JP2954554B2 - 動力伝達ベルト - Google Patents

動力伝達ベルト

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JP2954554B2 JP9314353A JP31435397A JP2954554B2 JP 2954554 B2 JP2954554 B2 JP 2954554B2 JP 9314353 A JP9314353 A JP 9314353A JP 31435397 A JP31435397 A JP 31435397A JP 2954554 B2 JP2954554 B2 JP 2954554B2
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    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/28Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D29/00Producing belts or bands
    • B29D29/08Toothed driving belts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/14Driving-belts made of plastics
    • F16G1/16Driving-belts made of plastics with reinforcement bonded by the plastic material

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Belt Conveyors (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達ベルトに
関するものであり、特に繊維コード、および繊維コード
が張力部材として動力伝達ベルト(好ましくは歯付き動
力伝達ベルト)のウレタンから成る本体に埋め込まれて
使用されるといった処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維コードは、長い間動力伝達ベルトに
おいて張力の補強材として用いられてきた。このコード
は、ベルトを形成するエラストマーのベルト材から成る
本体に埋め込まれ、また、そのベルト材とともに粘着力
を増進し、コードを形成する繊維の劣化を抑制するよう
な処理が施される。しかしながら、そのような処理によ
り、コードおよびベルトの曲げ率を著しく低下させてし
まう程、繊維コードが非常に硬くなる可能性がある。従
って、すべてのベルトにうまく作用するようなただ1つ
のコードの処理というものはない。概して、コードの材
料であれベルトの材料であれ、どちらかが別のものに変
えられるなら、新たなコードの処理を確立しなければな
らない。
【0003】例えば、コードの材料がコットン、レーヨ
ン、若しくはナイロンであり、ベルトの材料がネオプレ
ンのようなゴムの場合、コードの処理には、レゾルシノ
ール・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)に浸
し、次いでゴムから成る粘着性付与材や溶液に浸すこと
が必要となるかもしれない。
【0004】コードの材料がポリエステルでベルトの材
料がゴムの場合、コードの処理には、メチレン・ジフェ
ニレン・イソシアン酸塩(MDI)に浸すことが必要と
なるかもしれない。
【0005】コードの材料がファイバーグラスでベルト
の材料がゴムの場合、コードの処理には、シランに浸し
次いでRFLに浸すことが必要となるかもしれない。
【0006】コードの材料がアラミドでベルトの材料が
ゴムの場合、コードの処理には、エポキシに浸し、次い
でRFLに浸し、次いで溶液に溶かされたゴムから成る
粘着性付与材に浸すことが必要となるかもしれない。
【0007】ベルトの材料の変更はまた、コードの処理
若しくはコードの選択に実質的な影響を与える。例え
ば、ベルトの材料としての注型可能なウレタンはコード
