JP2952246B1 - 食品の加熱処理方法 - Google Patents

食品の加熱処理方法

Info

Publication number
JP2952246B1
JP2952246B1 JP21636998A JP21636998A JP2952246B1 JP 2952246 B1 JP2952246 B1 JP 2952246B1 JP 21636998 A JP21636998 A JP 21636998A JP 21636998 A JP21636998 A JP 21636998A JP 2952246 B1 JP2952246 B1 JP 2952246B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
storage bag
heat treatment
food storage
adhesive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21636998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000043825A (ja
Inventor
正 橋本
好正 兀下
邦夫 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUSHIN SHOKUHIN KK
Original Assignee
NITSUSHIN SHOKUHIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUSHIN SHOKUHIN KK filed Critical NITSUSHIN SHOKUHIN KK
Priority to JP21636998A priority Critical patent/JP2952246B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2952246B1 publication Critical patent/JP2952246B1/ja
Publication of JP2000043825A publication Critical patent/JP2000043825A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Package Closures (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 食品を食品収容袋内に収容させた状態で加熱
処理を行うにあたり、食品収容袋内に雑菌等が混入する
のが抑制がされると共に、加熱処理後に熱シールを行う
という面倒な操作を行う必要がなく、また強度の高い食
品収容袋を用いなくとも、食品収容袋が加熱処理時に破
れたりするということがなく、食品の加熱処理が簡単且
つ適切に行えるようにする。 【解決手段】 食品1を食品収容袋10内に収容させた状
態で加熱処理を行う食品の加熱処理方法において、少な
くとも食品収容袋を密封させるシール部13に低融点の接
着性フィルム12を用い、この食品収容袋内に食品を収容
させると共に、シール部の一部に接着性フィルムが接着
されていない通気部14を設けた状態で加熱処理を行い、
加熱処理後に、通気部における接着性フィルムが勝手に
接着されて、食品収容袋が密封されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食品を加熱殺菌
する等の目的で、食品を食品収容袋内に収容させた状態
で加熱処理を行う食品の加熱処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、インスタント食品等において
は、麺類、米飯等の食品の保存性を高めるために、この
ような食品を食品収容袋内に収容させて加熱処理すると
共に、この食品収容袋を密封状態にして外気から遮断す
るようにしていた。
【0003】そして、このように食品を食品収容袋内に
収容させて加熱処理すると共に、この食品収容袋を密封
させるにあたっては、主に、次の2つの方法が用いられ
ていた。
【0004】第1の方法としては、食品を食品収容袋内
に収容させ、この食品収容袋を密封させない状態で加熱
処理を行った後、この食品収容袋におけるシール部を熱
シールして食品収容袋を密封させるようにする。一方、
第2の方法としては、食品を収容させた食品収容袋を密
封させた状態で加熱処理を行うようにする。
【0005】しかし、上記の第1の方法のように、食品
収容袋を密封させない状態で加熱処理を行った後、この
食品収容袋のシール部を熱シールすることは面倒であ
り、また加熱処理から熱シールまでの間に食品収容袋内
に雑菌等が混入して、食品の保存性が悪くなる等の問題
があった。
【0006】一方、第2の方法のように、食品を収容さ
せた食品収容袋を密封させた状態で加熱処理を行う場
合、食品収容袋内における空気が加熱処理により膨張
し、食品収容袋内の圧力が高くなって食品収容袋が破れ
たりする問題があり、また食品収容袋が破れるのを防止
するためには、強度の高い食品収容袋を用いなければな
らず、そのコストが高くつく等の問題があった。
