JP2952469B2 - 入子の取換え可能なダイカスト用金型 - Google Patents

入子の取換え可能なダイカスト用金型

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JP2952469B2
JP2952469B2 JP28963795A JP28963795A JP2952469B2 JP 2952469 B2 JP2952469 B2 JP 2952469B2 JP 28963795 A JP28963795 A JP 28963795A JP 28963795 A JP28963795 A JP 28963795A JP 2952469 B2 JP2952469 B2 JP 2952469B2
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TAIYO PAATSU KK
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JINZAI KOGYOSHO GOSHI
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイカスト用金型に
関し、特に入子の取り換えを著しく容易とし、金型の製
造コストを低く押さえることができ、しかも、加工精度
のよいダイカスト成形品を製造することのできる、入子
の取換え可能なダイカスト用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融した亜鉛やアルミニウム等の金属を
金型に注入して賦形するダイキャスティングは、生産速
度が速く、また、ダイキャスティングにより作られるダ
イカスト成形品は、寸法精度がよいので、アルミホイー
ル等の種々の部材製品として、幅広く利用されている。
【0003】近年、多品種少量生産のダイカスト成形品
を、効率よく生産するために、金型交換を容易とし、金
型交換時間短縮による成形機の稼働率の向上や、金型交
換の省力化や、ダイカスト成形品の原価低減対策とし
て、金型の母型を標準化し、入子を交換するようにした
ダイカスト用金型が提案されている。従来、この種のダ
イカスト用金型101は、図8に示すように、可動型金
型102と固定型金型103とを備え、可動型金型10
2は、標準化され且つ雄型入子108を収容する収容部
104aを有する可動型母型104と、エジェクタピン
105を有したエジェクタベース106を内蔵させるダ
イブロック107と、可動型母型104の収容部104
aに取り換え可能に設けられ、正面108s1に雄型の
彫刻面108aが設けられた雄型入子108とを備える
構成となっており、また、固定型金型103は、標準化
され且つ雌型入子110を収容する収容部109aを有
する固定型母型109と、固定型母型109の収容部1
09aに取り換え可能に設けられ、雌型の彫刻面(図示
せず)が形成された雌型入子110と、固定型母型10
9の下方に形成され、鋳造機(図示せず)等の溶湯供給
手段に連結され、可動金型2と固定金型3とが閉じられ
た時に、雄型入子108に形成された雄型の彫刻面10
8aと雌型入子110に形成された雌型の彫刻面110
aとの間に形成される空間(キャビティ)に、溶融した
亜鉛やアルミニウム等の溶湯を供給するための材料供給
路112とを備える構成となっている。
【0004】尚、図中113は、雄型入子108の温度
を冷却するための冷媒を供給循環するための冷却用パイ
プを、114は、材料供給路112より供給される溶湯
を空間(キャビティ)に導く湯道を、115は、空間
(キャビティ)をオーバーフローした溶湯を受ける湯溜
りを、116は、雄型入子108に形成され、エジェク
タピン105を挿入するエジェクタピン挿通用孔を、ま
た、117は、エジェクタプレート106を固定金型1
03方向へ押し出すために、固定金型103方向へ移動
可能に設けられた押し出し板を、117aは、押し出し
板117に設けられ、エジェクタプレート106を上方
より出し入れ可能に収容させる上方が開口した突起を、
また、118は、雌型入子110の温度を冷却するため
の冷媒を供給循環するための冷却用パイプを、各々、示
している。
【0005】この金型101を用いて、ダイカスト成形
品を製造する際には、まず、可動型母型104と固定型
母型109の各々を、鋳造機(図示せず)の可動型ダイ
プレート(図示せず)と、固定型ダイプレート(図示せ
ず)に取り付ける。次に、雄型入子108の背面に、冷
却溶パイプ113を接続し、その後、雄型入子108の
背面側より、エジェクタピン挿通用孔116にエジェク
タピン105を挿入して、雄型入子108にエジェクタ
ベース106を取り付ける。
【0006】次に、エジェクタベース106が背面に取
り付けられた雄型入子108を、可動型母型104及び
ダイブロック107内に収容する。また、雌型入子11
0の背面に、冷却用パイプを接続した後、雌型入子11
0を固定型母型109内に収容し、しかる後に、雌型入
子110の材料供給路112を鋳造機(図示せず)の材
料供給路122に接続する。
【0007】次に、鋳造機(図示せず)の可動型ダイプ
レート(図示せず)を固定型ダイプレート(図示せず)
側へ移動し、可動型金型102と固定型金型103とを
閉じた状態にし、その後、溶湯入り口穴123より溶湯
を供給して、雄型入子108の雄型の彫刻面108aと
雌型入子110の雌型の彫刻面110aとの間に形成さ
れる空間(キャビティ)(図示せず)内に溶湯を供給し
て、ダイカスト成形品を製造する。
【0008】ところで、上記と異なるダイカスト成形品
を製造する際には、可動型金型102及び固定型金型1
03の各々を、鋳造機(図示せず)の可動型ダイプレー
ト(図示せず)及び固定型ダイプレート(図示せず)の
各々から取り外す。次に、エジェクタプレート106お
よび冷却用パイプ113を雄型入子108から取り外
し、雄型入子108を矢印A方向に可動型母型104か
ら取り外した後、別の雄型入子を矢印B方向に可動型母
型104に取り付け、雄型入子にエジェクタプレートや
冷却用パイプを取り付ける。
【0009】また、冷却用パイプ118を雌型入子11
0から取り外し、雄型入子110を矢印B方向に固定型
母型109から取り外した後、別の雌型入子を矢印A方
向に固定型母型109に取り付け、雌型入子に冷却用パ
イプ118を取り付ける。次に、新たな雄型入子と雌型
入子を準備する。そして、鋳造機(図示せず)の可動型
ダイプレート(図示せず)と、固定型ダイプレート(図
示せず)に可動型金型102と固定型金型103を取り
付けた後、新たな雄型入子及び雌型入子の各々を、可動
型金型102と固定型金型103に収容した後、上記と
同様の手順により、ダイカスト成形品を製造する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ダイカスト用金型101のような金型は、図8に示した
ように、収容部104a、109aの各々が、可動型母
型104および固定型母型109の各々をくり抜くよう
にして形成されている。このため、雄型入子108及び
雌型入子110を取り換える際には、上述したように、
可動型母型104、固定型母型109の各々に対して、
図8に矢印A、Bで示す向きの方向に、雄型入子10
8、雌型入子110を取り外したり、取り付けたりしな
ければならず、クレーン等の吊り上げ、吊り下げ手段が
使用できず、しかも、雄型入子108、雌型入子110
が重量物であるので、矢印A、Bで示す向きに、雄型入
子108、雌型入子110を取り換えるのは難しく、入
子の交換作業に時間がかかるという問題があった。
【0011】また、エジェクタプレート106が押し出
し板117にきっちりとはめ込まれるようになっている
ので、エジェクタープレート106を押し出し板117
