JP2010096229A - 歯付ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】寸歩安定性及び耐久性が優れるポリウレタン樹脂製の歯付ベルトを提供する。
【解決手段】歯付ベルト10は、ベルト内周に一定ピッチで設けられた複数の歯部14を有するポリウレタン樹脂製の歯付ベルト本体11と、歯付ベルト本体11に、ベルト長さ方向に沿うと共にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設された心線12と、歯付ベルト本体11のベルト厚さ方向の心線12の埋設位置よりも内側に、歯付ベルト本体11を形成するポリウレタン樹脂を含み込んで層を形成するように埋設された繊維補強材13と、を備える。心線12は、構成材料としてカーボン繊維を含む。
【選択図】図1

Description

本発明はポリウレタン樹脂製の歯付ベルトに関する。
ポリウレタン樹脂製の歯付ベルトは、低速・高トルク伝動が必要な機械等の高負荷伝動用途で広く用いられている。
かかるポリウレタン樹脂製の歯付ベルトでは、抗張体として、例えば、アラミド繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維の心線が埋設されており、また、歯部の剛性及び強度を高める目的から織布等が埋設されている(例えば特許文献1〜3参照)。
ところで、アラミド繊維やナイロン繊維の心線の場合、寸法安定性が乏しく、そのため歯付ベルトが走行途中に噛み合い不良を起こし、その結果、耐屈曲疲労性が低くなる虞があるといった問題がある。
これに対し、特許文献4には、ポリウレタン樹脂製の歯付ベルトであって、歯部表面が補強帆布で被覆されて歯部の耐久性が高められると共に、カーボン繊維の心線が用いられて寸法安定性が確保されたものが開示されている。
特公平5−62657号公報 特許第2965403号公報 特開2006−112574号公報 特許第2954554号公報
本発明は、寸歩安定性及び耐久性が優れるポリウレタン樹脂製の歯付ベルトを提供することを目的とする。
本発明の歯付ベルトは、
ベルト内周に一定ピッチで設けられた複数の歯部を有するポリウレタン樹脂製の歯付ベルト本体と、
上記歯付ベルト本体に、ベルト長さ方向に沿うと共にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設された心線と、
上記歯付ベルト本体のベルト厚さ方向の上記心線の埋設位置よりも内側に、該歯付ベルト本体を形成するポリウレタン樹脂を含み込んで層を形成するように埋設された繊維補強材と、
を備え、
上記心線は、構成材料としてカーボン繊維を含む。
本発明によれば、心線が構成材料としてカーボン繊維を含んでいると共に、繊維補強材が心線の埋設位置よりも内側に層を形成するように埋設されているので、カーボン繊維を含む心線の性能を十分に引き出すことができ、優れた寸法安定性及び耐久性を得ることができる。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施形態により何等限定されるものではない。
図1は本実施形態に係る歯付ベルト10を示す。
本実施形態に係る歯付ベルト10は、ポリウレタン樹脂製の歯付ベルト本体11に心線12及び繊維補強材13が埋設された構成を有する。この歯付ベルト10は、例えば、低速・高トルク伝動が必要な工作機械や成形機等の高負荷伝動用途に好適に用いられ、ベルト周長が500〜3000mm、ベルト幅が10〜200mm、及びベルト厚さが3〜20mmである。
歯付ベルト本体11は、ウレタンプレポリマーに、硬化剤、可塑剤等の配合剤を配合したウレタン組成物が加熱及び加圧されて硬化したポリウレタン樹脂で形成されている。
ウレタンプレポリマーとしては、例えば、イソシアネート成分がトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などであり、ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などであるもの等が挙げられる。ウレタンプレポリマーは、単一種で構成されていてもよく、また、複数種が混合されて構成されていてもよい。