【0007】特に、食品を収容させた食品収容袋を密封
させた状態で加熱処理する前記第2の方法の問題点は、
低温殺菌と呼ばれる加熱殺菌方法を用いる場合において
大きな問題であった。
【0008】ここで、低温殺菌は、高温での加熱処理が
望ましくない食品を加熱殺菌する方法であり、低温の殺
菌条件でも保存性を持たせるために、食品のpHを通常
4.6以下にし、この食品を食品収容袋内に密封状態に
して収容させ、常圧下において蒸気中等で100℃以下
で加熱処理する方法であり、生タイプ麺LL等に使用さ
れている技術である。そして、このように低温殺菌する
場合には、レトルト殺菌(加圧加熱殺菌)のように、加
圧雰囲気下において加熱処理しないため、密封された食
品収容袋内は、加熱により膨張した空気と食品から発生
する水蒸気とによって内部圧力が上昇し、レトルト殺菌
の場合と比較して、さらに食品収容袋が破裂する等の危
険性が高いものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、食品を食
品収容袋内に収容させた状態で加熱処理を行う食品の加
熱処理方法における上記のような様々な問題を解決する
ことを課題とするものである。
【0010】すなわち、この発明においては、食品を収
容させた食品収容袋を密封させない状態で加熱処理を行
った後、この食品収容袋のシール部を熱シールする場合
のように、加熱処理後に食品収容袋内に雑菌等が混入し
て食品の保存性が悪くなったり、加熱処理後に熱シール
を行うという面倒な操作を行う必要がなく、また食品を
収容させた食品収容袋を密封させた状態で加熱処理を行
う場合のように、強度の高い食品収容袋を用いなくと
も、食品収容袋が加熱処理時に破れたりするということ
がなく、食品の加熱処理が簡単且つ適切に行えるように
することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明における食品の
加熱処理方法においては、上記のような課題を解決する
ため、食品を食品収容袋内に収容させた状態で加熱処理
を行う食品の加熱処理方法において、少なくとも食品収
容袋を密封させるシール部に低融点の接着性フィルムを
用い、この食品収容袋内に食品を収容させると共に、上
記のシール部の一部に接着性フィルムが接着されていな
い通気部を設けた状態で加熱処理を行い、加熱処理後に
上記の通気部における接着性フィルムが勝手に接着され
て、後に食品収容袋が密封されるようにしたのである。
【0012】そして、この発明における食品の加熱処理
方法のように、食品収容袋を密封させるシール部に低融
点の接着性フィルムを用い、このシール部の一部に接着
性フィルムが接着されていない通気部を設けた状態で、
この食品収容袋内に収容された食品を加熱処理すると、
加熱により食品収容袋内において膨張した空気等は上記
の通気部を通して食品収容袋内から外部に放出され、食
品収容袋内の圧力が高くなって食品収容袋が破れるとい
うことがない。
【0013】また、上記のように加熱処理すると、食品
収容袋のシール部における低融点の接着性フィルムが軟
化し、加熱処理後に、この食品収容袋内の内圧が低下す
ると、上記の通気部が閉塞されると共に、この通気部に
おいて軟化した接着性フィルムが接着されて、食品収容
袋が勝手に密封されるようになり、食品収容袋内に雑菌
等が混入するのが抑制されて、食品の保存性が低下する
のが防止されるようになる。
【0014】ここで、上記の食品収容袋のシール部に接
着性フィルムを用いるにあたり、この接着性フィルムの
融点が高すぎると、加熱処理によって接着性フィルムが
充分に軟化されず、通気部における接着性フィルムがう
まく接着されなくなって食品収容袋が密封されなくなる
ため、この接着性フィルムの最低の転移温度Tgと加熱
処理を行う温度Tsとの関係がTg−5℃≦Ts、さら
に好ましくはTg≦Tsの条件を満たすようにする。
【0015】また、加熱処理する温度が高くし過ぎる
と、この接着性フィルムが軟化し、先に接着されたシー
ル部の一部が剥離したり、シール部が変形して波打った
状態になったり、変色したりするため、接着性フィルム
の最低の転移温度Tgと加熱処理を行う温度Tsとの関
係が、Ts≦Tg+80℃の条件を満たすことが好まし
い。
【0016】しかし、食品の場合、180℃等の高温で
の殺菌処理は通常行われないので、シールの一部が剥離
する等の問題が生じることはまず無い。
【0017】一般に、食品の加熱殺菌は、前述の低温殺
菌の場合で約90〜100℃、加熱条件の厳しいレトル
ト殺菌でも通常110〜125℃程度で行われている。
従来は、これらの加熱殺菌の加熱温度に対して充分に融
点の高い接着性フィルムを用いていたのに対し、本発明
では、従来のものより低融点のものが用いられる。すな
わち、従来用いられていた接着性フィルムの融点は、こ
れら殺菌のための加熱温度より充分に高いものが使用さ
れていたのに対して、本発明ではそれぞれの殺菌方法の
加熱温度に近い、具体的には、接着性フィルムの最低の
転移温度Tgが、好ましくは加熱温度Ts+5℃以下と
いう、従来のフィルムよりも低融点の接着性フィルムが
用いられる。
【0018】例えば、上記の低温殺菌のように、常圧下
おいて100℃の蒸気中等で加熱する場合に使用するフ