から取り外したり、取り付けたりし難いという問題があ
った。更には、雄型入子108、雌型入子110のがた
つきを防止するため、可動型母型104や固定型母型1
09の収容部104a、109aを形成する内周面と、
雄型入子108、雌型入子110の外周面とが正確には
まり合うように、精密に切削、研磨加工しなければなら
ず、そのため、金型の製造コストが高くなるという問題
もあった。
【0012】そして、このように、雄型、雌型入子の交
換作業に時間を要することや、金型の製造コストが高い
ことが、ひいては、ダイカスト成形品の製造コストに跳
ね返り、ダイカスト成形品の製造コストを下げることが
できないという問題等があった。また、金型の入子の交
換作業は、ダイカスト成形品の製造コストを低く押さえ
るために、短時間で行う必要があり、しかも、金型の温
度が高温状態であるという過酷な作業環境下で行われる
ため、作業者が、短時間で容易に入子の交換作業のでき
る金型の開発が長年望まれていた。
【0013】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、入子の取り換えを著しく容
易とし、且つ、金型の製造コストの低く押さえることが
でき、しかも、入子の取換えが可能なダイカスト用金型
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の入子の
取換え可能なダイカスト用金型は、エジェクタピンを備
えるエジェクタベースを内蔵させるダイブロックを後方
に連結させた可動金型と、鋳造機の溶湯供給手段に連結
される材料供給路を形成した固定金型とを対向配置させ
た成形金型であって、可動金型は、上方に開口部を有す
る凹部と、凹部の両側面に設けられた溝穴部とを備える
可動型母型と、可動型母型の凹部の両側面に設けられた
溝穴部に嵌り合う突出部を両側面に有し且つ正面に所定
形状の雄型の彫刻面を有する雄型入子と、押さえ部材と
を備え、雄型入子は、突出部を可動型母型の凹部の両側
面に設けられた溝穴部に嵌め合わせて、可動型母型の凹
部に収容され、更に、可動型母型の凹部内に収容された
雄型入子を上方より押え部材により押えて固定する構造
となっており、固定金型は、上方に開口部を有する凹部
と、凹部の両側面に設けられた溝穴部とを備える固定型
母型と、固定型母型の凹部の両側面に設けられた溝穴部
に嵌り合う突出部を両側面に有し且つ正面に所定形状の
雌型の彫刻面を有する雌型入子と、押え部材とを備え、
雌型入子は、突出部を固定型母型の凹部の両側面に設け
られた溝穴部に嵌め合わせて、固定型母型の凹部に収容
され、更に、固定型母型の凹部内に収容された雌型入子
を上方より押さえ部材により押さえて固定する構造とな
っている。面の溝穴部には、雄型入子および雌型入子の
両側面の各々に形成された1組の突起の各々に対応する
テーパ固定部を対応して形成した構造となっている。
【0015】請求項1に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、上方に開口部を有する凹部を有する
可動型母型と、上方に開口部を有する凹部を有する固定
型母型とを用いているので、雄型、雌型入子を取り換え
る際に、雄型入子を上方に引き上げて可動型母型から取
り外すことができ、可動型母型の上方から雄型入子を下
ろすことにより、雄型入子を可動型母型の取り付けるこ
とができ、雌型入子を上方に引き上げて固定型母型から
取り外すことができ、固定型母型の上方から雌型入子を
下ろすことにより、雌型入子を固定型母型の取り付ける
ことができる。
【0016】この金形では、雄型、雌型入子の取り換え
を、上下方向で行えるため、クレーン等の吊り上げ、吊
り下ろし手段を用いて行うことができるので、雄型、雌
型入子の交換作業を著しく容易に行えることができる。
また、雄型入子の交換作業を上下方向の動作で行えるよ
うにしたので、雄型入子とエジェクタプレートの取り換
えが、ともに上下方向となり、雄型入子とエジェクタプ
レートとを同時に交換できるので、雄型、雌型入子の交
換作業を著しく容易に行えることができる。
【0017】しかも、可動型母型の上方に開口部を有す
る凹部を形成する両側面に溝穴部を設け、雄型入子の両
側面に可動型母型の凹部の両側面に設けられた溝穴部に
嵌り合う突出部を設け、突出部を可動型母型の凹部の両
側面に設けられた溝穴部に嵌め合わせて収容し、更に、
可動型母型の凹部内に収容された雄型入子を上方より押
えて固定する押え部材を嵌合させて固定する構造とし、
且つ、固定型母型の上方に開口部を有する凹部を形成す
る両側面に溝穴部を設け、雌型入子の両側面に固定型母
型の凹部の両側面に設けられた溝穴部に嵌り合う突出部
を設け、突出部を固定型母型の凹部の両側面に設けられ
た溝穴部に嵌め合わせて収容し、更に、固定型母型の凹
部内に収容された雌型入子を上方より押えて固定する押
え部材を嵌合させて固定する構造としたので、雄型入子
が、しっかりと可動型母型に取り付けられ、且つ、雌型
入子が、しっかりと固定型母型に取り付けられているの
で、ダイキャスティングの際に、雄型、雌型入子のがた
つきが著しく減少しているので、この金型により製造さ
れるダイカスト成形品は、加工精度が優れている。
【0018】また、ダイカスト成形品に応じて、雄型ま
たは雌型入子と、エジェクタベースを取り換えるだけで
対応できるので、雄型または雌型入子の外枠(可動型母
型と固定型母型)は共用できるため、金型の製造コスト
を低く押さえることができる。したがって、この金型
は、少量多品種の成形品を製造する場合に特に有益であ
る。
【0019】請求項2に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型は、請求項1に記載の入子の取換え可能な
ダイカスト用金型の、雄型入子の、可動型母型の凹部の
両側面の各々に設けられた溝穴部に嵌り合う突出部は、
それぞれの中心位置が上下で整列しないように設けられ
た、上下に突設する1組の突起であり、雌型入子の、固
定型母型凹部の両側面の各々に設けられた溝穴部に嵌り
合う突出部は、それぞれの中心位置が上下で整列しない
ように設けられた、上下に突設する1組の突起であり、
可動型母型および固定型母型の各々に形成した開口部の
両側面の溝穴部には、雄型入子および上記雌型入子の両
側面の各々に形成された1組の突起の各々に対応するテ
ーパ固定部を対応して形成した構造となっている。
【0020】請求項2に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、雄型入子および雌型入子の両側面の
各々には、それぞれの中心位置が上下で整列しないよう
に突設するように1組の突起を上下に設け、可動型母型
および固定型母型の各々に形成した凹部の両側面の溝穴
部には、雄型入子および雌型入子の両側面の各々に形成
された1組の突起の各々に対応するテーパ固定部を対応
して形成した構造としたので、雄型入子および雌型入子
の各々を可動型母型および固定型母型の各々に収容する
際に、まず、1組の突起の下方側の突起を可動型母型お
よび固定型母型の各々に形成した凹部の両側面の溝穴部
に容易にはめることができ、しかも、雄型入子及び雌型
入子の各々が、可動型母型および固定型母型の各々に、
可動型母型および固定型母型の各々に設けられた凹部の
両側面の溝穴部をガイドとして収容されるので、雄型入
子、雌型入子の各々を可動型母型および固定型母型の各
々に収容する収容作業が容易となる。
【0021】しかも、可動型母型および固定型母型の各
々に、雄型入子および雌型入子の両側面の各々に形成し
た1組の突起の各々に対応するテーパ固定部を対応して
形成したので、一旦、雄型入子と可動型母型及び雌型入
子と固定型母型の各々がはまり合うと、1組の突起の上
側の突起とこれに対応するテーパ固定部及び下側の突起