硬化剤としては、例えば、1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5’−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコール−ジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなど、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアミン化合物等が挙げられる。硬化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。硬化剤の配合量は、例えば、アミン化合物の場合、硬化剤中のNHのモル数とウレタンプレポリマー中のNCOのモル数との比であるα値(NH/NCO)が0.70〜1.10の範囲となる量である。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート(DBP)やジオクチルフタレート(DOP)等のジアルキルフタレート、ジオクチルアジペート(DOA)等のジアルキルアジペート、ジオクチルセバケート(DOS)等のジアルキルセバケート等が挙げられる。可塑剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。可塑剤の配合量は、例えば、ウレタンプレポリマー100質量部に対して3〜20質量部である。
なお、配合剤としては、その他に、例えば、着色剤、消泡剤、安定剤等が挙げられる。
歯付ベルト本体11を構成するポリウレタン樹脂の物性は、例えば、硬度が70〜100°(JIS K7312準拠)である。
歯付ベルト本体11は、ベルト外周が平坦である一方、ベルト内周に、各々、間隔をおいて一定ピッチで設けられた複数の歯部14を有する。そして、歯付ベルト本体11における歯部14と歯部14との間の部分が歯底部15に構成されている。なお、歯付ベルト本体11のベルト外周にはコグが設けられていてもよい。
歯部14の側面視の形状としては、例えば、台形形状、円弧形状(STS歯形)等が挙げられる。歯部14は、例えば、歯数が30〜400、歯幅(ベルト長さ方向の寸法)が2〜10mm、歯高さが2〜8mm、及び配設ピッチが5〜20mmである。
心線12は、歯付ベルト本体11に、ベルト長さ方向に沿うと共にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設されている。心線12は、例えば、心線径が0.2〜5mm、及びベルト幅方向の配設ピッチが0.25〜6mmである。また、PLDは例えば0.2〜5mmである。
心線12は、構成材料としてカーボン繊維を含む。つまり、心線12は、カーボン繊維のみで構成されていてもよく、また、カーボン繊維と他の種類の繊維とが複合して構成されていてもよい。カーボン繊維は、PAN系のものであってもよく、ピッチ系のものであってもよく、それら両方を含んでいてもよい。カーボン繊維には、エポキシ樹脂等のサイジング剤が付着していてもよい。カーボン繊維は、例えば、フィラメント径が5〜10μmであり、心線12に含まれるフィラメント数が1000〜100000フィラメントである。他の種類の繊維としては、例えば、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリエステル繊維、PBO繊維、ナイロン繊維、ポリケトン繊維などの有機繊維等が挙げられる。
心線12の構造としては、片撚り糸、諸撚り糸、ラング撚り糸、コアヤーン、組紐等が挙げられる。なお、心線12には、成形前に予めエポキシ接着剤に浸漬した後に乾燥させる等の接着処理が施されていることが好ましい。
片撚り糸の心線12は、カーボン繊維単独の繊維束、又は、カーボン繊維と他の種類の繊維とを束ねた繊維束を一方向(S方向又はZ方向)に撚り数20〜150回/mで撚ることにより得ることができる。
諸撚り糸の心線12は、カーボン繊維の繊維束を含む複数の繊維束のそれぞれを一方向(S方向又はZ方向)に撚り数40〜200回/mで下撚りした下撚り糸を複数本集めて、下撚り方向とは逆方向に撚り数40〜200回/mで上撚りすることにより得ることができる。
ラング撚り糸の心線12は、カーボン繊維の繊維束を含む複数の繊維束のそれぞれを一方向(S方向又はZ方向)に撚り数20〜100回/mで下撚りした下撚り糸を複数本集めて、下撚り方向と同じ方向に撚り数20〜100回/mで上撚りすることにより得ることができる。
コアヤーンの心線12は、無撚りのカーボン繊維の繊維束又は撚り数10〜100回/mで撚ったカーボン繊維の繊維束をコアとし、その周りにカーボン繊維又は他の種類の繊維の繊維束を撚り数50〜200回/mで撚ったものの複数本を長さ方向に沿って巻き数50〜1000回/mで巻き付けてスキン層を形成することにより得ることができる。
組紐の心線12は、無撚りのカーボン繊維の繊維束を含む複数の繊維束を丸打ち組紐又は平打ち組紐に加工することにより得ることができる。
なお、心線12が片撚り糸、諸撚り糸、ラング撚り糸、又はコアヤーンの場合、S撚り糸(諸撚り糸又はラング撚り糸の場合は上撚り方向がS方向のもの、コアヤーンの場合はスキン層の構成糸の巻き付け方向がS方向のもの)及びZ撚り糸(諸撚り糸又はラング撚り糸の場合は上撚り方向がZ方向のもの、コアヤーンの場合はスキン層の構成糸の巻き付け方向がZ方向のもの)の2種を用い、ベルト幅方向にそれらが交互に並ぶように二重螺旋状に設けられていてもよい。
