JP2953536B2 - ゴムクロ−ラ用芯金 - Google Patents

ゴムクロ−ラ用芯金

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JP2953536B2
JP2953536B2 JP2955391A JP2955391A JP2953536B2 JP 2953536 B2 JP2953536 B2 JP 2953536B2 JP 2955391 A JP2955391 A JP 2955391A JP 2955391 A JP2955391 A JP 2955391A JP 2953536 B2 JP2953536 B2 JP 2953536B2
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清郎 富樫
守 角野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴムクロ−ラの芯金に関
し、芯金成形後の脱型の際の作業性が著しく改良された
芯金を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建設機械や土木作業機械において
鉄シュ−クロ−ラが走行部として用いられていたが、近
年になりゴムクロ−ラがその走行部として採用されるよ
うになった。このゴムクロ−ラはゴム弾性体を無端の帯
状としたもので、その幅方向に横並べされた多数の芯金
をゴム中に埋設し、これをスチ−ルコ−ド(抗張体)に
て外囲いした構造であって、クロ−ラがゴム製であるが
故に乗員に対して伝わる振動を低減することとなり、さ
らには舗装路面を走行しても路面を傷付けることがない
ため、好んで使用することとなったのである。
【0003】図1はかかるゴムクロ−ラに用いられる芯
金の正面図、図2はその側面図、図3はこの芯金が使用
されたゴムクロ−ラの中央断面図である。即ち、ゴムク
ロ−ラを構成する帯状のゴム弾性体1中に横並びされて
芯金2が埋設され、かかる芯金2は左右にのびてゴム弾
性体1中に埋まる翼部3と、その中央にスプロケット歯
との係合部4及びこの係合部4をはさんだ千鳥状に配置
された一対の突起5とからなっており、芯金2の翼部3
はその外周側に埋設されたスチ−ルコ−ドによって囲ま
れている。そしてゴム弾性体1の中央部には芯金2の係
合部4、4間にスプロケット歯に対する係合孔6が形成
されており、その外周側にはラグ7が形成されている。
かかるゴムクロ−ラはこれが無端帯となっていて、機体
に備えられたスプロケット及びアイドラ−に捲回されて
走行するものであって、スプロケット歯が係合部4と係
合して駆動力を得ることになる。
【0004】さて、かかるゴムクロ−ラ用芯金2は鋳造
や鍛造にて製造されるが、製造時の型割りの問題はその
生産性作業性に大きく影響し、特に脱型時にあっては深
い型と浅い型とではその作業性.生産性が大きくちがっ
てくる。即ち、芯金2の製造時の型割の位置は、芯金2
の全長における各部位の最大幅部をもって割られるが、
上記した芯金2の製造の型にあっては、その割面が図1
の一点鎖線にて示すように、翼部3のほぼ中央(P1:
翼部の最大幅W1の水平位置)から突起5の突出する先
端近く(P2:突起の突出先端幅W2の水平位置)、更
には係合部4の最下部近く(P3:係合部の最大幅W3
の水平位置)に至る割面となり、上下型の型割面の水平
位置は、P1−P2−P3−P2−P1のように大きく
上下に変化し、複雑でかつ上下型共に深さDがかなり深
い型となっている。これは係合部における最大幅部の水
平位置P3が芯金の翼部の厚み幅TWをはるかに越えた
更に下側に位置するように極めて低い位置にあるからで
あり、このため、従来のゴムクロ−ラの芯金の製造時に
おける作業性は悪く、生産効率が優れているとは言えな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
改良するためになされたものであって、生産性に優れた