とこれに対応するテーパ固定部でそれぞれが固定される
ので、雄型入子、雌型入子にがたつきが生じ難く、ダイ
キャスティングの際に、雄型、雌型入子のがたつきが生
じにくいので、加工精度に優れたダイカスト製品を作る
ことができる。
【0022】更に、可動型母型および固定型母型の各々
に、雄型入子および雌型入子の両側面の各々に形成した
1組の突起の各々に対応するテーパ固定部のみを加工精
度よく形成すればよいので、金型の製造コストを低く押
さえることができる。請求項3に記載の入子の取換え可
能なダイカスト用金型は、請求項1に記載の入子の取換
え可能なダイカスト用金型の可動型母型および固定型母
型の各々の開口部の両側面に形成した溝穴部が、下方に
向かって先搾状に形成されたテーパ状の位置合わせ溝と
なっており、雄型入子および雌型入子の各々の両側面に
形成された突出部を、テーパ状の位置合わせ溝に対応し
たテーパ状に突出させる構造となっている。
【0023】請求項3に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、可動型母型および固定型母型の各々
の上方に開口部を有する凹部の両側面に形成した溝穴部
を、下方に向かって先搾状に形成されたテーパ状の位置
合わせ溝の形状にし、雄型入子および雌型入子の各々の
両側面に形成された突出部を、テーパ状の位置合わせ溝
に対応したテーパ状の突出構造としたので、雄型入子お
よび雌型入子の各々を、可動型母型および固定型母型の
各々に収容する際に、雄型入子及び雌型入子の各々の突
出部を可動型母型及び固定型母型の溝穴部にはめ合わせ
やすく、且つ、雄型入子、雌型入子の各々の突出部を可
動型母型及び固定型母型の溝穴部の上方向に抜き易いの
で、雄型、雌型入子の交換作業が容易である。
【0024】しかも、可動型母型および固定型母型の各
々の開口部の両側面に形成したテーパ状の位置合わせ溝
に対応させて、雄型入子および雌型入子の各々の両側面
にテーパ状の突出構造の突出部を形成したので、一旦、
雄型入子と可動型母型及び雌型入子と固定型母型の各々
がはまり合うと、雄型入子及び雌型入子にがたつきが生
じ難くい。したがって、ダイキャスティングの際に、雄
型、雌型入子のがたつきが生じにくいので、加工精度に
優れたダイカスト製品を作ることができる。
【0025】請求項4に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型は、請求項1、2または3に記載の入子の
取換え可能なダイカスト用金型のダイブロックは、固定
金型方向へ移動可能に設けられた押し出し板を有してお
り、押し出し板には、エジェクタベースを上方より出し
入れ可能に収容させる上方が開口した嵌合突起が形成さ
れており、この嵌合突起に収容されたエジェクタベース
を、エジェクタベースと嵌合突起との間で生じた隙間
に、2本の下方に細くなるテーパ形状の脚部を有したく
さび型部材を挟み込んで固定する構造となっている。
【0026】請求項4に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、エジェクタベースの大きさより大き
い嵌合突起を押し出し板に形成し、押し出し板に形成し
た嵌合突起にエジェクタベースを上方より収容した後
に、エジェクタベースと嵌合突起との間で生じた隙間
に、下方に細くなるテーパ形状の脚部を有したくさび型
部材を挟み込んで、押し出し板にエジェクタベースを固
定する構造としたので、押し出し板の嵌合突起内に、エ
ジェクタベースを収容し易く、また、くさび型部材をエ
ジェクタベースと嵌合溝との間で生じた隙間から取り去
ると、エジェクタベースと押し出し板に形成した嵌合突
起との間に隙間ができるので、エジェクタベースを押し
出し板に形成した嵌合突起の上方へ、取り外し易い。
【0027】しかも、ダイキャスティングの際には、く
さび型部材により、押し出し板とエジェクタベースとが
一体化されているので、所定のエジェクト効果を得るこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本願発明について、発明の
実施の形態に基づいて、更に、詳しく説明する。図1
は、本発明の実施の形態の一例としてのダイキャスト用
金型の全体構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、
図1に示すダイキャスト用金型1の可動型金型の分解斜
視図を、図3は、図1に示すダイキャスト用金型1の固
定型金型の分解斜視図である。
【0029】このダイカスト用金型1は、エジェクタピ
ン5を備えるエジェクタベース6を内蔵させるダイブロ
ック7を後方に連結させた可動型金型2と、鋳造機(図
示せず)の溶湯供給手段に連結される材料供給路12を
形成した固定型金型3とを備える構成となっている。よ
り詳しくは、可動型金型2は、標準化され且つ雄型入子
8を収容する凹部(収容部)4aを有する可動型母型4
と、エジェクタピン5を有するエジェクタベース6を内
蔵するダイブロック7と、可動型母型4の凹部(収容
部)4aに取り換え可能に設けられ、正面8s1に雄型
の彫刻面8aが設けられた雄型入子8と、可動型母型4
の凹部(収容部)4aに収容された雄型入子8を上方よ
り押さえて固定する押さえ部材31と、くさび型部材4
1と、押さえ部材31を可動型母型4に固定する複数の
ボルト51と、複数のロックピン(図6に示すロックピ
ン61)とを備える構造となっている。
【0030】可動型母型4の後方には、母型4内に収容
される雄型入子8の横方向の移動を阻止するための突起
壁部4dが、切削加工により形成されている。また、可
動型母型4の凹部(収容部)4aは、上方に開口部4h
を有し、且つ、凹部(収容部)4aの両側面4s、4s
に、溝穴部4b、4bを有する形状となっている。
【0031】更に、可動型母型4の上面には、複数のボ
ルト51を固定するための複数のボルト孔52と、複数
のロックピン61を嵌合固定するためのロックピン挿入
用孔62とが設けられている。雄型入子8の両側面8s
2、8s2の各々には、突出部21が設けられている。
【0032】そして、雄型入子8は、その突出部21を
可動型母型4の凹部(収容部)4aの両側面に設けられ
た溝穴部4b、4bに嵌め合わせて、可動型母型4の凹
部(収容部)4aに収容されるようになっている。ま
た、雄型入子8の背面側には、エジェクタピン5を有す
るエジェクタプレート6と雄型入子8を冷却するための
冷媒を供給循環するための冷却用パイプ13とが取り付
けられている。
【0033】また、雄型入子8の上面中央部には、クレ
ーン等の吊り上げ、吊り下げ手段の引っかけ爪(図示せ
ず)に引っかけるリング体23aをその上部に取り付
け、且つ、その下方の軸23bの下方の先端部にネジ山
23cが形成された引っかけ部材23を取り付ける穴部
24が設けられている。ここで、図2及び図4に基づい
て、雄型入子8を可動型母型4の凹部(収容部)4a内
に収容したり、可動型母型4の凹部(収容部)4aから
取り外したりする際の動作原理について、説明する。
【0034】この例では、雄型入子8の突出部21は、
雄型入子8の両側面8s2、8s2に、上下に突設する
ように設けられた1組の突起21a、21bにより構成
されており、1組の突起21a、21bは、図示するよ
うに、それぞれの中心位置C21a、C21bが上下で
整列しないように設けられている。より特定的には、突
起21aが、突起21bに比べ、雄型入子8の正面8s
1に近接するように設けられている。
【0035】また、可動型母型4の凹部(収容部)4a
の溝穴部4b、4bの形状は、図4に示すように、雄型
入子8の両側面8s2の各々に形成された1組の突起2
1a、21bの各々に対応する2つのテーパ固定部4T
1、4T2が形成された形状になっている。この例で