繊維補強材13は、歯付ベルト本体11のベルト厚さ方向の心線12の埋設位置よりも内側に、歯付ベルト本体11を形成するポリウレタン樹脂を含み込んだ層を形成するように埋設されている。繊維補強材13は、歯部14に対応する部分が歯部14側に入り込んでベルト厚さ方向に厚く広がって設けられており、歯底部15に対応する部分が心線12に接触してベルト厚さ方向に薄く圧縮されて設けられている。繊維補強材13は、一枚で構成されていてもよく、また、複数枚で構成されていてもよい。繊維補強材13によって形成される層の厚さは、例えば、歯部14に対応する部分が1〜8mmである(歯高さの70%以上であることが好ましい。)なお、繊維補強材13には、成形前に予めエポキシ接着剤に浸漬した後に乾燥させる等の接着処理が施されていてもよい。
繊維補強材13の材質としては、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリケトン繊維、カーボン繊維等が挙げられる。
繊維補強材13の構造としては、例えば、織布、編布、不織布等が挙げられる。これらのうち不織布が好ましい。不織布は、ウレタン組成物の含浸性を高める観点から、低密度で嵩高であることが好ましい。不織布の目付量は例えば200〜600g/mであり、特に歯部14の配設ピッチが8mm以下の場合には230〜300g/m、歯部14の配設ピッチが8mmを超える場合には390〜500g/mであることが好ましい。
本実施形態に係る歯付ベルト10は、例えば一対のプーリに巻き掛けられ、駆動源からの動力を従動側に伝達する。ここで、プーリの外径は例えば20〜700mmである。また、ベルト走行速度は例えば10〜2000m/minであり、伝達容量は例えば0.1〜600KWである。
以上の構成の本実施形態に係る歯付ベルト10によれば、心線12が構成材料としてカーボン繊維を含んでいると共に、繊維補強材13が心線12の埋設位置よりも内側に層を形成するように埋設されているので、カーボン繊維を含む心線12の性能を十分に引き出すことができ、優れた寸法安定性及び耐久性を得ることができる。
次に、本実施形態に係る歯付ベルト10の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、円柱状の内金型21に筒状に加工した繊維補強材13を被せ、その上から心線12を螺旋状に巻き付ける。なお、内金型21の外周には、断面が歯部14に対応した形状の軸方向に延びる凹部22が周方向に間隔をおいて一定ピッチで設けられている。
次いで、図2(b)に示すように、内金型21を円筒状の外金型24の中に収容する。このとき、内金型21と外金型24との間に歯付ベルト本体成形用のキャビティCが構成される。
続いて、図3(c)に示すように、密閉したキャビティCにウレタンプレポリマーに配合剤を配合したウレタン組成物を注入して充填すると共に加熱する。このとき、ウレタン組成物が流動して硬化することにより、凹部22において歯部14が、また、凸部23において歯底部15がそれぞれ形成され、そして、ウレタン組成物が繊維補強材13に含浸して硬化して一体化すると共に心線12が一体化して円筒状のスラブが成形される。なお、成形条件は、例えば、成形温度が70〜130℃、及び成形時間が10〜120分である。
最後に、内金型21及び外金型24からスラブを脱型し、それを輪切りすることにより本実施形態に係る歯付ベルト10を得ることができる。
(心線)
以下の心線A〜Jを作製準備した。それぞれの構成については表1にも示す。
<心線A>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を3本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数50回/mで撚った片撚り糸を心線Aとした。なお、S撚り糸とZ撚り糸の2種を準備した(以下、心線B〜Jも同じ)。
<心線B>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を1本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数80回/mで下撚りした下撚り糸を3本集めて、下撚り方向とは逆方向に撚り数50回/mで上撚りした諸撚り糸を心線Bとした。
<心線C>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を1本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数50回/mで下撚りした下撚り糸を3本集めて、下撚り方向と同じ方向に撚り数50回/mで上撚りしたラング撚り糸を心線Cとした。
<心線D>