の処理の重要な部分を形成する可能性がある。ウレタン
が液状のときはコードの隙間に浸透する可能性がある。
しかしながら、高係数のベルトの材料として硬化状態の
ウレタンがコードの隙間に浸透すると、ある特定のコー
ドの材料は用いることができないものとなる可能性があ
る。何故ならそのようにウレタンが浸透したコードの曲
げ率は満足のいくものではない可能性があるためであ
る。また、浸透するウレタンは、コードに含まれる単繊
維にあまりに高い緊張をもたらし、コードの破損に到る
受け入れがたい単繊維の破損の原因となる。上述の理由
により、いくつかの例では、ベルトの材料がウレタンの
場合、コードの材料としてコットンやファイバーグラス
を用いるのは好ましくない。
【0008】コードの材料に関する予見できなかった問
題により、ウレタンが1964年にベルトの材料として
初めて導入され、効果的に用いられて以来、コードの処
理は過去30年以上もの間、予測のつかない紆余曲折の
途を辿ってきた。1964年の米国特許第3,138,
962号(ハイネス(Haines)他)には、張力の
補強材としての繊維コードを有する動力伝達ベルトがベ
ルト材料のウレタンから成るベルト本体に埋め込まれて
いる。当時の優先的なコードの材料はポリエステルだっ
たが、開示されたコードの材料は、ダクロン(ポリエス
テル)、コットン、ナイロンそしてフーティサン(セル
ロース・アセテート繊維)である。 ハイネスの発明の
特徴は、硬化していないキャスタブル・ウレタンをコー
ドに完全に浸透させ、コードに含まれるファイバにより
形成される隙間を完全に埋めるというコードの処理であ
る。換言すれば、1964年当時のコードの処理に関す
る技術は、コードの隙間を100パーセント、ベルト材
料のウレタンで満たすという段階だった。コードを10
0パーセント満たすという処理は、コードの曲げ率があ
まりにも高いためその結果コードの処理の更なる発展を
導いたので、短命に終わった。
【0009】1967年の米国特許第3,349,63
4号(ターヒュン(Terhune)他)には、張力補
強材として繊維コードを備えた動力伝達ベルトが、ベル
ト材料のウレタンから成るベルト本体に埋め込まれてい
る。当時優先的に用いられた材料はポリエステルだった
が、開示されたコードの材料はナイロン、レーヨン若し
くはポリエステルである。ターヒュンは、コードの隙間
にウレタンを完全に浸透させるという処理はコードやベ
ルトの硬い塊りを作り出す傾向がありそれゆえ弾性を減
ずる、ということを認識していた。ターヒュンの発明の
特徴は、コードに含まれるファイバーに完全に浸透する
材料にコードを浸す、というコードの前処理である。そ
の材料は、ターヒュンの時代にはイソシアン酸塩だっ
た。ベルト製造の間、液状ウレタンのベルト材料がコー
ドに浸透するのはコードの直径の10パーセントを超え
ない深さであり、それによりその場でコード処理も終了
する。コードの芯をその直径の90パーセントまではイ
ソシアン酸塩で満たし、残りの10パーセントはウレタ
ンで満たすことにより処理を終えるというこの前処理
は、今日でも尚、ポリエステルのコード材料に用いられ
ている。
【0010】1975年の米国特許第3,894,90
0号(レッドモンド(Redmond))において、ア
ラミド材のコード補強材を備えた動力伝達ベルトは、ウ
レタンのベルト材料から成るベルト本体に埋め込まれて
いる。レッドモンドの発明の特徴は、ベルト材料として
注型可能なウレタンから成る動力伝達ベルトのためのエ
ラストマーのない表面に関する。列挙された他の材料と
同様、アラミド材から成る繊維コードが張力補強材とし
てベルト本体に埋め込まれている。レッドモンドは、コ
ードに適した材料を浸透させてよいという程度まで認識
している。しかしながら、レッドモンドはアラミドのコ
ードに適した材料のタイプが何であるのか、あるいはど
のようにコードに浸透させるのかということを明らかに
していない。
【0011】列挙された他の材料と同様の、ケブラーと
いう商標で販売されているアラミドのコードと、ウレタ
ンのベルト材料との組み合わせは、1989年米国特許
第4,838,843号(ウエストホフ(Westho