は、可動型母型4の溝穴部4bの中、正面4s1より遠
い側の第1の形成面4bs1は、直線状に形成されてお
り、正面4s1側の第2の形成面4bs2に上記2つの
テーパ固定部4T1、4T2が形成されている。さらに
詳しくは、テーパ固定部4T1は、可動型母型4の上方
から下方に向かって、可動型母型4の正面4s1側から
離れるように傾斜しており、テーパ固定部4T2は、テ
ーパ固定部4T1の下端e1から下方に直線状に形成さ
れた形成面部P4bs2の下端e2から上方から下方に
向かって、可動型母型4の正面4s1側から離れるよう
に傾斜するように形成されている。
【0036】第1の形成面4bs1と第2の形成面4b
s2との間隔wは、突起21bの直径より、十分に幅広
に形成されている。そして、テーパ固定部4T1、4T
2の各々は、雄型入子8が、可動型母型4の凹部(収容
部)4aの所定の位置に収容された時に、テーパ固定部
4T1に突起21aの外周が当接し、テーパ固定部4T
2に突起21aの外周が当接するように、精密加工によ
り形成されている。
【0037】したがって、雄型入子8が可動型母型4の
凹部(収容部)4aの所定の位置に収容されると、雄型
入子8の重量、突起21bとテーパ固定部4T2との当
接および突起21aとテーパ固定部4T1との当接、並
びに、突起壁部4dと雄型入子8との嵌合により、しっ
かりと固定される。尚、図4中、想像線で示す雄型入子
8は、雄型入子8が、可動型母型4の凹部(収容部)4
aの所定の位置に収容された状態を示している。
【0038】また、この構造は、可動型母型4の上面の
溝穴部4bの開口部4hが、雄型入子8の突起21bの
直径に比べ、十分に幅広になっているので、雄型入子8
を上方から、図4中に矢印Eで示す方向に可動型母型4
の凹部(収容部)4a内に収容し易く、また、これとは
逆に、可動型母型4の凹部(収容部)4aから雄型入子
8を取り外す際には、この溝穴部4bは上方になるにつ
れ、次第に幅広となっているので、雄型入子8は、上方
へ吊り上げれることにより可動型母型4の凹部(収容
部)4aから容易に取り外すことができる。
【0039】尚、ここでは、可動型母型4と雄型入子8
についての動作原理について説明したが、この例では、
固定型母型9と雌型入子10の動作原理も同様となって
いるので、その説明は省略する。押さえ部材31は、図
2に示すように、略T字形状となっており、その突出部
31aが、丁度、可動型金型4の凹部4aにはまり合う
ようになっており、その上面には、可動型母型4の凹部
(収容部)4aに収容された雄型入子8を上方より押さ
えた後、複数のボルト51と複数のロックピン61とを
用いて、押さえ部材31と可動型母型4とを固定するた
めの複数のボルト孔53と複数のロックピン挿入用孔6
3とが設けられている。また、その上面中央部には、ク
レーン等の吊り上げ、吊り下げ手段の引っかけ爪(図示
せず)に引っかけるリング体33aをその上部に取り付
け、且つ、その下方の軸(図示せず)の下方の先端部に
ネジ山(図示せず)が形成された引っかけ部材33を取
り付ける穴部34が設けられている。
【0040】くさび型部材41は、2本の下方に細くな
るテーパ形状の脚部42、42を有する構造となってい
る。また、その上面には、クレーン等の吊り上げ、吊り
下げ手段の引っかけ爪(図示せず)に引っかけるリング
体43aをその上部に取り付け、且つ、その下方の軸
(図示せず)の下方の先端部(図示せず)にネジ山(図
示せず)が形成された引っかけ部材43を取り付ける穴
部44が設けられている。
【0041】ダイブロック7は、固定金型3方向へ移動
可能に設けられた2枚の押し出し板81、82とを有し
ており、押し出し板82には、エジェクタベース6を上
方より出し入れ可能に収容させる上方が開口した一対の
略L字形状の嵌合突起82a、82aが形成されてい
る。この嵌合突起82a、82aの高さHは、エジェク
タベース6の厚さdより大きめに形成されているので、
図5に示すように、エジェクタベース6を、押し出し板
82に形成された一対の略L字形状の嵌合突起82a、
82a内に収容すると、エジェクタベース6と一対の略
L字形状の嵌合突起82a、82aとの間に隙間Sが生
じるが、この例では、この隙間Sの各々に、くさび型部
材41の2本の下方に細くなるテーパ形状の脚部42、
42を、各々、挟み込んで、押し出し板82にエジェク
タプレート6を固定する構造となっている。
【0042】一方、固定金型3は、図1及び図3に示す
ように、標準化され且つ雌型入子10を収容する凹部
(収容部)9aを有する固定型母型9と、固定型母型9
の凹部(収容部)9aに取り換え可能に設けられ、正面
10s1に雌型の彫刻面10aが設けられた雌型入子1
0と、固定型母型9の凹部(収容部)9aに収容された
雌型入子10を上方より押さえて固定する押さえ部材7
1と、押さえ部材71を可動型母型4に固定する複数の
ボルト51と、複数のロックピン61とを備える構造と
なっている。
【0043】固定型母型9の凹部(収容部)9aは、図
示するように、上方に開口部9hを有し、且つ、凹部
(収容部)9aの両側面9s、9sに、溝穴部9b、9
bを有する形状となっている。また、固定型母型9の後
方には、母型9内に収容される雌型入子10の横方向の
移動を阻止するための突起壁部9dが、切削加工により
形成されている。
【0044】更に、固定型母型9の上面には、複数のボ
ルト51を固定するための複数のボルト孔52と、複数
のロックピン61を嵌合固定するためのロックピン挿入
用孔62とが設けられている。雌型入子10の両側面1
0s2、10s2の各々には、突出部21(21a、2
1b)が設けられている。
【0045】そして、雌型入子10は、その突出部21
(21a、21b)を固定型母型9の凹部(収容部)9
aの両側面に設けられた溝穴部9b、9bに嵌め合わせ
て、固定型母型9の凹部(収容部)9aに収容されるよ
うになっている。また、雌型入子10の背面側には、雌
型入子10を冷却するための冷媒を供給循環するための
冷却用パイプ13とが取り付けられている。
【0046】また、雌型入子10の上面中央部には、ク
レーン等の吊り上げ、吊り下げ手段の引っかけ爪(図示
せず)に引っかけるリング体13aをその上部に取り付
け、且つ、その下方の軸13bの下方の先端部にネジ山
13cが形成された引っかけ部材13を取り付ける穴部
14が設けられている。押さえ部材71は、図示するよ
うな略T字形状となっており、その突出部71aが、丁
度、固定型母型9の凹部9aにはまり合うようになって
いる。また、その上面には、固定型母型9の凹部(収容
部)9aに収容された雌型入子10を上方より押さえた
後、複数のボルト51と複数のロックピン61とを用い
て、押さえ部材71と固定型母型9とを固定するための
複数のボルト孔53と複数のロックピン挿入用孔63と
が設けられている。また、その上面中央部には、クレー
ン等の吊り上げ、吊り下げ手段の引っかけ爪(図示せ
ず)に引っかけるリング体73aをその上部に取り付
け、且つ、その下方の軸(図示せず)の下方の先端部に
ネジ山(図示せず)が形成された引っかけ部材73を取
り付ける穴部34が設けられている。
【0047】尚、図1中、14は、材料供給路12より
供給される溶湯を、可動金型2と固定金型3が閉じられ
た時に、雄型入子8の雄型の彫刻面8aと雌型入子10
の雌型の彫刻面10aとの間に形成される空間(キャビ
ティ)に導く湯道を、15は、空間(キャビティ)をオ
ーバーフローした溶湯を受ける湯溜りを、16は、雄型
入子8に形成され、エジェクタピン5を挿入するエジェ
クタピン挿通用孔を、また、図3中、19は、ゲート
を、各々、示している。
【0048】この金型1を用いて、ダイカスト成形品を
製造する際には、まず、可動型母型4と固定型母型9の
各々を、鋳造機(図示せず)の可動型ダイプレート(図