無撚りのカーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を1本引き揃えた繊維束をコアとし、その周りにガラス繊維(Kガラス 220dtex)を3本引き揃えた繊維束をレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)水溶液に浸漬した後に加熱処理を施して一方向に撚り数80回/mで下撚りしたもの13本をそれぞれ長さ方向に沿って下撚り方向とは逆方向に巻き数80回/mで巻き付けてスキン層を形成したコアヤーンを心線Dとした。
<心線E>
アラミド繊維(デュポン社製 商品名:ケブラー49 1270dtex)を1本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数300回/mで下撚りした下撚り糸を5本集めて、下撚り方向とは逆方向に撚り数130回/mで上撚りした諸撚り糸を心線Eとした。なお、S撚り糸とZ撚り糸の2種を準備した。
<心線F>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を9本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数25回/mで撚った片撚り糸を心線Fとした。
<心線G>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を1本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数80回/mで下撚りした下撚り糸を9本集めて、下撚り方向とは逆方向に撚り数25回/mで上撚りした諸撚り糸を心線Gとした。
<心線H>
カーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を1本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数50回/mで下撚りした下撚り糸を9本集めて、下撚り方向と同じ方向に撚り数25回/mで上撚りしたラング撚り糸を心線Hとした。
<心線I>
無撚りのカーボン繊維(東邦テナックス社製 商品名:HTA40 E13 6K(6000フィラメント) 400tex)を3本引き揃えた繊維束をコアとし、その周りにガラス繊維(Kガラス 220dtex)を9本引き揃えた繊維束をRFL水溶液に浸漬した後に加熱処理を施して一方向に撚り数160回/mで下撚りしたもの13本をそれぞれ長さ方向に沿って下撚り方向とは逆方向に巻き数160回/mで巻き付けてスキン層を形成したコアヤーンを心線Iとした。
<心線J>
アラミド繊維(デュポン社製 商品名:ケブラー49 1270dtex)を4本引き揃えた繊維束を一方向に撚り数150回/mで下撚りした下撚り糸を5本集めて、下撚り方向とは逆方向に撚り数65回/mで上撚りした諸撚り糸を心線Jとした。
Figure 2010096229
(歯付ベルト)
以下の実施例1〜8及び比較例1〜12の歯付ベルトを作製準備した。それぞれの構成については表2及び3にも示す。
<実施例1>
図3(a)に示すような歯部14の形状が円弧形状の歯付ベルト10であって、プレポリマー(三井化学ポリウレタン社製 商品名:ハイプレンL−100)100質量部に対して、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(イハラケミカル工業社製 商品名:イハラキュアミンMT)13質量部、及び可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP チッソ社製 商品名:DOP)10質量部を配合したウレタン組成物が硬化したポリウレタン樹脂で歯付ベルト本体11を構成し、上記心線Aで心線12を構成し、無加圧でニードルパンチ法で作製された総厚が3.4〜4.2mmである嵩高のナイロン不織布(目付量250g/m 無バインダー処理)で繊維補強材13を構成したものを上記実施形態に準じた方法で作製し、それを実施例1とした。この実施例1の歯付ベルトをベルト幅10mmのものと15mmのものの2種を複数本ずつ作製した。なお、心線Aには、エポキシ接着剤に浸漬した後に乾燥させる処理を施したものを用いた。また、心線Aを、S撚り糸及びZ撚り糸がベルト幅方向に交互に並ぶと共に隣接する心線ピッチが1.5mmとなるように二重螺旋状に設けた。
なお、実施例1の歯付ベルトは、ベルト周長が1200mm、及びベルト厚さが4.8mmであり、歯部14の歯形が円弧歯形、歯数が100、歯幅が5mm、歯高さが2.86mm、及び配設ピッチが8mmであり、心線のベルト幅方向の配設ピッチが1.5mmであり、PLDが0.8mmであった。また、不織布の繊維補強材13は、歯部14において、歯高さの約80%の厚さであった。
<実施例2>
上記心線Bで心線を構成したことを除いて実施例1と同一の構成の歯付ベルトを実施例2とした。
<実施例3>
上記心線Cで心線を構成したことを除いて実施例1と同一の構成の歯付ベルトを実施例3とした。
<実施例4>
上記心線Dで心線を構成したことを除いて実施例1と同一の構成の歯付ベルトを実施例4とした。
