JP2953731B2 - 金属酸化物被覆プラスチック - Google Patents

金属酸化物被覆プラスチック

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剛 上原
義行 福本
基和 湯浅
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は金属酸化物層が被覆されたプラスチックに関
する。
(従来の技術) プラスチック基材上にジルコニウム、アルミニウム、
ケイ素等の金属の酸化物を蒸着等の方法により積層する
ことが広く研究されているが、プラスチック基材と金属
酸化物の密着性が悪く実用上問題となっていた。
この密着性を改良するため、たとえば特開昭61−2518
01号公報には両層の間に有機バインダー層を形成するこ
とが記載され、特公昭60−12601号公報には、両層の間
に一酸化ケイ素の層を形成することが記載されている。
しかし、前者の方法では有機バインダーを塗布する工
程と金属酸化物を蒸着する工程の2工程が必要であり、
かつバインダー中の溶剤を揮散させるために加熱処理す
る必要があるが、基材がプラスチックであるため高温に
することができず作業性が悪い。又、溶剤がバインダー
中に残存していると金属酸化物を蒸着する際に溶剤が揮
発し、プラスチック基材と金属酸化物層の密着が妨げら
れる。
又、後者の方法では一酸化ケイ素の層は耐湿性が悪
く、特に高温高湿下ではプラスチック基材と一酸化ケイ
素の層の間ですぐに剥離してしまう。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は上記欠点に鑑み、プラスチック基材と
金属酸化物層とが強固に密着した金属酸化物被覆プラス
チックを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明で使用される基材はプラスチックであり、たと
えばポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等があげられる。
本発明においては、プラスチック基材の一面に、厚さ
150Å〜1μmのニッケル酸化物を主成分とする層が真
空蒸着法により積層されている。この層の最小膜厚は、
ニッケルの酸化物膜が連続膜となる膜厚以上であれよ
く、150Å以上とする。最大膜厚は1μm以下とする。
1μmを超えるとクラックが入りやすくなる。
この層の作製にあたっては、原料として酸化ニッケル
を使用してもよいし、ニッケルと酸素ガスを反応蒸着し
てもよい。又、蒸着は高真空下で行うのが好ましく、好
ましくは2×10-4Torr以下であり、より好ましくは5×
10-5Torr以下である。
形成されたニッケル酸化物の膜組成は、ニッケル酸化
物を主成分とし、残部はMg,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Zn,Al,Si,S
r,Mo,In,Sn,Ba,Hf,Ta,W,Pbなどの金属または金属酸化物
の1種以上が含まれていてもよい。ニッケル酸化物成分
は、好ましくは80wt%以上である。
又、ニッケル酸化物を主成分とする層の上には、さら
に金属酸化物の層が一層以上で且つ厚さ1〜30μmに真
空蒸着法により積層されている。この層を形成する金属
酸化物は特に限定されることはなく、たとえばSiO、SiO
2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、ZnO等があげられる。ま
た、金属酸化物は上記のような単一成分でもよいし、こ
れらの混合物を用いてもよい。膜構成および蒸発原料
は、用途によって適宜決めればよい。例えば、耐摩耗性
が要求されるようであれば最上層としてAl2O3層が好ま
しい。
これ等の金属酸化物層の厚さは、用途によって適宜決
めれば良いが、1〜30μmとする。このように非常に厚
い金属酸化物層を形成しても、ニッケル酸化物層による
密着力の改善効果によりクラックや剥離が生じることが
ない。
又、プラスチック基板の熱変形温度以上で積層すれ
ば、クラックや剥離が生じやすくなるので、基板の熱変
形温度以下で積層されるのが好ましい。
次に、金属酸化物層を積層する方法を図面を参照して
説明する。第1図は、本発明の真空蒸着装置の一例を示
す模式図である。図中1は真空槽であり、排気口8に直
結される排気装置(図示せず)によって高真空に排気さ
れるようになっている。真空槽1内には、蒸発物質5、
51、52が供給された冷却装置付きの銅ハース6、61、62
と電子銃フィラメント7が配置されている。なお、銅ハ
ース6、61と62は任意に位置の交換が可能である。銅ハ
ース6の上方には、所望膜厚で蒸発物を遮るためのシャ
ッター4が設置されている。また、シャッター4の上方
には、プラスチック基板3を固定するための基板取付治
具2が設けられている。なお、9は膜厚モニター、10は
酸素ガス導入口である。
蒸着するには、真空槽1内のガス圧を5×10-5Torr以