示せず)と、固定型ダイプレート(図示せず)に取り付
ける。次に、その背面に冷却溶パイプ13が接続された
雄型入子8の背面側より、エジェクタピン挿通用孔16
にエジェクタピン5を挿入して、雄型入子8にエジェク
タベース6を取り付ける。
【0049】次に、エジェクタベース6が背面に取り付
けられた雄型入子8の穴部24に引っかけ部材23を螺
合させた後、引っかけ部材23のリング体23aをクレ
ーン等の吊り上げ、吊り下げ手段(図示せず)の引っか
け爪(図示せず)に引っかけて、上方より図2中に矢印
Cで示す方向に、エジェクタベース6が背面に取り付け
られた雄型入子8を、可動型母型4及びダイブロック7
内に収容する。
【0050】より詳しくは、この工程において、雄型入
子8が、可動型母型4の凹部(収容部)4a内に収容さ
れ、エジェクタベース6が、押し出し板82の一対の略
L字状の嵌合突起82a、82a内に収容される。その
後、引っかけ部材23を雄型入子8から取り外す。次
に、くさび型部材41に螺合した引っかけ部材43のリ
ング体43aをクレーン等の吊り上げ、吊り下げ手段
(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引っかけて、
ダイブロック7の押し出し板82に設けられた一対の嵌
合突起82a、82aとエジェクタベース6との間の隙
間Sに、上方より、図2中、矢印Cで示す方向に、くさ
び型部材41のテーパ形状の脚部42、42を、各々、
挟み込んで、押し出し板82にエジェクタプレート6を
固定する。
【0051】次に、押さえ部材31に螺合した引っかけ
部材33のリング体33aをクレーン等の吊り上げ、吊
り下げ手段(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引
っかけて、上方より図2中に矢印Cで示す方向に、押さ
え部材31を下ろして、可動型母型4の凹部(収容部)
4a内に収容された雄型入子8を上方から押え込んで、
雄型入子8を可動型母型4の凹部(収容部)4a内に固
定する。
【0052】その後、可動型母型4と押さえ部材31と
を、複数のボルト51および複数のロックピン61によ
り固定する。より詳しくは、可動型母型4と押さえ部材
31との取り付けは、図6のようになっている。すなわ
ち、この例では、可動型母材4にロックピン61を挿入
するロックピン挿入孔62を形成し、押さえ部材31に
は、ロックピン61を挿入するロックピン収容孔63
と、ロックピン収容孔63に収容されるロックピン61
を固定するためのロックピン固定用ボルト孔64を形成
している。
【0053】また、可動型母型4には、ボルト51を挿
入螺合するためのボルト孔52が形成されており、押え
部材31には、ボルト51を挿入螺合するためのボルト
孔53が形成されている。そして、ボルト孔52とボル
ト孔53とは、ロックピン61がロックピン挿入孔62
に嵌合したときに、丁度、整列するように設けられてい
る。
【0054】可動型母型4に押さえ部材31を取り付け
る際には、まず、ロックピン61を、押え部材31のロ
ックピン収容孔63内に収容した後、ロックピン固定用
ボルト65を用いてロックピン収容孔63内にロックピ
ン61を固定する。次に、ロックピン61を、可動型母
型4に設けられたロックピン挿入孔62に嵌合する。す
ると、可動型母材4に設けられたボルト孔52の各々と
押さえ部材31に設けられたボルト孔53とが、整列す
るので、ボルト孔52及びボルト孔53とに、ボルト6
1を挿入螺合することにより、可動型母型4に押さえ部
材31を固定する。
【0055】尚、ロックピン61とロックピン挿入孔6
2とは、嵌合したときに、互いに、一寸の狂いも生じな
いように、その形状が精密に加工されている。この例で
は、可動型母型4と押さえ部材31とを固定的に取り付
ける際に、ボルト61及びボルト孔52、53を使用す
るのに加えて、更に、ロックピン61及びロックピン挿
入孔62、63をも使用しているので、可動型母型4に
押え部材3を取り付け易く、しかも、ロックピン61の
各々は、ロックピン挿入孔62の各々に、嵌合したとき
に、互いに、一寸の狂いも生じないように、その形状が
精密に加工されているので、ボルト51及びボルト孔5
2、53のみを使用して可動型母型4と押さえ部材31
とを取り付けた場合に比べ、可動型母型4と押さえ部材
31とが、がたつきを生じ難くい。このため、ダイキャ
スティングの際に、熱や機械的な力が加わっても、雄型
入子8が、がたつき難いので、ダイカスト製品をより精
密に製造することができる。
【0056】尚、ここでは、可動型母型4と押さえ部材
31との取り付けについて説明したが、この例では、固
定型母型9と押さえ部材71との取り付け構造も同様と
なっているので、その説明は省略する。次に、その背面
に冷却用パイプ18が接続された雌型入子10の穴部1
4に引っかけ部材13を螺合する。
【0057】次に、雌型入子10に螺合した引っかけ部
材13のリング体13aをクレーン等の吊り上げ、吊り
下げ手段(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引っ
かけて、上方より図3中に矢印Dで示す方向に、雌型入
子10を固定型母型9の凹部(収容部)9aに収容す
る。次に、押さえ部材71に螺合した引っかけ部材73
のリング体73aをクレーン等の吊り上げ、吊り下げ手
段(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引っかけ
て、上方より図3中に矢印Dで示す方向に、押さえ部材
71を下ろして、固定型母型9の凹部(収容部)9a内
に収容された雌型入子10を上方から押え込んで、雌型
入子10を固定型母型9の凹部(収容部)9a内に固定
する。
【0058】その後、固定型母型9と押さえ部材71と
を、複数のボルト51および複数のロックピン61によ
り固定する。次に、固定型母型9内に収容した型入子1
0の材料供給路12を鋳造機(図示せず)の材料供給路
(図示せず)に接続する。次に、鋳造機(図示せず)の
可動型ダイプレート(図示せず)を固定型ダイプレート
(図示せず)側へ移動し、可動型金型2と固定型金型3
とを閉じた状態にし、その後、鋳造機(図示せず)の溶
湯入り口穴(図示せず)より溶湯を供給して、雄型入子
8の雄型の彫刻面8aと雌型入子10の彫刻面10aと
の間に形成される空間(キャビティ)(図示せず)内に
溶湯を供給して、ダイカスト成形品を製造する。
【0059】ところで、上記と異なるダイカスト成形品
を製造する際に、この金型1を用いれば、可動型金型2
と固定型金型3の各々を、鋳造機(図示せず)の可動型
ダイプレート(図示せず)と、固定型ダイプレート(図
示せず)から取り外さずさないで、雄型入子と雌型入子
の交換作業を行うことができる。まず、可動型ダイプレ
ート(図示せず)に取り付けられた可動型金型2の押さ
え部材31から、ボルト51及びロックピン61を取り
外し、しかる後に、押さえ部材31に螺合した引っかけ
部材33のリング体33aをクレーン等の吊り上げ、吊
り下げ手段(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引
っかけて、上方に引き上げて、押さえ部材31を可動型
母型4から取り外す。また、くさび型部材41の螺合し
た引っかけ部材43のリング体43aをクレーン等の吊
り上げ、吊り下げ手段(図示せず)の引っかけ爪(図示
せず)に引っかけて、上方に引き上げて、くさび型部材
41をエジェクタベース6と一対の略L字形状の嵌合突
起82a、82aとの間に隙間Sから取り外す。
【0060】次に、雄型入子8の穴部24に引っかけ部
材23を螺合させた後、引っかけ部材23のリング体2
3aをクレーン等の吊り上げ、吊り下げ手段(図示せ