<比較例1>
図3(b)に示すように繊維補強材13を有さない代わりに歯部14側の表面が表面補強布17で被覆された歯付ベルト10であって、捲縮加工されたナイロン糸で形成された厚さ0.8mmの織布で表面補強布17を構成したことを除いて実施例1と同一の構成の歯付ベルト10を比較例1とした。
<比較例2>
上記心線Bで心線を構成したことを除いて比較例1と同一の構成の歯付ベルトを比較例2とした。
<比較例3>
上記心線Cで心線を構成したことを除いて比較例1と同一の構成の歯付ベルトを比較例3とした。
<比較例4>
上記心線Dで心線を構成したことを除いて比較例1と同一の構成の歯付ベルトを比較例4とした。
<比較例5>
上記心線Eで心線を構成したことを除いて実施例1と同一の構成の歯付ベルトを比較例5とした。
<比較例6>
上記心線Eで心線を構成したことを除いて比較例1と同一の構成の歯付ベルトを比較例6とした。
<実施例5>
図3(a)に示すような歯部14の形状が円弧形状の歯付ベルトであって、プレポリマー(三井化学ポリウレタン社製 商品名:ハイプレンL−100)100質量部に対して、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(イハラケミカル工業社製 商品名:イハラキュアミンMT)13質量部、及び可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP チッソ社製 商品名:DOP)10質量部を配合したウレタン組成物が硬化したポリウレタン樹脂で歯付ベルト本体11を構成し、上記心線Fで心線12を構成し、無加圧でニードルパンチ法で作製された総厚が4.9〜5.9mmである嵩高のナイロン不織布(目付量410g/m 無バインダー処理)で繊維補強材13を構成したものを上記実施形態に準じた方法で作製し、それを実施例5とした。この実施例5の歯付ベルトをベルト幅10mmのものと15mmのものの2種を複数本ずつ作製した。なお、心線Fには、エポキシ接着剤に浸漬した後に乾燥させる処理を施したものを用いた。また、心線Fを、S撚り糸及びZ撚り糸がベルト幅方向に交互に並ぶと共に隣接する心線ピッチが2.5mmとなるように二重螺旋状に設けた。
なお、実施例5の歯付ベルトは、ベルト周長が1400mm、ベルト幅が15mm、及びベルト厚さが8.5mmであり、歯部14の歯形が円弧歯形、歯数が100、歯幅が10mm、歯高さが4.65mm、及び配設ピッチが14mmであり、心線のベルト幅方向の配設ピッチが2.5mmであり、PLDが1.65mmであった。
<実施例6>
上記心線Gで心線を構成したことを除いて実施例5と同一の構成の歯付ベルトを実施例6とした。
<実施例7>
上記心線Hで心線を構成したことを除いて実施例5と同一の構成の歯付ベルトを実施例7とした。
<実施例8>
上記心線Iで心線を構成したことを除いて実施例5と同一の構成の歯付ベルトを実施例8とした。
<比較例7>
図3(b)に示すように繊維補強材13を有さない代わりに歯部14側の表面が表面補強布17で被覆された歯付ベルトであって、捲縮加工されたナイロン糸で形成された厚さ1.2mmの織布で表面補強布17を構成したことを除いて実施例5と同一の構成の歯付ベルトを比較例7とした。
<比較例8>
上記心線Gで心線を構成したことを除いて比較例7と同一の構成の歯付ベルトを比較例8とした。
<比較例9>
上記心線Hで心線を構成したことを除いて比較例7と同一の構成の歯付ベルトを比較例9とした。
<比較例10>
上記心線Iで心線を構成したことを除いて比較例7と同一の構成の歯付ベルトを比較例10とした。
<比較例11>
上記心線Jで心線を構成したことを除いて実施例5と同一の構成の歯付ベルトを比較例11とした。
<比較例12>
上記心線Jで心線を構成したことを除いて比較例7と同一の構成の歯付ベルトを比較例12とした。
Figure 2010096229
Figure 2010096229
(試験評価方法)
図4はベルト走行試験機30のプーリレイアウトを示す。
このベルト走行試験機30は、駆動プーリ31と従動プーリ32とが横方向に間隔をおいて配設されており、従動プーリ32には、側方にデッドウエイトを負荷することができ、また、回転負荷を与えることができるように構成されている。
このベルト走行試験機30を用い以下の試験評価を行った。試験評価の内容については表4にも示す。
<屈曲疲労試験>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれのベルト幅15mmのものについて、未走行品のベルト周長及びベルト強度を測定した。そして、ベルト周長を測定したものについて、上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に392Nのデッドウエイトを負荷し、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を3600rpmの回転数で回転させて200時間ベルト走行させた後、ベルト周長及びベルト強度をそれぞれ測定した。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ8mm及びプーリ歯数18のものを用いた。また、従動プーリ32には回転負荷を与えなかった。