ff))に開示されている。ウエストホフにより開示さ
れているコードの処理は、コードが600psi(約4
2.2kg/cm2 )の接着度でウレタンに接着するよ
う、コードをウレタンに埋め込み実質的にはコードをウ
レタンで囲むというものである。それゆえ、コードの処
理には、ベルト材料の液状ウレタンがコードに含まれる
ファイバーにより形成される隙間の一部に浸透すること
が含まれる。
【0012】ウエストホフを除く前述の全ての特許は、
本願発明とはほとんど関係のないコードの材料について
全種類の詳細なリストを明らかにしている。同様に、前
述の特許の多くは、ベルト材料について全種類の詳細な
リストを明らかにしている。コード材料とベルト材料
は、新たな材料が開発されると、詳細なリストに開発さ
れた順に加えられる。
【0013】1996年米国特許第5,209,705
号(グレッグ(Gregg))もまた、コード材料やベ
ルト材料を明らかにするために「詳細なリスト」による
アプローチを採用している。動力伝達ベルト用の歯付き
ベルトの位置付けに属する発明のために、グレッグは例
えばグラスファイバー、カーボンファイバー、スティー
ル、ポリエステル、高テナシティ・レーヨン、若しくは
好ましくはポリアラミドといったコード材料の全種類の
リストを明らかにしている。同様に、例えばポリクロロ
プレン、ポリウレタン、NBR(ニトリウブタジエンゴ
ムもしくはブタジエンアクリロニトリルゴム)、IIR
(ブチルゴム)、IR(イソブチレンイソプレンゴ
ム)、SBR(ブタジエンスチレンゴム)、CSM(ク
ロラール・スルフォネーテッド・ポリエチレン)、EP
DM(エチレン・プロピレン三重体)その他のベルト材
料の全種類のリストを明らかにしている。グレッグは、
ベルト材料とコード材料はすべての可能な組み合わせで
用いることができるということを示唆しているが、ベル
ト材料とコード材料のすべての組み合わせが有効に作用
するわけではないということは、工業経験上に知られて
いる。
【0014】グレッグの可能な組み合わせの一つは、カ
ーボンファイバーのコード材料とウレタンのベルト材料
である。問題は、可能なコード材料とベルト材料の複数
の組み合わせのうちのいずれかのためのコードの処理を
グレッグが開示していないことである。とりわけ、歯付
き動力伝達ベルトのウレタンの本体の中で環状に曲げる
処理を施されるとき、もろいカーボンファイバーを保護
し、早い時期に砕けてしまうの完全に防止するためには
いかなるタイプのコード処理が必要なのかをグレッグは
開示していない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カーボンフ
ァイバーのコード材料がウレタンのベルト材料から成る
ベルト本体に埋め込まれる時の問題を解決するためのも
のである。この問題は、コードがウレタン材料から成る
ベルト本体に埋め込まれる時のコードの処理により解決
される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、同期動
力伝達ベルトは注型されたウレタンのベルト材料から成
るベルト本体と、ベルト本体に所定のピッチ離れて形成
されたベルト歯と、ベルト歯の周囲表面に沿って配設さ
れた耐摩耗性のある帆布補強部材と、ベルト本体に埋め
込まれ螺旋状に撚られた、カーボンファイバーの織り糸
のコードとから張力部材とを有する。本発明に特有のコ
ード処理は、ベルトが注型されるたびにベルト材料の最
小量をコードが取り込むことを含む。本発明に基づいて
構成されたベルトは、先行技術のベルト、特にアラミド
ファイバーで構成された張力部材とともに構成されたベ
ルトと比較して予想以上の進歩を示す。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1、2に示すように、本実施形
態のベルト10は注型されたウレタンのベルト材料から
成る本体12を有し、本体12にはベルト歯14がピッ
チPで間隔をおいて形成されている。ベルト歯14は、
ベルト歯14の周辺表面に沿って配設された耐摩耗性の
帆布16で覆われている。螺旋状に撚られたコードから
成る張力部材18はベルト本体12に埋め込まれてい