ず)の引っかけ爪(図示せず)に引っかけて、上方に引
き上げて、雄型入子8をエジェクタプレート6ととも
に、可動型母型4から取り外す。また、固定型ダイプレ
ート(図示せず)に取り付けられた固定型金型3の押さ
え部材71から、ボルト51及びロックピン61を取り
外し、しかる後に、押さえ部材71に螺合した引っかけ
部材73のリング体73aをクレーン等の吊り上げ、吊
り下げ手段(図示せず)の引っかけ爪(図示せず)に引
っかけて、上方に引き上げて、押さえ部材71を固定型
母型9から取り外す。
【0061】次に、雌型入子10の穴部14に引っかけ
部材13を螺合させた後、引っかけ部材13のリング体
13aをクレーン等の吊り上げ、吊り下げ手段(図示せ
ず)の引っかけ爪(図示せず)に引っかけて、上方に引
き上げて、雌型入子10を固定型母型9から取り外す。
以下、新たな雄型入子と雌型入子を準備した後、雄型入
子と雌型入子の各々を、鋳造機(図示せず)の可動型ダ
イプレート(図示せず)及び固定型ダイプレート(図示
せず)に取り付けられた可動型金型2と固定型金型3に
収容した後、上記と同様の手順により、ダイカスト成形
品を製造する。
【0062】以上、説明した通り、このダイカスト用金
型は、上方に開口部4hを有する凹部4aを有する可動
型母型4と、上方に開口部9hを有する凹部9aを有す
る固定型母型9とを用いているので、雄型入子8及び雌
型入子10を取り換える際に、雄型入子8を上方に引き
上げて可動型母型4から取り外すことができ、可動型母
型4の上方から雄型入子8を下ろすことにより、雄型入
子8を可動型母型4の取り付けることができ、雌型入子
10を上方に引き上げて固定型母型9から取り外すこと
ができ、固定型母型9の上方から雌型入子10を下ろす
ことにより、雌型入子10を固定型母型9に取り付ける
ことができる。
【0063】この金型1では、雄型入子8、雌型入子9
の取り換えを、上下方向で行えるようにし、クレーン等
の吊り上げ、吊り下ろし手段(図示せず)を用いること
ができるようにしたので、雄型入子8、雌型入子10の
交換作業を著しく容易に行うことができる。また、雄型
入子8の交換作業を上下方向の動作で行えるようになっ
たので、雄型入子8とエジェクタプレート6とを、とも
に上下方向で交換できるようにし、雄型入子8とエジェ
クタプレート6とを同時に取り付け、且つ、同時に取り
外すことができるようにしたので、雄型入子8、雌型入
子10の交換作業を著しく容易に行うことができる。
【0064】また、可動型母型4の後方に、突起壁部4
dを設け、雄型入子8の横方向への移動を阻止するとと
もに、可動型母型4の上方に開口部4hを有する凹部4
aを形成する両側面4s、4sに溝穴部4b、4bを設
け、雄型入子8の両側面8s2、8s2に、可動型母型
4の凹部4aの両側面4s、4sに設けられた溝穴部4
b、4bに嵌り合う突出部21a、21bを設け、突出
部21a、21bを可動型母型4の凹部4aの両側面4
s、4sに設けられた溝穴部4b、4bに嵌め合わせて
収容し、更に、可動型母型4の凹部4a内に収容された
雄型入子8を上方より押えて固定する押え部材31を嵌
合させて固定する構造としたので、雄型入子8が、しっ
かりと可動型母型4に取り付けられる。
【0065】且つ、固定型母型9の後方に、突起壁部9
dを設け、雌型入子10の横方向への移動を阻止すると
ともに、固定型母型9の上方に開口部9hを有する凹部
9aを形成する両側面9s、9sに溝穴部9b、9bを
設け、雌型入子10の両側面10s2、10s2に固定
型母型9の凹部9aの両側面9s、9sに設けられた溝
穴部9b、9bに嵌り合う突出部21a、21bを設
け、突出部21a、21bを固定型母型9の凹部9aの
両側面に設けられた溝穴部9b、9bに嵌め合わせて収
容し、更に、固定型母型9の凹部9a内に収容された雌
型入子10を上方より押えて固定する押え部材71を嵌
合させて固定する構造としたので、雌型入子10が、し
っかりと固定型母型9に取り付けられる。
【0066】このため、この金型1は、ダイキャスティ
ングの際に、雄型入子8、雌型入子10のがたつきが生
じ難いので、この金型1により製造されるダイカスト成
形品は、加工精度が優れている。また、ダイカスト成形
品に応じて、雄型入子8または雌型入子10と、エジェ
クタベース6を取り換えるだけで対応できるので、雄型
入子8または雌型入子10を収容する可動型母型4およ
び固定型母型9を、標準化し、共用するようにすれば、
金型の製造コストを押さえることができるので、ダイカ
スト成形品の製造コストを下げることができる。
【0067】また、このダイカスト用金型1は、雄型入
子8の両側面8s2、8s2および雌型入子10の両側
面10s2、10s2の各々に、それぞれの中心位置が
上下で整列しないように突設するように1組の突起21
a、21bを、各々、上下に設け、可動型母型4および
固定型母型9の各々に形成した凹部4aの両側面4s、
4sの溝穴部4b、4b、及び、凹部9aの両側面9
s、9sの溝穴部9b、9bに、雄型入子8の両側面8
s2、8s2および雌型入子10の両側面10s2、1
0s2の各々に形成された1組の突起21a、21bの
各々に対応するテーパ固定部4T1、4T2を対応して
形成した構造としている。このため、雄型入子8および
雌型入子10の各々を可動型母型4および固定型母型9
の各々に収容する際に、まず、1組の突起21a、21
bの下方側の突起21bを可動型母型4および固定型母
型9の各々に形成した凹部4a、9aの両側面の溝穴部
(4b、4b)、(9b、9b)に容易にはめることが
できる。しかも、雄型入子8及び雌型入子10の各々
が、可動型母型4および固定型母型9の各々内に、可動
型母型4および固定型母型9の各々に設けられた凹部4
aの両側面4s、4sの溝穴部4b、4b、凹部9aの
両側面9s、9sの溝穴部9b、9bをガイドとして収
容されるので、雄型入子8、雌型入子10の各々を可動
型母型4および固定型母型9の各々に収容する収容作業
が容易となる。
【0068】更に、可動型母型4および固定型母型9の
各々に、雄型入子8の両側面8s2、8s2および雌型
入子10の両側面10s2、10s2の各々に形成した
1組の突起21a、21bの各々に対応するテーパ固定
部4T1、4T2を対応して形成したので、一旦、雄型
入子8及び雌型入子10の各々が、可動型母型4及び固
定型母型9の各々にはまり合うと、1組の突起の上側の
突起21aとこれに対応するテーパ固定部4T1及び下
側の突起21bとこれに対応するテーパ固定部4T2で
それぞれが固定されるので、雄型入子8、雌型入子10
にがたつきが生じ難くいので、ダイキャスティングによ
り、加工精度に優れたダイカスト製品を作ることができ
る。
【0069】また、この金型1では、テーパ固定部4T
1、4T2のみを精度よく加工すればよいので、金型の
製造コストを低く押さえることができる。また、このダ
イカスト用金型1は、エジェクタベース6の大きさより
大きい空間部を有する嵌合突起82a、82aを押し出
し板82に形成し、押し出し板82に形成した嵌合突起
82a、82aにエジェクタベース6を上方より収容し
た後に、エジェクタベース6と嵌合突起82a、82a
との間で生じた隙間に、下方に細くなるテーパ形状の脚
部42、42を有したくさび型部材43を挟み込んで、
押し出し板82にエジェクタベース6を固定する構造と
したので、押し出し板82の嵌合突起82a、82a内
に、エジェクタベース6を収容し易く、また、くさび型
部材43をエジェクタベース6と嵌合突起82a、82
aとの間で生じた隙間Sから取り去ると、エジェクタベ
ース6と押し出し板82に形成した嵌合突起82a、8
2aとの間に隙間Sができるので、エジェクタベース6
を押し出し板82に形成した嵌合突起82a、82aの
上方へ、取り外し易い。
