
ヤ外皮6とリム1のフランジ7との離反点であり、符号
nは上記の負荷を除いたタイヤの標準内圧充てん姿勢に
おいて上記離反点cに相当する、ビード部タイヤ外皮6
の外断面輪郭上の点c′を通り、内側カーカス3aのプラ
イ本体最外側表面におろした法線である。ここにプライ
本体とは一対のビードコア2相互間にわたって延びる、
折返し部を除いたプライ部分である。
この実施例のタイヤサイズは、H46×18.0R20(航空機
用)で、カーカス3a,3bはナイロン66(1680 D/3)コー
ドよりなるプライを用い、タイヤの赤道面に対してほぼ
90゜のコード角度で配列してなり、この場合3プライの
内側カーカス3aと2プライの外側カーカス3bとでアップ
−ダウン構造を構成する。
用)で、カーカス3a,3bはナイロン66(1680 D/3)コー
ドよりなるプライを用い、タイヤの赤道面に対してほぼ
90゜のコード角度で配列してなり、この場合3プライの
内側カーカス3aと2プライの外側カーカス3bとでアップ
−ダウン構造を構成する。
実施例1は第1図に示すビード部の補強構造を、実施
例2は第2図に示すビード部の補強構造を有し、JIS硬
度Aで80゜の硬質ゴムストック4を、さらにナイロン66
(1260 D/2)コードよりなりタイヤの半径方向に対し
て45゜の平均的なコード角度で互いに交差させた2層の
ビード部補強層5とともに配置し、実施例1は補強層5
を内側カーカス3aの最内側プライ本体の内側面にのみ隣
接配置し、実施例2は補強層5を内側カーカス3aの最外
側プライ本体の外側面にのみ隣接配置した。実施例3
は、第1図に示す実施例1のタイヤからビード部補強5
を省き、かつ硬質ゴムストック4(JIS硬度Aで80゜)
の先細り端を法線nの直下3mmに位置させたビード部補
強構造を有するタイヤである。
例2は第2図に示すビード部の補強構造を有し、JIS硬
度Aで80゜の硬質ゴムストック4を、さらにナイロン66
(1260 D/2)コードよりなりタイヤの半径方向に対し
て45゜の平均的なコード角度で互いに交差させた2層の
ビード部補強層5とともに配置し、実施例1は補強層5
を内側カーカス3aの最内側プライ本体の内側面にのみ隣
接配置し、実施例2は補強層5を内側カーカス3aの最外
側プライ本体の外側面にのみ隣接配置した。実施例3
は、第1図に示す実施例1のタイヤからビード部補強5
を省き、かつ硬質ゴムストック4(JIS硬度Aで80゜)
の先細り端を法線nの直下3mmに位置させたビード部補
強構造を有するタイヤである。
また、第3図,第4図には2種の比較例のビード部断
面を示した。図中の記号は第1図と同様で、硬質ゴムス
トック、ビード部補強層などの使用部材は実施例1と同
様の材料を用いている。
面を示した。図中の記号は第1図と同様で、硬質ゴムス
トック、ビード部補強層などの使用部材は実施例1と同
様の材料を用いている。
表1に第1図及び第2図の実施例1,2及び実施例3
と、第3図、第4図の比較例1,2とについて、タイヤの
ビード部耐久性のドラム試験による評価結果を示す。
と、第3図、第4図の比較例1,2とについて、タイヤの
ビード部耐久性のドラム試験による評価結果を示す。
このドラム試験は以下の条件で、各タイヤをドラム周
上で毎回35000ftの走行距離にて繰り返し走行させ、ビ
ード部にセパレーションが発生するまでの繰り返し回数
を比較例1を100とした指数で示し、ビード部耐久性と
した。値は大なるほど良い。
上で毎回35000ftの走行距離にて繰り返し走行させ、ビ
ード部にセパレーションが発生するまでの繰り返し回数
を比較例1を100とした指数で示し、ビード部耐久性と
した。値は大なるほど良い。
試験条件 内圧……14.1kg/cm2 荷重……53040Lbs 速度……40MPH またリムこすれに対する性能についてはドラム試験終
了後のリムのフランジによるビード部タイヤ外皮の摩耗
量を、最大摩耗深さで測定し、それをドラム試験の繰り
返し回数で除し平均化して1回当りの摩耗深さを求め、
比較例1での値を100とした指数で示した。値は小なる
ほど良い。
了後のリムのフランジによるビード部タイヤ外皮の摩耗
量を、最大摩耗深さで測定し、それをドラム試験の繰り
返し回数で除し平均化して1回当りの摩耗深さを求め、
比較例1での値を100とした指数で示した。値は小なる
ほど良い。
(発明の効果) この発明のタイヤは、ビード部耐久性が大巾に向上す
るとともに、リムこすれによる摩耗量も少なく、摩耗し
たトレッドゴムを貼り換え更生する長期間の使用に耐え
得る優れた性能を有する。
るとともに、リムこすれによる摩耗量も少なく、摩耗し
たトレッドゴムを貼り換え更生する長期間の使用に耐え
得る優れた性能を有する。
第1図、第2図はこの発明に従う空気入りラジアルタイ
ヤのビード部断面図、また第3図、第4図は比較試験の
ための同様な比較タイヤのビード部断面図である。 1……リム 2……ビードコア 3a……内側カーカス 3b……外側カーカス 4……硬質ゴムストック 5……有機繊維コード補強層 6……ビード部タイヤ外皮 7……リムのフランジ
ヤのビード部断面図、また第3図、第4図は比較試験の
ための同様な比較タイヤのビード部断面図である。 1……リム 2……ビードコア 3a……内側カーカス 3b……外側カーカス 4……硬質ゴムストック 5……有機繊維コード補強層 6……ビード部タイヤ外皮 7……リムのフランジ
Claims (2)
- 【請求項1】互いに平行配列とした有機繊維コードより
なる複数プライを、タイヤ赤道面に対し70〜90゜の範囲
内のコード角度にてトロイド状に展張し、ビード部内に
埋設した一対のビードコアの周りにそれぞれ内から外へ