芯金の構造を提供するものであり、更に、かかる芯金を
用いることによって走行時にゴムクロ−ラ内周側に入り
込んだ泥や小石をスプロケット係合孔を通じて容易に外
周側に排出できる有利さをもった芯金を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は以上の目的を達成する
ために次のような構成を採用したものである。即ち、ゴ
ムクロ−ラを構成するゴム弾性体中に埋設される芯金で
あって、左右の翼部と、これにはさまれたスプロケット
歯との係合部とを備え、前記係合部のスプロケット歯と
の接触面を円弧面とすると共に、この円弧面に続く係合
部の裏面側を断面逆台形状面とし、係合部の水平方向で
最大幅となる円弧面と断面逆台形面との接続部の水平位
置を前記芯金翼部の上下方向の厚み内に位置させたこと
を特徴とするゴムクロ−ラ用芯金にかかるものである。
【0007】
【作用】本発明は以上のような形状をなす芯金であり、
従来では一般に極めて下方に位置していた係合部の型割
部の水平位置(P4)を上方に移動し、翼部の割型の水
平位置に近付けたもので、鋳造、鍛造等によって製造さ
れる芯金の上下の型の型割りの段差、いいかえれば上下
型の割部の深さ(D)を浅くすることができたため、芯
金成形後の脱型の際の作業性が著しく向上し、生産性の
よい芯金を提供することとなったものである。
【0008】そして、かかる芯金をゴム弾性体中に埋設
したゴムクロ−ラは、芯金の係合部間に設けられたスプ
ロケット係合孔より泥や小石の排出性にすぐれているも
のとなるのである。即ち、芯金の係合部の裏面側が逆台
形状となっているためにスプロケット歯にて押された泥
や小石はそのまま抵抗するものがなく、係合孔を通って
ゴムクロ−ラの外周側に排出されることになるのであ
る。通常のゴムクロ−ラにあっては、スプロケット歯と
の係合部の接触面は円周に対して1/3の表面を備えて
いれば充分であって、より具体的に言えば、本発明の芯
金はこれより裏面側はこの1/3の表面位置よりも後退
させた逆台形となしているのである。
【0009】
【具体例】以下図面をもって本発明のゴムクロ−ラ用芯
金を更に詳細に説明する。図4は本発明のゴムクロ−ラ
用芯金の正面図、図5はその側面図、図6はこの芯金が
使用されたゴムクロ−ラの中央断面図である。図中、1
0は芯金であって、左右にのびる翼部11とその中央に
位置するスプロケットとの係合部12とこの両側に形成
された千鳥状に突出した突起13とからなっている。か
かる例にあっては機体に備えられた転輪(図示せず)が
突起13上を走行する芯金である。
【0010】さて、芯金10の係合部12にあって、ス
プロケット歯との接触面14はスプロケット歯面の円弧
面とほぼ同一の面とされ、この面14は円周に対して1
20度とされている。そしてこの接触面14に続く裏面
側の形状は逆台形状15としたものであって、いいかえ
れば、この接触面14と逆台形15の面との接続部16
が係合部12の最大幅部W4となっている。そして、特
徴的には係合部12の接触面14と裏面側の逆台形15
との接続部16、即ち係合部における最大幅部W4の水
平位置P4を翼部11の厚み幅TW内に位置させたもの
である。
【0011】即ち、この種芯金の製造型における上下型
の型割面の位置は、芯金の各部位の最大幅部即ち翼部1
1にあってはP1、突起13にあってはP2、係合部1
4にあってはP4の各水平位置をもって割られるが、本
発明の芯金にあっては係合部12の最大幅部は接続部の
水平位置P4となっているため、図4の点線で示すよう
にこの係合部12に対する型割面(P4:係合部の最大
幅部の水平位置)は翼部11の上下方向の厚み幅TW内
に納まる比較的浅い位置となり、このため型割面の水平
位置P1、P2、P4は比較的統一され、上下型の割部
の深さDが比較的浅い型ですむことになる。このことは
芯金の生産性、作業性の向上に大きく寄与するものとな
ったのである。
【0012】そして、本発明にて提供された芯金を採用