【0070】しかも、ダイキャスティングの際には、く
さび型部材43により、押し出し板82とエジェクタベ
ース6とが一体化されているので、所定のエジェクト効
果を得ることができる。また、この例では、押さえ部材
31、71、雄型入子8及び雌型入子10の各々を可動
型母型4及び固定型母型9の各々に上方から下方へ収容
し、下方から上方に取り外す構成としたので、クレーン
等の吊り下げ、吊り上げ手段を用いることができるの
で、雄型入子、雌型入子の交換作業を容易に行うことが
できる。
【0071】また、雄型入子8及び雌型入子10の各々
を可動型母型4及び固定型母型9の各々に上方から下方
へ収容し、下方から上方に取り外す構成としたので、雄
型入子8に取り付けられた冷却用パイプ13や、雌型入
子10に取り付けられた冷却パイプ18を、雄型入子
8、雌型入子10に取り付けたままで、交換できるの
で、雄型入子、雌型入子の交換作業を容易に行うことが
できる。
【0072】更に、このダイカスト金型1は、鋳造機
(図示せず)の可動型ダイプレート(図示せず)に可動
型母型4を、固定型ダイプレート(図示せず)に固定型
母型9を取り付けたままで、雄型入子、雌型入子の交換
作業が行えるので、雄型入子、雌型入子の交換作業を容
易に行うことができる。このダイカスト用金型1は、金
型が高温であるという過酷な環境下でも、雄型入子8、
雌型入子10の交換作業を短時間で容易に行うことがで
きるので、作業者の労力を軽減できるという効果があ
る。
【0073】尚、この具体例は、本発明を説明するため
に用いたものであって、本発明は、この具体例によっ
て、何等限定されることはない。例えば、可動型母型4
の上方に開口部を有する凹部4aの両側面4s、4sに
形成した溝穴部4b、4bとして、図7に示すような下
方に向かって先搾状に形成されたテーパ状の位置合わせ
溝25を形成し、雄型入子8の両側面8s2、8s2に
テーパ状の位置合わせ溝25に対応したテーパ状の突出
構造の突出部26を設ける構成としてもよい。
【0074】また、固定型母型9の溝穴部9b及び雌型
入子10の突出部21として、各々、図7に示すような
溝25及び突出部26と同様の構成を設けてもよい。こ
のような構成によっても、雄型入子8および雌型入子1
0の各々を、可動型母型4および固定型母型9の各々に
収容する際に、雄型入子8及び雌型入子10の各々の突
出部21を可動型母型4及び固定型母型9の溝穴部4
b、9bにはめ合わせやすく、且つ、雄型入子8、雌型
入子10の各々の突出部21、21を可動型母型4及び
固定型母型9の溝穴部4b、9bの上方向に抜き易いの
で、雄型入子8、雌型入子10の交換作業を容易に行え
る。
【0075】
【発明の効果】請求項1に記載の入子の取換え可能なダ
イカスト用金型では、上方に開口部を有する凹部を有す
る可動型母型と、上方に開口部を有する凹部を有する固
定型母型とを用いているので、雄型、雌型入子を取り換
える際に、雄型入子を上方に引き上げて可動型母型から
取り外すことができ、可動型母型の上方から雄型入子を
下ろすことにより、雄型入子を可動型母型の取り付ける
ことができ、雌型入子を上方に引き上げて固定型母型か
ら取り外すことができ、固定型母型の上方から雌型入子
を下ろすことにより、雌型入子を固定型母型の取り付け
ることができるので、雄型、雌型入子の取り換えを、ク
レーン等の吊り上げ、吊り下ろし手段を用いて行うこと
ができるので、雄型、雌型入子の交換作業を著しく容易
に行えることができる。
【0076】また、雄型入子の交換作業を上下方向の動
作で行えるようになったので、雄型入子とエジェクタピ
ンを有するエジェクタプレートを同時に取り付け、且
つ、同時に取り外すことができるので、雄型、雌型入子
の交換作業を著しく容易に行えることができる。しか
も、可動型母型の上方に開口部を有する凹部を形成する
両側面に溝穴部を設け、雄型入子の両側面に可動型母型
の開口部の両側面に設けられた溝穴部に嵌り合う突出部
を設け、突出部を可動型母型の開口部の両側面に設けら
れた溝穴部に嵌め合わせて収容し、更に、可動型母型の
凹部内に収容された雄型入子を上方より押えて固定する
押さえ部材を嵌合させて固定する構造とし、且つ、固定
型母型の上方に開口部を有する凹部を形成する両側面に
溝穴部を設け、雌型入子の両側面に固定型母型の凹部の
両側面に設けられた溝穴部に嵌り合う突出部を設け、突
出部を固定型母型の凹部の両側面に設けられた溝穴部に
嵌め合わせて収容し、更に、固定型母型の凹部内に収容
された雌型入子を上方より押えて固定する押さえ部材を
嵌合させて固定する構造としたので、雄型入子が、しっ
かりと可動型母型に取り付けられ、且つ、雌型入子が、
しっかりと固定型母型に取り付けられているので、ダイ
キャスティングの際に、雄型、雌型入子のがたつきが著
しく減少しているので、この装置により製造されるダイ
カスト成形品は、加工精度が優れている。
【0077】また、ダイカスト成形品に応じて、雄型ま
たは雌型入子と、エジェクタベースを取り換えるだけで
対応できるようにしてあるため、雄型または雌型入子の
外枠となる可動型母型と固定型母型は共用できるので、
金型の製造コストを低く押さえることができる。したが
って、この金型は、少量多品種の成形品を製造する場合
に特に有益である。
【0078】請求項2に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、雄型入子および雌型入子の両側面の
各々には、それぞれの中心位置が上下で整列しないよう
に突設するように1組の突起を上下に設け、可動型母型
および固定型母型の各々に形成した凹部の両側面の溝穴
部には、雄型入子および雌型入子の両側面の各々に形成
された1組の突起の各々に対応するテーパ固定部を対応
して形成した構造としたので、雄型入子および雌型入子
の各々を可動型母型および固定型母型の各々に収容する
際に、まず、1組の突起の下方側の突起を可動型母型お
よび固定型母型の各々に形成した凹部の両側面の溝穴部
に容易にはめることができ、しかも、雄型入子及び雌型
入子の各々が、可動型母型および固定型母型の各々に、
可動型母型および固定型母型の各々に設けられた凹部の
両側面の溝穴部をガイドとして収容されるので、雄型入
子、雌型入子の各々を可動型母型および固定型母型の各
々に収容する収容作業が容易となる。
【0079】しかも、可動型母型および固定型母型の各
々に、雄型入子および雌型入子の両側面の各々に形成し
た1組の突起の各々に対応するテーパ固定部を対応して
形成したので、一旦、雄型入子と可動型母型及び雌型入
子と固定型母型の各々がはまり合うと、1組の突起の上
側の突起とこれに対応するテーパ固定部及び下側の突起
とこれに対応するテーパ固定部でそれぞれが固定される
ので、雄型入子、雌型入子にがたつきが生じ難くい。
【0080】したがって、ダイキャスティングの際に、
雄型、雌型入子のがたつきが生じにくいので、加工精度
に優れたダイカスト製品を作ることができる。更に、可
動型母型および固定型母型の各々に、雄型入子および雌
型入子の両側面の各々に形成した1組の突起の各々に対
応するテーパ固定部のみを加工精度よく形成すればよい
ので、金型の製造コストを低くすることができる。
【0081】請求項3に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、可動型母型および固定型母型の各々
の開口部の両側面に形成した溝穴部を、下方に向かって
先搾状に形成されたテーパ状の位置合わせ溝の形状に
し、雄型入子および雌型入子の各々の両側面に形成され
た突出部を、テーパ状の位置合わせ溝に対応したテーパ
状の突出構造としたので、雄型入子および雌型入子の各
々を、可動型母型および固定型母型の各々に収容する際
に、雄型入子及び雌型入子の各々の突出部を可動型母型