ィルムとしては、その最低の転移温度Tgが105℃以
下、好ましくは100℃以下のものを用いるようにす
る。そして、このような最低の転移温度Tgを有する接
着性フィルムを構成する材料としては、例えば、低密度
直鎖状ポリエチレンや、未延伸ポリプロピレン、エチレ
ンビニルアセテート共重合体等の材料を使用することが
できる。また、このような接着性フィルムの具体的な例
としては、タマポリ(株)製のSE605M(商品
名)、積水フィルム東日本(株)製のM340(商品
名)、アイセロ化学(株)製のV941(商品名)、東
洋紡(株)製のL4104(商品名)、三菱化学興人パ
ック(株)製のメタロエース(商品名)等が挙げられ
る。
【0019】また、上記の食品収容袋におけるシール部
の一部に接着性フィルムが接着されていない通気部を設
ける場合において、この通気部の幅を狭くしすぎると、
加熱処理時に食品収容袋内において膨張した空気等が、
この通気部を通して外部に充分に放出されなくなり、食
品収容袋内の圧力が高くなって食品収容袋が破れたりす
る一方、この通気部の幅を大きくしすぎると、加熱処理
後にこの食品収容袋内の内圧が低下した場合に、この通
気部に皺等が発生し、この通気部における接着性フィル
ムが接着された場合にも隙間が生じて、食品収容袋を確
実に密封させることができなくなるため、好ましくは、
この通気部の幅が1〜10mmの範囲になるようにす
る。
【0020】また、加熱処理後に通気部における接着性
フィルムが接着されて食品収容袋が確実に密封されるよ
うにするためには、この食品収容袋のシール部に設ける
通気部を階段状やS字状等に形成して、この通気部の長
さを長くし、このように長くなった通気部の何れかの位
置で接着性フィルムが接着されて、食品収容袋が密封さ
れるようにすることが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る食品の加熱処
理方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0022】この実施例においては、食品収容袋10を
形成するにあたり、図1に示すように、膜厚が15μm
になったナイロン製の表面フィルム11と、転移温度T
gが約95℃の低密度ポリエチレン(タマポリ社製:S
E605M)で構成されて膜厚が40μmになった接着
性フィルム12とをドライラミネートさせた積層フィル
ム10aを用いるようにした。しかし、食品収容袋10
に使用するフィルムは特にこのようなものに限定され
ず、押し出し成形によってナイロン製の表面フィルム1
1と接着性フィルム12とを積層させたものや、接着性
フィルム12だけで構成されたものを用いることも可能
である。なお、転移温度Tgは、JISK 7121に
規定される示差走査熱量測定に準拠して測定した値であ
る。
【0023】そして、上記の積層フィルム10aを接着
性フィルム12が内側に位置するようにして長方形状に
折り畳み、図2に示すように、その一辺が開口できるよ
うにして、他の三辺を熱シールにより接着性フィルム1
2相互を接着させて、他の三辺に幅が10mmのシール
部13を設け、縦160mm,横140mmの袋状にな
った食品収容袋10を形成した。
【0024】次に、上記のようにして袋状に形成された
食品収容袋10内に、食品1としてpHを約4.3に調
整した180gの茹で麺1を収容させると共に、図3及
び図4に示すように、この食品収容袋10において開口
されている一辺の一部を残して熱シールにより接着性フ
ィルム12相互を接着させて、幅が10mmのシール部
13を設けると共に、この一辺の部分において接着性フ
ィルム12相互が接着されていない通気部14を設け、
この通気部14における幅dが5mmになるようにし
た。
【0025】次いで、このように食品収容袋10内に茹
で麺1を収容させた状態で、蒸気槽内において、加熱処
理温度Tsを100℃にして常圧下で約30分間加熱処
理を行い、食品収容袋10内における茹で麺1を加熱殺
菌させた。
【0026】ここで、このように茹で麺1が収容された
食品収容袋10を加熱処理した場合、食品収容袋10内
における空気等が膨張するが、膨張した空気等は食品収
容袋10における上記の通気部14を通して食品収容袋
10内から外部に放出され、食品収容袋10内の圧力が
高くなって食品収容袋10が破れるということがなく、
また通気部14における接着性フィルム12相互が加熱
処理時に接着するということもなかった。
【0027】また、このように茹で麺1が収容された食
品収容袋10を加熱処理すると、通気部14における接
着性フィルム12が軟化して接着しやすくなり、加熱処
理後に、この食品収容袋10内の内圧が低下すると、図
5に示すように、上記の通気部14が閉じて接着性フィ
ルム12相互が接触し、軟化した接着性フィルム12相
互が接着されて食品収容袋10が密封された状態となっ
た。密封状態は完全であって、食品収容袋10内に雑菌
等が入り込むということがなく、この食品収容袋10内
に収容された茹で麺1を常温で1ヶ月間室内で保存して
保存性試験を行ったところ、1ヶ月保存後においても食
品収容袋10内に収容された茹で麺1が変質、腐敗する
ということがなく、保存性も向上していた。