実施例5〜8及び比較例7〜12のそれぞれのベルト幅15mmのものについて、未走行品のベルト周長及びベルト強度を測定した。そして、ベルト周長を測定したものについて、上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に784Nのデッドウエイトを負荷し、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を3600rpmの回転数で回転させて200時間ベルト走行させた後、ベルト周長及びベルト強度をそれぞれ測定した。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ14mm及びプーリ歯数18のものを用いた。また、従動プーリ32には回転負荷を与えなかった。
未走行品のベルト強度から求められる心線1本当たりの強度とベルト走行後のベルト強度から求められる心線1本当たりの強度とから下記式(1)に基づいて強力保持率を算出した。また、ベルト走行前後のベルト周長から下記式(2)に基づいてベルト周長変化率を算出した。
Figure 2010096229
<負荷耐久試験>
実施例1〜4のそれぞれのベルト幅10mmのもの及び15mmのもの並びに比較例1〜6のそれぞれのベルト幅15mmのものについて、未走行品のベルト周長を測定した。そして、それを上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に392Nのデッドウエイトを負荷すると共に49N・mの回転負荷を与え、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を1900rpmの回転数で回転させて50時間ベルト走行させた後、ベルト周長を測定した。また、その後、切断するまでベルト走行させた。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ8mm及びプーリ歯数18のものを用いた。
比較例1〜6のそれぞれのベルト幅10mmのものについて、上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に392Nのデッドウエイトを負荷すると共に49N・mの回転負荷を与え、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を1900rpmの回転数で回転させて切断するまでベルト走行させた。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ8mm及びプーリ歯数18のものを用いた。
実施例5〜8のそれぞれのベルト幅10mmのもの及び15mmのもの並びに比較例7〜12のそれぞれのベルト幅15mmのものについて、未走行品のベルト周長を測定した。そして、それを上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に784Nのデッドウエイトを負荷すると共に147N・mの回転負荷を与え、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を1900rpmの回転数で回転させて50時間ベルト走行させた後、ベルト周長を測定した。また、その後、切断するまでベルト走行させた。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ14mm及びプーリ歯数28のものを用いた。
比較例7〜12のそれぞれのベルト幅10mmのものについて、上記ベルト走行試験機30の駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛け、従動プーリ32に784Nのデッドウエイトを負荷すると共に147N・mの回転負荷を与え、雰囲気温度50℃の下、駆動プーリ31を1900rpmの回転数で回転させて切断するまでベルト走行させた。なお、駆動プーリ31及び従動プーリ32として、プーリ歯ピッチ14mm及びプーリ歯数28のものを用いた。
切断までのトータルのベルト走行時間を負荷耐久時間とした。また、ベルト走行前後のベルト周長から上記式(2)に基づいてベルト周長変化率を算出した。
Figure 2010096229
(試験評価結果)
表2に試験結果を示す。
<屈曲疲労試験>