及び固定型母型の溝穴部にはめ合わせやすく、且つ、雄
型入子、雌型入子の各々の突出部を可動型母型及び固定
型母型の溝穴部の上方向に抜き易いので、雄型、雌型入
子の交換作業が容易である。
【0082】しかも、可動型母型および固定型母型の各
々の凹部の両側面に形成したテーパ状の位置合わせ溝に
対応させて、雄型入子および雌型入子の各々の両側面に
テーパ状の突出構造の突出部を形成したので、一旦、雄
型入子と可動型母型及び雌型入子と固定型母型の各々が
はまり合うと、雄型入子及び雌型入子にがたつきが生じ
難くい。したがって、ダイキャスティングの際に、雄
型、雌型入子のがたつきが生じにくいので、加工精度に
優れたダイカスト製品を作ることができる。
【0083】請求項4に記載の入子の取換え可能なダイ
カスト用金型では、エジェクタベースの大きさより大き
い嵌合突起を押し出し板に形成し、押し出し板に形成し
た嵌合突起にエジェクタベースを上方より収容した後
に、エジェクタベースと嵌合溝との間で生じた隙間に、
下方に細くなるテーパ形状の脚部を有したくさび型部材
を挟み込んで、押し出し板にエジェクタベースを固定す
る構造としたので、押し出し板の嵌合突起内に、エジェ
クタベースを収容し易く、また、くさび型部材をエジェ
クタベースと嵌合溝との間で生じた隙間から取り去る
と、エジェクタベースと押し出し板に形成した嵌合突起
との間に隙間ができるので、エジェクタベースを押し出
し板に形成した嵌合突起の上方へ、取り外し易い。
【0084】しかも、ダイキャスティングの際には、く
さび型部材により、押し出し板とエジェクタベースとが
一体化されているので、所定のエジェクト効果を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例としてのダイキャス
ト用金型の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示すダイキャスト用金型の可動型金型の
分解斜視図である。
【図3】図1に示すダイキャスト用金型の固定型金型の
分解斜視図である。
【図4】雄型入子を可動型母型の凹部(収容部)内に収
容したり、可動型母型の凹部(収容部)から取り外した
りする際の動作原理を概略的に示す図である。
【図5】ダイブロックにエジェクタベースを取り付ける
際に、くさび型部材の果たす役割、および、ダイブロッ
クからエジェクタベースを取り外す際に、くさび型部材
の果たす役割を概略的に示す斜視図である。
【図6】可動型母型と押さえ部材との取り付け構造を示
す図である。
【図7】可動型母型と押さえ部材との取り付け構造を示
す図である。
【図8】従来のダイカスト用金型を概略的に示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 ダイカスト用金型 2 可動型金型 3 固定型金型 4 可動型母型 4a 凹部(収容部) 4b 溝穴部 4h 開口部 4s1 可動型母型の正面 4bs1 第1の形成面 4bs2 第2の形成面 4T1、4T2 テーパ固定部 5 エジェクタピン 6 エジェクタベース 7 ダイブロック 8 雄型入子 8a、10a 彫刻面 8s1 正面 8s2 雄型入子の両側面 9 固定型母型 10 雌型入子 12 材料供給路 13 冷却用パイプ 14 湯道 15 湯溜り 16 エジェクタピン挿通用孔 19 ゲート 21、26 突出部 21a、21b 突起 23 引っかけ部材 23a リング体 23b 軸 23c ネジ山 24 穴部 25 位置合わせ溝 31、71 押さえ部材 31a、71a 押さえ部材の突出部 33、43、73 引っかけ部材 33a、43a、73a リング体 34、44 穴部 41 くさび型部材 42 脚部 51 ボルト 52、53 ボルト孔 61 ロックピン 62、63 ロックピン挿入用孔 81、82 押し出し板 82a 嵌合突起 H 嵌合突起の高さ d エジェクタベースの厚さ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/22 B22C 9/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エジェクタピンを備えるエジェクタベース
    を内蔵させるダイブロックを後方に連結させた可動金型
    と、鋳造機の溶湯供給手段に連結される材料供給路を形
    成した固定金型とを対向配置させた成形金型であって、 上記可動金型は、 上方に開口部を有する凹部と、前記凹部の両側面に設け
    られた溝穴部とを備える可動型母型と、 上記可動型母型の凹部の両側面に設けられた溝穴部に嵌
    り合う突出部を両側面に有し且つ正面に所定形状の雄型
    の彫刻面を有する雄型入子と、 押え部材とを備え、 上記雄型入子は、上記突出部を上記可動型母型の凹部の
    両側面に設けられた溝穴部に嵌め合わせて、上記可動型
    母型の凹部に収容され、 更に、上記可動型母型の凹部内に収容された雄型入子を
    上方より上記押え部材により押えて固定する構造となっ
    ており、 上記固定金型は、 上方に開口部を有する凹部と、前記凹部の両側面に設け
    られた溝穴部とを備える固定型母型と、 上記固定型母型の凹部の両側面に設けられた溝穴部に嵌
    り合う突出部を両側面に有し且つ正面に所定形状の雌型
    彫刻面を有する雌型入子と、 押え部材とを備え、 上記雌型入子は、上記突出部を上記固定型母型の凹部の
    両側面に設けられた溝穴部に嵌め合わせて、上記固定型
    母型の凹部に収容され、 更に、上記固定型母型の凹部内に収容された雌型入子を
    上方より上記押え部材により押さえて固定する構造とし
    た、入子の取換え可能なダイカスト用金型。
  2. 【請求項2】上記雄型入子の、上記可動型母型の凹部の
    両側面の各々に設けられた溝穴部に嵌り合う突出部は、
    それぞれの中心位置が上下で整列しないように設けられ
    た、上下に突設する1組の突起であり、 上記雌型入子の、上記固定型母型凹部の両側面の各々に
    設けられた溝穴部に嵌り合う突出部は、それぞれの中心
    位置が上下で整列しないように設けられた、上 下に突設
    する1組の突起であり、 上記可動型母型および上記固定型母型の各々に形成した
    開口部の両側面の溝穴部には、上記雄型入子および上記
    雌型入子の両側面の各々に形成された1組の突起の各々
    に対応するテーパ固定部を対応して形成した構造とし
    た、請求項1に記載の入子の取換え可能なダイカスト用
    金型。
  3. 【請求項3】上記可動型母型および上記固定型母型の各
    々の上方に開口部を有する凹部の両側面に形成した溝穴
    部が、下方に向かって先搾状に形成されたテーパ状の位
    置合わせ溝となっており、 上記雄型入子および上記雌型入子の各々の両側面に形成
    された突出部を、上記テーパ状の位置合わせ溝に対応し
    たテーパ状に突出させる構造とした、請求項1に記載の
    入子の取換え可能なダイカスト用金型。
  4. 【請求項4】上記ダイブロックは、固定金型方向へ移動
    可能に設けられた押し出し板を有しており、上記押し出
    し板には、上記エジェクタベースを上方より出し入れ可
    能に収容させる上方が開口した嵌合突起が形成されてお
    り、この嵌合突起に収容された上記エジェクタベース
    を、上記エジェクタベースと上記嵌合突起との間で生じ
    た隙間に、2本の下方に細くなるテーパ形状の脚部を有
    したくさび型部材を挟み込んで固定する構造とした、請
    求項1、2または3に記載の入子の取換え可能なダイカ
    スト用金型。
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