したゴムクロ−ラは、ゴムクロ−ラを構成する帯状のゴ
ム弾性体1中に横並びされて芯金10が埋設され、かか
る芯金10は左右にのびてゴム弾性体1中に埋まる翼部
11と、その中央にスプロケット歯との係合部12及び
この係合部12はさんだこの例では千鳥状に配置された
一対の突起13とからなっており、芯金10の翼部11
はその外周側に埋設された図示しないスチ−ルコ−ドに
よって囲まれている。そしてゴム弾性体1の中央部には
芯金10の係合部12、12間にスプロケット歯に対す
る係合孔17が形成されており、その外周側にはラグ7
が形成されている。かかるゴムクロ−ラはこれが無端帯
となっていて、機体に備えられたスプロケット及びアイ
ドラ−に捲回されて走行するものであって、スプロケッ
ト歯が係合部17と係合して駆動力を得ることになる。
【0013】そして、本発明にて提供された芯金を採用
したゴムクロ−ラによれば、係合部12の接触面14と
裏面側の逆台形15との接続部16が比較的浅い位置で
最大幅部W4となっているため、ここに泥や小石が詰ま
る割合が少なくなる。このため、スプロケット歯によっ
て容易にこれを押し出すことができ、更に、係合部1
2、12間に形成されたスプロケット係合孔17が外周
側につれて広くなっているため、スプロケット歯によっ
て押された泥や小石はゴムクロ−ラの外周側に効率よく
排出されることとなるのである。
【0014】この点、図3の従来のゴムクロ−ラの断面
図からも明らかなように、係合部12、12間に形成さ
れたスプロケット係合孔17が内周側に広いスペ−スを
有しており泥等が入りやすく、しかも外周側が接続部1
6によって狭められているため、十分な泥吐け性である
とは言えず、従来の芯金を使用したゴムクロ−ラは泥詰
まりが生じやすいものであった。
【0015】
【効果】本発明は以上の構成をもつ芯金であるため、そ
の製造時の生産性が極めて良くなり、しかもここで得ら
れた芯金を用いたゴムクロ−ラは泥や小石の排出性にす
ぐれたものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来のゴムクロ−ラの芯金の正面図であ
る。
【図2】図2は図1の芯金の側面図である。
【図3】図3は図1の芯金を用いたゴムクロ−ラの中央
部での断面図である。
【図4】図4は本発明のゴムクロ−ラ用芯金の正面図で
ある。
【図5】図5は図4の芯金の側面図である。
【図6】図6は図4の芯金を用いたゴムクロ−ラの中央
部での断面図である。
【符号の説明】
1‥‥ゴム弾性体、 2、10‥‥芯金、 3、11‥‥翼部、 4、12‥‥係合部、 5、13‥‥突起、 6、17‥‥係合孔、 8、16‥‥係合孔の最大幅部、 14‥‥スプロケット歯との接触面、 15‥‥係合部の裏面側逆台形、 D‥‥芯金の型割面の深さ、 P1、P2、P3‥‥従来の芯金の型割面の水平位置、 P1、P2、P4‥‥本発明の芯金の型割面の水平位
置、 W1、W2、W3‥‥従来の芯金の各部位の最大幅部、 W1、W2、W4‥‥本発明の芯金の各部位の最大幅
部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムクロ−ラを構成するゴム弾性体中に
    埋設される芯金であって、左右の翼部と、これにはさま
    れたスプロケット歯との係合部とを備え、前記係合部の
    スプロケット歯との接触面を円弧面とすると共に、この
    円弧面に続く係合部の裏面側を断面逆台形状面とし、係
    合部の水平方向で最大幅となる円弧面と断面逆台形面と
    の接続部の水平位置を前記芯金翼部の上下方向の厚み内
    に位置させたことを特徴とするゴムクロ−ラ用芯金。
JP2955391A 1991-01-30 1991-01-30 ゴムクロ−ラ用芯金 Expired - Lifetime JP2953536B2 (ja)

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