実施例1〜4及び比較例1〜6について、屈曲疲労試験における強力保持率は、実施例1が88%、それに対応する比較例1が57%であり、実施例2が85%、それに対応する比較例2が55%であり、実施例3が92%、それに対応する比較例3が55%であり、実施例4が87%、それに対応する比較例4が56%であり、比較例5及び6がいずれも85%であった。
屈曲疲労試験におけるベルト周長変化率は、実施例1が0.05%、それに対応する比較例1が0.10%であり、実施例2が0.06%、それに対応する比較例2が0.12%であり、実施例3が0.07%、それに対応する比較例3が0.13%であり、実施例4が0.04%、それに対応する比較例4が0.12%であり、比較例5及び6がいずれも0.35%であった。
実施例5〜8及び比較例7〜12について、屈曲疲労試験における強力保持率は、実施例5が85%、それに対応する比較例7が55%であり、実施例6が80%、それに対応する比較例8が50%であり、実施例7が90%、それに対応する比較例9が56%であり、実施例8が85%、それに対応する比較例10が55%であり、比較例11及び12がいずれも80%であった。
屈曲疲労試験におけるベルト周長変化率は、実施例5が0.04%、それに対応する比較例7が0.12%であり、実施例6が0.06%、それに対応する比較例8が0.16%であり、実施例7が0.08%、それに対応する比較例9が0.18%であり、実施例8が0.05%、それに対応する比較例10が0.16%であり、比較例11及び12がいずれも0.40%であった。
以上の結果から、実施例1〜4と比較例1〜4とを比較すると、心線がカーボン繊維を含む場合、図3(a)に示すような繊維補強材が埋設された歯付ベルトの構造の実施例1〜4の方が、図3(b)に示すような内側表面が表面補強布17で被覆された歯付ベルトの構造の比較例1〜4よりも著しく強力保持率が高く、卓越した耐屈曲疲労性を有することが分かる。
また、比較例5と比較例6とを比較すると、心線がアラミド繊維で構成されている場合、上記の図3(a)に示すような歯付ベルトの構造であっても、上記図3(b)に示すような歯付ベルトの構造であっても、耐屈曲疲労性に大差は見られない。従って、実施例1〜4の優れた耐屈曲疲労性の効果は、心線がカーボン繊維を含むことと繊維補強材が埋設されていることとの組合せの相乗効果により発現されているということが分かる。
さらに、実施例1〜4は、比較例5及び6に比べて、ベルト周長変化率が極めて小さく、従って、噛み合い不良の発生が小さく、優れた噛み合い精度を有することが予想される。実施例1〜4は比較例1〜4と比べてもベルト周長変化率が極めて小さいが、これは、前者が後者よりも心線疲労度が低いためであると考えられる。
実施例5〜8及び比較例7〜12についても同様の考察を行うことができる。
<負荷耐久試験>
実施例1〜4及び比較例1〜6について、負荷耐久試験におけるベルト幅10mmのものの負荷耐久時間は、実施例1が210時間(歯欠け)、それに対応する比較例1が18時間(心線セパレーション)であり、実施例2が200時間(歯欠け)、それに対応する比較例2が14時間(心線セパレーション)であり、実施例3が220時間(歯欠け)、それに対応する比較例3が16時間(心線セパレーション)であり、実施例4が220時間(歯欠け)、それに対応する比較例4が15時間(心線セパレーション)であり、比較例5が13時間(心線セパレーション)であり、比較例6が10時間(心線セパレーション)であった。なお、括弧内は破壊モードである。「歯欠け」は歯部の欠損であり、「心線セパレーション」は心線層における剥離である。
負荷耐久試験におけるベルト幅15mmのものの負荷耐久時間は、実施例1が1000時間(歯欠け)、それに対応する比較例1が200時間(歯欠け)であり、実施例2が950時間(歯欠け)、それに対応する比較例2が180時間(歯欠け)であり、実施例3が1100時間(歯欠け)、それに対応する比較例3が190時間(歯欠け)であり、実施例4が1200時間(歯欠け)、それに対応する比較例4が220時間(歯欠け)であり、比較例5が120時間(歯欠け)であり、比較例6が100時間(歯欠け)であった。
負荷耐久試験におけるベルト幅10mmのもののベルト周長変化率は、実施例1が0.08%、実施例2が0.09%、実施例3が0.09%、実施例4が0.09%であった。なお、比較例1〜6は、50時間以内にベルトが破損したため、ベルト周長変化率を求めることはできなかった。
負荷耐久試験におけるベルト幅15mmのもののベルト周長変化率は、実施例1が0.04%、それに対応する比較例1が0.11%であり、実施例2が0.06%、それに対応する比較例2が0.14%であり、実施例3が0.07%、それに対応する比較例3が0.18%であり、実施例4が0.05%、それに対応する比較例4が0.13%であり、比較例5が0.40%であり、比較例6が0.45%であった。
実施例5〜8及び比較例7〜12について、負荷耐久試験におけるベルト幅10mmのものの負荷耐久時間は、実施例5が250時間(歯欠け)、それに対応する比較例7が20時間(心線セパレーション)であり、実施例6が230時間(歯欠け)、それに対応する比較例8が17時間(心線セパレーション)であり、実施例7が240時間(歯欠け)、それに対応する比較例9が18時間(心線セパレーション)であり、実施例8が240時間(歯欠け)、それに対応する比較例10が22時間(心線セパレーション)であり、比較例11が8時間(心線セパレーション)であり、比較例12が6時間(心線セパレーション)であった。
負荷耐久試験におけるベルト幅15mmのものの負荷耐久時間は、実施例5が1200時間(歯欠け)、それに対応する比較例7が230時間(歯欠け)であり、実施例6が1100時間(歯欠け)、それに対応する比較例8が200時間(歯欠け)であり、実施例7が1200時間(歯欠け)、それに対応する比較例9が240時間(歯欠け)であり、実施例8が1200時間(歯欠け)、それに対応する比較例10が240時間(歯欠け)であり、比較例11が100時間(歯欠け)であり、比較例12が85時間(歯欠け)であった。
負荷耐久試験におけるベルト幅10mmのもののベルト周長変化率は、実施例5が0.08%、実施例6が0.09%、実施例7が0.09%、実施例8が0.09%であった。なお、比較例7〜12は、50時間以内にベルトが破損したため、ベルト周長変化率を求めることはできなかった。
負荷耐久試験におけるベルト幅15mmのもののベルト周長変化率は、実施例5が0.04%、それに対応する比較例7が0.10%であり、実施例6が0.06%、それに対応する比較例8が0.12%であり、実施例7が0.07%、それに対応する比較例9が0.16%であり、実施例8が0.05%、それに対応する比較例10が0.10%であり、比較例11が0.40%であり、比較例12が0.45%であった。
以上の結果から、実施例1〜4と比較例1〜4とをベルト幅10mmのものについて比較すると、心線がカーボン繊維を含む場合、図3(b)に示すような内側表面が表面補強布17で被覆された歯付ベルトの構造の比較例1〜4では、ベルト走行初期に心線セパレーションが発生しているのに対し、図3(a)に示すような繊維補強材が埋設された歯付ベルトの構造の実施例1〜4では、負荷耐久時間が比較例1〜4の10倍以上もあり、極めて優れた負荷耐久性を有することが分かる。
実施例1〜4と比較例1〜4とをベルト幅15mmのものについて比較すると、いずれも破壊モードは歯欠けであるものの、実施例1〜4の方が比較例1〜4よりも負荷耐久時間が5倍以上も長く、極めて優れた負荷耐久性を有することが分かる。
また、比較例5と比較例6とを比較すると、心線がアラミド繊維で構成されている場合、上記の図3(a)に示すような歯付ベルトの構造であっても、上記図3(b)に示すような歯付ベルトの構造であっても、負荷耐久性に大差は見られない。従って、実施例1〜4の優れた負荷耐久性の効果は、心線がカーボン繊維を含むことと繊維補強材が埋設されていることとの組合せの相乗効果により発現されているということが分かる。
さらに、実施例1〜4は、屈曲疲労試験の結果と同様。比較例1〜6に比べて、ベルト周長変化率が極めて小さいことが確認された。
実施例5〜8及び比較例7〜12についても同様の考察を行うことができる。
本発明はポリウレタン樹脂製の歯付ベルトについて有用である。
実施形態に係る歯付ベルトの部分側面図である。 (a)〜(c)は実施形態に係る歯付ベルトの製造方法の説明図である。 (a)及び(b)は実施例で作製した歯付ベルトの構成を示す部分側面図である。 ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
符号の説明
10 歯付ベルト
11 歯付ベルト本体
12 心線
13 繊維補強材
14 歯部

Claims (3)

  1. ベルト内周に一定ピッチで設けられた複数の歯部を有するポリウレタン樹脂製の歯付ベルト本体と、
    上記歯付ベルト本体に、ベルト長さ方向に沿うと共にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設された心線と、
    上記歯付ベルト本体のベルト厚さ方向の上記心線の埋設位置よりも内側に、該歯付ベルト本体を形成するポリウレタン樹脂を含み込んで層を形成するように埋設された繊維補強材と、
    を備え、
    上記心線は、構成材料としてカーボン繊維を含む歯付ベルト。
  2. 請求項1に記載された歯付ベルトにおいて、
    上記繊維補強材が不織布で構成されている歯付ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された歯付ベルトにおいて、
    上記心線が、片撚り糸、諸撚り糸、ラング撚り糸、又はカーボン繊維をコアとするコアヤーンで構成されている歯付ベルト。
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