下に減圧させ、銅ハース6に蒸発物質5として酸化ニッ
ケルを供給し、蒸発物質5を電子銃フィラメント7によ
って加熱溶解させ酸化ニッケルを蒸発させて、プラスチ
ック上に厚さ250〜2500Å程度の膜を形成する。次に、
蒸発物質51として、例えば二酸化ケイ素が供給された銅
ハース61と銅ハース6の位置を交代させ、銅ハース61の
二酸化ケイ素を加熱蒸発させ、酸化ニッケル層上に二酸
化ケイ素膜を形成する。さらに、3層目を形成するとき
には、例えば蒸発物質52として酸化アルミニウムが供給
された銅ハース62と銅ハース61の位置を交代させ、電子
ビーム加熱により酸化アルミニウムを蒸発させ、二酸化
ケイ素層上に酸化アルミニウム層を形成する。
真空を破ると蒸着膜表面に水の吸着やゴミの付着が起
こり易くなるため、減圧状態を維持しながら連続して第
2層や第3層目を形成するのが好ましい。
上記作製方法は、電子ビーム加熱方式による真空蒸着
法を示したが、その他の真空蒸着法を用いることができ
る。
(実施例) 次に本発明の実施例を説明する。尚、密着性は、60
℃、96%RHの恒温恒湿槽内に7日間放置した後、JIS D
−0202に準じてクロスカットテープ試験を行った。すな
わち剃刀刃を用い蒸着膜表面に1mm間隔に切り目を入
れ、1mm2の枡目を100個形成させる。次に、その上にセ
ロファン粘着テープを強く押し付けた後、表面から90゜
方向へ引っ張り剥離した後、蒸着膜の残っている枡目の
数をもって密着性の指標とした。
実施例1,2 プラスチック基板は、60mm×70mm×2mmのポリカーボ
ネート(商品名:レキサン(旭硝子(株)))を用い
た。金属酸化物層の形成は、第1図に示す真空蒸着装置
を用いて行った。蒸発物質の加熱は、電子ビーム加熱式
であり、電子銃は日電アネルバ(株)製の2kW3連E型電
子銃(型名:980−7104)である。
作製手順は、まず基板3を蒸発物質5から上方30cmの
位置に取り付けた後、3×10-5Torr以下に排気し、電子
ビーム加熱により蒸発物質5を加熱して、第1表に示し
た条件でニッケルの酸化物膜を形成した。さらに、真空
を破ることなく続いてSiO2層を形成した。蒸発原料は第
2表に示したように、ニッケル酸化物層の蒸発原料は高
純度酸化ニッケルの蒸着用ペレットを、SiO2層の蒸発原
料には高純度の二酸化ケイ素をそれぞれ用いた。密着性
は100であった。
実施例3 ニッケル酸化物層の蒸発原料として第2表に示したよ
うに、特級ニッケルを使用し真空槽に酸素を導入し、1.
5×10-4Torrで蒸着した以外は、無機化合物層の蒸発原
料、使用した装置、プラスチック基板および作製手順は
実施例1と同じであった。密着性は100であった。
比較例1 使用した装置およびプラスチック基板は実施例1と同
じである。作製手順は、真空槽内を3×10-5Torr以下に
排気し、電子ビーム加熱により蒸発物質4を加熱して第
1表に示した条件で基板上に直接二酸化ケイ素(SiO2
を3μm蒸着した。SiO2層の蒸発原料は、第2表に示し
たように高純度の二酸化ケイ素を用いた。密着性は0で
あった。
比較例2 実施例1で用いたのと同じポリカーボネート板をシリ
コン系有機塗料(トーレ・シリコン社製、SR2410レジ
ン)に浸漬し、10cm/minの速度で引上げ、室温で30分間
乾燥した後、80℃で24時間乾燥した。シリコン系有機塗
料層の厚さは1.5μmであった。次に、真空槽内に供給
し、3×10-5Torr以下に排気した後、第1表に示した条
件で、第2表に示した高純度二酸化ケイ素を蒸着した。
密着性は0であった。
(発明の効果) プラスチック上に第一層目として厚さ150Å〜1μm
のニッケル酸化物を主成分とする層を真空蒸着法により
設けることによって、さらにその上に真空蒸着法により
設けた厚さ1〜30μmの金属酸化物層とプラスチックと
の密着力が優れ、膜厚の自由度が大きい金属酸化物被覆
プラスチックをえることができる。また、用途に応じた
金属酸化物の膜構成を選択することにより、広範囲で利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は真空蒸着装置の一例を示す模式図である。 1……真空槽、2……基板取付治具、3……基板、5…
…蒸発物質、6……銅ハース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基材の一面に、厚さ150Å〜
    1μmのニッケル酸化物を主成分とする層が真空蒸着法
    により積層され、さらにその上に金属酸化物の層が一層
    以上で且つ厚さ1〜30μmに真空蒸着法により積層され
    ていることを特徴とする金属酸化物被覆プラスチック。
JP3314490A 1989-09-12 1990-02-13 金属酸化物被覆プラスチック Expired - Lifetime JP2953731B2 (ja)

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