折返した少なくとも1プライの内側カーカスと、上記ビ
ードコアの外から内に巻付けた少なくとも1プライの外
側カーカスとを有し、内側カーカスとその折返し部との
間でビードコアの外周面からタイヤ半径方向外方に向か
い先細り状に延びる略三角形断面形状の硬質ゴムのみの
ゴムストックを備える空気入りラジアルタイヤにおい
て、 上記硬質ゴムストックは、その先細り端が、標準内圧の
下で標準荷重を負荷したタイヤの荷重直下におけるビー
ド部タイヤ外皮とリムフランジとの離反点(c)に相当
するビード部タイヤ外皮の外断面輪郭上の点(c′)か
ら、上記標準荷重を除いたタイヤの標準内圧充てん姿勢
における内側カーカスのプライ本体最外側表面におろし
た法線(n)と、ビードコアの断面図形の重心から前記
法線(n)に至る垂直距離の85%に相当する距離との間
に位置し、硬質ゴムストックはJIS硬度Aにて60゜以上
の硬度を有することを特徴とする高内圧重荷重用空気入
りラジアルタイヤ。 - 【請求項2】内側カーカスのプライ本体にのみ隣接させ
て配置した複数層の有機繊維コード層よりなるビード部
補強層を有し、該補強層のタイヤ半径方向上方端末部終
端は上記法線(n)よりも高く位置し、かつタイヤ半径
方向下方端末部終端はビードコアの側方とビードコア下
方との間に位置し、上記複数層の補強層それぞれのコー
ドは、タイヤの半径方向に対し20゜〜70゜の平均的なコ
ード角度で隣接層間で互いに交差してなることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載した高内圧重荷重用空
気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63104348A JP2954590B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
FR8905606A FR2632252B1 (fr) | 1988-04-28 | 1989-04-27 | Pneumatique radial renforce a haute pression interne |
GB8909687A GB2218676B (en) | 1988-04-28 | 1989-04-27 | Heavy duty pneumatic radial tire. |
GB9215787A GB2256174A (en) | 1988-04-28 | 1992-07-24 | Heavy duty pneumatic radial tire. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63104348A JP2954590B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01275204A JPH01275204A (ja) | 1989-11-02 |
JP2954590B2 true JP2954590B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=14378385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63104348A Expired - Lifetime JP2954590B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 高内圧重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954590B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61113105U (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | ||
JPS6237204A (ja) * | 1985-03-28 | 1987-02-18 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 航空機用タイヤ |
JPS62155108A (ja) * | 1985-12-27 | 1987-07-10 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
JPS62261511A (ja) * | 1986-05-07 | 1987-11-13 | Bridgestone Corp | 高速重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JPS62286809A (ja) * | 1986-06-04 | 1987-12-12 | Bridgestone Corp | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JPS638006A (ja) * | 1986-06-30 | 1988-01-13 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 小形トラツク用ラジアルタイヤ |
-
1988
- 1988-04-28 JP JP63104348A patent/JP2954590B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01275204A (ja) | 1989-11-02 |
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