【0028】なお、この実施例における食品の加熱処理
方法においては、食品1を収容させた食品収容袋10を
密封させるシール部13の一部に通気部14を設けるに
あたり、この通気部14を直線状に設けるようにした
が、加熱処理後において通気部14における接着性フィ
ルム12相互が接着されて食品収容袋10が確実に密封
されるようにするためには、図6に示すように、食品収
容袋10のシール部13に設ける通気部14を階段状に
形成して、この通気部14の長さを長くし、このように
長くなった通気部14の何れかの位置で接着性フィルム
12が接着されて、食品収容袋10が密封されるように
することが好ましい。
【0029】(実験例1〜9)これらの実験例において
は、表面フィルム11に積層させる接着性フィルム12
を上記の実施例の場合と変更させ、下記の表1に示すよ
うに、実験例1では膜厚が20μm、転移温度Tgが1
05℃のポリエチレン(以下、PEと略す。)を、実験
例2では膜厚が40μm、転移温度Tgが99℃,11
3℃,121℃の3つの値をもつ低密度直鎖状ポリエチ
レン(以下、LLDPEと略す。)を、実験例3では膜
厚が50μm、転移温度Tgが95℃,116℃,12
2℃の3つの値をもつLLDPEを、実験例4では膜厚
が40μm、転移温度Tgが100℃,119℃,12
3℃の3つの値をもつLLDPEを、実験例5では膜厚
が50μm、転移温度Tgが102℃,113℃の2つ
の値をもつLLDPEを、実験例6では膜厚が60μ
m、転移温度Tgが122℃のLLDPEを、実験例7
では膜厚が50μm、転移温度Tgが122℃のLLD
PEを、実験例8では膜厚が20μm、転移温度Tgが
120℃の未延伸ポリプロピレン(以下、CPPと略
す。)を、実験例9では膜厚が20μm、転移温度Tg
が90℃のCPPを用いるようにした。
【0030】そして、上記の実施例の場合と同様に、表
面フィルム11にこれらの接着性フィルム12を積層さ
せた各積層フィルム10aを、接着性フィルム12が内
側に位置するように折り畳み、図2に示すように、開口
させる一辺を残して、他の三辺を熱シールにより接着性
フィルム12相互を接着させて幅が10mmになったシ
ール部13を設け、縦150mm,横150mmの袋状
になった各食品収容袋10を形成した。
【0031】次に、上記の各食品収容袋10内に、食品
1としてpHを約4.3に調整した約170gの茹で麺
1を収容させ、図3及び図4に示すように、各食品収容
袋10において開口されている一辺の一部を残して熱シ
ールにより接着性フィルム12相互を接着させて、幅が
10mmのシール部13を設けると共に、この一辺の部
分において接着性フィルム12相互が接着されていない
通気部14を設け、この通気部14における幅dが5m
mになるようにした。
【0032】そして、このように各食品収容袋10内に
茹で麺1を収容させた状態で、蒸気槽内において、加熱
処理温度Tsを99℃にして常圧下で約30分間加熱処
理を行い、食品収容袋10内における茹で麺1を加熱殺
菌させた。
【0033】このようにして茹で麺1が収容された各食
品収容袋10を加熱処理した後、各食品収容袋10にお
ける上記の通気部14の状態を観察して、通気部14の
密封状態を評価し、その結果を下記の表1に合わせて示
した。なお、密封状態の評価については、通気部14が
完全に極めて良好に密封された場合を○、実用上問題と
ならない程度に一応密封されている場合を△、通気部1
4が密封されなかった場合を×で示した。
【0034】
【表1】
【0035】この結果から明らかなように、接着性フィ
ルム12における最低の転移温度Tgと、加熱処理温度
Tsとの関係がTg−5℃≦Tsの条件を満たす実験例
2〜5,9のものにおいては、加熱処理後において食品
収容袋10における通気部14が密封された状態となっ
た。
【0036】これに対して、接着性フィルム12におけ
る最低の転移温度Tgが高く、上記の条件を満たしてい
ない実験例1,6〜8のものにおいては、加熱処理後に
おいて食品収容袋10における通気部14がうまく密封
されず、食品収容袋10内に収容された茹で麺1は数日
で変質した。
【0037】また、上記の実験例3,5,6,8,9に
おける各食品収容袋10を使用し、乾燥条件下におい
て、下記の表2に示すように、加熱処理温度Tsを14
0℃〜200℃の範囲で変化させてそれぞれ15分間加
熱処理を行い、加熱処理後において、各食品収容袋10
の通気部14の状態を観察し、通気部14の密封状態を
上記の表1の場合と同様にして評価すると共に、各食品
収容袋10の状態を調べて、その結果を表2に合わせて
示した。なお、加熱処理後における各食品収容袋10の
状態については、変化がなかった場合には何も記載せ
ず、先に熱シールしたシール部13の一部に剥離が生じ
た場合には「剥離」、食品収容袋10が変色した場合に
は「変色」、食品収容袋10が波打った状態になった場
合には「たわみ」、接着性フィルム12が溶解して流れ
た跡が観察された場合には「液化」として記載した。
【0038】
【表2】
【0039】この結果、接着性フィルム12の種類によ
って異なるが、一般に、接着性フィルム12における最
低の転移温度Tgより、加熱処理温度Tsが80℃以上