る。
【0018】ベルト10は周知の技術工程を用いて製造
される。ベルト本体12は、硬化するときに動力伝達ベ
ルトのための必須の物理的性質を有している液状ウレタ
ンベルト材料の注型物である。例えば、ウレタンは、米
国特許第4,838,843号のウエストホフに開示さ
れているように、ASTM(アメリカ材料試験協会)標
準の手順を用いてテストされるとき、100パーセント
の長さにおいて、ウレタンのベルト材料は少なくとも約
1500psi(約105.6kg/cm2 )の張力係
数を有する、という特性を有している。100パーセン
トの長さにおいて、ウレタンのベルト材料は少なくとも
約1700psi(約119.7kg/cm2 )の張力
係数を示す。用いられる可能性のあるウレタンのもう1
つの例は、米国特許第5,112,282号(パターソ
ン(Patterson)他)に開示されている。高い
張力特性を示すウレタンは特許協力条約による国際公開
公報96/02584(1996年2月1日付け)(ウ
ー(Wu)他)に開示されている。どのようなウレタン
が選択されるにせよ、後述するように、注型中に液状で
あるとき、流れてコードの隙間に浸透することができる
という必須の特性を有していなければならない。
【0019】複数の溝20を選択的にベルト10の外層
に横向きに形成してもよい。溝20は必ずしも形成する
必要はないが、溝20を形成することによりベルトの重
量が減少し、またベルトの可撓性が多少高まる。
【0020】本体12に間隔をもって形成されたベルト
歯14は、例えば台形、曲線、若しくは先端が切断され
た曲線のような任意の横断面形状を有していてよい。曲
線の歯形状の例は、米国特許第3,756,091号
(ミラー(Miller))、第4,515,577号
(キャシー(Cathey)他)、第4,605,38
9号ウエストホフに示されている。
【0021】硬化したウレタンは、ほとんどのベルトの
スプロケットの材料に対して高い摩擦係数(例えば約
0.65)を示す。従って、ベルト歯14をスプロケッ
トの溝に容易に着脱させるためには、ベルト歯14に沿
って強い影響を与えない程度まで(例えば約0.45よ
りも低い値まで)摩擦係数を低減することが必要であ
る。ベルト歯14の周辺表面に配設された耐摩耗性を有
する帆布16は耐摩耗性を有するだけでなく、歯の剪断
強度を強め、スプロケットの歯に噛合する際のベルト歯
14の噛合いにくさを低下させる。好ましくは、帆布1
6は米国特許第3,964,328号レッドモンドに開
示されているような低い摩擦率を有している。帆布16
はまた、ベルト10が使用される際、歯のたわみに適合
すべくある程度の伸縮性を示すものでなければならな
い。捲縮加工されたナイロン帆布が耐摩耗性を有する帆
布16として満足のいくものであった。
【0022】コード形状の張力部材18は、間隔をおい
て並立するようにベルト10の幅にわたって螺旋状に撚
られている。コードは好ましくは、ベルト10の幅の約
56から80パーセント、より好ましくは約64から8
1パーセントを占める。コードがウレタン本体に接着す
るよう、本体12のウレタンに埋め込まれ、実質的に囲
まれることが必要である。
【0023】張力部材18に含まれるコードはカーボン
ファイバから成り、例えばアモコ(Amoco)社から
販売されているようなカーボンファイバが用いられる。
カーボンファイバは、通常、ポリアクリロニトリル・フ
ァイバのような別のファイバを炭化することにより得ら
れ、そのような炭化処理によりファイバの径は実質的に
小さくなる。カーボンの織り糸は、デニールやデシテッ
クスよりもむしろ含まれるファイバの数によって特性が
表される。ファイバ数を示す数字と文字「K」が織り糸
中のカーボンファイバの数を表示するために用いられ
る。もちろん、カーボンファイバは任意の用語によって
特性を表してもよい。「3K」のカーボンファイバの織
り糸において、「K」は「1000個のファイバ」の縮
約形であり、「3」は乗数を示す。従って、カーボンの
織り糸「3K」とは3000のファイバあるいはフィラ
メントから成る織り糸と同一である。
【0024】他の繊維材料のように、多数のカーボンフ
ァイバが織り糸を形成するために結合される。1つの織
り糸を他の織り糸と結合してより大きな織り糸を形成す
ることもあるし、織り糸若しくは織り糸の束を一緒にひ
ねって1つのコードを形成することもある。
【0025】カーボンファイバの径は非常に小さく、
6.5μであってもよい。1つの織り糸に処理を施し1
つのコードを形成する際、個々のファイバは容易に破砕
される。この理由により、コードを形成する際に織り糸
に施されるメカニカルな処理の数は少なくすることが望
まれる。例えば、1つの織り糸の束を形成するために複
数の織り糸を一緒にひねることや、そのようにして撚ら
れた複数の織り糸の束を1つのコードを形成するために
逆向きににひねることは、個々のファイバを破砕するメ
カニカルな処理である。破砕の数はひねり処理の数を減
らすことにより低減される。
【0026】ファイバの製造者達はしばしば、ファイバ
を滑らかにし処理が施され織り糸となりスプールに巻き
取られる際にファイバが破砕するのを防止するよう作用
するサイズ剤で、ファイバをコートする。例えばサイズ
剤は、動力伝達ベルトに包み込むためのコード処理に用
いられる接着剤と化学反応をおこさない化学的な構成を
有していてもよい。
【0027】図2には、6K−3のコード18が示され
ている。コード18を形成するために、ねじり乗数(tw
ist multiplier)2.1で一緒にねじられた6Kのカー
ボンファイバの織り糸から成る3つのより22、24、
26がある。より22については、よりにおける織り糸
の端部が概略的に描かれているが、より24、26につ
いては、本願発明の特徴を明確に図示するため、便宜上
輪郭のみを示している。
【0028】注型可能な液状のウレタンはイオン化した
カルボキシル基を有する。ベルト形成の注型処理におい
て、コードを構成する複数のファイバ・フィラメントの
間に形成される隙間28にウレタンが浸透する程度まで
液状ウレタンによりコードを湿らせること重要である。
アモコ社が提供している水をベースにしたエポキシのサ
イズ剤は、イオン化しているアモコ社規定のUC309
仕上げを有する。このようなイオン化した材料により注
型処理の間エポキシがコードを湿らせるので、イオン化
した材料が好ましい。
【0029】ウレタンが浸透したカーボンファイバの能
力を特性を表す1つの方法は、脱イオンされた水もまた
イオン化しているので、動的接触角計測器を使ってカー
ボンファイバと脱イオンされた水との接触角を測定する
ことである。カーボンファイバと脱イオンされた水との
接触角が60度より低い、より好ましくは45度より低
ければ、ベルトが注型される際、ベルト材を取り込むた
めのコードの隙間への十分な浸透がもたらされる、とい
うことは確定している。注型の間にコードが取り込むベ
ルト材の量は、ある長さの未漂白未染色のコードを計量
し、その結果を完成されたベルトから取り出したコード
と比較してその差分を計測することにより求められる。
この方法では、コードが体積mm3 毎にベルト材を何m
g取り込むかを、コード長ミリメートル単位で定めるこ
とができる。
【0030】少なくともポイント30(破線により概略
的に示す)まで浸透すれば、コードが十分な量のウレタ
ンを取り込み、本願発明のベルトは、アラミドファイバ
から成る張力部材とともに構成されている先行技術のベ
ルトに対して、進歩した性能を示す。ウレタンの浸透が
より完璧で、ポイント32(破線により示す)まで浸透
すれば、それによりコードはより多くのベルト材を取り
込み、本願発明のベルトは、性能において上述の先行技
術のベルトに比べ実質的に向上していることを示す。
【0031】図3には、先行技術のベルトのアラミドか
ら成る張力部材が示されている。コードは5つの織り糸
の束36、38、40、42、44を有している。それ
ぞれの織り糸の束がまず一方向にねじられて1つのより
が形成され、その後複数のよりが反対方向に一緒にねじ
られて、コード34が形成される。より36についての
み、織り糸のよりにおける各織り糸の端部を概略的に図
示している。より38〜44は図を明確にするため破線
で外形を図示している。
【0032】アラミドファイバは圧縮に対してもろい
が、カーボンファイバに比べればもろさは低い。アラミ
ドファイバは織り糸の成形によりサイズ剤で処理され、
織り糸がまず一方向にねじられ続いて反対方向にねじら
れてコードを成形する際、ファイバが破砕しないようエ
ポキシでコートされる。エポキシによるコーティングは
コード34を完全に覆うわけではなく、むしろ、ベルト
製造工程の間に液状ウレタンがコードに浸透する隙間4
5を露出したままにしておく。必要以上にウレタンを取
り込むことはベルトの寿命を縮めることになるので、コ
ードへのウレタンの浸透がポイント46を超えないよ
う、注意が必要である。ベルトの寿命の低下は、上述の
先行技術(例えばターヒュン)に示唆されていること、
すなわちコードの隙間へのウレタンの完全な浸透はコー
ドとベルトの堅い塊を作りやすく、それにより弾力性を
低下させる、ということに帰するであろう。ベルトが曲
げにくくなるのである。すなわち、コードがウレタンで
満たされると曲げ係数の上昇、逆に言えばプーリの周り
に曲げるためのベルトの可撓性の低減が生じるのであ
る。
【0033】本願発明に従って形成されるベルトは、図
2、3に示されたタイプを含む任意のタイプのコード構
成を有していてよい。そのようなベルトはアラミドのコ
ードを使用して形成された同様のベルトと比較して初め
のうちは曲げにおいて堅い。先行技術が予測したよう
に、ほとんどコードの堅いかたまりを作る程度までウレ
タンがコードの隙間に浸透するのでベルトは曲げにおい
て堅い。初めのうちはベルトは非常に堅いため、ベルト
が手で曲げられるときしばしば亀裂やひびの入る音が聞
こえる。そのような音はコードの個々のファイバが破砕
される結果だと思われる。また、ベルトがプーリの周り
で作動するとき、ベルトには使用には適さないというこ
とを示す目立って急速な張力の減衰(例えば500時間
で27パーセント〜40パーセントの減衰)がある。ア
ラミドのコードを用いた先行技術のベルトは、500時
間で50パーセント〜53パーセントに至る程度のより
ゆるやかな張力の減衰を示す。要約すれば、亀裂やひび
の入る音や張力の減衰により、(先行技術に基づいたよ
うに)そのようなベルトは満足のいくものではないと思
われるであろう。これに対して、本願発明のベルトは、
唯一の主な相違点がコード材料とその処理であった場
合、同様の構成を有する先行技術のベルトに対して実質
的に進歩していることを立証するだろう。
【0034】本願発明の特徴を表すために、8mmピッ
チと14mmピッチのベルトを成形しテストした。本願
発明に従って成形されたベルトはカーボンファイバのコ
ードを有し、コード処理においてコードが取り込むベル
ト材の量に変化をもたせた。本願発明のベルトは、コー
ドがアラミド材から成りアラミドのコードが取り込むベ
ルト材の量をいろいろと変化させた点を除いて同様に構
成されたベルトに対して、ベンチマークでテストされ
た。以上のように構成されたベルトは表1に示すような
コード構成を有していた。
【表1】
【0035】以上のように構成されたベルトはパワーテ
ストされ、互いに比較された。パワーテストには、ベル
トが壊れるまで8mmのベルトを17.2馬力から2
5.8馬力で24溝のプーリに対して200rpmで操
作すること、14mmのベルトを32溝のプーリに対し
て60馬力から92.3馬力で1750rpmで操作す
ることが含まれていた。図4に示すように、アラミドの
コードを有し、取り込まれたウレタンが0.16mg/
mm3 の8mmのベルトの最大のベルト寿命は400時
間に達しており、取り込まれるウレタンの量が0.21
mg/mm3 を超えるとベルト寿命は約160時間まで
低下した。同様に、アラミドのコードを有する14mm
のベルトは、ベルト寿命が約380時間に低下し始める
時点である、取り込まれるウレタンが0.26mg/m
3 を超える時点までは、約400時間の寿命で良好に
動作した。
【0036】アラミドのコードを有するベルトに比べ
て、カーボンファイバのコードで本願発明に従って成形
されたベルトは、8mmピッチのものも14mmピッチ
のものも、ベルトのコードの隙間がコード長の各mm単
位においてコード体積mm3 単位毎に少なくとも約0.
21mgのベルト材を取り込んだ場合の約480時間の
ベルト寿命という点からみると、性能において予想以上
の進歩を示した。カーボンファイバのコードが少なくと
も約0.24mg/mm3 を取り込んだ場合の約800
時間のベルト寿命という、ベルトの性能においてのより
実質的な進歩があった。取り込まれるウレタンが約0.
28mg/mm3 にまで増加すると、ベルトの性能は約
1900時間まで上昇した。カーボンファイバが脱イオ
ンされた水と約60度以下の接触角を形成するとき、ベ
ルト注型時のベルト材のコードへの満足のいく浸透がな
された。また、3/8ピッチで、6K−2(12000
ファイバ)のカーボンファイバを有する構成のベルトが
成形された。
【0037】尚、上述の詳細な記載は図のためになされ
たものであり請求項の範囲を制限するものではない。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ベルト
寿命の優れた動力伝達ベルトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋め込まれたコードとベルト歯を備えた本発明
のベルトを示す、横断面において部分的に破断された長
手方向の部分断面図である。
【図2】図1の線2−2に沿って埋め込まれたコードを
示す拡大された部分横断面図である。
【図3】先行技術の埋め込まれたコードを図2と同様に
示す図である。
【図4】本願発明のベルトと先行技術のベルトのための
コード処理の機能としてのベルトの性能を示すチャート
である。
【符号の説明】
10 ベルト 12 本体 14 ベルト歯 16 耐摩耗性の帆布 18、34 コード 22、24、26 より 28 隙間 36、38、40、42、44 より 45 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−2379(JP,A) 特開 平2−175943(JP,A) 特開 昭61−204231(JP,A) 特公 平3−9335(JP,B2) 特表 平9−508081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16G 1/00 - 5/20 B29D 29/00 - 29/00 D06M 13/00 - 15/72

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注型されたウレタンのベルト材から成る
    ベルト本体と、前記ベルト本体に所定のピッチで離間し
    て形成されたベルト歯と、前記ベルト歯の周辺表面に沿
    って配設された耐摩耗性の帆布の補強材と、前記ベルト
    本体に埋め込まれる長さと体積を有しファイバの織り糸
    の螺旋状に撚られたコードから成る張力部材とを有する
    同期動力伝達ベルトであって、 前記張力部材がカーボンのファイバの織り糸のコードか
    ら成り、前記ファイバの間に隙間が形成され、 前記ベルトを注型するとき、前記コードの隙間の少なく
    とも一部分に浸透するベルト材が用いられ、前記コード
    がコード長の各mm単位においてコード体積mm3 単位
    毎に少なくとも約0.21mgの前記ベルト材を取り込
    む、というコード処理が行われることを特徴とする同期
    動力伝達ベルト。
  2. 【請求項2】 前記コードが、コード長の各mm単位に
    おいてコード体積mm3 単位毎に少なくとも約0.28
    mgの前記ベルト材を取り込むことを特徴とする請求項
    1に記載の動力伝達ベルト。
  3. 【請求項3】 前記カーボンファイバがサイズ剤で処理
    され、それにより前記カーボンファイバとイオン消去さ
    れた水との接触角が60度より低くなることを特徴とす
    る請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  4. 【請求項4】 前記コードが約12,000から5
    4,000のカーボンファイバを有することを特徴と
    する請求項1に記載の動力伝達ベルト。
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