高くなると、先に熱シールしたシール部13の一部が剥
離する等の問題が生じ、このため、通常、接着性フィル
ムの最低の転移温度Tgと加熱処理を行う温度Tsとの
関係がTs≦Tg+80℃の条件を満たすことが好まし
かった。ただし、密封性については200℃においても
良好であり、食品の保存性には問題がないものと考えら
れた。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
食品の加熱処理方法においては、食品収容袋を密封させ
るシール部に低融点の接着性フィルムを用い、このシー
ル部の一部に接着性フィルムが接着されていない通気部
を設けた状態で、この食品収容袋内に収容された食品を
加熱処理するようにしたため、加熱により食品収容袋内
において空気等が膨張しても、膨張した空気等は通気部
を通して食品収容袋内から外部に放出され、食品収容袋
内の圧力が高くなって食品収容袋が破れるということが
なかった。
【0041】さらに、上記のように加熱処理すると、食
品収容袋のシール部における低融点の接着性フィルムが
軟化し、加熱処理後に、この食品収容袋内の内圧が低下
すると、通気部が勝手に閉塞されると共に、この通気部
において軟化した接着性フィルム相互が接着されて、食
品収容袋が勝手に密封されるようになり、加熱処理後に
熱シール等を行う必要がなくなると共に、食品収容袋内
に雑菌等が混入するのも抑制されて、食品の保存性が低
下するということもなく、食品の加熱処理が簡単且つ適
切に行えるようになった。
【0042】特に、この発明における食品の加熱処理方
法は、食品のpHを4.6以下にして、常圧下において
蒸気中等で100℃以下の温度で加熱処理するいわゆる
低温殺菌方法において有効であった。すなわち、低温殺
菌の場合、レトルト殺菌のように食品が収容された食品
収容袋を加圧雰囲気下において加熱処理しないため、食
品収容袋が破裂しやすくなり、そのため食品収容袋の材
質を強固なものにする必要があったが、この発明におけ
る食品の加熱処理方法によると、食品収容袋に強固な材
質を用いなくても、食品収容袋の破裂が抑制されると共
に、加熱処理後に食品収容袋が勝手に密封された状態に
なり、長期保存した場合においても、食品収容袋内に収
容された食品が変質したり腐敗するということがなく、
食品収容袋内に収容された食品の保存性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る食品の加熱処理方法に
おいて、食品を収容させる食品収容袋を形成するのに用
いた積層フィルムの断面図である。
【図2】同実施例において、上記の積層フィルムを用い
て食品収容袋を袋状に形成した状態を示した平面図であ
る。
【図3】同実施例において、食品収容袋内に食品を収容
させると共に、食品収容袋を密封させるシール部の一部
に通気部を設けた状態を示した平面図である。
【図4】同実施例において、食品収容袋内に食品を収容
させると共に、食品収容袋を密封させるシール部の一部
に通気部を設けた状態を示した断面図である。
【図5】同実施例において、食品収容袋内に食品を収容
させた状態で加熱処理を行った後、食品収容袋のシール
部に設けられた通気部が接着されて食品収容袋が密封さ
れた状態を示した断面図である。
【図6】同実施例において、食品収容袋のシール部に設
ける通気部の変更例を示した部分平面図である。
【符号の説明】
1 食品(茹で麺) 10 食品収容袋 12 接着性フィルム 13 シール部 14 通気部 d 通気部の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−76304(JP,A) 特開 昭57−153805(JP,A) 特開 昭56−113529(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65B 7/00 - 7/28 B65B 51/00 - 51/32 B65B 53/00 - 55/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品を食品収容袋内に収容させた状態で
    加熱処理を行う食品の加熱処理方法において、少なくと
    も食品収容袋を密封させるシール部に低融点の接着性フ
    ィルムを用い、この食品収容袋内に食品を収容させると
    共に、上記のシール部の一部に接着性フィルムが接着さ
    れていない通気部を設けた状態で加熱処理を行い、加熱
    処理後に上記の通気部における接着性フィルムが勝手に
    接着されて、食品収容袋が密封されるようにしたことを
    特徴とする食品の加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した食品の加熱処理方法
    において、上記のシール部に用いた接着性フィルムにお
    ける最低の転移温度Tgと、加熱処理を行う温度Tsと
    の関係が、Tg−5℃≦Tsの条件を満たすことを特徴
    とする食品の加熱処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した食品の加熱処
    理方法において、上記のシール部において接着性フィル
    ムが接着されていない通気部の幅を1〜10mmの範囲
    にしたことを特徴とする食品の加熱処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載した食
    品の加熱処理方法において、上記の加熱処理を加圧しな
    い条件下で行うことを特徴とする食品の加熱処理方法。
JP21636998A 1998-07-31 1998-07-31 食品の加熱処理方法 Expired - Fee Related JP2952246B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21636998A JP2952246B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 食品の加熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21636998A JP2952246B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 食品の加熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2952246B1 true JP2952246B1 (ja) 1999-09-20
JP2000043825A JP2000043825A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16687505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21636998A Expired - Fee Related JP2952246B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 食品の加熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2952246B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176542A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Showa Highpolymer Co Ltd 電子部品用透明包装袋体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000043825A (ja) 2000-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0887285B1 (en) Vacuum packaging bag and vacuum packaging method
US4687688A (en) Oriented multiple layer films and bags made therefrom
US6189694B1 (en) Sterilizable flexible pouch package
JPS5922751A (ja) 滅菌可能な調理用収縮フイルム
WO1996019383A1 (en) Steam-sterilizable flexible pouch package
JPH02180129A (ja) 酸素遮断レトルトパウチ
US5653090A (en) Sterilizable flexible pouch package
BR0106850B1 (pt) aperfeiçoamento introduzido em filme irradiado biaxialmente orientado.
JP2004115053A (ja) 電子レンジ用包装材料およびそれを用いた包装袋
JP2952246B1 (ja) 食品の加熱処理方法
JP2000190912A (ja) 電子レンジ対応包装材料、それを用いた包装袋及び容器
JPH1017030A (ja) 包装袋
US10973602B2 (en) Pouches with multi-layer walls for improved durability and protection of medical devices
JP2017171361A (ja) 包装袋
JP2991526B2 (ja) トレイ包装体
JP2005047604A (ja) 蒸気抜き機能を有する包装袋とそれを用いた包装体
JP2000264381A (ja) 電子レンジ加熱用食品の収容袋
JPH03213335A (ja) 包装用積層フィルム
JPH0691808A (ja) 機能性食品包装材料及びそれを用いた食品容器
JP3105101B2 (ja) 多層フィルム及び容器
JP3031027U (ja) 脱気包装用袋
JPH046904Y2 (ja)
JPH08253268A (ja) 脱気包装袋及びこれを用いた包装方法
JP2021024583A (ja) 電子レンジ用包装袋及びその包装体の加熱処理方法
JPH09142541A (ja) 電子レンジ加熱用食品の収容袋

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees